企業兼大株主内田洋行東証プライム:8057】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 研究開発費の総額は1,174百万円であります。

 なお、主な研究開発活動の内容については、次のとおりであります。

 主な研究開発

(1)大規模テストに対応可能な安定的かつ柔軟なCBTシステム運用技術の研究開発

 CBT(Computer-Based Testing)については、民間分野の各種資格試験への採用のほか、司法試験への採用が検討されるなど着実な広がりを見せています。また、学校教育分野においては、令和5年度全国学力・学習状況調査における英語話すこと調査が初めてCBT方式で実施されるなど、急速に利用が進みました。

 当社では、国際技術標準であるQTI(Question and Test Interoperability)(※1)等に対応したオープンソースソフトウェア(※2)「TAO」を活用し、これまでCBTシステムの開発を行ってまいりましたが、「文部科学省CBTシステム(MEXCBT:メクビット)」に採用されるなど導入実績が着実に増加しています。合わせて、小規模なテストから、同一時間帯に数万人が同時受検するような大規模な調査まで様々な規模のテストに対し、クラウドコンピューティング技術を高度に適用することで、安定的かつ柔軟にシステムを運用する技術開発を進めています。

 また、2023年5月には、「TAO」の開発会社であるOpen Assessment Technologies S.A.社(本社:ルクセンブルク)を完全子会社化しました。今後は両社の連携を更に強め、ノウハウを活用して国内のCBT市場の拡大と学習デジタルエコシステム構築に取り組んでいきます。

(※1) QTI…テスト項目の相互利用を可能とする国際技術標準

(※2) オープンソースソフトウェア(OSS)…ソースコードを無償で公開し、誰でも自由に改良・再配布ができるようにしたソフトウェア

(2)「SmartOfficeNavigator」等による、働き方と働く場の最適化を支援するための統合プラットフォームの研究開発

 働き方や働く場の変容はコロナを経験することで一気に進みましたが、当社はコロナ禍以前より、「SmartOfficeNavigator」を中核として、人と場に関するデータを基に働き方と働く場を最適化するための統合プラットフォームの研究開発に取り組んできました。この「SmartOfficeNavigator」により、人の居場所やこの先の予定を把握し、会議室の予約状況や様々な場の利用状況・混雑状況等を会議室予約システム「SmartRooms」や在席検知システム「RoomSense」とも連携させる事で、統一されたユーザーインターフェースでオフィスワーカーに提供できるようにしています。また、設備制御やAV制御システムとも連携する事で、働く場の環境情報を把握し、照明や空調の制御を行う事も可能にしました。加えて、位置情報を活用して、省エネにつながる行動を促すナビゲーション機能の研究開発も進めています。

 ハイブリッドワーク時代の多様な働き方を支える統合プラットフォームとして、「SmartOfficeNavigator」をさらに進化させていくべく取り組んで参ります。

(3)オフィスにおける生産性・創造性を高める場を構成する製品の研究開発

 在宅ワークやオンラインワークが拡大したコロナ禍を経て、オフィスの在り方に対する経営者の関心が高まるなかで、個々のワーカーの生産性とチームの創造性を高める場を構成する製品の研究開発を行いました。

 期中に発表した「TeamBase(チームベース)」において躍動的なコラボレーションを促すツール「Puller(プラー)」シリーズの拡張開発と、仕事の内容に応じてレイアウト変更が容易な可動式デスク「Felvect(フェルベクト)」開発を行いました。いずれもワーカー自身が柔軟にオフィス空間を使用できるよう、可動性や配線機能に注力して設計を行った製品です。

 また、積極的なオフィス回帰の流れのなかで、個々の社員がより快適に働くためのチェア「Reflek(リーフレク)」を開発しました。姿勢の自由度を妨げない背部の独自機構、着座感を高める座部の3層構造、および異硬度成型技術の開発に数年を費やし、トップクラスの座り心地を持つチェア製品となっております。

(4)学習eポータル「L-Gate」の利用拡大に伴うシステム基盤強化と国際技術標準への対応

 文部科学省のGIGAスクール構想によって整備された1人1台端末を活用したICT利用学習を促進するためのプラットフォームとして、当社は学習eポータル「L-Gate」を開発し、自治体・学校に提供しています。文部科学省CBTシステム「MEXCBT」への接続は、学習eポータル経由での接続となります。

 令和5年度の全国学力・学習状況調査の一部が「MEXCBT」で実施されたこともあり、「L-Gate」は、約730団体9,300校、約350万アカウントまで利用が拡大しています(2023年7月時点)。これらの急激な利用拡大に伴うアクセス集中に柔軟に対応するため、クラウド基盤の強化を図り、本学力・学習状況調査も大きな障害なく終了させることが出来ました。

 また文部科学省が進める教育システム・データの相互運用性を確保するための教育データ標準策定の中で、1EdTech(※1)の定める国際技術標準「OneRoster」を用いて校務支援システムから児童生徒の氏名・クラス・出席番号等の名簿情報を連携する仕様が示されました。令和4年度のデジタル庁「教育関連データのデータ連携の実現に向けた実証調査研究」では上記に基づき、校務支援システム、学習eポータル各社との相互接続検証に参画し、名簿情報の連携機能を実現しました。

 さらに、いくつかの地方自治体においても、校務支援システムを起点として名簿情報を学習eポータルや学習系システムに連携し、年度更新作業の負担軽減に加えて、転出入等の随時連携を目指した実証研究を行ってきました。今後は地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化も契機として、学齢簿から校務、学習系までつないだ教育データ利活用の推進に貢献してまいります。

(※1) 1EdTech…教育関係の国際技術標準を定めるNPO団体

(5)地方自治体基幹システム統一・標準化と地域共生社会に向けた福祉システムの開発

 国が「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」に基づいて推進している地方自治体の基幹業務システムの統一・標準化では、福祉総合システムとして「障がい者福祉」「児童福祉3業務(児童手当、児童扶養手当、子ども・子育て支援)」の4業務が対象となっており、2025年度末までに全地方自治体が標準準拠システムへの移行に対応するため、次期福祉総合システムの開発を進めています。今回の開発では、ウチダグループ内で二種類存在する「障がい者福祉システム」製品を統合し、開発投資の効率化を行うとともに、ウチダグループの開発リソ-ス集約とノウハウ共有を実現します。

 また、厚生労働省等は住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域とともに創っていく『地域共生社会』の実現に向けて取り組んでいます。その中で高齢者介護を対象とした地域包括ケアシステムの2025年度実現に向けて科学的介護情報システム(LIFE)の構築や事業者間におけるケアプランデータ連携の仕組み化など制度の整備を進めており、絆高齢者介護システムでは登録したデータをそれらのシステムに自動連携する機能や、利用者様のバイタル情報や動作情報を介護記録に連動する血圧計や体温計、ベッドセンサーなど連携対象機器を拡大し、市場で販売されている多くの計測機器に対応する機能を実装しました。今後も、介護・福祉サービスを提供するサービス事業者様の質の高いサービス提供と業務の生産性向上に貢献してまいります。

(6)証明書自動発行システム「パピルスメイト」を中核とした学生向けサービス基盤の研究開発

 1994年の発売以来、大学における証明書発行システムとして、長年トップシェアを維持している「パピルスメイト」について、更なる市場競争力の向上にむけ機能強化開発を行いました。課金装置を高機能化することで集金作業の自動計量機能を実現し、ICカードの学生証に加え、顔画像やデジタル学生証のQRコード認証機能の追加など、学生サービス向上に寄与するサービスの提供も開始しました。

 また、これまで学内に限っていた証明書発行が、学外発行サービスの導入によりコンビニエンスストアでの証明書印刷が普及してきている事に対しては、新たなニーズへの対応として、各種申込機能の追加、証明書発行機との連携によるログの一元化など、学内・学外の証明書発行に関する提供サービスの向上、拡大を実現しました。

 なお、デジタル庁、総務省、文部科学省、経済産業省が2022年に策定した「教育データロードマップ」において「学びの成果の可視化」実現に向けた工程が掲示され、学修歴証明書のデジタル化を普及・定着させるための周知・活用促進と、デジタルバッチの在り方の検討が開始されています。「パピルスメイト」においてもデジタルバッチの今後の普及に向けた調査・研究を行いながら、対応に向けて取り組んでまいります。

(7)「こどもデータ連携」の実現にむけた調査研究

 こどもや家庭に関する教育・保育・福祉・医療等のデータを、分野を越えて連携させることを通じて情報を分析し、個人情報の保護に配慮しながら、真に支援が必要なこどもや家庭を見つけプッシュ型の支援を届ける取組みへの期待が高まっています。この取組みを支援するために、データを集約して活用しやすい形にまとめる「こども見守り共有データベース」の構築と、データを可視化する「ダッシュボード機能」、データを組み合わせて潜在的に支援が必要なこどもや家庭の早期発見や施策立案に活用する「リスク判定・データ分析機能」で構成した「こども見守りシステム(仮称)」の開発を進めています。

 令和5年度のこども家庭庁「こどもデータ連携実証事業」に採択された埼玉県戸田市様及び神奈川県開成町様を実証フィールドとして、データの収集、加工・蓄積、可視化・分析のプロセスに関する調査研究を行い、不登校、いじめ、貧困に関連するデータ因子を洗い出し、リスク判定ロジックの改善を行い、見守り対象者の抽出精度向上を図ってまいります。またダッシュボード機能においては、利用する職員の評価等を踏まえて見せ方の改善や機能の拡充にも努めてまいります。

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