リンコーコーポレーション
【東証スタンダード:9355】「倉庫・運輸関連業」
へ投稿
企業概要
当社企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社企業グループの事業基盤である新潟は、国際港湾や国際空港、高速道路網といった多様な交通インフラを備えた対岸諸国の玄関口として優れた拠点性を有しているだけでなく、高品質の食材や食品を生み出す農業県として海外からも認知されており、当社企業グループは、こうした新潟の優位性を活かしながら地域社会に貢献し、グローバルな企業を目指しております。
さらに当社企業グループは、全体の総合的価値を高めながら安定的な発展を遂げるため「統一された意思を持った強い企業集団」となるべく、以下の「リンコーグループ経営理念」を定めております。
「リンコーグループ経営理念」
① 顧客・株主・社員とその家族・地域社会に信頼され、その全ての人々に貢献する企業集団を目指します。
② 新潟を基盤とした事業展開を図りつつも、常に視野を世界に拡げグローバル化を意識し、進取の精神でビジネスに挑戦します。
③ 総合物流事業、ホテル事業、不動産事業、各種販売代理店業及び環境事業を通じて、安全かつホスピタリティーの精神に基づき様々なサービスを社会に提供するとともに各事業分野に於いて地域NO.1企業を目指します。
④ 効率的な経営とコスト競争力のある企業体質を保持しつつ、常に良質なサービスを提供し続けることによって安定した成長を目指します。
(2)会社の経営戦略
当社は、2025年5月に創立120周年を迎えました。「みなと から今を支え、明日を拓く。」のグループパーパスのもと、当社の原点であり長い年月を共に歩んできた「みなと」から人々の暮らしを支え、明るい未来を切り拓くために、これからも果敢にチャレンジして参ります。
このパーパスのもと策定した「中期経営計画(2024年度~2026年度)」では、「運輸部門の収益基盤の安定と向上」、「自社資産・人材の強みを活かし収益性・効率性を向上」、「事業継続可能な人的資本戦略の実施」に重点的に取組んでおります。詳細は、次の(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題をご参照願います。
(3)経営環境
当連結会計年度は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、人件費や物流コストの増加などによる物価高や不安定な国際情勢を背景とした為替変動による影響に加え、米国の関税引き上げ政策による世界経済の減速リスク、それに伴う米中貿易摩擦の再燃など、景気の先行きは不透明な状況が続くことが予想されます。
そのような状況の中、運輸部門では、一般貨物において主要貨物である素材原料の取扱いが堅調に推移したことや再生可能エネルギー関連貨物の取扱い開始により取扱数量は増加しましたが、コンテナ貨物においては取扱数量が減少しました。今後も料金の見直しや作業効率の向上に努め、利益の確保に繋がる取組みを継続して参ります。
ホテル事業部門では、宿泊部門は新潟市内で開催される各種大型イベントの効果やインバウンド・ツアーの獲得などにより、好調を維持しました。また、宴会、レストラン部門においても、宿泊との相乗効果、新規顧客の積極的な獲得などに努め、集客状況は堅調に推移しました。今後も様々な企画、サービスの提供に努め、受注増に継続して取組んで参ります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、(2)会社の経営戦略で記載しましたように、企業価値の向上のため、中期経営計画(2024年度~2026年度)を策定し「運輸部門の収益基盤の安定と向上」、「自社資産・人材の強みを活かし収益性・効率性を向上」、「事業継続可能な人的資本戦略の実施」に重点的に取組んでおります。同計画の中で優先的に対処すべき課題は次のとおりであります。
① 収益基盤の安定・向上の取組み
当社企業グループの中核である運輸部門におきましては、「稼ぐ力」の基盤をさらに強化するため、新潟と九州を結ぶコンテナ内航フィーダーサービスを活用し、長距離のモーダルシフト輸送を推進すると同時に、長年の実績に裏付けられた港湾荷役の高い技術を活かし、従来のバルクやコンテナ貨物の他、再生可能エネルギー関連貨物や重量物等の特殊貨物を確実に取り込む等、取扱貨物を安定して増やす取組みを継続して参ります。
ホテル事業部門におきましては、2024年11月から2025年4月にかけて、中高層階の客室を中心に改装を実施いたしました。これを契機に新潟市内の他のホテルとのサービスの差別化を一層徹底し、レストランや宴会といった料飲部門も魅力あるフェアを定期的に開催し、集客力の維持向上に引き続き取組んで参ります。
② 安全衛生の取組み
当社企業グループにおきましては、現場作業における労働災害の撲滅と健康に配慮した職場環境の実現は経営の要と認識しております。社員各々の安全に対する意識の底上げを図り、リスクアセスメントの着実な実行等により、安全な職場環境の構築に継続して取組んで参ります。
③ 人的資本の活用・人材育成の取組み
当社企業グループが提供する様々なサービスは、その多くが自社やお客様の施設等の「現場」で行われ、その内容は多岐に亘り、日々変化を伴います。この「現場」での変化やお客様のニーズに柔軟に応えることが出来る”現場力“を重視した人的資本の割当てや人材育成は重要であり、「現場力」の強化につながる取組みを推進して参ります。また、女性社員が倉庫内のフォークリフト作業に従事し、外国人女性を営業部署に配置する等、年齢、性別、国籍を問わず、多様な人材の活躍を推進しております。さらに、社員への定期的な意識調査を通じ、働き甲斐を高める人事制度を検討しており、働き方の多様化、育児・介護関係制度の拡充等、社内の環境整備に取組んで参ります。
④ 事業資産の有効活用と収益性、効率性向上の取組み
当社企業グループの事業資産につきましては、各セグメント部門の収益・資産効率性を高める利用や設備投資を十分検討して実施しております。一方で、各セグメント部門の垣根にこだわらず、各事業の効率化や新たな収益源を生み出す形につながる利用も継続して検討して参ります。また、政策保有株式については、保有による経済的効果を見極めたうえで縮減に取組み、株式売却で得た資金は運転資金や設備投資に充てる等、総資産のスリム化と資産の有効活用につなげて参ります。
臨港埠頭地区全体の有効活用につきましては、新潟港の目指すべき将来像とその実現のため、臨港地区がどのような役割を担うことが可能か、関係機関と連携を図り臨港地区の将来構想を策定して参ります。
⑤ 環境保全への取組み
当社企業グループでは、国土交通省による「みなとSDGsパートナー登録制度」に登録し同制度の中で、CO₂排出量の削減目標を掲げて取組んでおります。また新潟県が表明しているカーボンニュートラルに関する各種協議会にも参加し、脱炭素社会の実現に向け協力して参ります。事業活動においては、木材リサイクル事業を通じた廃材資源の利活用、自社施設の太陽光発電設備を利用した電動フォークリフトの活用等により環境保全に配慮した事業活動に取組んでおります。
また、ホテル事業部門では、「循環型農業で収穫された野菜の使用」、「プラスチック容器の削減」、「食べ残しゼロ」、「ホテル内のLED照明化」等に取組み、環境保護・エネルギー消費の削減に取組んでおります。
⑥ コンプライアンス・内部統制強化の取組み
当社企業グループでは、コンプライアンス意識を高く持ち、社員が業務に当たることが重要であると認識しております。
社員に対するコンプライアンス研修を定期的に実施するとともに、法令違反や企業倫理違反、ハラスメントを早期に発見するため、啓蒙活動の他、内部通報制度に関する社内体制の強化も行っております。また、適切な業務遂行のため、内部監査の指摘事項に対応した内部統制の強化策を実施し、その内部統制の運用が各部署で適正に行われているか確認して、グループ全体でリスク管理を徹底して参ります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画(2024年度~2026年度)において、「運輸部門」を中心に収益力を早期に回復させ、グループ全体の収益性・効率性を向上させるため、収益と資産効率性の指標と目標を掲げております。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な連結指標は、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産経常利益率)、各セグメント利益であります。
この度策定した中期経営計画の最終年度(2026年度)の目標値は、売上高150億円、営業利益6億円、営業利益率4%、ROE4%、ROA2%、各セグメント利益1億円以上維持であります。なお、同経営計画の1年目に当たる当連結会計年度(2024年度)は、売上高135億4千2百万円、営業利益4億7千3百万円、営業利益率3.5%、ROE2.9%、ROA1.6%となりました。
- 検索
- 業種別業績ランキング