中電工
【東証プライム:1941】「建設業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営の基本方針
当社は、「社是」及び「企業理念」を次のとおり定めており、当社グループ一体となって社会の様々な課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献し続け、持続的な成長を目指していく。
社 是 | 「眞心」(遵守すべき精神的なよりどころ) |
企業理念 | 私たちは、技術と品質と誇りをもって、社会の発展を支え続けます。 |
(2)経営戦略等
当社グループは、社会情勢や事業環境が急速に変化しており、先行きも不透明な状況にある中、持続的な成長と企業価値の更なる向上のために目指す姿・目標を「中電工グループ 2030ビジョン」として掲げ、グループ全体で共有している。
また、新たに策定した「中期経営計画2027(2025~2027年度)」に基づき、安全とコンプライアンスを最優先に、これまで着実に成果を上げている中国地域の基盤強化、都市圏の事業拡大に引き続き注力することとし、営業力・施工力の一層の強化による事業拡大などの諸施策に取り組むことにより、事業環境の変化に迅速に対応して変革を進めるとともに、M&Aや出資など成長投資による事業拡大を推進することで、中期経営計画の目標を達成し、更に持続的な成長を遂げ「中電工グループ 2030ビジョン」の実現に繋げていく。
中電工グループ 2030ビジョン | |
テーマ | ・「変革と成長」~持続的な成長に向けて~ |
目指すグループ像 | ・持続的な成長を遂げるとともに、持続可能な社会の実現に貢献 |
2030年度目標 | ・連結業績 売上高:2,600億円 営業利益:240億円 ROE:7.0%以上 |
中期経営計画2027(2025~2027年度) | ||
テーマ | ・Change & Growth For All to 2027 ~営業力・施工力の強化と人的資本経営の推進~ | |
主要施策 | ① 安全・コンプライアンスの徹底と品質の向上 | 安全とコンプライアンスを最優先とした事業運営を徹底するとともに、お客さまの信頼と満足度の向上に向けて、品質の確保・向上に取り組む。 ◇ 協力会社と一体となった安全最優先の意識と基準ルール遵守の徹底 ◇ コンプライアンス意識の向上と法令遵守の徹底 ◇ 工事のプロセス全体にわたる品質の確保 ◇ 災害時の早期復旧など電力安定供給への確実な貢献 等 |
② 営業力・施工力の一層の強化と受注の拡大 | 中国地域のシェア拡大、都市圏の事業拡大に向けて、営業力・施工力を一層強化する。 ◇ 営業要員の確保と設計力・提案力の強化 ◇ 技術要員の確保・育成と施工管理者の最適配置 ◇ 協力会社とのパートナーシップ強化 ◇ 半導体・データセンターなど成長分野の受注強化 等 | |
③ 生産性の向上による利益の創出 | DXや施工の効率化など業務全般にわたる生産性向上の取り組みを深化させ、更なる利益を創出する。 ◇ DX、生成AIの活用による一層の業務効率化 ◇ フロントローディングの全社展開による工事の平準化・効率化 ◇ 迅速な情報共有、コミュニケーション強化による課題の早期解決 ◇ 原価管理の強化と一層のコスト低減 等 | |
④ 人材の確保・育成の強化と魅力ある職場づくり | 採用方法の多様化による人材確保、育成の強化と魅力ある職場づくりを推進し、従業員のスキルとエンゲージメントの向上を図る。 ◇ リファラル採用、初任地限定採用など採用方法の多様化 ◇ 資格取得教育等によるスキルアップの継続的支援 ◇ ワークライフバランスの推進 ◇ 快適な職場環境の整備、健康経営の推進 等 | |
⑤ 成長投資による事業拡大 | カーボンニュートラルに向け、脱炭素化支援として環境関連ビジネスを推進する。また、事業拡大に向けたM&Aに取り組む。 ◇ PPA事業など環境関連ビジネスの推進 ◇ 技術研究開発の推進 ◇ 施工体制の強化に向けたM&Aの推進 等 | |
2027年度目標 | ・連結業績 売上高2,400億円、営業利益230億円、ROE7.0%以上 |
(3)経営環境
当期の経営環境は、製造業などの民間設備投資の持ち直しの動きが継続し、公共投資も堅調に推移したものの、国際情勢や為替相場の影響などによるエネルギー価格や原材料価格の高止まり、労働者不足などが続く状況にあった。
今後の経営環境についても、製造業の設備投資や都市部の再開発など引き続き堅調に推移することが期待される一方で、エネルギー価格や原材料価格の高止まり、労働者不足の継続が懸念されるほか、アメリカの通商政策の動向による影響などもあり、先行き不透明な状況が続くものと想定される。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「中期経営計画2027」及び「中電工グループ 2030ビジョン」において「売上高」・「営業利益」・「ROE(自己資本利益率)」を重要な指標に位置づけ、変革と成長を進めて企業価値の向上を目指している。
(5)優先的に対処すべき課題
当社グループでは、グループ間における連携を強化し、以下の課題に取り組んでいる。
①利益の拡大
原材料価格の高止まり、労働者不足の継続が懸念されるほか、アメリカの通商政策の動向による影響などもあり、先行き不透明な状況が想定される中で、インフラを担う企業としての役割を果たし続けるためには、生産性向上とコスト低減に対する取り組みを深掘りし、更なる利益の創出が必要である。
これに対し、工事のピークカットや労働力の安定的な確保のため、工程を前倒しで作業を行う「フロントローディング」や工程の短縮に柔軟に対応するための「外注施工エリアの分散発注」などの取り組みを進めている。また、現場との情報共有を強化して、工事の進捗遅延など工事原価の増大につながる兆候を早期に把握し、迅速に対応していく。
②生産性の向上
現場管理者の慢性的な不足・時間外労働の上限規制遵守に向けた働き方改革などの課題に対応すべく、業務負荷軽減に向けた工務サポート体制の充実や施工図作成支援体制の強化を推進するとともに、最新のデジタル技術を活用した業務改革など、デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性の向上に取り組んでいる。
③事業の拡大
「中期経営計画2027(2025~2027年度)」においても、中国地域におけるシェア拡大、都市圏の受注拡大に引き続き取り組み、中国地域においては効率的な施工体制の構築や工場関連工事の受注・施工体制の強化等により事業基盤を維持しつつ、都市圏における大型工事の受注・施工体制の強化を図りながら事業拡大を進めていく。
また、持続的な成長のための投資として、主要事業である設備工事業を中心に、M&Aによる事業拡大も進めていく。
④人材の確保・育成
近年、採用は依然として厳しい状況が続いており、また、離職者増などにより工事部門での人手不足が喫緊の課題となっている。
当社では、奨学金返還支援制度やリファラル採用制度、初任地限定採用、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度などに取り組んで、人材の確保やエンゲージメントの向上による魅力ある職場づくりを目指している。
また、当社社員の約3割を占める30歳未満の若手社員の早期育成は、今後の更なる成長を進めるうえでの重要な課題である。
そのために、社員一人ひとりの適性を踏まえながら、大型工事現場等への計画的配置や、現場代理人として必要な資格の取得支援等といった施策を確実に実施していく。
⑤品質の向上
事業を拡大していくためには、品質の向上によりお客さまからの信頼を得ることが不可欠である。
そのために、施工した設備の機能・性能はもとより、施工の効率化や安全・環境への対応等を含め、工事のプロセス全体にわたる顧客満足度の向上に努めていく。
⑥脱炭素化の推進
SDGsやカーボンニュートラルへの動向に対応して、社用車の電動化などによる自社の脱炭素化を推進するとともに、自家消費型太陽光PPA事業、ZEB化等の省エネ提案など、お客さまの脱炭素化をサポートしていく。また、再エネへの投資等についても引き続き行っていく。
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