文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
1. 経営方針・経営戦略等
当社グループは、国際貨物輸送事業において、相互扶助の精神とお客様第一主義を貫き、より質の高いサービスを提供し、安全で確実な輸送を世界に提供することを経営理念とし日々努力しております。
このような経営理念のもと、当社グループは、創立以来、国際海上混載輸送を主軸として成長を遂げてまいりましたが、近年、製造設備の海外への移転が進み、海外生産、海外販売の流れが一気に加速するなど、我が国の産業構造の大きな変化に対して、その対応を迫られてきました。
そして、これらの状況の変化を背景として、当社グループは現在、総合物流業へと事業領域を拡大し、国際総合フレイトフォワーダーへの変革を遂げようと努力しております。
事業領域拡大の具体的な戦略として、特に航空輸送、倉庫、通関等の各事業に注力した結果、当連結会計年度におけるこれらの売上高の比重も徐々に大きくなっており、その重要性が増しております。
また、一方では、アジアを中心にさらにきめ細かなネットワークを構築するなど海外事業展開を推し進めております。
2. 目標とする経営指標
当社グループは中期経営計画を策定しており、2020年より2022年に至る第4次中期経営計画の終了に伴い、このたび第5次中期経営計画(2023年~2027年)を策定いたしました。第5次中期経営計画において当社グループが目標とする経営指標は、最終年度2027年に、売上高700億円、親会社株主に帰属する当期純利益50億円をめざします。
3. 経営環境及び対処すべき課題
(1)経営環境
今後の当社グループを取巻く経営環境を展望しますと、新型コロナウイルス感染症の影響については世界的に共存の道を歩む方向に進んでおりますが、感染の収束にはしばらく時間を要すると思われます。また、2022年度の日本の輸出貿易統計額は2021年度を上回りましたが、2023年度は港湾混雑の緩和による需給バランスの正常化に加え、世界経済の景気後退に伴う輸送需要の減少によりコンテナ運賃が2022年度の後半よりもさらに下落すると見込まれることから、厳しい環境になると予測しております。
(2)対処すべき課題
このように、当社グループの経営環境は2022年度に増して厳しい状況が予測されますが、2020年より2022年に至る第4次中期経営計画の終了に伴い、新たに第5次中期経営計画(2023年~2027年)を策定いたしました。当社グループは、その基本方針に基づき、売上と利益の拡大と企業価値の向上を図ることを最大の対処すべき課題と認識し努力してまいります。
(第4次中期経営計画の総括) 2020年~2022年
当社グループは第4次中期経営計画(2020年1月~2022年12月)を策定し、総力を挙げてその達成に取組んでまいりました結果、売上高300億円、営業利益率7%、ROE14%という目標数値を1年前倒しの2021年度において達成し、最終年度となる2022年度では、2021年度をさらに上回る成果を実現することができました。
この3年間は、新型コロナウイルス感染症の影響による物流の混乱時期と重なりますが、当社はグループ一丸となってコンテナスペースの確保等に取組み、国際総合フレイトフォワーダーとしての地位向上に努めてまいりました。
国内では、東京支店にフォワーディングチーム、神戸支店にロジスティックソリューションチームを立上げ、フォワーディング業務の領域を拡げてまいりました。
また、コロナ禍に伴い訪問営業が難しくなったことを受け、オンラインを活用したリモート営業、デジタル広告、メールマガジンの配信、Webによる見積サービスなどデジタル化を一気に進めてまいりました。
国内グループ会社も海外からの大口設備輸入案件の取組みや、食品輸入の取扱拡大により、得意分野を伸張してまいりました。
海外グループ会社では、混載貨物以外の取組みを増やす中、韓国において2021年8月に内外釜山物流センター株式会社が冷蔵倉庫を増築したことで、温度管理が必要となる食品等を取扱うことができるようになり、海外での倉庫事業の拡大に寄与いたしました。
さらに内外釜山物流センター株式会社に対して2020年12月と2021年1月に追加出資を行い、内外トランスライン株式会社による同社への出資比率を60%から90%まで引上げて、経営の自由度を高めてまいりました。
結果、国際総合フレイトフォワーダーとしての事業領域を拡げ、次期中期経営計画への足掛かりを築くことが出来ました。
(第5次中期経営計画の基本方針と課題) 2023年~2027年
当社グループは、第4次中期経営計画の終了に伴い、新たに2023年度~2027年度の第5次中期経営計画を策定しており、その概要は次のとおりであります。
当社グループは「国際物流における最高のソリューションプロバイダーでありたい」を合言葉に、以下グループ基本方針に基づき諸施策を遂行いたします。
なお、当社グループの第4次までの中期経営計画は3か年計画でしたが、後述する施策を展開するには3年という期間では不十分なことと、より中長期的な視点で経営することを目的として、今回の第5次中期経営計画の期間は5年といたします。
Ⅰ グループ基本方針
・本業である混載の国内トップシェア維持拡大を図りつつ「第二の本業」としてフォワーディングを徹底的に拡大し、真の国際総合フレイトフォワーダーをめざします。 ・2027年にグループ売上高700億円、親会社株主に帰属する当期純利益50億円をめざします。 |
Ⅱ 施策
(1)国内事業
①混載事業
基幹事業である混載事業については内外トランスライン株式会社を中心に、これまで培った事業ノウハウや長年に亘って築き上げたネットワークを活かして、業界地位を堅持するとともに、業務の効率化を図り安定的な収益確保を実現します。
②フォワーディング事業
当社成長期待分野であるフォワーディング事業については、グループ間で最適な組織編成を行い、売上と利益の増加をめざします。
(2)海外事業
①代理店事業
混載・フォワーディング・航空事業の取扱を増やすため、代理店の見直しを行います。
②新規拠点の設立
日本との貿易が多い国や今後成長が期待できるエリアへの現地法人や駐在員事務所の設立を検討します。
③既存拠点の業務拡大
既存拠点においては、対日ビジネス偏重からの脱却を図るため、現地スタッフにより地場企業向けの輸出営業のインフラを構築し、現地から日本以外の国への輸出を拡大します。
Ⅲ 投資戦略
上記施策を実行するため、おもに以下の投資を行います。
(1)M&A等
既存事業の規模拡大やシナジー効果を生み出して新規分野への進出等を図るため、M&Aや資本提携、業務提携等を積極的に行います。
(2)DX
営業支援、業務効率化や顧客サービス充実を目的として、一層のDXの推進を図ります。
(3)アセット事業
当社グループは、韓国とインドに自社倉庫を所有しておりますが、今後も海外を中心として倉庫等のアセットを取得し、事業領域の拡大を図ります。
(4)人材・教育
国内外を問わず、新規事業の立上げと既存業務の拡大のための人材投資を積極的に行うとともに、社員能力向上のために教育研修投資を行います。
(5)ESG・SDGs
ESG・SDGsの向上・達成のためCGコードに則って対応します。
上記基本方針に基づく施策や投資戦略により、2027年度には以下の数値目標の達成をめざします。
数値目標
項目 | 2027年12月期目標 |
売上高 | 700億円 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 50億円 |
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