企業兼大株主住友ゴム工業東証プライム:5110】「ゴム製品 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針及び経営戦略等

 当社は2023年にスタートした中期計画に基づき、構造改革の推進および成長事業の基盤づくりを進めてまいりました。1月には米国「Goodyear」社より、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤの「ダンロップ」商標権等を取得することを発表、一部の地域や商材を除き、当社がグローバルに「ダンロップ」ブランドでタイヤ事業を展開することが可能となります。また、中期計画で掲げた経営目標の前倒し達成も見えてきており、2025年をターニングポイントとして、将来の環境変化も見据え、当社が向かうべき道筋を明確にする長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を策定しました。

「R.I.S.E. 2035」では、当社が長年の事業活動で培ってきた、ゴムを起点とした価値創造プロセスで高機能商品を作り出す「ゴム・解析技術力」と、お客様に喜びを感じてもらえる複数のブランドを立ち上げ育ててきた「ブランド創造力」を強みに、「ゴムから生み出す新たな体験価値をすべての人に提供し続ける」を目指す姿とします。

 目指す姿の実現に向け、3つの成長促進ドライバー「ゴム起点のイノベーション創出」「ブランド経営強化」「変化に強い経営基盤構築」をベースとした戦略を実行していきます。2027年までに、タイヤプレミアム化による収益体質の改革と成長事業の仕込みを行い、「ダンロップ」をさらに強くしていきます。2030年までに、創出キャッシュを最大化・既存事業で確固たるポジションを築き、成長事業への挑戦を通じて確立したブランドで飛躍します。そして、2035年までに、イノベーティブな商品・サービスを継続的に創出し、成長事業の拡大を通じたポートフォリオ変革により、持続可能な事業体質を実現します。これにより、2035年の目指す姿を達成および「Our Philosophy」の具現化につなげてまいります。

 長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」 ロードマップ

 当社は中期計画における財務目標を前倒し達成する見通しを踏まえ、2027年度の目標を改定することを決定しました。2030~35年に向けて、事業利益率15%、ROE12%、ROIC10%の目線で取り組みます。

 引き続き、更なる改善を目指し中期計画を推進することで、2027年目標の前倒し達成を目指してまいります。

 また、当社グループは、「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」という「Our Philosophy」の「Purpose(存在意義)」そのものである、サステナビリティ経営を推進しております。

 サステナビリティ経営の推進にあたっては、サステナビリティ統括役員を委員長、各部門担当役員を委員とする「サステナビリティ推進委員会」を開催し、各種テーマごとに設置された部会において実施している活動を継続的にフォローしているほか、本年1月より外部ステークホルダーと経営層とが対話する「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、ステークホルダーとの連携を進めております。

 また、2024年10月のマテリアリティ(重要課題)見直しに合わせ、マテリアリティごとのありたい姿の達成に向けた想いを「当社の意志」として設定しておりますが、これを実現させるべく、事業を通じた社会課題の解決に向けて価値創造につながる活動を推進してまいります。

[Environment(環境)]

 当社の環境に対する取組みについては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。

[Social(社会)]

「Our Philosophy」の「Purpose」である「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」の体現のため、「Vision」に掲げた「多様な力をひとつに、共に成長し、変化をのりこえる会社になる。」を実現すべく人的資本経営を進めております。

 未来を切り拓く人材の育成を目指す教育施策の推進や、社員が心身ともに健康な状態でやりがいをもって自分らしく活躍できる土壌の整備などを通し、社員一人ひとりが互いを尊重し合い、新たな価値創造ができる風土づくりを進めております。

 なお、詳細については「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」に記載のとおりであります。

[Governance(ガバナンス)]

 当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。「Our Philosophy」を全ての企業活動の基盤とし、業務の執行状況について取締役会や監査役会で適宜監督を行うことで、変化の大きい社会情勢やグローバルな事業拡大等に適切に対応できる体制としております。

2024年は、従来から実施していた取締役会の実効性評価において3年ぶりに第三者機関によるアンケートおよびインタビューを実施し、総じて取締役会は実効的に機能しているとの意見が多い結果となりました。インタビューにおいては、これまでの取締役会運営に関する改善取り組みにより実効性が高まっている旨の意見や、社外取締役である取締役会議長の的確かつ公正な議事運営のもとで自由闊達な議論や意見交換が出来ているという意見が多くみられました。その一方で、各取締役や下位の会議体に対する権限委譲、過去に取締役会で決議された案件の進捗状況のフォローアップ等については、まだ課題があることが見えてきました。今後は、時間をかけた議論が必要な案件について十分な時間が確保できるように、取締役会付議基準の見直しを行う等、種々の施策に取り組むことで取締役会の実効性を高め、更なる企業価値の向上につなげてまいります。

 また当社では、任意の委員会として指名・報酬委員会を設置しており、その委員長は社外取締役が務め、委員の過半数は社外役員としております。2024年から、指名・報酬委員会での十分な審議時間を確保する目的で、会議時間を伸ばしたうえで、開催回数も従来までの3回から4回に増やしました。2024年の委員会においては、従来から議論してきたテーマに加え、取締役の任期や業績連動報酬の拡大等について具体的な議論を行うことができました。今後も、中期計画達成に向けて取締役がグループ全体を主導できる体制づくりを、引き続き進めてまいります。

 加えて当社では、2022年以降、定例の取締役会とは違った雰囲気で意見交換が行えるオフサイトミーティングを実施しております。2024年は、計8回のオフサイトミーティングを実施し、米国工場の生産終了および解散や「ダンロップ」商標権の取得等の重要議題について、社内外の役員で十分時間をかけて意見交換を行いました。今後も、適宜オフサイトミーティングを開催し、重要議題についての議論の充実を図ってまいります。

(2)経営環境及び対処すべき主な課題

 今後の経営環境につきましては、世界経済の先行きや地政学的リスクなど不確実性が高い状況が続くものと思われます。

 このような情勢のもと、当社グループは、中期計画の着実な推進と欧州・北米・オセアニア地域での「ダンロップ」商標権活用を見据えた取り組みを加速するとともに、「Our Philosophy」の具現化を図りつつ、企業の経済的価値・社会的価値向上を目指し、次のような課題に取り組んでまいります。

(タイヤ事業)

 将来のCASEやサステナビリティなどの社会のニーズや期待に応えていくため、独自技術のアクティブトレッドの実用化とセンシングコアの事業化を引き続き進めてまいります。

2024年10月、次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」を国内市場において発売し好評を得ました。「SYNCHRO WEATHER」は、水や温度に反応し路面状態に合わせてゴム自ら性質が変化する当社独自の新技術アクティブトレッドを搭載した第一弾タイヤです。ドライ・ウェット・氷上・雪上などの様々な路面で高い性能を発揮します。また、夏冬のタイヤ履き替え回数を減らすことによる環境負荷軽減も期待できる商品で、今後さらに販売増を図ってまいります。将来的には、欧州・北米でもアクティブトレッド技術搭載の新商品投入を計画しており、そのための商品開発も加速してまいります。

 車輪の回転速度からタイヤ周りの状態・状況を検知するセンシングコアは、将来のモビリティ社会に貢献できる当社独自の技術であり、成長事業の柱として取り組んでおります。2023年12月、車両部品の故障予知で実績のある米国「Viaduct社」に出資し、同社と連携して故障予知の実証実験を重ねており、2024年11月には、北米に拠点を新設し、顧客へのアプローチ強化を進めています。本年からは、タイヤ交換最適化・車両全体の故障予知サービスを開始し、事業化を進めてまいります。

 また、「ダンロップ」商標権取得後は、欧州・北米・オセアニア地域はもとより、従来から「ダンロップ」タイヤを販売していた日本、中国、その他地域においても、「ダンロップ」商標権のグローバル(インドなど一部を除く)展開が可能となったメリットをいかし、「ダンロップ」タイヤの拡販に注力してまいります。

 さらに、「ファルケン」タイヤでも、これまで培ってきた特徴ある商品力を軸に、差別化できる商品開発を進め、順次市場に投入することで高付加価値品の増販につなげ、ブランド価値最大化と収益向上に取り組んでまいります。

(スポーツ事業)

 ゴルフ用品では、世界最大市場である北米においてマーケティングおよび営業体制を強化するとともに、日米2拠点での開発体制により、市場ニーズに応じた他社と差別化した魅力のある商品を投入することで、一層の拡販と新たな価値創出につなげてまいります。

 テニス用品では、全豪オープンとのオフィシャルパートナー契約やATPツアーとのグローバルパートナーシップ契約の継続、全米大学テニス協会とのオフィシャルパートナー契約、世界有数のアカデミーとの協業等での若手育成およびトッププロ選手との契約強化といった「ダンロップ」ブランドの価値向上施策を基盤に、ボールやラケットのシェアアップを図ります。

 また、今後のタイヤ事業における「ダンロップ」のグローバル展開に伴い、スポーツ事業とのクロスマーケティングなどシナジーを創出する取り組みも強化してまいります。

 今後もスポーツ関連用品やサービスを通じて、お客様に感動と「ヨロコビ」を、引き続き提供してまいります。

(産業品他事業)

2024年までに、医療用ポンプ、ガス管、欧州の医療用ゴム製品事業の撤退を決め、事業の選択と集中、構造改革を進めてきましたが、2025年をターニングポイントとして今後さらに成長・拡大路線を進めてまいります。特に、医療用ゴム製品事業は、中長期的な生産能力の増強によってグローバルな事業拡大を目指し、制振事業は、シェアNo.1(※)の国内新築木造戸建て住宅用制震ダンパーを中心に、自然災害への対策強化を進めます。

 今後も各事業で、時代のニーズに適応する付加価値の高い商品を開発・提供することにより、暮らし・街づくりに関わる社会課題解決に引き続き貢献してまいります。

※㈱未来トレンド研究機構調べ(2023年1月~12月における国内の新築木造戸建て住宅用制震ダンパーに

 関する市場調査)

PR
検索