企業和井田製作所東証スタンダード:6158】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1) 経営方針

 当社グループは、コアの技術である精密工作機械製造技術、制御技術、研削加工技術を基盤とし、お客様との直接対話によって開発した独創的な工作機械を、最良の品質と最善のコストでお客様に提供するとともに、コアの技術と製品を継続的に進化させ、お客様の更なる満足に応えることを経営の基本方針に掲げ、特殊研削盤分野でのトップメーカーを目指してまいります。

(2) 経営環境

 当社グループは、高精度・高品質・高能率・全自動による硬脆材料(超硬合金、セラミックス、CBN、ダイヤモンド焼結体等)の研削という特殊技術に特化した、特殊研削盤を開発・製造しております。当社グループが所属する工作機械業界全体の市場規模が約1兆円であるのに対し、当社グループの売上高は約70億円程度と小規模でありますが、当社の製造する研削盤は世界でも限られたメーカーしか製造していない、特殊な技術を要する機械であり、ニッチな市場において高いシェアを獲得することで、強固な経営基盤と高い収益力を確保してまいりました。当社の主要な市場は切削工具関連市場と金型関連市場の2つとなっており、それぞれの市場の現状や経営環境は以下のとおりであります。

(切削工具関連市場)

 当社の主要な市場の1つは切削工具メーカーをお客様とする切削工具関連市場であり、当社はその市場向けに切削工具関連研削盤を製造・販売しております。お客様である切削工具メーカーは当社の研削盤を用いてスローアウェイチップ(刃先交換工具)等の切削工具を加工・製造し、自動車、航空機、鉄道、建設機械等の各部品メーカーはその切削工具を用いて金属部品を加工・製造しております。

 切削工具研削盤のうち、スローアウェイチップの外周加工に用いられる全自動インサート研削盤については、競合メーカーは世界で2社のみ、特殊な刃先形状の加工に用いられる全自動溝入れインサート研削盤については、競合メーカーは世界で1社のみとなっており、競合他社の少ないニッチな市場において、高いシェアを獲得しております。なお、2023年3月期における切削工具関連研削盤の売上高は当社グループの総売上高の54.0%を占めております。

(金型関連研削盤)

 当社の主要な市場の1つは精密金型メーカー等をお客様とする金型関連市場であり、当社はその市場向けに金型関連研削盤を製造・販売しております。お客様である精密金型メーカーは当社の研削盤を用いて精密金型を加工・製造し、精密コネクタ等の各部品メーカーはその精密金型を用いて精密部品を加工・製造しております。なお、最終需要先はスマートフォン、タブレット、パソコン、LED等であります。

 金型関連研削盤のうち、高精度金型部品や特殊工具等の加工に用いられるプロファイル研削盤については、競合メーカーは世界で1社のみ、精密金型プレート、治具等の穴加工、輪郭形状加工に用いられるジグ研削盤については、競合メーカーは世界で3社のみとなっており、切削工具関連研削盤同様に、競合他社の少ないニッチな市場において、高いシェアを獲得しております。なお、2023年3月期における金型関連研削盤の売上高は当社グループの総売上高の28.1%を占めております。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題及び経営戦略

 上記のとおり、当社はニッチ市場において高いシェアを獲得するという経営戦略をとっておりますが、ニッチ市場に特有のものとして、以下の2点を、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として認識しております。

・市場規模が限定的であるため業容の拡大が制限されること

・販売先が特定の業種に集中しているため景気変動の影響を受けやすいこと

また、当社グループを取り巻く経営環境として、少子高齢化及び人材の流動化に伴う人手不足、原材料や燃料費の高騰、中国やロシア等の政治情勢などのリスク要因が挙げられます。こうした課題に対処し、持続的な成長と安定した収益を確保するため、次のような施策を進めております。

①グローバルニッチトップをめざした海外市場展開

 国内市場では既に一定のシェアを確保しておりますが、海外市場においてはシェア拡大の余地が残されています。中国、アジア、欧州、アメリカに設置した各拠点を活用しニッチトップ戦略をグローバルに展開することにより、さらなる成長をめざします。なお、欧州については、2022年5月に子会社であるWAIDA Europe GmbHを設立し、欧州地域における販売促進や販売後のサポートの強化を図っております。

 また、当社グループの生産する製品は大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれがある貨物として、貨物及び技術の提供等につき外為法に基づく輸出管理の対象となっております。安全保障輸出管理につきましても、輸出管理専門の部署を設置し、輸出関連法規の遵守に関する内部規定及びマニュアルの厳格な運用に努めることにより、今後も重点課題として厳正に対応してまいります。

②戦略製品の開発と新製品の投入

 主要な取引分野である金型関連業界及び切削工具関連業界に対応する戦略製品の開発と新製品の投入により、より一層の需要の開拓と新たな用途・分野への需要拡大をめざします。当連結会計年度におきましては、2022年11月に開催された「JIMTOF2022」に、新機種であるデジタルプロファイル研削盤「SPG-XV」、レンズ金型向けジグ研削盤「SJG-L1」、全自動インサート外周研削盤「APX-40」、溝入れインサート研削盤「DCG-G1」を出展いたしました。「Next-Generation Grinding with WAIDA Machine」をテーマに、新製品の出展の他、リモートシステムによる遠隔メンテナンスの実演を行うなど、お客様と直接対話をしながら、積極的なアピールを行いました。

③新分野への製品展開

 特定の業種への集中から脱却し、新たな事業分野へ進出することにより、企業成長の柱を創出することをめざすべく、長年にわたり培ってきたコア技術である高精度、高品質、高生産性をもとに、新分野の製品を開発し積極的に市場参入を試みていきます。なお、以前より製造を行っておりました半導体関連研削盤については、半導体不足による需要の高まりを受け大口の受注を獲得するなど一定の成果を得ております。さらなる新分野についても研究開発を進めてまいります。

④経営基盤の強化

 急激な景気変動や外部環境の変化に対応するため、以下のような施策により経営基盤の強化を図っております。

 a.利益体質の強化

 機械1台ごとの原価管理、効率化や精度向上のための改善活動、厳格な予算管理による販管費の抑制等により、利益体質の強化を図っております。

 b.業務システムの改善

 業務のシステム化や、業務システムの改善により業務効率化を図っております。

  c.サプライチェーンの確保

 仕入先との綿密な調整や、仕入状況の定期的なモニタリングにより、安定的なサプライチェーンの確保に努めております。

 d.スキル保有者の雇用継続と次世代への継承

 熟練技術者の技術の活用と次世代への技術継承の促進を図っており、2020年4月より定年延長制度の導入を行っております。

 特に少子高齢化及び人材の流動化に伴う人手不足は深刻なリスク要因となっていることから、雇用条件の改善や地域連携型のインターンシップ等による積極的な人材確保を行っております。また、製品品質の向上やアフターサービスの拡充によりお客様の信頼を獲得し、営業基盤を強化することで安定的な収益の確保に努めてまいります。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループは、継続的な進化によりお客様の更なる満足に応えることを経営の基本方針として掲げており、そのために営業基盤の強化による持続的な成長と安定した収益の確保を経営の重要なものと位置付けております。このような理由から、当社グループは「経常利益率」を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。2024年3月期は切削工具関連研削盤については国内外において引き続き旺盛な需要が継続すると見込まれているものの、金型関連研削盤については中国における受注が弱含むと見込まれていることや、大型の設備投資による減価償却費負担や欧州子会社における営業経費の増加等の影響により、経常利益率は前年同期と比較して低下すると見込まれております。なお、2024年3月期は第2四半期累計で売上高3,734百万円に対し経常利益561百万円(経常利益率15.0%)、通期で売上高7,681百万円に対し、経常利益979百万円(経常利益率12.8%)を見込んでおります。

 本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

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