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【東証スタンダード:7564】「小売業」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「声のする方に、進化する。」を経営理念としており、常にお客様の立場に立って日々の暮らしに密着した安心と信頼を提供し、お客様の生活文化の向上に役立つとともに、より高品質の商品とサービスの提供に努めております。また、「共存共栄」の精神で、お客様の満足を第一に、加盟店と取引先の発展、そして地域社会への貢献に努めることが当社の発展につながるものと確信しております。
(企業理念)
Dream(めざす姿) | お客様の声を経営に活かします。 |
Purpose(存在意義) | 機能と価格に新基準を実現し、生活者の「可処分所得」を増やします。 |
Belief(価値観、行動指針) | ローコスト経営、データ経営、標準化を柱に100年の競争優位を築き、全てのステークホルダーとの長期的な優良関係を目指します。 |
(2)経営戦略
客層拡大と顧客満足度向上の実現で持続的成長を目指しており、その経営戦略は以下のとおりであります。
①店舗展開
当社独自の出店基準で候補地を選定し、ベスト立地にローコストで出店し、各地域でドミナントエリアの構築に取り組んでおります。ワークマンプラスやワークマンカラーズの出店強化と既存店舗の改装により、主要顧客であるプロ職人に加え、一般のお客様にもご満足いただける店舗展開を行い、客層拡大を図っております。
②商品政策
「より良いものをより安く」をモットーに、素材・機能・価格・サステナブルの4つのテーマを追求したPB(プライベート・ブランド)商品の拡大と売り切る体制づくりに取り組み、「エブリデー・ロー・プライス」戦略を推進しております。また、ワーク、アウトドア・スポーツ、カジュアルの各分野において素材や機能性を共有することで、当社ならではの価値を創造し、市場での差別化を図っております。
③販売政策
販売分析データの活用で、需要予測による緻密な品揃えと地域特性にあわせた売場づくりを展開するとともに、アンバサダーマーケティングを推進し、お客様目線での商品企画や売場提案及び各メディアでの情報発信力の強化で客層拡大に取り組んでおります。
④加盟店支援策
商品の発注や品出しなど店舗運営の効率化を図り、販売業務に専念できる環境整備と基本4原則(フレンドリーサービス、クリンリネス、商品マッサージ、こまめな発注)の徹底指導を行っております。また、既存店の改装やスクラップ&ビルド、ECを活用した店舗送客、各種顕彰制度などで加盟店の持続的な成長をバックアップしております。
⑤物流政策
需要予測に基づき、販売・生産に紐づけられた計画で在庫の適正化を図るとともに、継続的な物流インフラへの投資を行い、フラットな入出荷を実現することでコストの抑制と加盟店への安定供給に取り組んでおります。
(3)経営環境
当事業年度の経営環境は、雇用・所得環境の改善に加え、インバウンド需要の増加など、景気は緩やかに回復したものの、物価高による節約志向の高まりや海外景気の減速懸念により先行きは不透明な状況が続いております。
ワーキング・ユニフォーム業界は、堅調な企業収益を背景に法人需要は底堅く推移する一方で、個人消費は継続的な物価上昇に伴い慎重さが見られました。また、国内の人口減少や高齢化により、建設技能労働者(職人)が減少しており、構造的な課題を抱えております。一般向けアパレル市場では、社会経済活動の正常化により、外出機会が増加しファッション需要が高まる一方で、アウトドア関連需要は鈍化しました。そのほか、衣料品全般において、猛暑や残暑、暖冬といった地球温暖化の影響に伴い、季節商品の需要や販売時期が大きく変化するなど、気候変動への対応が求められております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①在庫管理体制及び物流コスト
一般消費者への客層拡大に伴い、PB商品の取扱いが増加傾向であり、商品在庫高の水準が高まっております。これら商品は嗜好の変化や気候など外部環境変化に影響を受けやすいため、需要予測に基づいた販売・生産計画の精度を高め過剰在庫の抑制を図り、在庫の最適化に取り組みます。
また、PB商品の取扱い増加は、外部倉庫家賃や流通センター業務委託料など物流コストの上昇にも影響しております。加えて、働き方改革関連法の制定で運送費の上昇が想定されておりますので、流通センターの増設やマテハン機器など適切な物流投資を継続することで、効率化によるコスト抑制及び加盟店への安定供給を図ります。
②お客様ニーズに合わせた店舗展開
顧客層の拡大に伴い、ターゲットの明確化と地域ニーズに合った店舗展開に取り組みます。一般消費者をターゲットとしたワークマンカラーズの店舗網拡大や都市部など未開拓エリアの開発、既存店改装及びスクラップ&ビルドの推進により、お客様の利便性を向上させ、既存店の安定成長ひいてはチェーン全体の持続的な成長と収益基盤の強化に繋げてまいります。
③競合優位性のある製品開発
当社のPB商品開発は、様々な着用シーンで効果を発揮する「機能性」と気兼ねなくお買い求めいただける「低価格」を実現することで差別化を図っております。また、お客様の「声」に応じてリニューアルを重ねることで付加価値を向上させ、市場での優位性を高めてまいります。
(5)目標とする経営指標
当社の収益基盤は、フランチャイズ経営を基本としており、加盟店との荒利分配方式による収益であります。したがって当社の事業活動の最重要課題は、加盟店の業績向上とフランチャイズ・ストア化の推進であります。
当社の目標とする経営指標は、既存店売上高の伸び率とフランチャイズ比率を重視しており、当事業年度は既存店売上高1.1%増加、フランチャイズ比率は92.7%の高水準を維持しました。
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