企業兼大株主八十二銀行東証プライム:8359】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

1 経営方針

(1) 会社の経営の基本方針

 当行は、お客さまニーズや社会環境の変化にあわせてビジネスモデルを変革していくために、中期経営ビジョン2021「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」に取り組んでおります。5つのテーマ「経営の根幹としてのサステナビリティ」「ライフサポートビジネスの深化」「総合金融サービス・機能の提供」「業務・組織のデジタル改革」「成長とやりがいを支える人事改革」の実現を目指すとともに、経営理念で掲げる地域社会の発展に貢献するため、幅広い活動を展開しております。

・テーマ①「経営の根幹としてのサステナビリティ」

 当行は、お客さま・地域社会の持続的な発展に貢献するため、長野県のリーディングカンパニーとして金融および非金融の両面から地域の社会課題の解決に取り組んでおります。

 金融面につきましては、「八十二グループ サステナブル投融資方針」において、環境問題や社会課題を解決し持続可能な社会の実現に資するサステナブルファイナンスを2021年度から2030年度までに累計1.5兆円実行する目標を掲げております。サステナビリティ・リンク・ローン、ポジティブ・インパクト・ファイナンス、八十二サステナビリティ1号ファンドなど多様な資金調達手段を提供するほか、お客さまのサステナビリティ経営の導入・高度化を伴走支援する「SDGs取組支援サービス」などにより、お客さまのサステナビリティに関する取組みを支援しております。

 脱炭素化の取組みとしましては、2021年に中期経営目標として策定した銀行単体の温室効果ガス(CO2)排出量(スコープ1、2)「2023年度ネットゼロ、2030年度:2013年度比60%削減」を前倒しで達成し、2024年10月、対象を八十二グループに拡大したうえで、「2025年度ネットゼロ、2030年度:2019年度比80%削減」に変更(上方修正)いたしました。また、お客さまの脱炭素化を進めるため、「融資先の温室効果ガス排出量算定促進(スコープ3 カテゴリー15)」「再生可能エネルギー創出」目標を新設いたしました。

 このような取組みが評価され、国際的な環境非営利団体CDPが行うCDP2024(気候変動)調査において、最高ランクのA評価を2年連続で獲得いたしました。

 人権尊重に向けた取組みとしましては、社会からの期待や要請を踏まえ、2025年3月、「八十二グループ人権基本方針」を改正し、グループでこの課題に取り組んでおります。今後もお客さまとともに、持続可能な地域社会の実現に取り組んでまいります。

・テーマ②「ライフサポートビジネスの深化」

 当行は金融サービスの高度化に加え、非対面取引の機能拡充・非金融サービスの充実によってお客さまの暮らし全般を生涯にわたってサポートできる銀行を目指しております。

 金融サービスの高度化につきましては、保険代理店と銀行が共同運営する全国初の保険コンサルティング拠点「はちにの保険プラザ」にて、お客さまの幅広い保険に関するご相談にお応えしております。

 非対面取引の機能拡充につきましては、収支管理等を行うスマートフォンアプリ「Wallet+」の利便性を向上させ、当アプリの利用状況を分析し、お客さまに適した商品提案に繋げております。また、ご来店が難しいお客さま向けにオンライン相談会を開始し、充実したサポート体制を構築しております。

 非金融サービスの充実につきましては、日常生活に関するお困りごとを解決する「はちにのライフサポートサービス」に加え、お客さまの暮らし全般のサポートとして、2024年4月より身寄りのないご高齢のお客さまを中心に、生前の見守り・身元保証や相続に関するお手続き等をパッケージで提供する「終活サポートサービス」を開始いたしました。引続き、遺言信託などの相続・資産承継対策とともに、お客さまのニーズに沿った課題解決に取り組んでまいります。

・テーマ③「総合金融サービス・機能の提供」
 当行は対面・非対面でのハイブリッドな相談体制を構築するとともに、コンサルティング力の強化やグループ機能活用拡大により、事業者さまの企業経営に関する幅広いご相談にワンストップで対応できる銀行を目指しております。

 相談体制の構築につきましては、非対面営業部署「お客さまコンタクトチーム」を拡充し、お客さまとの接点増加に取り組んでおります。当チームによるワンストップの課題解決や営業店との連携によるコンサルティングサービスの提供に繋がっております。

 事業者さまの経営課題解決に向けた新たな取組みにつきましては、地域活性化事業等が活発化するなか観光分野への関与強化を企図し営業渉外部に「観光チーム」を立ち上げ、地域振興ビジネスの強化を図っております。また、環境配慮型私募債等の商品拡充、新たなクラウドファンディングの立ち上げなど、事業者さまの経営課題解決と地域活性化に向けた支援を継続しております。

 グループ連携強化につきましては、人材派遣や地域商社など幅広いソリューションを提供しております。引続き、事業者さまの課題解決支援を継続し事業成長や地域の持続的な発展に貢献してまいります。

・テーマ④「業務・組織のデジタル改革」

 当行は、デジタル技術やデータの利活用による業務効率化と新サービス開発を通じて、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでおります。

 お客さまの利便性向上に向けた取組みにつきましては、「住宅ローン事前相談サービス」のWEB申込みや「来店予約システム」などが、多くのお客さまにご利用いただいております。

 データを活用したサービスにつきましては、蓄積された取引データとAIを活用し、サービスやマーケティングの高度化を進めております。

 また、業務の革新に向けて、セキュリティ対策を施した生成AI機能を、全役職員が安心・安全に利用できる環境を整え、仕事への利活用を進めております。

 今後も、お客さまの利便性向上と体験価値の向上、さらには業務効率化の実現に向けて、データとAI活用を拡充してまいります。

・テーマ⑤「成長とやりがいを支える人事改革」

 当行は、職員一人ひとりが成長とやりがいを実感できる組織を目指し、多様化する職員の価値観やライフスタイルを尊重した、職員の自律的なキャリア形成支援や働きやすい職場環境整備を進めております。

 職員の自律的なキャリア形成支援につきましては、経営人材候補の育成に注力しております。2024年度には、地域社会の課題解決に資する経営人材の育成を加速させるために、外部交流による人脈形成や知見向上を目的とした外部研修への派遣を拡大いたしました。また、女性の経営人材候補の育成に向けて「次世代女性リーダー育成プログラム」を立ち上げ、管理職層と次期管理職層の2階層を対象に、外部研修への派遣に加え、役員や部店長によるメンタリングを実施しております。

 働きやすい職場環境整備につきましては、職員の仕事と育児や介護・不妊治療等との両立支援を継続的に取り組んでおります。これらの取組みが評価され、2024年6月には厚生労働大臣より、長野県内2社目となる「プラチナくるみんプラス認定」を取得いたしました。

 引続き、多様な職員が能力を最大限発揮できる職場環境整備をさらに進めることで、職員のウェルビーイング向上等を促進してまいります。

(2)目標とする経営指標

 当行は、経営理念「健全経営を堅持し、もって地域社会の発展に寄与する」に基づき地域社会の発展を支え続けられるよう、企業価値向上を目指して「中期経営ビジョン2021」を策定し、指標として「中期経営目標」を掲げております。

 このうち、温室効果ガス排出量目標「2023年度ネットゼロ」は2022年度に、「2030年度2013年度比60%削減」は2023年度に達成いたしました。これらを踏まえ、当行のマテリアリティ(重点課題)である「脱炭素化への対応」を更に推し進めるため、2024年10月25日に「中期経営目標」を以下のとおり変更いたしました。

項目

変更前

変更後

年間配当目標額

2023年度から2025年度まで毎年度

1株当たりの年間配当目標額20円以上

[変更なし]

2023年度から2025年度まで毎年度

1株当たりの年間配当目標額20円以上

温室効果ガス

(CO2)排出量

(Scope1,2)

八十二銀行(単体)

2023年度 ネットゼロ

2030年度 2013年度比60%削減

[変更]

八十二グループ

2025年度 ネットゼロ

2030年度 2019年度比80%削減

融資先の

温室効果ガス排出量

算定促進

(Scope3カテゴリー15)

[新設]

2025年度排出量把握先 450社

Scope3カテゴリー15(2024年3月末基準)の

40%に相当する450社の排出量を把握

再生可能エネルギー

創出

[新設]

2024 年度から 2030 年度

-事業用再生可能エネルギー発電設備

向けサステナブルファイナンス

累計実行額 900 億円

-ZEH 水準及び太陽光発電設備付き

住宅ローン・リフォームローン

累計実行件数 10,000 件

2 経営環境及び対処すべき課題等

 2025年4月に導入されたトランプ大統領による関税政策は、世界経済に広範な影響を与え、加えて地政学的リスクも存在するなど今まで以上に不透明感が増しております。一方、国内においてはインバウンドの増加もあり、消費主導の回復が見られました。金融面においては、昨年3月に日本銀行がマイナス金利を解除し、2025年1月には政策金利を0.5%に引き上げ「金利のある世界」へ移行しました。

 このような環境のなか、私たち八十二グループは、地域のリーディングカンパニーとして、変化に対応し、持続可能な地域社会の実現に向けて中期経営ビジョン2021「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」を掲げ、地域経済の活性化や環境への配慮、デジタル改革など多岐にわたる取組みを行ってまいりました。昨年は当行のマテリアリティ(重点課題)である「脱炭素化への対応」をさらに推し進めるため、八十二グループの排出量削減に加え、地域やお客さまの脱炭素化に注力すべく、新たな中期経営目標を設定いたしました。

 本年は「中期経営ビジョン2021」の最終年度となります。これまでの取組みと成果を総括し、集大成として取り組んでまいります。

 また、長野銀行との合併を見据え、当行がステークホルダーの皆さまに対してどのような価値を提供し、持続的に発展していくのかを示した「価値創造プロセス」を2024年5月に公表いたしました。「地域経済・地域社会の活性化と質的豊かさの実現」を掲げ、少子高齢化・人口減少社会へ向けて挑戦していくことを宣言いたしました。

 「価値創造プロセス」にて掲げた取組みを実現するための一環として、2025年3月に静岡銀行・山梨中央銀行と包括業務提携を締結し「富士山・アルプス アライアンス」を発足いたしました。各行が築き上げた顧客基盤やブランドを維持・活用しながら、社会課題の解決に向けたメニューの拡充やレベルアップ等を図り、地域社会の持続的な成長に貢献してまいります。

 当行は来年の2026年1月1日に長野銀行と合併いたします。これまで培ってきた両行のノウハウ、リレーションおよび人材を掛け合わせ、合併を無事に成し遂げ、地域の発展に貢献してまいります。

 取り巻く環境の変化に対応する中でお客さまへの支援強化や収益拡大を図り、さらに企業価値を向上させ、株主の皆さまのご期待にお応えすべく努力してまいります。

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