リソルホールディングス
【東証プライム:5261】「サービス業」
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企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、コーポレートスローガン「あなたのオフを、もっとスマイルに。」を我々の仕事のすべての価値基準としています。お客様に心から喜んでいただけるサービスを提供し、たくさんのスマイルづくりに努め、革新的な発想と行動力で「いきがい・絆・健康・くつろぎ」を提供し、明るい社会づくりに貢献してまいります。
また、すべての事業を通じて、「人にやさしい」「社会にやさしい」「地球にやさしい」の3つの「やさしい」を実現していくことをリソルグループの長期方針に掲げています。
・「人にやさしい」
事業を通じて、“いきがい・絆・健康・くつろぎ”を実現していきます。
・「社会にやさしい」
事業を通じて、お客様、株主様、お取引先、従業員などすべてのステークホルダーとの友好関係を維持していきます。
・「地球にやさしい」
事業を通じて、省エネ、再生可能エネルギー、緑地保全、森林整備などを行い、地球を大事にしていきます。
(2)経営戦略等
リソルグループは、「施設運営」と「再生ビジネス」の両軸で多角的に事業を展開しています。ホテル運営事業・ゴルフ運営事業・リソルの森事業・福利厚生事業・再生エネルギー事業・投資再生事業の6事業において、事業間シナジーを発揮しながら新たな事業・商品開発に取り組み、グループ事業の持続可能性を高めます。サステナビリティ経営の根幹として、長期方針「人にやさしい」「社会にやさしい」「地球にやさしい」の3つの「やさしい」を掲げ、ESG経営の基盤強化とイノベーションにより企業価値向上を図り、事業を通じて社会的価値・経済的価値の最大化に取組みます。同時に、環境の変化や多様化するニーズに対応しながら事業の成長と拡大を継続的に図ります。
①ホテル運営事業
“リソルホテルズ”ブランドとして全国に20施設のホテルを展開。ブランド力強化による売上拡大を目指しており、新たなコンセプトとして「物語のあるホテル」を掲げ、女性・旅行客・中長期滞在をターゲットとした“ツーリストホテル”化を推進します。「Design」(それぞれの土地に根差した文化や芸術をデザインに昇華)に加え、「Tourist Support」(ツーリストのニーズに応える独自のコンシェルジュサービス)、「Eatwell Breakfast」(管理栄養士監修の健康的でおいしい朝食)、「Relaxation」(ホテル本来の目的である“くつろぎ”を提供)を強みとしたブランディングを図り、サービスや品質の向上に取組みます。また、拡大するインバウンド需要への対応として、マーケットに合わせたプロモーション施策を実施するとともに、収益性の改善に向けた直販比率向上の施策として、スマートフォンアプリを活用したグループ共通の会員制度による販促や自社ウェブサイトを通じた販売、法人向けの直接営業による販売に注力します。さらに、新規成長事業として「暮らすように泊まる。」をコンセプトに熱海・箱根・伊豆・那須・富士五湖・軽井沢を中心に展開する“リソルステイ事業”(別荘のシェア利用事業)を強化するなど、多様化する宿泊ニーズに対応しながら、今後も新たな宿泊スタイルの開発や新規施設の展開を推進してまいります。
②ゴルフ運営事業
顧客ニーズとゴルフ場の特性に合わせた運営スタイルで、全国に18コース(提携コース含)を展開。コースの上質化及び接客サービスの向上、ハードの改修、美味しい食事の提供などにより、ゴルフ場のブランド構築を図ると同時に、会員権販売を強化します。更に、各種会員向けのロイヤリティ施策や利便性強化により安定した集客体制を構築します。また、若年層や女性のゴルフ参加に加え、ゴルフプレーヤーの最大ボリュームゾーンである60代~70代の旺盛な需要、80代のプレー機会が伸びるなど、ゴルフ場の経営環境が好調を維持する中、新たにインバウンドゴルファーの集客を強化し、事業を拡大します。特に、ゴルフコースに隣接した眺望抜群のヴィラでプライベート空間と開放感が同時に楽しめる“フェアウェイフロントヴィラ事業”を推進し、インバウンドも含めた旅行者に対応できるワンランク上の高級リゾートをグループゴルフ場において展開してまいります。
③リソルの森事業
グループの象徴として位置づけている体験型リゾート「Sport & Do Resort リソルの森」では、リゾート・健康・スポーツ・アウトドアをテーマに掲げ、自然環境と強みを活かした総合力をベースに、運営事業と不動産開発事業の両軸で事業を展開。安定基盤の構築を図るため、運営部門の更なる売上拡大と新規事業の開発を進めてまいります。特に、プライベート温泉とドックランを備えたペットヴィラ「Dear Wan Spa Garden」をはじめ、今後も多様な宿泊施設のさらなる拡充や、インバウンドゴルファー向けの施策として、リゾートエリアでの宿泊と「真名カントリークラブ」のゴルフプレーをセットにした「ゴルフ&ステイ」プランの海外向け販売、リスキリングやチームビルディング等を目的とした企業研修の獲得、施設のブランド力を武器としたゴルフ会員権及びリゾート会員権販売など強化していきます。
④福利厚生事業
独自の「多様なメニュー数」や、「補助金精算システム」(利用実績に応じて補助金を精算・返金する透明性の高い料金体系)、「カフェテリアプラン(プラスユアチョイス)」(提携外の施設も利用可能なカスタマイズ性の高いプラン)、「従量制プラン」、「直営施設」(ホテル・ゴルフ場等の優待価格、出張・企業研修の限定プランの提供)を強みとした、総合福利厚生代行サービス「ライフサポート倶楽部」を通じて働く人々の健康と幸せづくりをサポートします。また、各種キャンペーン施策や会員専用ウェブサイトの改善等により利便性を向上させ会員の利用を促進し、提携先からの送客手数料売上の拡大を図ります。さらに、直営施設の特別料金提供等、グループシナジーを最大限発揮して顧客満足度の向上を図ります。会員企業やその従業員のニーズに対応したライフサポート・余暇の充実・健康増進・ワークライフバランスの実現等のメニュー開発を積極的に進め、商品の付加価値向上で更なる会員拡大を図り、本事業を推進してまいります。
⑤再生エネルギー事業
グループゴルフ場の土地や建物などに太陽光発電設備を開発し、売電と地産地消の2つの事業分野で展開します。ソーラーカーポート事業(グループゴルフ場4コース)、地産地消エネルギーシステム(リソルの森内)、1.5MW太陽光発電事業(リソルの森内)をはじめとする再生可能エネルギー事業の推進でCO2削減に貢献します。ソーラーカーポート事業のグループコースへの更なる展開も含め、今後もノウハウを活用しながら脱炭素ニーズに応じた取組みを継続し、「地球にやさしい」企業グループを持続的に実践してまいります。
⑥投資再生事業
運営施設のバリューアップ型投資再生、ゴルフ場にヴィラを建設したリゾート型再生、ゴルフ場の再エネ転用など、市場環境に合わせた再生ビジネスを展開します。各案件に最適なソリューションを結びつけることで事業利益の最大化を図ります。
⑦当社会員向け情報サービスの提供
当社グループでは、福利厚生事業における「ライフサポート倶楽部」会員、ホテル・ゴルフの運営事業における「リソルカード」会員等、グループ各種会員を対象に直営運営施設や提携先メニューの限定特別情報等を提供しています。さらに、スマートフォンアプリを活用したグループ会員制度の統合に向けた準備を開始しており、事業間シナジーを発揮する会員基盤の確立を目指します。
(3)経営環境
当連結会計年度はコロナ禍からの社会活動の正常化と、訪日外国人旅行者数が過去最高のペースで推移したことによるインバウンド消費の伸びや雇用、所得環境の改善などを背景に、観光需要の本格的な再拡大が見られ、宿泊・ゴルフ場のリゾート市場への旺盛なレジャー需要、企業の人的資本投資拡大による研修需要などに支えられ、堅調な状況が続いています。
(4)対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く事業環境は、訪日客数について中長期的には年間4,000万人超が安定的に見込まれることや、日本政府が掲げる2030年に6,000万人という数値目標を背景に、インバウンド需要が継続的に拡大することで引き続き好調な状況が見込まれます。当社グループでは、運営事業におけるインバウンド需要の取込みを加速するとともに、独自の強みをいかしながら新たな価値創造とブランド力の強化を通じて、事業拡大に努めてまいります。
ホテル運営事業では"ツーリストホテル"としての独自の強みをいかしたポジショニングを強化し、ブランドの確立を推進し他社との差別化を図ります。特に、専任の「サービスコーディネーター」を「リソルホテルズ」ブランドの各施設に配置し、お客様の旅に寄り添うコンシェルジュサービスの強化することで、顧客満足度の向上とリピーター創出に努めてまいります。
ゴルフ運営事業では、夏場の利用者減少への対策として、全コースでのクーラー付きカートの導入や、フェアウェイ乗り入れ、暖地型芝への転換などによるコースメンテナンス強化を推進し、オフピーク時の稼働率平準化と収益力強化の実現を目指します。将来的な国内プレーヤー人口の減少を見据え、インバウンド集客体制の整備を進めてまいります。なかでも、“フェアウェイフロントヴィラ事業”では、ゴルファーはもちろん観光を目的としたツーリスト層にも対応できる、ワンランク上の高級リゾート化を目指します。
さらに、財務の健全性を意識しながら、戦略的なM&Aによるゴルフ場の取得と計画的なホテルの出店、新たな宿泊サービスによる多様化への対応、海外への事業進出の検討などにより継続的な事業拡大を進めてまいります。
事業規模の拡大に伴う人材確保と育成も重要な課題と捉え、採用・人材開発体制の強化を進めてまいります。人的資本投資を拡充に努めるとともに、オペレーションの共通化やDXの推進により、業務効率の改善と省人化の実現を図ります。
エネルギー・原材料等のコスト高騰への対応が迫られる中、仕入れの統一化、ソーラーカーポートを活用した自家消費型太陽光発電等、コストの適正化への対応を一層強化します。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの売上高は前期に比して2,683百万円の増加(前期比10.4%増)、経常利益は前期に比して619百万円の増加(前期比31.8%増)となりました。これは主にホテル運営事業における旺盛なインバウンド需要について、マーケットに合わせたプロモーション施策を各ホテルで積極的に実施したことで客室単価・稼働率が順調に推移したことにより売上高及び利益については前期より改善しました。ゴルフ運営事業においては新たに運営を開始したゴルフ場が通期で業績に寄与したものの、気象要因の影響を受け、売上高は増加するも利益については減少しました。また、投資再生事業の売上高及び利益が前期より減少したことにより経常利益については減少しました。その結果、総資産経常利益率(ROA)は5.9%となり前期末の4.5%から改善しました。自己資本利益率(ROE)は12.7%となり前期末の10.0%から改善されました。
指標 | 2024年3月期 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 2025年3月期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
売上高 | 25,717百万円 | 28,400百万円 |
経常利益 | 1,947百万円 | 2,566百万円 |
ROA(総資産経常利益率) | 4.5% | 5.9% |
ROE(自己資本当期純利益率) | 10.0% | 12.7% |
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