三愛オブリ
【東証プライム:8097】「卸売業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランドである「Obbli」(オブリ)を礎に、人々の生活と産業を支えるパートナーとして、成長し続ける企業グループとなることを目指す。
(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの経営環境は、インバウンドや国内旅行の活性化により航空需要が好調に推移したが、石油製品需要の減少傾向に加えて消費者の節約志向が強まるなど、当社グループの業績に与える影響が懸念されている。当社グループにおいては、創業から基幹事業としてきた石油製品を中心とした事業の変革と新たな事業領域への挑戦が喫緊の経営課題となっている。
こうしたなか、当社グループは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」の第2ステージとして、2030年度に目指す姿に向けた「戦略の実行と投資の加速」を推進し、新たな事業ポートフォリオの実現に向けた動きを加速する。
① 中期経営計画の概要
② 中期経営計画の定量的目標に対する進捗状況
| (参考)2023年度実績 | 2024年度実績 | 2024年-2026年度目標 |
連結経常利益 | 177億41百万円 | 128億60百万円 | 130億円~150億円 |
連結ROE | 9.8% | 7.5% | 8%以上 |
総還元性向 | 84.9% | 118.3%(※) | 100%を目指す |
1株当たり配当金 | 80円 | 100円(※) | 100円を下限 |
※ 2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)「剰余金処分の件」が原案どおり承認可決されることを前提とした数値で記載している。
③ 各事業別の対処すべき課題
イ.石油関連事業
石油関連事業は変革事業に位置付け、スマートフォンアプリ「Mantan」を用いた予約サービスによる効率的なSS運営に注力するとともに、全国約1,000ヶ所の系列SSのネットワークを活用した新たな成長事業への変革に向けた事業の探索をおこなってきた。
2025年度は、既存SSへの再投資と収益力の強化を図る。また、昨年7月に出資を実施したavatarin株式会社との協業を進めるなど、AI等の最新デジタル技術を用いて新業態の開発に努める。
ロ.化学品関連事業
化学品関連事業は成長事業に位置付け、機能化学品領域のさらなる拡充、サプライチェーン強化による収益拡大を事業方針とし、在庫の最適化による利益率の改善を進めてきた。
2025年度は、新商材の研究開発、新工場の建設を進めるなど事業基盤の拡大に努める。また、高級アルコールをはじめとした機能化学品の販売拡大を加速させる。
ハ.ガス関連事業
ガス関連事業は成長事業に位置付け、LPガス販売業については小売顧客軒数を拡大し、天然ガス販売業については提案型営業を通じた顧客拡大に努める。
<LPガス販売業>
当社グループは、関東・東海、近畿、中国、九州エリアを中心にLPガスの事業拠点を有し、各エリアで卸売・小売の営業展開をおこなっている。LPガス販売業では、卸売取引を通じた顧客基盤の拡大とともに営業権買収を含めたM&Aによる小売軒数の拡大を進めてきた。
2025年度は、M&Aによる小売軒数の拡大を進める一方、投資管理体制を強化し、収益性の改善に努める。また、ハウスクリーニングなど新業態への挑戦もおこなっていく。
<天然ガス販売業>
当社グループは、九州地方において競争力のある営業エリアを有しており、佐賀天然ガスパイプラインによる天然ガスの供給や佐賀ガス株式会社による都市ガスの供給などをおこなっている。佐賀天然ガスパイプラインにおいては、導管周辺の新規需要家の獲得に努めてきた。
2025年度は、販売数量の拡大に向けたLNGサテライト供給やオンサイトエネルギーサービスの提案営業を積極的に進めていく。
ニ.航空関連事業
当社グループは羽田空港を中心とした国内における航空機給油施設の運営と給油事業を担っており、航空関連事業を基盤事業に位置づけ安定操業と業容の拡大に努めていく。当社グループが携わっている羽田空港をはじめとした国内各空港における航空燃料取扱数量はインバウンドや国内旅行の回復により堅調に推移しており、安定供給を最優先に給油事業の拡大に向けた準備を進めてきた。
2025年度は、羽田空港第2貯油基地の建設など給油設備のさらなる拡大に向けて設備投資と人員の確保を進めていく。
ホ.クリーンテック事業
クリーンテック事業はその他事業セグメントに含まれているが、次の柱となる成長事業に位置付けている。
2025年度は、需要の拡大が見込まれる半導体製造装置の洗浄事業を中心に工場棟の増設などの設備投資を進めるとともに、高品質洗浄の独自技術の開発にも積極的に取り組んでいく。
ヘ.その他、事業領域拡大への取組み
上記のほか、事業ポートフォリオの変革に向けてDXの活用を推進し、2030年度までに既存業務の2割を削減する目標を掲げている。また、事業提携やM&Aを活用した既存領域の拡大と新領域への投資の加速に努める。
④ 中期経営計画における資本政策について
当社は、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を図り、持続的成長を続けることで株主価値を高めることを基本方針としている。そのための重要な経営指標としてROE(株主資本利益率)、総還元性向を掲げ、中期経営計画において目標値を公表している。
当社グループでは、中期経営計画の推進にあたり、資本コストの指標としてWACC(加重平均資本コスト)・IRR(内部収益率)を用いて投資判断をおこなうなど、適切な経営資源の配分に努めている。また、成長戦略・資本政策の実行と適正な株主還元により、PBR(株価純資産倍率)1倍以上の維持に努める。
⑤ 気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標
気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関する重要課題 ①気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標(気候変動への対応)」に記載のとおりである。
⑥ 人的資本・多様性の確保に向けた取組
人的資本・多様性の確保に向けた取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関する重要課題 ③人的資本・多様性の確保に向けた取組(人材の確保と育成)」に記載のとおりである。
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