中村超硬
【東証グロース:6166】「機械」
へ投稿
企業概要
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、以下の経営理念のもと、長年培ってきた開発力・技術力を基盤として、優れた品質の製品を安定供給することにより、顧客満足度の向上を図るとともに、取引先・協力会社・地域社会・投資家の皆様方と従業員からの信頼と期待に応えられる企業を目指しております。
〔経営理念〕
努力、活力、創造力
全員営業、全員製造、全員参加の経営をもって、ものづくりのエキスパート集団となり、
夢ある未来を共に育てる。
① お客様、協力会社との共栄のために
② 従業員とその家族の幸せのために
③ 社会と地球環境への貢献のために
(2) 目標とする経営指標
今後の国内外の経済状況については、日本を含めた世界各国における金融政策の変更や米国における政策変動、ウクライナや中東における情勢不安の長期化や、中国経済の先行き不透明感などが市場に与える影響などもあり、今後も予断を許さない状況で推移するものと予想されます。このような状況のなか、当社グループの2026年3月期の連結業績予想を以下のとおりといたします。なお下記業績予想には、化学繊維用紡糸ノズル事業における原材料売却による営業外収益を第1四半期に織り込んでおります。
(金額単位:百万円)
| 2026年3月期 第2四半期(累計) | 対前年同期 増減率(%) | 2026年3月期 通期 | 対前年同期 増減率(%) |
売上高 | 1,340 | △12.2 | 3,000 | 13.6 |
営業利益 | △15 | - | 35 | 350.1 |
経常利益 | 25 | - | 55 | - |
親会社株主に帰属する | △10 | - | 10 | - |
① 特殊精密機器事業
耐摩耗工具関連分野及び実装機用ノズル分野ともに、当期においては厳しい受注環境となりましたが、次期についても当面の間は厳しい事業環境が継続するものと見ております。このような環境の中、当期から量産出荷が開始された新素材で製作した実装機用ノズルの販売が本格化することによる売上拡大や、商社を活用した自動車部品メーカーからの受注拡大、新規参入分野である半導体製造業界や新規開拓したベアリングメーカー等からの受注の獲得、既存顧客からの新規アイテムの受注獲得に注力することにより売上拡大を目指してまいります。
そのため、次期売上高は当期売上高707百万円から21.5%増の860百万円を見込んでおります。
② 化学繊維用紡糸ノズル事業
当期において堅調に推移した風力発電用ブレード向け炭素繊維用紡糸ノズルの販売については、次期においては動きが鈍化する見込みであるものの、航空機向け炭素繊維用ノズルは好調に推移すると見ております。また一部の不織布用ノズルに受注回復の兆しが見えていることや、新工場に設置した大型加工設備の活用により、不織布用大型ノズルやフィルム用ダイの売上拡大、米国やメキシコ、インド、トルコ等への営業展開の強化による売上拡大に取り組んでまいります。
そのため、次期売上高は当期売上高1,679百万円から7.2%増の1,800百万円を見込んでおります。
③ D-Next事業
当社製のパワー半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの販売については、国内大手ダイヤモンドワイヤユーザーを中心に顧客獲得と販売数量の拡大が順調に進捗しており、次期についてもこの傾向は継続するものと見ております。国内大手顧客の開拓はほぼ完了しており、次期は顧客内における当社製品のシェアを高めるとともに、半導体用途を中心とした海外顧客の開拓を進めることにより、さらなる売上拡大を目指してまいります。
そのため、次期売上高は当期売上高243百万円から31.3%増の320百万円を見込んでおります。
④ マテリアルサイエンス事業
ナノサイズゼオライトについては、当期において化粧品用途や歯みがき粉用途において正式採用されており、少量ではありますが製品用ナノサイズゼオライトの出荷が開始されました。なお、販売数量の拡大が期待される複数の用途分野においては、量産採用に向けた顧客やエンドユーザーによる評価が継続しておりますが、電子部品封止剤用途については、次期において量産開始される見込みであることには変更はなく、量産開始に向けた生産技術力と生産性の向上に取り組んでまいります。また次期においては、ナノサイズゼオライトの販売数量を飛躍的に拡大させるため、グローバル市場に対し精力的に営業展開するための体制づくりと、当事業の継続的成長を実現するための事業スキームの策定と確立に向けた取り組みを進めてまいります。
マテリアルサイエンス事業における次期売上高は、当期売上高9百万円から103.5%増の20百万円を見込んでおります。
上記における業績見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが現時点において入手可能な情報による判断及び仮定を前提にしており、実際の業績は様々な要因により異なる場合があります。なお、江蘇三超社との国際仲裁については、2025年5月23日にお知らせいたしました通り、シンガポール国際仲裁センター(SIAC)から仲裁判断(中間判断)を受領し、当社に対し江蘇三超社が被った直接損害額及び利息の支払いが命じられました。しかしながら、当社が支払う金額については、今後の仲裁手続きにおいて江蘇三超社及び当社がそれぞれ主張を行った上で、仲裁廷により別途決定されることとなっており、現時点においてはその金額の見通しが立てられないため、仲裁判断による業績への影響は連結業績予想には織り込んでいません。
(3) 会社の対処すべき課題
国内経済、海外経済ともに先行き不透明な状況が継続する中、当社グループでは2026年3月期において、これまで取り組んできた構造改革を完了させるとともに、それぞれの事業における成長基盤の確立と収益の拡大を目指し、以下の取り組みを進めてまいります。
① 特殊精密機器事業の収益力強化
特殊精密機器事業においては、これまで取り組んできた技術開発の成果として、新開発の実装機用ノズルの量産販売開始による売上高の増加を見込んでいるとともに、商社を活用した自動車部品メーカーからの受注拡大、半導体製造業界からの新規受注獲得や既存顧客の深耕、製造現場における生産技術力と生産性の向上を実現することなどにより、さらなる収益力の強化に取り組んでまいります。
② 化学繊維用紡糸ノズル事業の収益力強化
化学繊維用紡糸ノズル事業においては、新工場に導入した大型加工設備を活用し、フィルム用ダイや不織布用大型ノズルの受注拡大に注力するとともに、好調に推移している炭素繊維用ノズル分野におけるさらなるシェア拡大と、販売済の不織布製造装置のノズル入れ替え需要や新規の装置需要を的確に取り込むことにより、さらなる収益力の強化に取り組んでまいります。
③ D-Next事業におけるビジネスモデル転換の完了と収益事業化
2019年11月に太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業から撤退し、パワー半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤ及びPHX-01の生産・販売事業へとビジネスモデルを転換した同事業においては、顧客獲得と販売数量拡大が順調に進捗しているパワー半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの生産・販売事業の収益事業化を達成し、ビジネスモデル転換の完了を目指します。また、インドをはじめとするダイヤモンドワイヤ生産拠点へのPHX-01の受注・販売につきましては、事業上のリスクを慎重に検討しながら商談を進めてまいります。
④ ナノサイズゼオライトの事業化
新規事業として取り組んでいるナノサイズゼオライトの開発については、化粧品や歯みがき粉用途において正式採用されました。また販売量の拡大が期待される複数用途分野においては、量産採用に向けた顧客やエンドユーザーによる評価が継続しております。2025年度におけるナノサイズゼオライトの量産開始に向け、製造現場における生産技術力と生産性の向上に取り組んでまいります。また、ナノサイズゼオライトの販売数量を飛躍的に拡大させるため、グローバル市場に対し精力的に営業展開するための体制づくりと、当事業の継続的成長を実現するための事業スキームの策定と確立に向けた取り組みを進めてまいります。
⑤ 研究開発力の強化
当社グループの持続的発展のためには、技術競争力に裏打ちされた様々な研究開発が必須と考えております。この研究開発力を基盤として社会に役立つ製品開発を推進し、「エネルギー」「環境」「医療」を事業領域の3本の柱として、産官学連携も視野に入れながら次世代技術の研究開発を進めてまいります。
⑥ 人材の確保・育成
当社グループの持続的発展のためには、現在保有する高度かつ熟練した生産技術を次世代に継承することに加え、今後の当社グループの経営の中核を担う人材の育成が急務と考えております。このため当社グループでは高度人材の確保のため継続的な採用活動を行うとともに、人材教育体制の構築や人事制度の再設計を行い、必要不可欠な人材が長い年月にわたって、やりがいを持って働いていただける環境の整備を進めてまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社グループは、会社法、金融商品取引法及びその他の法令を遵守するコンプライアンス体制を継続して強化していくとともに、内部牽制が機能する管理体制を構築することで、株主や取引先など、すべてのステークホルダーの信頼に耐えうる組織を目指してまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング