企業兼大株主中国電力東証プライム:9504】「電気・ガス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) 一連の不適切事案を踏まえた再発防止に向けた取り組み

  当社グループは、公正取引委員会からの独占禁止法に基づく排除措置命令・課徴金納付命令の受領をはじめとする一連の不適切事案の発生を厳粛に受け止め、本年3月、一連の不適切事案に係る根本原因を分析し、再発防止策の策定、実施状況の確認などを統括する組織として「不適切事案再発防止対応本部」(本部長:代表取締役副社長執行役員)を設置した。

  同対応本部を中心に、法令遵守の徹底、ガバナンス・内部統制システムの改善等、全社横断的な再発防止策を策定し、全社を挙げて着実に実行することで、同様の事象を二度と発生させることのないよう、取り組んでいく。

  ○一連の不適切事案に係る対応体制(イメージ図)


  ○各事案の概要及び主な再発防止策(2023年5月23日現在)


  上記のほか、電気料金メニューに係る当社ウェブサイト等の一部記載について、景品表示法に違反している疑いがあるとして、本年1月に消費者庁の委託を受けた公正取引委員会の調査が開始され、当社はこの調査に全面的に協力している。

(2) グループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」の実現に向けた取り組み

  コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進む中、世界的な脱炭素化に向けた潮流加速への対応や、揺れ動く国際情勢のもとでエネルギーの安定供給確保が課題となるなど、電気事業をはじめとする当社グループを取り巻く環境は大きく変化している。

  燃料価格や卸電力取引市場価格の高騰等により当年度の連結経常利益は過去最大の赤字となり、また連結自己資本比率も低下するなど、非常に厳しい経営状況にあるが、足元では業績及び財務基盤の回復に最大限注力しつつ、その先にある2030年度をターゲットとするグループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」(以下、「経営ビジョン」という。)の実現に向けて、以下の諸課題に取り組んでいく。

 ① エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化

  当社グループの使命である電力の安定供給を今後も果たしていくため、電気料金の見直しを実施させていただくこととした。当社は、見直し後の料金に織り込んだ経営効率化を着実に実施していくとともに、利益の安定化を目指し、大型電源の安定稼働や、燃料価格や卸電力取引市場価格の変動リスクの低減に向けた対応等を進めていく。

  また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進するため、新たに「中国電力グループカーボンニュートラル戦略基本方針」を策定し、2030年度までに小売事業及び発電事業におけるCO2排出量半減(2013年度比)をはじめとする目標の達成に向けて取り組みを進めている。こうした方針・目標のもと、当社グループは、S+3E(安全性、安定供給、経済性、環境への適合)を同時達成する電源構成の実現を目指しながら、脱炭素化と競争力強化に向けて積極的に取り組んでいく。

 (イ)原子力発電所の再稼働・運転開始及び開発に向けた取り組み

    原子力発電は、安定供給、経済性、環境への適合の観点から重要な役割を担うベースロード電源であり、また、確立した脱炭素技術としても、一定比率を維持していく必要があると考えている。

    島根原子力発電所においては、地震・津波対策などの設備面の安全対策の着実な実施のほか、原子力災害発生時に備えた訓練等の継続的な実施や関係自治体との連携強化など、原子力防災対策にも積極的に取り組み、更なる安全性を不断に追求していく。

    島根2号機については、原子力規制委員会より原子炉設置変更許可を受領しており、また新規制基準に係る安全対策に関して、昨年2月に松江市から、同年6月には島根県からそれぞれ安全協定に基づく事前了解の回答をいただくなど、すべての関係自治体から回答をいただいた。

    引き続き、新規制基準への適合性審査に適切に対応していくとともに、地域のみなさまからご理解を得られるよう丁寧な説明を行いながら、島根2号機・3号機の早期の再稼働・運転開始に向け、最大限取り組んでいく。

    加えて、将来にわたっての重要な電源として新規原子力発電所の開発も必要であると考えており、上関原子力発電所の開発に引き続き取り組んでいく。

 (ロ)火力発電の脱炭素化に向けた取り組み

    当社は、昨年11月、経済的に利用可能な最良の技術(BAT)である超々臨界圧(USC)を採用し、バイオマス燃料との混焼により環境性にも配慮した電源である三隅発電所2号機の営業運転を開始した。また、同機の運転開始を踏まえ、非効率な経年火力発電所4基の廃止を決定した。

    加えて、当社は、「火力発電のトランジション計画」のもと、水素・アンモニア発電について、経済的・技術的な課題等の解決後に遅滞なく導入できるよう、2030年までに実装準備を進めていくとともに、「大崎クールジェンプロジェクト」による石炭火力発電の高効率化、CO2分離・回収技術の開発及びカーボンリサイクルなどの脱炭素化に向けた研究・開発にも取り組んでいく。

    (注)廃止を決定した経年火力発電所4基のうち、下松3号機は本年1月に、水島2号機は本年4月に廃止済み。残る下関1号機・2号機の2基は2024年1月に廃止予定。

 (ハ)お客さまニーズに合わせたエネルギーサービスの展開

    当社グループでは、再生可能エネルギーを活用した電気料金メニューや、太陽光発電PPA(電力購入契約)サービス等の提供のほか、本年3月には、省エネ・CO2削減コンサルティングのサービス提供を開始するなど、カーボンニュートラル実現に向けたお客さまの取り組みをサポートするための脱炭素ソリューションの提供や新たなサービスの開発を進めている。

    当社グループは、引き続き、更なるサービスの開発・向上に取り組むことで収益拡大を図るとともに、脱炭素社会の実現に貢献していく。

    (注)省エネ・CO2削減コンサルティング=エネルギー使用の現状把握・分析から脱炭素化施策の実行に至る計画(ロードマップ)策定までをパッケージ化して提供するサービス。

 (ニ)電力の安定供給の確保

    当社グループは、設備保全の高度化・合理化やレジリエンス(災害に対する強靭性及び回復能力)強化の観点から、最新のDX技術を積極的に活用しながら、設備の計画的かつ確実な点検・補修、更新工事などを行うとともに、業務品質の維持・向上に向け、実践的な訓練や点検作業を通じ、保有する技術・技能の向上と着実な継承に努めていく。

    また、災害時に迅速かつ円滑に災害対応を実施するため、引き続き、社外関係機関や自治体等との連携強化に努めていく。

 ② 更なる成長に向けた新たな事業への挑戦

   当社グループは、多様化する社会の変化から可能性を見つけ出し、新たな事業領域の開拓に挑戦していく。

 (イ)海外事業の領域拡大に向けた取り組み

    当社グループは、海外事業を利益の一角を担える事業にしていくため、これまで培ってきた電気事業の知見を活用し、海外事業への出資参画を進め、収益力の強化に取り組んでいる。

    引き続き、再生可能エネルギーを中心に発電事業の発掘・獲得を進めるとともに、ネットワーク・小売事業や電力周辺事業に加え、新たなエネルギービジネスに積極的に対応し、事業領域を拡大していく。

 (ロ)再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組み

    再生可能エネルギーを地球環境問題への対応だけでなく成長領域の一つと位置づけ、経営ビジョンで掲げる目標達成に向け、水力や風力等の導入に積極的に取り組んでいる。2023年度内には新規導入量の目標である約30万kWを達成できるペースで増加しており、引き続き最大限の導入及び活用の拡大に取り組む。再生可能エネルギーの導入が進むにつれ、調整力の重要性も増すことから、今後は「再生可能エネルギーの導入拡大」と「調整力確保」を両輪として取り組んでいく。

 (ハ)エネルギア創造ラボの取り組み

    エネルギア創造ラボでは、「地域の未来の創造」と「電気の未来の創造」をコンセプトに掲げ、カーボンニュートラル、DX、SDGsをテーマにベンチャー企業等の先進的な製品・サービスを地域に展開することで、新たな収益源とするとともに地域の課題解決に貢献していく。

    本年3月末時点で16件(ファンドを含む。)の投資を行っており、今後も多様なサービス展開を推進するため、早期成長が見込めるベンチャー企業への投資を行い、新たな利益の創出を目指していく。

    また、再生可能エネルギーや蓄電池、EV等を活用した新たなエネルギーサービスの開発に向けて、先進技術を有するベンチャー企業等との連携や実証実験等に取り組み、サービスメニューを順次拡大していく。

 ③ 多様な人材が活躍できる更なる環境づくり

   経営ビジョンにおけるミッション「すべての人が持ち場で輝く」の実現に向けて、新たに「多様な人材の活躍推進方針」を策定した。

   この方針において、「企業理念」及び「エネルギアグループ企業行動憲章」(以下、「企業行動憲章」という。)に基づき、社員一人ひとりの「自律性」とその力を結集した組織としての「多様性」の更なる推進とともに、個人が組織の中で臆することなく自身の強みを発揮できるよう、個人と組織の「関係性」向上に取り組み、個人の成長と組織の成長のベクトルを合わせていくことを明確にしている。

   グループが一体となって、この方針を踏まえた人材マネジメントを実行し、その進捗の定量的把握と継続的改善を通じて、個人と組織が持続的に成長する企業文化を醸成するよう取り組んでいく。

   また、人権を取り巻く社会情勢が大きく変化している中、グローバルスタンダードな人権尊重の考え方に沿って、より幅広に人権尊重の取り組みを推し進めるべく、新たに「中国電力グループ人権方針」を策定した。この方針のもと、人権の尊重に留意し業務に取り組んでいく。

 ④ ESG経営の推進

   昨今、サステナビリティに関する取り組みの重要性が高まる中、当社グループは、持続可能な社会の実現に向けた貢献を自らの使命とし、企業行動憲章にもその旨を明記のうえ、ESGを重視した経営を推進している。

   世界的な課題でもある2050年カーボンニュートラル実現に向け、脱炭素電源への設備投資等を進めていくため、昨年9月には、段階的な脱炭素移行(トランジション)への活用を資金使途とするトランジション・リンク・ハイブリッド・ローンによる資金調達を実施するなど、ESGファイナンスの活用も進めている。

   当社グループにおけるESGの取り組みをステークホルダーのみなさまに分かりやすくお伝えするため、引き続き、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)等の主要なフレームワークに対応するとともに、価値創造の担い手である人材に関する取り組みなど、ESG情報の開示の充実に取り組んでいく。

〇 中国電力グループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」


〇中国電力グループ カーボンニュートラル戦略基本方針


○火力発電のトランジション計画

 カーボンニュートラル実現に向けて、S+3Eを前提に、設備更新時期や技術開発動向等を踏まえ、バイオマス発電や水素・アンモニア発電、IGFC+CCUS/カーボンリサイクル等、新技術の導入・開発等に取り組む。

 水素・アンモニア発電については、第6次エネルギー基本計画を踏まえ、2030年代のLNG火力への水素10%混焼・石炭火力へのアンモニア20%混焼の実現に向けて検討を加速させるとともに、経済的・技術的な課題等の解決後に遅滞なく導入できるよう、2030年までに実装準備を進めていく。


○中国電力グループが目指す2050年カーボンニュートラルの姿


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