リズム
【東証プライム:7769】「精密機器」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、「リズムグループ経営理念」を次のとおり定めております。
(リズムグループ経営理念)
たゆみない創造と革新を続け、豊かで楽しい安全な社会づくりに貢献する
(私たちが求め向かう企業像)
1. 人々に喜ばれる製品・サービスを創造する
2. 世界の国々における取引を通じ関係者の繁栄を図る
3. 活力ある企業風土を築く
(2) 中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題及び目標とする経営指標
①目標とする経営指標
当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3年間を対象とする「中期経営計画2027」を策定し、次の項目を経営目標としております。
売上・利益計画 | 2025年3月期 (実績) | 2026年3月期 (計画) | 2027年3月期 (計画) | 2028年3月期 (計画) |
売上高 | 326億円 | 335億円 | 370億円 | 400億円 |
営業利益 | 8億円 | 14億円 | 20億円 | 25億円 |
経常利益 | 11億円 | 17億円 | 23億円 | 28億円 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 7億円 | 12億円 | 17億円 | 21億円 |
財務指標 | 2025年3月期 (実績) | 2026年3月期 (計画) | 2027年3月期 (計画) | 2028年3月期 (計画) |
営業利益率 | 2.5% | 4.2% | 5.4% | 6.3% |
ROE | 2.4% | 4.0% | 5.0% | 6.0% |
モビリティ売上高 ※1 | 127億円 | 105億円 | 115億円 | 130億円 |
快適品売上高 | 27億円 | 37億円 | 43億円 | 50億円 |
海外売上高比率 | 43% | 41% | 41% | 41% |
(精密部品) | 50% | 48% | 47% | 46% |
(生活用品) | 24% | 20% | 26% | 27% |
※1.モビリティ売上高は「中期経営計画2027」より集計方法を変更。
非財務指標 | 2025年3月期 (実績) | 2028年3月期 (計画) | 2051年3月期 (計画) |
CO2排出量削減 ※1 | ※2 | 30%減 | 実質ゼロ |
女性従業員比率 | 22.3% | 30% | ― |
(国内G) | 7.9% | 10% | ― |
(海外G) | 32.8% | 40% | ― |
※1 削減割合は2019年3月期比、削減対象はスコープ1+2、原単位は売上高百万円当たりのCO2排出量。
※2 算定次第、当社WEBサイト内のサステナビリティページにて公開予定。(https://www.rhythm.co.jp/sustainability/)
②経営戦略等
中期経営計画2027においては、同中期経営計画を「事業モデル確立による新たな成長の実現」フェーズと位置づけ、これまでの事業変革への取組みを完遂するとともに、外部環境変化に負けない体質作りを進め、更なる企業価値向上に取り組んでまいります。高収益体質への転換を図り、資本効率の改善を進めるため、4つの戦略・基本方針を定めております。
a.事業戦略「事業モデルの競争力強化」
前中期経営計画においては、精密部品事業を成長ドライバーと位置づけ、車載関連ビジネスを中心とした拡大を目指してまいりました。また、生活用品事業においては、大きな構造改革に取り組み、「快適品」分野の本格拡大に向けた取組を推進してまいりました。中期経営計画2027においては、これらの事業モデルを確立し新たな成長を実現するフェーズと位置づけ、競争力強化に向けた取組を推進してまいります。
イ.精密部品事業
BEV化は一時的に停滞しているものの、自動車の電動化、自動化あるいは多機能化は着実に進展しており、電装部品、センサーカメラ部品を得意とする当社への追い風となっています。引き続きモビリティ分野を最重要分野とし、電装品、ADAS部品に注力してまいります。「オリジナル部品の開発と汎用化」、金属プレスと樹脂成形技術を併せ持つ強みを活かした「ユニット部品の拡大」、グローバルネットワークを活用した「戦略顧客の深耕」を取組方針として掲げており、こうした方針のもと、ソレノイドコイル等既存部品の販売強化、新規部品への取組推進、生産性向上に取り組んでまいります。
ロ.生活用品事業
前中期経営計画期間においては、クロック市場の縮小に伴いクロック依存からの脱却と新たな事業モデルの構築を進めてまいりました。中国工場の採算改善や快適品でのヒット商品(モバイルファン)創出等、成果も生まれております。本中期経営計画においては、こうした構造改革の成果を確かなものとし、早期収益化と快適品の次なるヒット商品創出に向けて取り組んでまいります。これらを推進するため、大手EC・家電量販店や中国をはじめとするアジア圏での「快適品の販路拡大」、空調分野のラインアップ拡大と新分野への研究開発推進による「快適品の次なるヒット」創出、原価低減に向け「生産体制の強化」を行い、快適品を製品ポートフォリオの中核に成長させ、売上拡大と収益化を達成してまいります。
b.財務戦略「成長投資と資本効率の向上」
引き続き、業績拡大による安定した収益基盤の構築、資本コスト経営の強化を進め、成長ドライバーである精密部品事業への積極投資や、新製品開発など生活用品事業における新たな柱(快適品)の拡大投資、システム・IT投資等、持続的成長に向けた投資を実行してまいります。2024年3月期にリズム翔栄株式会社の買収を行いましたが、M&A投資も引き続き重要な成長戦略の一つとして推進してまいります。
株主還元についても重要経営課題と認識しております。2025年3月期は一株当たり73円00銭(配当性向79.4%)と、増配いたします。引き続き、業績の拡大、手元資金、投資の状況に応じて株主還元の強化に努めてまいります。
資本コスト経営についてはその実践、高度化を進めており、2024年3月には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を開示し、2025年3月にはそのアップデートを行いました。引き続き、業績回復による企業価値向上を第一に、資本コストや株価を意識した経営の実現、PBRの向上に努めてまいります。
c.経営基盤戦略「経営の推進力向上」
経営基盤戦略をなす人財、IT/DX、ガバナンスの各分野における活動は、経営の推進力を高めるものとして取り組みを強化してまいります。人財面では、経営戦略を推進する原動力となる人材の確保・育成・適正配置を進めてまいります。IT/DXにおいては、ビジネス変革として圧倒的なビジネススピードの獲得に挑戦し、デジタルネイティブ企業への進化を目指します。ガバナンス面においては、適切なリスクヘッジと果敢なリスクテイクにより成長の実現を図ってまいります。
d.サステナビリティ戦略「経営・事業活動との同期化」
サステナビリティへの取組みは企業活動に不可欠であり、企業存続にも大きな影響ある生き残り戦略の一つとして、その重要性を認識して推進しております。気候変動への対応をはじめとした「環境」と、人権や人的資本等に関する「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)」を重要なテーマと捉えております。これらの活動を経営・事業活動と同期化させることにより、取組の深化・実効性向上を図ってまいります。環境においては、CO2排出量削減、環境コスト低減を、DEIにおいては、人権尊重を基盤に女性、障がい者等多様な人財の活躍を実現してまいります。
(3) 今後の見通し
2026年3月期の国内及び世界経済は、ウクライナや中東情勢等の地政学リスク、中国経済の更なる減速、エネルギー・原材料価格をはじめとする世界的な物価上昇、不透明な金融政策、不安定な為替変動などに加え、米国新政権による貿易関税問題が世界経済に混乱を招いており、先行きは極めて不透明・不安定な状況となっております。特に当社グループの主力事業分野である自動車業界においては、この貿易関税問題による大きな影響が懸念され、当社グループも少なからず影響を受ける可能性があります。
こうした状況は当面継続が見込まれ、当社を取り巻く事業環境は極めて不透明となっております。精密部品事業においては、空調関連部品は好調を維持しておりますが、工作機械関連部品の受注回復の更なる遅れが懸念され、主力の車載関連部品も安定した受注はあるものの、上記のとおり不透明さを増しております。ベトナム組立事業の回復も見通せない状況が続いております。
一方、生活用品事業では、生産数量増大や生産性向上への取組による中国生産拠点の採算化、不採算拠点の閉鎖など構造改革の効果が現れております。また、昨年大きく販売を伸ばしたハンディファン、サーキュレーター等の快適品の国内外での更なる販売増加を見込んでおります。
なお、プライム市場上場維持基準に関しては、2025年3月末時点において「流通株式比率」「流通株式時価総額」において未達となっております。その対応等については別途お知らせいたします。
(4) 2026年3月期の連結業績予想
2026年3月期につきましては、2025年5月14日公表の「固定資産の譲渡及び特別利益の計上見込みに関するお知らせ」のとおり、不動産売却に伴う特別利益の計上が見込まれるものの、上記のとおり、当社を取り巻く事業環境は不透明さを増しております。こうしたことから、2026年3月期の連結業績予想につきましては、現時点では合理的な算定を行うことが困難であり、未定とさせていただきます。
なお、上記にも記載のとおり、2025年3月24日公表の中期経営計画2027においては、売上高は335億円(当期比2.5%増)、営業利益は14億円(当期比71.2%増)、経常利益は17億円(当期比46.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億円(当期比58.1%増)を計画値としております。
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