企業兼大株主出光興産東証プライム:5019】「石油・石炭製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)2050年ビジョン

 当社は、2050年カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けて、2022年11月に2050年ビジョン「変革をカタチに」を策定しました。「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の3つの事業領域で変革を具現化していくことで、人びとの暮らしを支える責任と未来の地球環境を守る責任を果たしていきます。

(2)2030年ビジョン

2030年ビジョン「責任ある変革者」の実現に向けて、事業構造改革投資と人的資本投資の両輪により事業ポートフォリオの転換を進めます。

 また、カーボンニュートラルの実現に向けては、非連続的な技術革新が必要となる一方で、エネルギーと素材の供給においては、人々の暮らしや産業を支える不可欠なものとして、連続性を伴ったトランジションが必要となります。そこで2030年ビジョン「責任ある変革者」として進める打ち手を、2040年、2050年と着実に具現化・社会実装を進めることで、2050年ビジョン「変革をカタチに」の実現を目指します。

(3)中期経営計画(2023~2025年度)の取組み

 当社は2022年11月の中期経営計画公表以降、資本市場をはじめとしたステークホルダーとの対話を重ね、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応への観点も踏まえて、取締役会等において継続的に議論を行ってまいりました。中期経営計画初年度である2023年度においては、収支および財務状況の改善が想定を上回る進捗であったことから、2025年度のROE(8%→10%以上)およびROIC(5%→7%)目標の上方修正を行い、あわせて達成に向けた道筋を明確化しました。

 株主還元方針についても、3ヵ年累計の在庫影響除き当期利益に対し総還元性向50%以上の株主還元を行う方針は維持しつつ、1株当たり配当金を「24円」から「32円」へ引き上げるとともに、下限配当を「32円」に設定したことに加え、株価水準を意識した機動的な自己株式取得を実施することについて公表しました。

 既存事業における資本効率の更なる向上、キャッシュアロケーションの再構築の両取り組みを通じ、2025年度目標および早期のPBR1.0倍の達成を目指します。

2025年度の経営目標の見直しと達成に向けた道筋

*1 大きな外部環境影響を除いて比較する為、燃料油セグメントのタイムラグ影響、

 資源セグメントの石炭価格(実績を25年度計画前提120$/tへ)等を補正した数値

*2 2022年11月中期経営計画公表時の当初目標8%

①既存事業における資本効率の更なる向上

 資本効率の更なる向上により、2025年度ROIC目標7%(既存事業)、及び営業利益+持分法投資損益2,300億円へ上方修正しました。各セグメントの課題に対する具体的な取り組みを強力に推進することにより、2025年度目標を達成します。

(燃料油+基礎化学品セグメント)

 西部石油の精製機能停止などを通じた投下資本の圧縮を進める一方、成長余地の高いバイオ系燃料等の海外事業拡大、NSRPの収益改善(2025年度黒字化へ)、富士石油との資本業務提携を軸とした既存燃料油事業のシナジー創出、国内外マージンの改善等を推進します。

(高機能材セグメント)

 機能化学品の事業見直しによる不採算事業からの撤退に加え、潤滑油事業、電子材料事業等での収益改善とM&Aを含む戦略投資を推進します。

(電力・再生可能エネルギーセグメント)

BOT(Build Operate and Transfer)事業、海外ガス火力事業の戦略再構築やソーラーフロンティアの収益改善(2025年度黒字化へ)等の構造改革を推進します。

(資源セグメント)

 石炭関連の権益集約による投下資本を圧縮する一方、安定供給の継続を通じて高い資本収益性を確保しつつ、リチウム、バナジウムなどの権益の取得により、既存アセットを活かしたポートフォリオ転換を推進します。

(共通)

 全社、組織横断でのDXの推進、調達機能集約化による生産性向上やコスト低減を通じ、各セグメントの資本収益性の改善を更に後押していきます。

*1 既存事業計にはコーポレート費用等を含む

*2 ROIC値の分子はNOPATを用いて算出

*3 投下資本のうち、土地は時価評価で算出、燃料油の備蓄借入は実質的な負担が生じない為除外

②キャッシュアロケーションの再構成

 ア.「CNに資する新規事業」16PJのスクリーニング結果

 中期経営計画で掲げた16の新規事業プロジェクトについて、市場の蓋然性、当社既存アセットの活用度、有力事業パートナーの有無、当社の技術優位性などの基準をもとに投資スクリーニングを行い、2050年のカーボンニュートラルに向け取り組むべき投資として以下重点4事業を設定しました。

2030年までの早期実装、2030年代以降の収益化に向け、Key Success Factorを設定して取り組みを推進します。

*企業名は敬称略

 イ.投資配分(2023~2030年度)

 投資スクリーニングや本中計期間中のキャッシュ・フロー増分を踏まえ、2023~2030年度の戦略投資を、時間軸をもとに整理しました。2030年までのキャッシュ・フローおよびROIC向上に資する投資(成長投資:既存戦略投資、及び主に多様な省資源・資源循環ソリューション、スマートよろずや関連投資)による既存事業の収益力強化を通じて、ROIC/ROE目標を達成するとともに、2050年カーボンニュートラルに向け取り組むべき投資(CN投資:主に一歩先のエネルギー関連投資)を約8,000億円計画し、GHG削減や事業ポートフォリオ転換を着実に進めます。

 ウ.株主還元方針と自己資本の適正化(2023~2025年度)

 中期経営計画初年度である2023年度の順調な滑り出しを踏まえて2023~2025年度の利益、及びキャッシュ・フローを見直した結果、いずれも中期経営計画を大きく上回る見込みであり、財務体質の改善が大きく進んだことなどから、株主還元方針に加えて、自己資本の適正化を目的とした1,000億円の追加的な自己株式取得を実施します。

 エ.3ヵ年キャッシュ・フロー配分

(2023~2025年度)

2025年度ROE10%の達成に向けた具体策を踏まえた3ヵ年のキャッシュインは中期経営計画対比2,200億円増加する見込みであり、この増加分は、①戦略投資(CN投資、成長投資)、②株主還元、③財務構成の見直しへ、それぞれ以下の通り充当します。

③GHG削減目標の達成に向けて

2030年度△46%(Scope1+2、2013年度対比)の削減目標に向け、2023年度末時点で必要削減量730万tの約20%に削減の目途が立っており、引き続き目標達成に向け取り組みを加速します。

(主な取り組み)

 製油所統廃合/稼働減:西部石油精製機能停止、エルモーデュ・アクリル酸装置停止、千葉地区クラッカー停止検討他

 排出量削減     :事業所、製造設備の省エネ投資、燃料転換の検討他

 吸収・除去等    :森林投資、苫小牧CCS他

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

①セグメント毎の課題

 当社のセグメント毎の具体的な課題は以下のとおりです。

 ア.燃料油セグメント

(ア)石油精製の最適化とCNXセンター化の取り組み

 石油精製については、長期的なコスト競争力向上と設備信頼性向上のために、継続的且つ効率的に投資を行っていくとともに、国内の需要動向に合わせた最適な製油所体制を目指します。また、カーボンニュートラルの実現に向けて、製油所・事業所機能を転換していくCNXセンター化を進めています。コンビナートの広大な敷地や大型船が入れる桟橋、タンク群などの既存設備は、バイオマス燃料をはじめ、水素・アンモニアや合成燃料などの製造や貯蔵、使用済みプラスチックのリサイクルなどに活用できるポテンシャルを有しており、各製油所・事業所の特性に合わせた取り組みを検討しています。

(イ)燃料油事業の海外展開

 アジア・太平洋地域におけるトレーディング事業、ベトナムにおけるニソン製油所の操業とSSの展開、北米における卸事業、豪州における卸小売事業の展開を通じて、海外での燃料油事業を推進していきます。ニソン製油所については、安定操業を継続し、コスト適正化により引き続き収益改善に取り組みます。また、これまで培った知見を活用し、脱炭素関連商材の調達にも取り組みます。

(ウ)特約販売店ネットワークの基盤強化

 特約販売店のネットワークは、燃料油、ガス等の、地域で必要となるエネルギー供給の担い手です。特約販売店の収益力強化のため、また、地域の抱える課題の解決に貢献するために、今まで培ってきたリテール施策を通じて、コンサルティング、情報処理、商品・サービスの開発・投入を行い、より一層強固な関係を構築していきます。当社の最大の「資産」である特約販売店とのネットワークは、2021年4月より展開を開始したSS新ブランドapollostationを通じて、スマートよろずやを展開し、それぞれのまちの人と豊かなくらしをサポートしていきます。具体的には、「いろんなa!を、このまちに。」の新スローガンのもと、人と「多様なエネルギー」をつなぐエネルギーよろずや、人と「これからの移動」をつなぐモビリティよろずやを柱に、地域の暮らしを支える生活支援基地へと進化していきます。

 また、デジタル技術(ICT)を活用した出荷予測、SS在庫情報、船舶、ローリー運行状況等の情報をリアルタイム且つ双方向に高度に連携することで、物流システムの最適化、サービスの向上を実現しつつ、物流の需要密度低下と現場人材不足に対応していきます。

 イ.基礎化学品セグメント

 燃料油事業との連携による原料多様化・留分最適化を追求するとともに、保全費や維持更新投資をはじめとしたコスト削減や物流最適化に取り組み、国内事業の収益基盤の安定化を図ります。具体的には2023年に稼働を開始した愛知事業所パラキシレン製造装置の活用により、余剰となるガソリン基材を付加価値の高い化学品に転換するケミカルシフトを継続していくほか、オフサイトファシリティの合理化による輸送効率の向上、DXの導入などによる保安の高度化や保全工事仕様の最適化を進め、設備の信頼性向上とコスト競争力強化の両立に取り組みます。また基幹装置であるエチレン装置については、三井化学㈱との折半出資である千葉ケミカル製造有限責任事業組合における連携を一歩進め、将来的な出光装置停止、三井化学装置への集約を目的とした詳細検討を開始します。余剰能力の削減による生産最適化を進め稼働率の向上を図ることで一層の競争力強化を図ります。

2050年カーボンニュートラル実現に向けては、「バイオ化学品の供給」と「ケミカルリサイクルによる資源循環システムの確立」を推進します。バイオ化学品については、海外から調達したバイオナフサを原料とした化学品のマーケティングを強化し需要拡大を図るとともに、SAF事業との連携により、将来的なバイオナフサの自社製造化を進めていきます。ケミカルリサイクルに関しては、使用済みプラスチックを原料に原油代替となる生成油を生産する油化装置を千葉事業所に建設し、2025年度の商業生産開始を目指します。カーボンニュートラル化を推進するにあたっては製油所・事業所の既存設備を活用するだけではなく、グループ企業の㈱プライムポリマー、PSジャパン㈱を含めた化学品のバリューチェーン全体でよりサステナブルな事業へ進化させるべく変革を推進します。

 ウ.高機能材セグメント

(ア)潤滑油事業

 お客様が抱えている課題やニーズに沿った商品開発・提案を推進します。特にカーボンニュートラルの取り組み進展により、需要が拡大しているEVに適合する製品や、省エネ・省資源に資する製品の上市、拡販に取り組みます。

 海外においては出光ブランドモーターオイル「IBMO(Idemitsu Brand Motor Oil※)シリーズ」の展開により、出光ブランドの強化を図り、更なる収益拡大を目指します。

※Idemitsu Brand Motor Oil:海外において展開されている出光ブランドのエンジンオイル

(イ)機能化学品事業

 技術・商品の優位性が重要視される分野に経営資源を集約し、成長拡大を図ります。エンプラ・コンパウンド事業に注力、次世代モビリティ、高速通信分野のニーズに対応する開発を加速、また、電動・電化、ICTを成長領域とし、分子設計、配合技術を駆使、機能材料事業の用途開発を推進します。CNXセンター構想と連携、カーボンニュートラルにも取組み、現・中期経営計画で掲げた事業構造改革を着実に実行していくとともに、先進マテリアルカンパニーが目指す3つの成長事業領域での新規事業創出に積極的にも参画・推進していきます。

(ウ)電子材料事業

 有機ELディスプレイは、スマートフォンやテレビといった既存用途に加え、今後はノートパソコン・タブレット端末・車載(産業用ディスプレイ)への適用拡大が期待されており、有機EL材料市場の成長が見込まれます。そのような需要拡大や韓国及び中国における国産化の流れに対応するため、海外顧客との接合強化による自社材料の採用拡大を目指し、現地の研究開発機能強化を推進します。更に、日本の研究開発機能では将来の技術動向を先取りした差別化技術の開発に取り組みます。また、市場環境の変化に柔軟に対応するため、日本・韓国・中国の3拠点での効率的な経営体制の構築を推進します。

(エ)高機能アスファルト事業

2024年度は、国土交通省が打ち出した「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の4年目であり、継続して国内の道路舗装需要は堅調に推移するものと予測され、インフラ公共資材としての安定供給に努めていきます。高機能アスファルト分野においては、顧客、社会のニーズに基づき舗装の長寿命化やカーボンニュートラルの実現に向けた製品・技術開発を推進するとともに、海外事業においては、マレーシアにおける高機能アスファルトの事業会社を設立し、マレーシア高速道路運営会社等への販売開始し、同国でのインフラ整備に貢献していきます。

(オ)農薬・機能性飼料事業

 近年、農作物の生産量低下に繋がる、薬剤耐性を獲得した病害虫・雑草の発生が問題となっています。農薬事業では本課題に対し、国内では耐性菌発生事例の無い殺菌剤「ダコニール」の普及推進、海外では難防除雑草に対して優れた除草効果を示す水稲除草剤「ベンゾビシクロン」の普及拡大等に継続的に取り組みます。

 機能性飼料事業では近年の世界的な気候変動の流れを受け、家畜が排出する温室効果ガスの1種であるメタンガスが問題視されています。本課題に対し、牛の生産性維持及びメタンガスの排出削減効果が期待されるカシューナッツ殻液を含む機能性飼料の国内外での販売推進に継続的に取り組みます。

(カ)全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)向け固体電解質

 全固体電池は、主にEVの航続距離拡大、充電時間の短縮、安全性向上といった性能ニーズに応える技術として実用化と普及拡大が期待される次世代電池です。当社はそのキーマテリアルである固体電解質を開発しています。

 量産に向けては、現在稼働中の2つの小型実証設備での実証を足掛かりに、次のステージとなる大型パイロット装置での量産技術の確立※とその先の事業化を目指します。また、材料メーカー、自動車メーカーなどとの協力も進めており、お互いのニーズを把握しながら、それぞれの知見や技術力を活かした迅速な開発を推進します。固体電解質の性能向上及び量産技術開発を加速させ、世の中に広く使っていただける固体電解質と全固体電池の量産実現を目指します。

※NEDO「グリーンイノベーション基金事業 次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトに採択

 エ.電力・再生可能エネルギーセグメント

 国内においては、競争力ある火力電源を始め、風力、太陽光、バイオマスといった多様な再生可能エネルギー電源など、多様なポートフォリオで構成された発電所を活用し、安定的で低炭素社会の実現に貢献する電力供給を行っています。また、太陽光発電事業では、EPC事業を始めとする太陽光発電所の開発、長期安定利用の取り組みに加え、将来的に大量廃棄が見込まれるパネルのリサイクル・リパワリングなど循環型社会への対応も進めており、ライフサイクル全体を通じたソリューションを提供していきます。更に、今後進展する分散型社会に向けて、再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせた需給調整ビジネスにも取り組みます。海外においても脱炭素の潮流は国内と同様であり、北米や東南アジアにおける太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業を展開しています。加えて、北米におけるガス火力発電事業にも取り組んでいます。

 オ.資源セグメント

 ロシア・ウクライナ問題によりエネルギーセキュリティの強化が求められる中で、継続して安定供給を行うために、既存の石油、石炭の資源資産価値の維持・向上とアジア圏でのガス田開発に取り組みます。石炭については、環境負荷低減を図る中で、石炭を代替するためのバイオマス燃料生産に向けて取り組むとともに、オーストラリアでの事業基盤を活用して、レアメタル鉱山事業への参入や鉱山資産を活用した再生可能エネルギー事業に取り組みます。また、地熱開発については、大分県での地熱事業の維持・継続と秋田県での新規発電所建設を着実に行うとともに、新規事業の調査・実証を進めます。

②財務上の課題

2030年に向けた事業構造転換を着実に推進するための適切なキャッシュ・フロー配分を実施するとともに、財務基盤強化と資本効率性のバランスを考慮した財務戦略を進めていきます。

 なお、今中期経営計画の期間中には、財務構成の見直しとして1,000億円の自己株取得を決定しています。

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