三菱鉛筆
【東証プライム:7976】「その他製品」
へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、1887年(明治20年)の創業以来、「最高の品質こそ 最大のサービス」を社是として、「書く(かく)、描く(えがく)」ことにこだわり、品質向上と技術革新に努め、お客様にご満足いただける「もの」づくりに取り組んでまいりました。
当社の事業は、創業者である眞崎仁六が日本にも鉛筆を普及させたいと願い、「はさみ鉛筆」を一本ずつ販売することから始まりました。その後、海外製品にも負けない鉛筆をつくりたいと考え、1958年に最高品質の鉛筆「ユニ」が生まれました。そして現在では、当社の筆記具は、日本だけでなく世界100ヵ国以上のお客様にご愛顧いただいております。また、いつの時代も幅広い年齢層の方々にとって身近な存在であり続け、お客様の日常と生活に寄り添ってまいりました。
しかし、近年当社グループを取り巻く外部環境は、デジタル化の進展に伴う筆記機会の減少や価値観の多様化、社会課題への意識の高まりといった激しい変化の時代を迎えております。そのような中で、当社がこれまでの事業活動のなかでお客様に対してお届けしてきた提供価値を問い直して再定義したうえで、2022年に「ありたい姿2036(長期ビジョン)」を公表するに至りました。当社が筆記具という製品を介してお届けしてきた提供価値とは、「書く、描く」ことによって、お客様一人ひとりが生まれながらに持つ個性や才能をかたちにすることであり、またそういった活動を支えることであると考えております。
そして、創業から積み重ねてきたお客様への提供価値を起点として、筆記するための道具をつくる「筆記具メーカー」から、お客様それぞれが持つユニークを表現する喜びをお届けする「表現革新カンパニー」へと生まれ変わり「生まれながらにすべての人がユニークである」という信念に基づき、「書く、描く」ことを通じて、世界中のあらゆる人々の生まれながらに持つ個性と創造性を解き放つというお客様への提供価値を具現化してまいりたいと考えております。
筆記具には、お客様一人ひとりのユニークを引き出し、高め、彩り、共感しあえるものへと変える力があります。当社は、創業から取り組んできた筆記具事業でお客様にお届けしてきた提供価値と真摯に向き合い、性別、文化、障がいを始めとする一人ひとりが生まれ持った様々な違いを可能性に変えることで、豊かな表現や新たなつながりを生み出すことにより、違いを美しさととらえ、新たな技術で世界を彩ることに尽力してまいります。そういった活動を通じて、より一層のお客様の信頼をいただき、時間を超えてお客様にご愛顧いただける商品をご提供すべく、引き続き努力してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、お客様お一人おひとりに支えられ、1887年(明治20年)の創業より当社グループの考える「書く、描く」ということを、商品というかたちにしてご提案してまいりました。この永きにわたるお客様からの信頼にお応えするべく、収益性及び安全性に関する経営指標を総合的に勘案し、長期的な企業価値の向上を目標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、創業150年である2036年に向け、お客様への提供価値を見つめ直し、実現したい将来の「ありたい姿2036(長期ビジョン)」、そこへ向かうためのパーパス・事業ドメインを含んだ「コーポレートブランドコンセプト(企業理念)」を策定しております。
グループ全体のありたい姿(長期ビジョン)を「世界一の表現革新カンパニー」とし、「生まれながらにすべての人がユニークである」という信念に基づき、「書く、描く」ことを通じて、世界中あらゆる人々の個性と創造性を解き放ち、表現する喜びをお届けするという価値を提供してまいります。
また、コーポレートブランドコンセプト(企業理念)を「違いが、美しい。」としております。「書く、描く」という行為には、人それぞれのユニークを引き出し、高め、彩り、共感しあえるものへと変える力があります。当社グループは、新たな技術と常に向き合い、性別、文化、障がい、人が生まれ持ったさまざまな違いを可能性に変え、豊かな表現や新しいつながりを生み出していきたいと考えております。さらに、違いを美しさと捉え、これまでも、そしてこれからも、新たな技術で一人ひとりのユニークを輝かせ、世界を彩りたいと考えております。
この長期ビジョンの達成への足掛かりとすると同時に企業価値の向上を図るための取り組みとして、3年毎の中期経営計画に基づき活動しております。そして、2022年より取り組んできた前中期経営計画での進捗を踏まえた施策をさらに推し進め、企業変容とイノベーションを実現することを意図し、2025年1月より「uni Advance」を基本方針とした2027年までの中期経営計画をスタートさせました。なお、中期経営計画の基本方針に基づいた重点方針と財務目標は以下の通りです。詳細につきましては、2025年2月13日に公表いたしました「「中期経営計画2025-2027」の策定に関するお知らせ」をご参照ください。
〔中期経営計画 2025-2027〕
①筆記具事業の成長継続と多角化推進
さらなるマーケティング機能の強化と当社グループ全体の協働的な活動によりブランドを価値向上させ、高付加価値商品の提供と潜在的なニーズを踏まえた体験価値の創造を推進するとともに、新興国市場を始めとするエリアの拡大と次の事業展開を見据えた体制構築を通じて、より多くの人々に体験価値を提供してまいります。加えて、販売と生産の連携強化によるグローバルサプライチェーンの最適化により、生産効率向上と環境負荷低減を両立し、持続可能な事業基盤を構築してまいります。
②非筆記具事業分野における規模拡大とグループにおけるありたい姿実現を牽引する活動の深化
非筆記具事業を企業成長の原動力となる事業の柱に育成するとともに、これらの事業を通じて社会に貢献することを目指します。また、異業種共創を通じたイノベーション創出などにより、ありたい姿実現に向けた企業力強化を推し進めてまいります。
③ステークホルダーと連携した成長基盤強化
当社を取り巻くステークホルダーの皆様との関係のさらなる強化に加えて、人的資本や技術力を始めとする保有する有形無形を問わない資産を活かした事業成長における基盤の強化に取り組んでまいります。
(2027年財務目標)
売上高 :1,030億円
営業利益 : 155億円
営業利益率: 15.0%
(4)経営環境
当社グループを取り巻く市場環境は、多くの先進諸国では人口減少と成熟化が進む市場となりつつあります。一方で、新興国においては経済成長に伴う中間所得層の増加を背景に、高品質かつ高機能な筆記具への需要が高まりを見せており、消費の拡大が期待されます。
デジタル技術の発展により、AIやスマートデバイスが日常のさまざまな場面で活用されるようになり、筆記具に求められる役割にも変化が生じております。また、ライフスタイルや価値観の多様化に加えて、持続可能な社会の実現に向けた意識が高まりつつあることで、お客様が商品やサービスを選択する際の基準に大きな影響を与えています。市場のボーダーレス化や新興企業の参入などにより、品質やコストを含めた競争が激しさを増しており、こうした市場環境の変化に適応しながら新たな価値を提供することが求められています。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、1887年(明治20年)の創業以来、「最高の品質こそ 最大のサービス」という社是のもと、「書く、描く」ということを筆記具という商品を通じてお届けし、より多くのお客様に喜んでいただくことを使命と考え、活動してまいりました。
当社グループを取り巻く市場環境に目を向けると、先進諸国では人口減少と市場の成熟化が進む一方で、新興国では経済成長に伴う消費の拡大が期待されます。また、デジタル技術の発展により、AIやスマートデバイスが日常のさまざまな場面で活用されるようになり、筆記具に求められる役割にも変化が生じています。そのうえ、ライフスタイルや価値観の多様化に加えて、持続可能な社会の実現に向けた意識が高まりつつあることで、お客様が商品やサービスを選択する際の基準に大きな影響を与えています。さらに、市場のボーダーレス化や新興企業の参入などにより、品質やコストを含めた競争が激しさを増しており、こうした変化に適応しながら新たな価値を提供することが求められております。
このような市場環境のもと、当社グループは、創業150年を迎える2036年に向けた「ありたい姿2036(長期ビジョン)」において、これまでの高付加価値筆記具の提供に加えて、多くの人が生まれながらに持つ個性や創造性を解き放つ表現体験そのものを提供していくことを経営方針として掲げています。そして、「世界一の表現革新カンパニー」となることを目指し、進化を続けてまいります。当社グループが今後さらなる発展を遂げるためには、「生まれながらにすべての人がユニークである」という信念のもと、「書く、描く」ことを通じて、お客様一人ひとりが持つ個性や才能を解き放つこと、そしてこうした“表現体験そのもの”を創造していくことが不可欠であると認識しております。
当社グループは、「ありたい姿2036」の実現に向け、2036年を起点としたバックキャスト思考に基づき、2022年より中期経営計画を段階的に推進しています。その第二段階として、2025年から2027年を対象とする中期経営計画を策定し、基本方針を「uni Advance」と定めました。この方針のもと、筆記具事業の成長継続と多角化を進め、マーケティング強化やエリア拡大を図りながら、高付加価値商品の提供と体験価値の創造に取り組みます。また、非筆記具事業の規模拡大を推進し、異業種との共創を通じたイノベーション創出にも注力してまいります。さらに、当社に関係される多くのステークホルダーの方々との連携を深め、経営基盤を強化することで、持続的な企業成長を実現してまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング