企業北川鉄工所東証スタンダード:6317】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

①ガバナンス

 当社は、経営環境の激しい変化に対応すべく、経営の効率化・意思決定の迅速化や経営の透明性の確保が必要不可欠であると考えております。そのため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つとして位置付け、企業の健全性を確保し、企業価値の増大を図り、企業の社会的責任を果たす事業活動の展開に努めております。気候関連課題や自然資本・循環型社会などを含めた環境課題全体の基本方針や重要事項・目標設定は取締役会で審議・決定いたします。取締役および執行役員には、グループの意思決定およびサステナブル経営を含む監督を高いレベルで行うために、必要な経験、高い見識、高度な専門性を有する人材を配置しております。サステナブル経営を推進していくために、会長を委員長、全取締役を委員とした全社リスク管理委員会(開催頻度:1回以上/年)を設置し、経営課題の一つの環境課題について協議・決定し、グループ全体戦略へ反映しております。環境課題を含む各カンパニーを取り巻くリスクについては、各カンパニーにカンパニー社長を委員長、カンパニー副社長及び部門長を委員としたリスク管理委員会(開催頻度:1回以上/年)を設置し、更にリスク管理委員会の委員長が必要に応じてリスク対策チームを設置し、環境課題に関する取り組みを管理・推進しております。コーポレート部門は、経営管理本部長を委員長、部門長を委員としたリスク管理委員会を設置しております。また、各リスク管理委員会では、取り組みの実施状況のモニタリングを行い、定期的に全社リスク管理委員会へ報告することで、取締役会の監督が適切に図られる体制をとっております。

②リスク管理

 当社では、全社リスク管理委員会および各カンパニー・コーポレート部門にリスク管理委員会を設置し、気候変動に伴う外部環境分析をもとに、環境課題に係わるリスクの特定、経営・財務などへの影響および発生可能性に基づき、その重要度を評価し、対応を協議・決定しております。また、新たな気候変動リスクも含み体系的にリスクを特定・評価し、取り組みを当社の事業戦略・実行計画に落とし込み、論議しながら管理・推進しております。取り組みの実施状況については、各リスク管理委員会においてモニタリングを行い、その内容を全社リスク管理委員会に報告しております。不測の事態が発生したときは、全社リスク管理委員会を中心に、損害の発生防止およびその極小化に万全を図ります。

(2)重要なサステナビリティ項目

 上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は「気候変動」および「人的資本」と認識しております。「気候変動」および「人的資本」に係る当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

①気候変動について

a.ガバナンス

 気候変動に対する「ガバナンス」はサステナビリティ全般における「ガバナンス」に組み込まれております。詳細は、(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理をご参照ください。

b.戦略

当社は、2030年および2050年における社会動向や規制動向などを予測し、TCFD提言が示す気候関連リスクと機会の枠組みに基づき、気候変動に伴うリスクと機会の項目を社内関係者とディスカッションしながら起こりうる事業インパクトを評価、検討いたしました。決定された気候変動におけるリスクについては、必要に応じて重点経営リスクとして管理・アクションプランの策定など具体的な対策の計画・実行を進めております。(長期経営計画「Plus Decade 2031」)

・シナリオ分析の前提

 当社のシナリオ分析においては、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える努力を追求する」というパリ協定目標の達成と脱炭素社会の実現を見据え、1.5℃シナリオを中心に2℃シナリオも検討いたしました。さらに、世界的に気候変動対策が十分に進展しない場合も想定して、4℃シナリオも検討いたしました。

1.5℃および2℃シナリオは、温暖化抑止に向けて技術革新や規制強化が進み、社会が変化するもので、移行に伴う機会とリスクとして検討し、4℃シナリオは、十分な温暖化抑止がなされずに酷暑や激甚な暴風雨などが発生するもので、物理的影響に伴う機会とリスクとして検討いたしました。

 脱炭素社会への移行リスク(主に1.5℃シナリオによる)

セグメント
(注2)

項 目

 事業インパクト

財務影響
(注1)

顕在時期

 主な対応

KMT

KST

KGh

政策・
法規制

炭素税導入によるコスト増加
(注3)

▼▼

5~10年

省エネ推進、生産性向上によるコスト低減 太陽光発電など再生エネルギーの利用

技術

市場ニーズ製品対応への技術
追従遅れによる売上減少

3~5年

グリーンイノベーション基金等の活用 および外部機関との共同を含めた開発推進

 

市場

電気自動車の増加および
新車販売台数の減少による
関連部品の売上減少

3~5年

EV関連および自動車関連以外への販売拡販

 

原材料・エネルギー価格
上昇によるコスト増加

▼▼

 3年未満

付加価値の向上および商品への価格転嫁 生産性向上によるコスト低減

 気候変動の物理的影響に関連したリスク(4℃シナリオによる)

セグメント
(注2)

項 目

 事業インパクト

財務影響
(注1)

顕在時期

 主な対応

KMT

KST

KGh

平均気温の上昇

 熱中症などの健康被害低減対策

▼▼

5~10年

設備対応など熱中症対策の推進

自然災害の激甚化

 洪水による浸水被害

5~10年

生産拠点での発生確率は低い
2018年西日本豪雨災害実績

 気候変動関連の機会

セグメント
(注2)

項 目

 事業インパクト

財務影響
(注1)

顕在時期

 主な対応

KMT

KST

KGh

脱炭素化への対応

エネルギー関連設備、自動化などの省エネ商品ニーズによる売上増加

▲▲

 3~5年

エネルギー関連設備、自動化関連向けの省エネ商品の市場投入、販売強化

 

再生可能エネルギー利用によるコスト削減

 3~5年

太陽光発電設備の設置

(注1)財務影響における各記号の影響額については、次のとおりです。

   影響 ▲▲、▼▼:1~5億円、▲、▼:1億円未満

(注2)事業セグメントの各略称の内容については、次のとおりです。

   KMT:金属素形材事業、KST:産業機械事業、KGh:工作機器事業

(注3)炭素税の金額は、3,500円/t-CO₂として試算しております。

c.リスク管理

 気候変動に対する「リスク管理」はサステナビリティ全般における「リスク管理」に組み込まれております。詳細は、(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理をご参照ください。

d.指標及び目標

 当社では、気候変動に伴うリスクと機会を評価・管理するための指標として、2030年度および2050年度に向けた数値目標の設定を検討しております。現在、国内単体のScope1,2について温室効果ガス(主にCO2)排出量の把握し、省エネの推進、太陽光発電の活用などの取り組みを進めております。また、海外も含めたグループ全体およびScope3についても、今後集計の精緻化を図るとともに開示可能となった段階で改めて開示いたします。


②人的資本について

a.人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

 当社は、「社員の成長が企業の成長へとつながる」という考えのもと、誰もが仕事にやりがいを感じ、成長できる企業を目指します。一人一人が自ら学習し、思考し、行動する人材となるよう、性別や家庭事情による障壁をなくし誰もが活躍できる環境整備のため、次の方針を掲げ、具体的な施策の計画・実行を進めております。

・働きやすい環境整備

 子育てや介護、持病など様々な状況に応じたワークライフバランスを支援する為の各種制度の新設・充実を推進しております。

 また、一人ひとりが安心して働ける職場構築を目指し、「対話」を中心としたコミュニケーションの拡充を進めております。

・成長できる環境の構築

 成長や働きがいを実感し、自律した活力ある人材の育成を目指し、自己啓発支援やキャリア形成支援のためのさまざまな取り組みを実施しております。

 一人ひとりのキャリアパス支援、技術者を中心としたスペシャリスト制度などの仕組づくりを推進してまいります。

・ジェンダーギャップの解消

 イノベーションを創出し、持続的な成長を実現する為には、多様な人材を活かすことが必要ですが、それにはまずは、女性が当たり前に活躍する環境を整えることが重要であると考えております。

 前述の働きやすい環境整備に加えて、ジェンダーギャップの本質的な解消に向け、長期的に女性比率を拡大し、無自覚な常識、固定的な見方の払拭への取り組みを推進してまいります。

b.人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

 女性活躍推進の一つの指標である男女の賃金の差異は71.5%となっています。当社では、同じ役割であれば男女で賃金の差は設けていないため、この差は、主に給与の高い管理職以上の社員における男性比率が高いことによるものです。そのため、男女の賃金の差異の解消の方針として、女性活躍推進の取り組みにより、女性の定着をさらに向上するとともに、管理職や指導職の女性比率を女性社員比率に対して適正に上げることを実行していきます。

 当社はジェンダーギャップ解消の指標及び目標を次のとおりとしております。

 

2026年度までの目標

2031年度までの目標

実績(当連結会計年度)

女性正社員比率

15.0%

20.0%

12.7%

女性指導職比率(注)

7.0%

10.0%

5.3%

女性管理職比率

5.0%

10.0%

3.4%

(注) 指導職とは、課長級より下位の役職全般を指します。 (事務系・技能系) 
 

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