レオン自動機
【東証プライム:6272】「機械」
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企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、レオロジー(流動学)の応用工学に基づく独自の開発技術により、常に進歩的な新技術の開発を行い、食文化の継承と発展を通じて、「存在理由のある企業たらん」を目指し、人類繁栄に貢献することを経営の基本理念としています。また、当社グループを取り巻く社会とすべてのステークホルダーの信頼と期待に応え、食品機械工業界におけるパイオニア的役割を果たすとともに、研究開発メーカーとしての使命を遂行してまいります。
世界経済は、インフレや地政学リスクの高まりに加え、米国の対外政策の影響や金利や為替の動向などから、依然として先行き不透明な状況が続いております。また、当社グループが主要市場とする食品業界は、所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により回復の動きが見られたものの、コスト急騰を吸収するための値上げと消費者の生活防衛意識の高まりから節約志向が強まり、厳しい経営環境が続きました。一方で、生産におけるコスト高や人手不足を解決するため、自動化による設備投資が重要な課題であることも事実であります。このような状況の中、新たな中期経営計画(2023年度~2027年度)の2年目が終わりました。この中期経営計画で掲げる「改革と企業基盤の強化」である3つの基盤強化(①成長基盤の強化 ②利益基盤の強化 ③経営基盤の強化)に引き続き取り組み、「働きに喜びを感じる社会・会社」に向けて社会課題の解決と企業成長を図ってまいります。
① 成長基盤の強化
日本国内の市場飽和および人口減少等から、当社グループの成長には海外市場の拡大が欠かせません。そのため、海外販路開拓・拡大に向けたグローバル活動体制整備が急務となります。欧米では大型自動化ラインの拡販を進めるため、アルチザンブレット市場やペストリー市場へ新たな製パンラインを投入することで市場拡大に努めます。また、中東・インド・アフリカ等の開拓のため当地での展示会に積極的に出展し代理店の強化を進めることで販売網の拡大を図っていきます。特に停滞気味の中国では、新たな販売ルートの開拓(食肉・冷凍食品など)や新機種の投入により市場を奪還してまいります。
国内においては、社会課題の解決や環境変化の対応(食品ロス・HACCP・賞味期限等)を踏まえた提案が必要となります。また、周辺装置やオプションを含めた効率的な生産ラインにおいては標準機を中心に販売し、お客様ごとのご要望に合わせて当社の技術をご提案する体制を整備してまいります。
その上で、中長期的戦略としてスマートファクトリーを実現するための技術革新は、市場拡大を図る上で重要な課題と位置付けております。
食品製造販売事業のオレンジベーカリーでは、安定した米国経済を背景に業績が好調に推移しました。スーパー、ファストフードは今後も期待できる市場であり、省人化と食品ロスを考慮した商品(ホイロ後冷凍パン等)を拡販してまいります。また、スマートファクトリーに向けた実験工場として食品加工機械製造販売事業との連携により新工場建設計画を進めてまいります。
② 利益基盤の強化
食の多様化、グローバル化の進展に伴い、食品加工機械に求めるニーズも多様化しております。それにより、欧米を中心に製パンラインの案件が増加し、納期が長期化してきました。安定した利益基盤の維持には納期短縮が不可欠です。「品質・納期・コスト」管理を徹底しながら、こうしたニーズに対応していけるかが重要なポイントとなります。開発設計部門では受注機の納期短縮、各種ラインの標準化、部品構成・機種構成の見直しなどを継続するとともに、デザインの統一性や標準化推進を加速させ、コスト競争力の向上に努めてまいります。また、省エネルギー対応や食品ロスの削減など、社会課題の解決に向けた研究開発にも注力してまいります。
生産部門では、機械納期を遵守するとともに、原材料費高騰によるコストアップを最小限にとどめるため、標準機の原価削減に取り組んでおります。生産設備への積極的な投資、新たなサプライチェーンの確保による生産能力の増強、基幹システムに連動させたPLM(製品ライフサイクル管理)、MES(製造管理)、SCM(供給連鎖管理)の構築や3D-CADデータの活用、原価分析による改善提案の強化により、納期短縮とコストダウンを図ってまいります。
③ 経営基盤の強化
「多様性のある人・組織を育成」することは自由な発想へのイノベーションを起こす技術が得られます。加えて環境への配慮や顧客の要望(省力化、省人化、安全・衛生等)に応えることで、環境と経済の発展に貢献することになり、ひいては当社事業の成長を促すことになると考えています。そのために、サステナビリティの3つの重点課題(「環境」「人材・組織」「技術」)を掲げました。人材育成では新たな試みとして、グローバル人材の育成や女性の活躍を促すために「評価と報酬」「採用」「活用(育成、教育)」「組織管理」における改革に取り組んでおります。
環境面では、環境に即した機械を開発するとともに、社内運営において2014年を基準とし、2030年までにScope1・2のCO2排出量の80%を削減する目標を掲げております。また、本社ソリューションセンター及び上河内工場に自家消費型太陽光発電設備を導入し、エネルギーマネジメントを推進することで消費エネルギーの削減に努めてまいります。
DX推進も重要な課題であり、基幹システムと連動するシステムの構築を進めることで、あらゆるものを可視化し問題点を抽出することで解決へと取り組んでおります。ガバナンスも重要なテーマであります。グループ全体でコンプライアンスや品質管理の重要性に対する教育を徹底し、経営基盤の強化に努めてまいります。
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