企業兼大株主三菱食品東証スタンダード:7451】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、「三綱領」を企業理念とし、食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献するとしたパーパスのもと、中長期的な企業価値の向上には、サステナビリティ重点課題の解決を同時に実現することが必要不可欠と認識し、社会課題の解決・社会的責任を重視したサステナビリティ経営を行っております。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因が異なる可能性があります。

サステナビリティ全般

(1) ガバナンス

 当社は、事業活動を通じたサステナビリティ課題への取り組みを全社的に推進することを目的とし、2021年3月に経営会議(経営執行における意思決定機関)の諮問委員会として、「サステナビリティ委員会」を設置しております。

「サステナビリティ委員会」は、サステナビリティ課題全般への対応を主管し、また、「全社リスクマネジメント委員会」とも連携して、気候変動を中心としたサステナビリティ関連のリスクの把握及び管理、具体的な対応戦略の立案・推進を担っております。

2021年6月にCSO(Chief Sustainability Officer)を設置のうえ、これを代表取締役社長が兼任し、サステナビリティ経営に係る基本方針や重要事項について、「サステナビリティ委員会」での検討を経て経営会議にて審議・決定することとしております。同内容は取締役会に付議・報告(年2回)し、取締役会の監視・監督が図られる体制としております。

(2) リスク管理

 当社グループの事業活動上、発生した場合に大きな影響を与える、あるいは、当社グループの事業戦略との関連性が高い気候変動を中心としたサステナビリティ関連のリスクに対して、「サステナビリティ委員会」にてリスクシナリオを設定・分析し、評価を行っております。そのうち、主要なリスクについては、全社リスクマネジメントプロセスに組み込み、全社リスクマネジメント委員会において、他の事業リスクとともに評価・管理しております。

(3) 戦略 及び 指標と目標

 当社は「中期経営計画2023」の中で、当社の存在意義として、「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」というパーパスを掲げております。

 このパーパスと企業理念である「三綱領」の考えのもと、社会課題の解決・社会的責任を重視したサステナビリティ経営を今後ますます加速して推進すべく、「4つのサステナビリティ重点課題と7つの2030 年目標」を設定しております。特にCO2の削減については、パリ協定の枠組みや日本政府の宣言にも沿う形で、当社も「2050年カーボンニュートラルの実現」を目標に掲げ、その通過点として2030年目標を実現したいと考えております。また、食品流通を担う企業として、引き続きサプライチェーン全体を視野に入れた食品廃棄物の削減にも注力し取り組んでおります。

 これらカーボンニュートラルの実現に向けた当社の挑戦は、同様にカーボンニュートラル実現を目指すお取引先様に当社が選ばれるための資格を得ることを意味しており、この分野における当社の取り組みは、食品流通におけるサプライチェーン全体でカーボンニュートラルの実現に繋がっていくものと確信しております。

気候変動対応

 当社グループは、気候変動をサステナビリティ重点課題の一つとして認識し、金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同しております。今後、2050年カーボンニュートラルに向けたGHG排出量の削減や、「食の安全・安心・安定供給」の実効性向上に向けたサプライチェーン全体の強靭な体制構築などに取り組むとともに、TCFDに沿った情報開示の拡充及びステークホルダーとの対話を深めてまいります。

(1) ガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは「サステナビリティ全般 (1) ガバナンス」に組み込まれております。(詳細は「サステナビリティ全般 (1) ガバナンス」をご参照ください)

(2) 戦略

 当社グループの事業に影響を及ぼす気候関連リスク・機会の特定にあたり、事業における気候関連リスク・機会を抽出し、それらの財務インパクトを定性的に評価しております。

 なお、抽出した気候関連リスク・機会はシナリオベースでの評価であり、事前の対策及び準備により、リスクの軽減並びに機会の創出・拡大が図れるよう努めてまいります。

 

リスク・機会の

主要因

気候関連リスク・機会

リスク・機会発現までの期間

財務インパクト(利益ベース)

移行リスク

 

炭素価格の導入・引き上げ

 

炭素価格の導入による操業コストの増加

中期

炭素価格の導入による仕入原価の増加

中期

燃料価格の上昇

燃料価格の上昇による輸送・保管コストの増加

中期

燃料価格の上昇による仕入原価の増加

中期

電力価格の上昇

電力価格の変化による輸送・保管コストの増加

中期

電力価格の変化による仕入原価の増加

中期

化石資源需要の低下

化石資源の需要の変化による蓄冷剤コストの増加

中期

物理的リスク

 

気温上昇による感染症リスクの高まり

気温上昇による感染症リスクの高まりに起因する消費者の外食利用機会の低下

中期

風水災の頻発化・激甚化

風水災の頻発化・激甚化による事業拠点の被災

短期

風水災の頻発化・激甚化による農場や圃場の生産力低下

短期

風水災の頻発化・激甚化によるサプライチェーンの途絶

短期

機会

 

共同配送、モーダルシフトの取り組み進展

共同配送、モーダルシフトの取り組み進展による、輸送保管コストの低下

短期

再生材・バイオマス関連技術の開発進展

再生材・バイオマス関連技術の開発進展による、低環境負荷容器・包装製品の売上増加

短期

【リスク・機会発現までの期間】 ・短期:3年以内、・中期:3年超10年以内、・長期:10年超

【財務インパクト】 ・小:10億円以内、・中:10〜50億円、・大:50億円超

 抽出・整理した気候関連リスク・機会について、財務インパクトの大きさや事業戦略との関連性を勘案し、当社として「重要度が高い」と評価した事項についてTCFDガイダンスに準拠したシナリオ分析を行っております。シナリオ分析結果については、以下の当社ホームページに掲載しております。
https://www.mitsubishi-shokuhin.com/sustainability/esg/environment/tcfd/

 シナリオ分析結果を踏まえ、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、Scope1及びScope2における削減ロードマップの策定とその実行に着手するとともに、Scope3(※)の把握や強靭なサプライチェーンの構築に向けて、取引先各層と積極的な連携を推進してまいります。また、「食の安全・安心・安定供給」の更なる実効性向上に向け、気候変動に伴う事業拠点の浸水リスク削減への検討など、オールハザードへの対応としなやかな物流体制の構築に取り組んでまいります。

※ Scope3 : Scope1,2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

(3) リスク管理

 気候変動に関するリスク管理は「サステナビリティ全般 (2) リスク管理」に組み込まれております。(詳細は「サステナビリティ全般 (2) リスク管理」をご参照ください)

(4) 指標と目標

 当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、GHG排出量(Scope1,2)を定めております。自社の事業活動でのGHG排出量について、2016年度を基準として2030年に60%削減することを目標としております。

指標

2022年実績

2030年目標

GHG排出量

[千t-CO₂e]

42.8

Scope1 : 14.8

Scope2 : 28.0

36.1

(2016年度比60%削減)

 これらの指標・目標に対する進捗を定期的にモニタリング・管理し、脱炭素社会の実現に向けた貢献をより確かなものにしてまいります。

人的資本関係

 人事戦略の基本的な考え方

 当社は、パーパスやビジョンを定め持続的な企業価値向上を図るとともに、次世代食品流通業への進化を遂げるために「中期経営計画2023」を策定しております。これらを実現するためには、当社グループの最大の財産である人財基盤の強化と、それぞれの社員が個性や能力、適性を活かしながら最大限活躍することが必要と考えております。

 このため、当社は従来から、「明るく・楽しく・元気よく、そして前向きに」をスローガンとし、人財のWell-Beingを実現していくことが重要と考えており、その上で、事業環境の変化に柔軟に対応し新たな付加価値を生み出すためにチャレンジする企業文化への変革を目指しております。この変革を支えるために求める人財像を「次世代食品流通業へチャレンジする自律したプロ人財」と定め、チャレンジし続けることによる社員の持続的な成長と、エンゲージメントの向上による社員の活躍を促しております。

 なお、当社グループの人事戦略は、経営会議の諮問機関である人財開発委員会で、経営戦略を実現するための採用から配置・登用、退職まで一貫した人事戦略を検討し、以下のとおり人財育成方針と社内環境整備方針を定め、それぞれ実行しております。また、各人事施策は、効果検証を行い必要に応じて見直しすることで、効果的な人財基盤の強化を図っております。

(1) 人財育成の基本方針

 当社では、チャレンジする企業文化への変革を目指し、2023年4月に年齢や勤続を基準とした人事制度から、職責や役割を基準とした人事制度へ改正いたしました。各組織のミッションを明示することで社員にチャレンジを促すとともに、キャリアやそれを実現するためのスキル等の選択肢を用意・提示し社員の成長を支援しております。

 また、当社の主たる事業であるリテールサポート事業(卸売事業)においては、多様な商品を組み合わせ、地域・お客様ごとの購買環境や物流を考慮した最適な提案が求められており、そのためには経験の深さ・知識の広がりが必要となることから、日々のOJTや異動・配置を通じて、人財の育成に努めております。更に、お客様との幅広い接点を基盤に、商品開発や原材料のビジネス、海外サプライヤーや海外市場での取組み、データを活用したマーケティング等を強化しており、人財の早期育成や有望分野での人財活用や社員のキャリア支援のために、体系的な教育・研修(Off-JT)を整備しております。

 なお、今後は将来を起点として各事業に必要な人財要件を明確にし、自律的なキャリアアップを図るための教育・研修施策を講じる予定であります。

①チャレンジを促す仕組み

2023年4月に役割や職責を基準とした人事制度へ改正し、約700ポストの職務記述書を作成しております。職務記述書には各ポストのミッションや職務内容、必要なスキル・経験等を記載しており、社員が目指すキャリアとそれを実現するために身に付けるべきスキル・経験を明確にし、各事業に必要な人財の成長を支援しております。

 また、管理職相当の専門職として「エキスパート職」を設けて、それぞれの専門領域での活躍を図っております。今後は、「三菱食品ビジネスカレッジ」の講師や社内の相談窓口としての活躍も予定しております。

 非管理職層についても、役割を基準とした制度とし、30歳で役職に就くことが可能としており、年齢や性別、国籍等によらず優秀な社員を抜擢できる制度としております。

②自律的なキャリア形成の支援

 体系的な教育・研修(Off-JT)として、本部長・支社長を対象に組織風土改革を目的とした「コーチングプログラム」や、次世代の経営幹部人財育成を目的とした「三菱食品経営塾」をはじめとした研修プログラムとともに、2022年度より自律的な学びを支援するために「三菱食品ビジネスカレッジ」を創設し、本人希望で参加を募る「手上げ式研修」や、「オンデマンド型自主学習ツール」、「通信教育制度」を設けております。今後、メニューの更なる充実と社員のだれもが教育を受けられる機会を提供することで、引き続き自律的な学びを支援してまいります。

 また、2022年10月より「1on1」を開始し、上司・部下間のコミュニケーションを強化し、自律的なキャリア形成を支援し、社員一人ひとりの成長を促すとともに、組織力の向上・改善を図っております。

 更に、従来から、新たな業務への主体的なチャレンジを促すために社内公募制度を設けており、2022年度より新たに会社で指定したポスト(役職)についても公募の対象としております。

③デジタル人財育成

 事業環境が大きく変化する中で、業務効率化や新たな付加価値の創出により持続的な成長を支えるために、「中期経営計画2023」期間中に全社員がデジタルツールを活用して業務効率化できる「デジタル利活用人財」になるとともに、全社員の2割以上(950~1,000名)をデジタル人財として育成しデジタル人財基盤を構築することを目標としており、2022年度までに870名をデジタル人財と認定しております。

 なお、当社におけるデジタル人財は、「DX推進人財」「業務改革人財」「データ分析人財」「システム開発人財」に分類し、それぞれの分野で活躍しております。

【参考】デジタル人財の分類

DX推進人財

デジタル技術やデータを駆使し、新しいビジネスを創出できる人財

業務改革人財

業務やシステムを抜本的に見直し、RPA等を自ら構築し、業務プロセスやルール等の見直しによる効率化を推進する人財

データ分析人財

データ分析の知識・スキルを活用し、 課題解決に向けた仮説立案・検証を実行できる人財

システム開発人財

サービス企画や業務改革に伴って必要となるシステム機能の開発や、ツール・プロダクトを導入する人財

(2) 社内環境整備の基本方針

 当社は、「明るく・楽しく・元気よく、そして前向きに」をスローガンに掲げWell-Beingを実現していくとともに、社員がエンゲージメントを高く持ち、安心して、長く働ける社内環境を整備し、変革に向けて自律的にチャレンジする組織風土を醸成することで、新たな付加価値の創出と生産性の向上を目指しております。

①社員エンゲージメント

 当社は、2011年の発足以降、毎年、外部機関による「組織風土調査」を実施しております。調査では、社員が自発的に仕事に取り組む意欲を表す「社員エンゲージメント」と、働くための環境が整備されているかを表す「社員を活かす環境」等を測定し、全社及び各組織の強みと課題を人事施策へ反映するとともに、各組織における課題解決に向けて議論を促すことで、現場起点の改善も進めております。また、社長自らが現場を訪問し、自らの言葉で「パーパス」や「ビジョン」、「中期経営計画2023」の背景や趣旨を説明し対話を重ねることで、浸透を図るとともに社員エンゲージメントの向上を図っております。更に、社員エンゲージメントについては、中長期的な企業価値向上を支える重要指標と考え、2022年度より役員報酬決定時の指標に加えることで、社員エンゲージメント向上に対する経営陣のコミットメントを強化しております

【参考】2022年度組織風土調査結果

 各設問5段階評価の内、上位2段階を肯定的回答とし、肯定的回答をした社員の割合は次のとおりであります。

・社員エンゲージメント肯定的回答率:58%(前年比△3ポイント)

・社員を活かす環境肯定的回答率:57%(前年比+1ポイント)

②健康経営

 社長がCHO(Chief Health Officer)に就任し、経営陣をはじめ全社一丸となって健康経営に取り組んでおり、「健康経営優良法人」に4年連続で認定されております。

 なお、当社は「社員が心身ともに健康で自発的に仕事に取り組むことで、能動的な組織風土を作り、業績にもプラスの影響を与える」と考え、健康の5つの要素(「肉体的健康」「精神的健康」「社会的健康」「主体的行動」「ワークとライフのコントロール」)を高め、自己効力感と健康意識の向上を図るために、健康カレンダーの発信やウォーキングイベントの実施、メンタルヘルスサポーターズレターの発信、卒煙プログラム等の取組みを行っております。

③働き方改革

 働き方や価値観の多様化に合わせて、働く場所や働く時間の選択肢を増やし、生産性の向上と自律的な働き方を推進するため、2019年度よりテレワーク制度を、2020年度よりフレックスタイム制度を導入しております。特にコロナ禍において、出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッド勤務が定着し、Afterコロナにおいてもそれぞれの業務に応じた効率的な働き方として、ハイブリッド勤務を継続してまいります。

 また、ワークライフバランスの実現のため、適切な労務管理により過重労働の防止に努めており、2022年度の全社平均総労働時間は年2,087時間となっております。今後は2030年度に全社平均総労働時間を1,800時間とすることを目標に、更なる業務効率化と生産性向上に努めてまいります。

④ダイバーシティ&インクルージョン

 当社は、社員の多様性や個性を尊重し、それぞれの能力や適性を発揮し、最大限活躍できる職場環境づくりと、互いに認め合う組織風土の醸成を図っております。

 その上で、当社は、中長期的に当社を支える人財と高度なスキルや専門性を有する人財の確保を目的として積極的に中途採用を実施しており、2022年度の採用者数に占める中途採用者の割合は22%となっております。今後も、各年度の中途採用比率は20%以上を目標として継続してまいります。

 また、障がい者雇用においては、社会的責務を果たすべく、法定雇用率の常時達成に向けて、継続的な採用と定着支援を実施し、個々の特性を活かしながら、長期に活躍できる環境を提供しております。

 なお、当社は、次代の社会を担う子どもの健全な育成の支援を継続しており、2016年に「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けております。

有価証券報告書PDFより抜粋
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