企業兼大株主三井化学東証プライム:4183】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。

 当連結会計年度末日現在においては、当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクとして、以下のようなものを認識しております。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 なお、当社は、新たなリスクマネジメント体制を構築し、2023年度より運用を開始します。その詳細は、(10)新たなリスクマネジメント体制の構築をご参照ください。

(1) 外部事業環境について

 当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入による供給過剰に起因する予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。当該リスクに対しては、各事業部において外部事業環境の変化を常に注視しつつ、重要なものについては全社戦略会議で討議のうえ、毎年実施している各事業戦略の見直しに反映させております。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがありますが、顕在化の可能性や具体的な影響等に関しては、合理的に見積もることが困難であります。

 また、新型コロナウイルス感染症の流行については再拡大の可能性は残っており、今後も活動制限の実施によって販売需要の減少や減産が生じるおそれや、当社グループの生産設備が停止するなどの影響が生じる可能性もあります。当該リスクに対しては、国内外の当社各拠点における影響等の情報収集を行うとともに、関係者の感染リスク低減のための必要な措置(テレワークや時差出勤等)を講じております。

(2) 海外活動について(カントリーリスク)

 当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。当該リスクに対しては、日ごろから海外の主要地域(アジアパシフィック、中国、米州、欧州)に設置した「地域統括会社」を中心に、関係会社より所在地域・国の情報収集を行い、かつ、関係会社の主たる所在国に地域安全統括者を配し、治安・衛生面の変化に対応した事業継続性の安定化を図っており、仮にリスクが顕在化した場合には、東京本社と連携し、対応にあたることとしております。これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは、困難でありますが、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(3)各事業の経営成績における変動要因について

 当社グループは、主にライフ&ヘルスケア・ソリューション製品、モビリティソリューション製品、ICTソリューション製品、ベーシック&グリーン・マテリアルズ製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。

 なお、当社では、毎年、内外環境変化、事業リスクの変化等を踏まえ、全社戦略会議等で討議のうえ、各事業戦略を見直しております。これにより、極力リスクが顕在化しないよう、仮に顕在化した場合でも影響を最小化できるよう取り組んでおります。

①ライフ&ヘルスケア・ソリューション

 ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。農業化学品については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。

 当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。

(課題・方策)

<ライフケアソリューション>

▶ビジョンケア材料

・メガネレンズ材料の需要拡大に即した供給能力確保 → MR™生産能力増強計画の実行

・グローバルでのサプライチェーンの強靭化 → 海外ストックポイント設置や原料複数購買化の更なる推進

▶不織布

・成熟した衛材市場(紙おむつ)におけるコスト競争力の強化

 → エアリファ™・伸縮不織布等の差別化製品の拡販、JV設立による統合効果の実現

<ウェルネスソリューション>

▶農業化学品

・成長ドライバーの海外展開加速 → テネベナール®、フルピリミンの海外重点国インドでの上市・販売促進

・サプライチェーンの強靭化 → 大牟田工場・北上工場での原体生産体制の確立

・環境配慮型農薬の拡充 → 高い安全性・環境負荷の少ない革新的化学農薬の創薬推進、天然物をはじめとするバイオソリューションの研究推進および生産技術の強化

・QOL向上 → マラリア根絶に資するVECTRON™ T500のアフリカ諸国での登録推進

▶パーソナルケア材料

・QOL向上に資する新事業立ち上げ → 事業基盤獲得

<メディカルソリューション>

▶オーラルケア材料

・日本市場での事業拡大及び基盤強化 → グループ連携強化

・欧州市場での事業拡大及び基盤強化 → 新製品売上拡大

▶整形外科材

・製品開発の加速と事業基盤強化・拡充 → 日本エム・ディ・エムとの協業を通じた開発推進と戦略の具体化

▶パーソナルケア材料

・QOL向上に資する新事業立ち上げ → 事業基盤獲得

(リスク及び機会)

<ライフケアソリューション>

▶ビジョンケア材料

・市場のグローバルな拡大

▶不織布

・国内子供用紙おむつの鈍化、国内大人用紙おむつ・フェミニンケア用品向けの安定成長

・電材需要低迷に伴い、一時的な産業材不織布需要は低下も、中長期的拡大が期待

・電力・用役コスト等の高騰

▶パーソナルケア材料

・衛生環境ニーズの高まり

<ウェルネスソリューション>

▶農業化学品

・農薬法制、環境規制の厳格化

・作物保護分野におけるアジア、南米市場の拡大

・作物保護に資する低環境負荷型農薬のニーズ拡大

・ライフソリューション分野の拡大

▶検査・診断

・早期診断による重症化予防へのシフト

<メディカルソリューション>

▶オーラルケア材料

・歯科技工のデジタル化の加速、適応症例の拡大

▶パーソナルケア材料

・予防医療や個別化医療の普及

▶整形外科材

・健康寿命延伸とQOL向上ニーズの拡大

②モビリティソリューション

 モビリティソリューション事業の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。

 当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。

(課題・方策)

・市場変化や需要増加に対応するための生産供給能力の不足、および柔軟な生産体制の構築

→ 需要に応じた適切な生産能力増強の実行、製品や組織を超えた生産体制最適化の実現

(リスク及び機会)

・地政学リスクに端を発する資源価格高騰や、インフレの加速による世界的な景気回復の停滞、物価上昇による購買意欲の低迷

・新型コロナウイルス感染症の流行再拡大と半導体等の供給不足に伴う自動車需要・生産の回復遅れ

・自動車関連製品の開発サイクルや重要なプレイヤーの変化

・自動車における軽量化・快適性向上・電装化などに伴う素材開発へのニーズ拡大

・環境負荷低減の取り組み加速を背景としたリサイクル材料・バイオ材料の活用拡大

③ICTソリューション

 ICTソリューション事業の製品の内、半導体・光学及び産業用フィルム・シートは、半導体等関連する市場の変動影響を受ける可能性があります。コーティング・機能材及び機能性フィルム・シートについては、ベーシック&グリーン・マテリアルズが扱うポリウレタンやポリオレフィン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界経済情勢により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。

 当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。

(課題・方策)

・ICT顧客のスピードに適した仕組み作づくり → ニーズ起点である海外拠点の企画・マーケティング力強化

・ICTプラットフォーマーとのネットワーク構築 → 顧客拠点におけるソリューション・製品・技術を訴求する「Mitsui Day」の開催

・顧客プロセス適合性評価等の研究開発機能の強化 → 名古屋ICT研究棟の開設、評価設備の集約・拡充を通じた顧客との共創の推進

(リスクと機会)

・中長期的な半導体市場の拡大

・地政学的分断によるグローバルサプライチェーンの変化への対応

・XR等新たなデバイスの登場と普及に伴う市場の急拡大

・リチウムイオン電池および次世代電池市場の継続的な拡大

・廃プラスチック削減トレンドに伴うリサイクルニーズの顕在化

④ベーシック&グリーン・マテリアルズ

 石油化学製品については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。

 基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。

 当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。

(課題・方策)

・ボラティリティのさらなる低減 → 市況依存度の高い製品の縮小や撤退、他社提携による事業リスクの低減、原料リンクのフォーミュラの拡充

・高機能製品の強化・拡大 → エンドユーザー起点の素材開発、MI(マテリアルズインフォマティクス)活用の拡大による新銘柄開発や処方開発、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル起点での製品開発(石油由来同等の物性など)

・GHG排出量の削減 → 低炭素燃原料への転換、高エネルギー効率機器の導入(Scope1、2)、製品提供を通じたGHG削減貢献量の最大化(Scope3)

・サーキュラーエコノミーへの取り組み強化 → バイオマス原料への転換、マテリアル・ケミカルリサイクルの早期実装化

(リスクと機会)

・ロシアのウクライナ侵攻による世界・日本経済への影響

・米金利上昇に伴う米国および世界経済の減速

・米金利上昇に伴う円安の加速

・原油価格(ナフサ)高騰

・環境対応ニーズの拡大(バイオマス原料、ケミカルリサイクル対応など)

・高付加価値品の提供拡大(例:包装材、断熱材など)

・DX技術の進化

(4) 財務について

 当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。当該リスクに対しては、資源投入の優先付けを行うとともに投資の確実な回収を目指すなど、キャッシュ・フローマネジメントの強化に取り組んでいます。また、当社及び地域統括会社を通じたグループファイナンスを行うことにより、グループ全体での有利子負債削減と資金効率の向上に努めております。

(5) 事故・災害について

 当社グループでは、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象に関し顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。当該リスクに対しては、「安全は全てに優先する」との経営方針のもと、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)の認証取得を積極的に進める他、現場での地道な自主改善活動を通じて、当社グループ全体の安全文化の醸成を図り、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合には、大阪工場に全社対策本部を設置する等の、指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。

(6) 品質について

 当社グループでは、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。また、当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象に関し顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。当該リスクに対しては、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めるとともに、品質に関するコンプライアンス遵守とクレーム・コンプレインの再発防止の徹底(守り)、顧客における製品不具合の未然防止の追求(攻め)により、リスクの低減に努めております。

(7) 知的財産権について

 当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。当社においては、これまで、重要な知的財産の外部への流出や重大な知的財産に関する紛争が発生したことはなく、また、発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難ですが、これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。当該リスクに対しては、厳正なルール運営のもと、情報管理を行うとともに、事業部門、研究開発部門、生産技術部門等の関係部署間での緊密な連携により、競合他社に対して優位となる知的財産の取得・活用の方針を逐次見直し、事業に資する知的財産ポートフォリオを構築し、知的財産を活用した事業機会の最大化と知的財産に起因する事業リスクの最小化に努めております。

(8) 気候変動について

 気候変動に起因する物理的リスクとして、台風、洪水等の自然災害が深刻化した場合、当社グループの生産から販売に至る一連の事業活動が大きな影響を受ける可能性があります。また、長期的な潮位上昇や渇水が深刻化した場合、当社グループの生産拠点での操業停止、生産活動低下を招く可能性があります。

 低炭素社会への移行リスクとして、カーボンプライシング等のGHG排出規制が導入された場合、当社グループのエネルギーコストが増加し、収益性の低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会に急激に移行した場合、GHG排出量削減のための研究開発費や新規技術導入に伴う設備費が増加し、当社グループの収益性の低下をもたらす可能性があります。さらに、当社グループは、2050年に向けたカーボンニュートラル宣言を行っている為、低炭素社会移行への対応が不十分であった場合、レピュテーション悪化に伴う社会的信用の失墜によりビジネスの機会を逃す可能性があります。なお、当社グループは、気候変動による事業活動への影響を重要なリスクと捉えており、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿って事業活動への影響の分析を行い、当社Webサイト等を通じ適宜その結果や進捗の開示に努めています。

 当該リスクに対しては、気候変動対応方針を策定し、緩和と適応の両面から取り組んでいます。緩和策としては、製造における低炭素化の取り組み(Scope1+2の削減)のみならず、製品のライフサイクル全体でのGHG排出量削減に資するBlue Value®製品の提供、適応策としては、防災減災やインフラの長寿命化や食料生産の安定化に資するRose Value®製品の提供等、事業活動を通じた貢献を目指しています。

(9) プラスチック問題について

 プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上と社会課題の解決に貢献していますが、使用後の不適正な処理により陸上から海洋に流出したプラスチックごみが環境汚染を引き起こしているという側面があります。この対策として使い捨てプラスチックに関する規制やリサイクルの推進、他素材への代替が進んだ場合、石油化学原料からプラスチックを製造販売する当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対しては、プラスチックの製造/使用に携わる企業、業界団体等とともに「Alliance to End Plastic Waste(AEPW)」、「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」等に参画し、それらを通じた廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発、清掃活動等に積極的に関与することにより、問題解決に取り組んでいます。

 また当社グループは、こうしたプラスチック問題への対応を新たな事業機会とも捉えています。マテリアルリサイクルやケミカルリサイクル等の使用済みプラスチックから有用プラスチックを創出するためのリサイクル技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案、さらにはブロックチェーン技術によるプラスチック素材のトレーサビリティシステムの構築等、幅広く検討し、プラスチック問題解決に向けた貢献を事業に繋げていくことを目指しています。

(10) 新たなリスクマネジメント体制の構築

 昨今では、事業環境の不確実性の増加に伴いリスクの多様化が進んでおり、企業におけるリスクマネジメントも従来の脅威への対応というマイナス面だけではなく、事業拡大の機会というプラス面も前向きに捉え、企業価値の向上につなげることが求められております。

 従来も当社グループにおいては、下表の3つのラインにより各職場が担当領域のリスクを、各種専門委員会と会議体が組織横断的な専門リスクを各々個別に取り上げ、発見・未然防止に取り組むことで一定の成果を上げておりました。

第1線

各部門(本社各部・工場・研究所・支店・関係会社)は、リスク評価を行い、リスクを認識し、対応のための組織コントロールを設計、遂行

第2線

専門知識を持つ本社機能部門は、第1線の各組織を支援、監査、指導

第3線

第1線と第2線の両方の業務を独立的立場から監査し、経営者と取締役会に対して、アシュアランスを提供(内部統制室)

 全社視点での重要度付け、抜け漏れの確認、方策の策定、当社グループ全社に横串を通した総合的な運営という観点から更なる対応を強化するべく、社内会議体や取締役会メンバー等との議論を重ね、2023年3月31日開催の取締役会において、新たなリスクマネジメントシステム(以下「本システム」という。)を構築し、2023年度から運用することを決議致しました。

 本システムでは、リスクを「経営戦略・目標の達成に影響を与える当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」と定義し、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」で各担当役員所掌領域のリスクを網羅的に把握し、優先順位付けを行い「全社重点リスク」を選定の上経営会議の審議を経て取締役会にて決定します。この際、各担当役員はリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域のリスク管理の統括責任を負うと共にリスクマネジメント委員会のメンバーとして同委員会での活動を担います。

 取締役会で決定された全社重点リスクは、当社グループの経営計画システムに展開され、テイクあるいは回避すべきリスクとして可視化しつつ、事業運営、資源投入等の意思決定に活用します。

 また、リスクマネジメント委員会は、全社重点リスクの審議に加え、当社グループのリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告・討議や個別重点リスクの対応方針の討議なども行います。

 本システムの下、次のプロセスにより全社重点リスクを決定し、PDCAを回して行きます。

① 各担当役員が所掌領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付を行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。

② リスクマネジメント委員会は、各担当役員から報告されたリスクについて、全社的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク案を策定する。

③ 全社重点リスクは、経営会議審議を経て、取締役会で最終的に決定する。

④ 全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画に展開し、テイクあるいは回避するリスクを可視化しつつ、事業運営、資源投入等の意思決定に活用する。

⑤ 環境変化を受けたリスクの変容を踏まえ、特に重要なリスクは、リスクマネジメント委員会にて適時かつ継続的なモニタリング、具体的な対応策を討議、決定する。

<本システムイメージ図>

 今後は本システムを運用する中で、ステークホルダーに対する説明責任を果たすべく、全社重点リスク等についても適宜情報開示を行います。

<リスクマネジメント委員会概要>

位置付け・定義

CEO及びCSOが全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関

構成

委員長:CEO

副委員長:CSO

メンバー:担当役員

事務局:経営企画部、ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC品質保証部

委員会の役割・責任

①当社グループのリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項の審議

②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク案の審議

③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針に係る討議を含む)

④当社グループのリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)報告及び討議

経営会議・取締役会との関係

①CSOは、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。

②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク案は取締役会で決議する。

 当社は、本システムの適切な運用を推進し、当社グループを取り巻くリスクによる脅威を最小化するとともに、機会を最大限に活用できる体制を整え、企業価値の向上に努めてまいります。

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