企業兼大株主ラクス東証プライム:3923】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げており、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。

 また、「日本を代表する企業になる」をビジョンに掲げ、達成すべきゴールとして捉えておりますが、当社グループでは、ゴール達成のための思考と行動指針に大きな特徴があります。

(思考)

「ユニークネス」と称しており、以下の4項目で構成されております。

・ゴールオリエンテッド

・着実な継続

・誠実な合理性

・不確実性の排除

(行動指針)

「ラクスリーダーシッププリンシプル(RLP)」と称しており、以下の11項目で構成されております。

・自分自身の会社だと思う

・全体最適視点をもつ

・誠意をもって人と接する

・学習し成長し続ける

・小さく試して大きく育てる

・費用対効果を考える

・やるべきことを実行する

・他者の考えを受け入れる

・失敗を許容する

・考えている事を言葉で伝える

・結果にこだわる

 当社は、思考と行動指針をもとに今までにも高いゴールを掲げ、それらを着実に達成してきました。引き続きミッション・ビジョンの実現のため、事業を推進してまいります。

 以上をもとに当社では、経営方針を定めております。その基本方針については以下のとおりです。

①人材育成方針

 当社は、企業価値の持続的な向上のために「人の成長が組織の成長につながる」という考えのもと、全社員が自律的に学び、挑戦し、行動し続けることができる環境を整えることを重視しております。

 社員が「安心して働き、成長し続けられる」ことを人材マネジメントの根幹に据え、単なるスキル習得にとどまらず、リーダーシップ・倫理観・社会的責任感を兼ね備えた人材の育成を目指しております。

 また、RLPを全社的な育成・評価・制度設計の基盤としております。

②社内環境整備方針

 当社は、「社員一人ひとりがゴールを共有する仲間である」という認識のもと、社員が安心して能力を発揮し、継続的に成長できる環境の整備を重視しております。

 また、成長戦略を支えるためには、社員の多様な価値観・ライフステージ・職種特性に応じた柔軟な働き方と、心身の健康を支える制度設計が不可欠であると考えております。

 こうした考えに基づき、当社は単なる制度提供にとどまらず、インナーブランディングやリアルな接点機会の提供を通じてカルチャー醸成を図り、全社的なエンゲージメントの向上と行動指針の浸透を推進しております。

③環境方針

 当社は、環境保全への取組を経営の重要課題の一つと位置づけ、環境マネジメントの実践を通じて、環境への配慮と汚染の未然防止を継続的に推進してまいります。

④人権方針

 当社は、事業活動を通じて直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しており、関係するすべての人々の権利を尊重し、責任ある取組を推進してまいります。

⑤DEI方針

 当社は、ジェンダー、年齢、国籍、障がいの有無、宗教・信条、性的指向・性自認、家庭環境、ライフスタイルなど、多様な背景を持つ社員一人ひとりの個性と価値観を尊重し、誰もが安心して働き、能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指します。

⑥マルチステークホルダー方針

 当社は、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。

⑦情報セキュリティ基本方針

 当社は、情報資産の漏えい・改ざん・滅失・盗難などの脅威から守るため、体制構築と従業員教育を通じて情報セキュリティの維持・強化を図っております。

⑧個人情報保護方針

 当社は、クラウドサービス等の提供にあたり、顧客企業の個人情報を安全に管理することを重要な社会的責任と位置付け、社内体制の整備及び全社的な取組を推進しております。

⑨腐敗防止方針

 当社は、あらゆる形態の贈収賄や不正な利益供与、資金洗浄、その他の腐敗行為を排除し、誠実かつ倫理的な事業運営を行うことが、企業の社会的責任であると認識しております。

⑩反社会的勢力排除に関する基本方針

 当社は、反社会的勢力とは一切関係を持たず、組織としての明確な姿勢をもって遮断を徹底しております。

⑪ディスクロージャーポリシー

 当社は、投資判断に重要な影響を与える決定事実、発生事実、決算に関する情報が生じた場合には、適時開示規則の基準に沿って迅速に開示するとともに、適時開示規則に該当しない場合でも、適時開示規則に準拠し、公表が必要となる会社情報、及び投資判断に影響を与えると当社で判断した重要な会社情報につきましては積極的に開示いたします。

 上記基本方針のうち、③~⑪の詳細については、当社コーポレートサイト(注1)にて公開しております。

 以上の方針をもとに、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。

(2)経営戦略等

 当社グループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、当社の成長を牽引している「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」をはじめとした「楽楽シリーズ」にリソースを重点的に配分いたします。その他のサービスについては競争優位性と市場の成長性を勘案した上で、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することにより、当社グループ全体の持続的な事業成長を目指してまいります。

 人的資本については、経営方針に基づき、具体的な施策として以下を実施しております。

(人材育成施策)

・RLPの浸透と運用

RLPをもとにした評価制度及び研修体系を整備し、管理職の行動実践を可視化。定期的なレビューを通じて実効性を高めております。

・役割等級と連動した研修体系

 等級別研修(Next Leader Program、意思決定研修、1on1実践研修)やOJT支援制度を整備し、職位に応じたスキルとマインドの段階的な習得を促進しております。

・キャリア自律支援と配置の柔軟性確保

 社内公募制度・ジョブローテーション制度の運用により、社員の希望と適性に応じたキャリア選択を支援。年次を問わない抜擢登用も実施しております。

・評価の透明性と納得性の向上

 コンピテンシー評価と成果評価による2軸評価制度を導入。評価フィードバックと納得度調査に基づき、上司のマネジメント改善サイクルを運用しております。

・エンゲージメント向上と組織風土づくり

 年2回のエンゲージメントサーベイを実施し、部門単位でアクションプランを策定。組織課題の特定と継続的な改善を図っております。

(社内環境整備施策)

・柔軟な就業制度の整備

 時差出勤制度、在宅勤務制度などを整備し、ライフスタイルや業務特性に応じた柔軟な働き方を推進しております。

・健康と安心を支える制度の拡充

 年次有給休暇とは別に、本人または同居家族の私傷病に対して最大5日間の特別有給休暇を付与する「シックリーブ制度」を導入。加えて、メンタルヘルス支援、健康診断・再検査支援制度を提供しております。

・エンゲージメント向上施策の実施

 全社員向けイベント「楽!フェス」のリアル開催、社内イントラネットによる情報発信、表彰制度「ラクスAWARD」などを通じ、価値観の共有と士気向上を図っております。

・多様な社員が活躍できる環境の整備

 性別、年齢、国籍を問わず、すべての社員が能力を発揮できる環境を整備。時短勤務、看護休暇といった育児、介護、私傷病との両立支援制度も導入しております。

・継続的な制度改善サイクルの構築

 社員の声をもとに施策をアップデートし、有給休暇取得率90%以上、月平均時間外労働時間20時間未満を継続実現するなど、働きやすい社内環境の整備に向けた実効性ある制度運用を継続しております。

(3)経営環境

 当社が所属する情報通信サービス市場においては、人手不足や働き方改革の影響からデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する企業が増加する等、IT投資への意欲は引き続き旺盛に推移しております。

 一方で、経費精算市場を中心とした一部の事業領域では市場の成熟化が進みつつあり、サービスを提供する企業も複数存在することから、競争環境は年々、より厳しさを増している状況にあります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、当社グループが提供しているクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスは今後も需要が拡大するものと予測されます。

 一方で、一部事業領域では市場の成熟化が進行し、競争環境が厳しさを増す中で、当社グループが持続的な成長を実現するためには、以下の課題への対応が重要であると認識しております。

①成長サービスへの集中・強化

 クラウドサービス市場は今後も拡大が見込まれる一方、競合の増加や一部分野の成熟化が進行しており、事業ごとに成長余地に差が生じつつあります。

 このような環境下、当社では成長性の高いサービスへの経営資源の重点配分を進め、確実な市場シェアの獲得と収益力の向上を図ってまいります。

②サービスラインナップの拡充

 特定のサービスへの依存度が高い状態は、将来的な成長機会やリスク分散の観点で課題となり得ます。

 当社は既存プロダクト群に加え、顧客の新たなニーズを捉えた新サービスの開発・導入、M&Aによるプロダクト獲得を推進し、事業ポートフォリオの多様化と持続的な売上成長の両立を目指してまいります。

③営業・販売体制の強化

 拡大する市場で継続的な成長を実現するためには、営業活動の質と量の両面から強化が必要です。

 クラウド事業は、東京・大阪・札幌・名古屋・新潟・広島・福岡の7拠点(注2)で営業活動を行っており、今後も営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。 また、中長期的には、既存顧客に対しても自社プロダクトのクロスセル提案等により収益機会の最大化に努めてまいります。

 IT人材事業は、派遣先での業務を通じてITエンジニアのキャリアアップを行い、提供するサービスの高付加価値化を行う事業であり、多くの案件を常に確保し、ITエンジニアの成長機会を提供することが不可欠であります。そのため営業担当者が顧客のニーズを引き出し、最適なマッチングを行うことで継続的な案件確保に努めてまいります。

④マーケティング戦略の高度化による認知度向上

 当社グループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するには当社及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。

 一方、現在行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。引き続き、費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を推進いたします。また、オンライン・オフライン双方のチャネルを活用しながら、データ分析に基づくマーケティング精度の向上に取り組み、ブランド認知度の向上と顧客獲得効率の改善を図ってまいります。

⑤開発力の強化

 クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。当社グループでは、従来の国内、ベトナムでの開発に加え、2025年4月にはインドネシアに新たな開発拠点を設立する等、開発リソースの確保に注力しており、今後も開発リソースの最適化と技術力の強化を進め、プロダクトの優位性維持と顧客満足度の向上を目指してまいります。

⑥人材の確保と育成

 当社グループの成長のためには優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。

 また、採用後も人的資本投資として研修制度やキャリア支援の充実、エンゲージメント向上施策を推進し、組織の競争力向上を図ってまいります。

⑦システムの安定性とセキュリティの確保

 当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。

 また、災害対策に加え、ISMS(注3)、PMS(注4)等の管理体制の強化を通じて、安定稼働と情報セキュリティリスクの低減を図ってまいります。

⑧財務基盤の強化と資本効率の向上

 当社グループは、営業キャッシュ・フローの増加や成長投資による資本構成の変化を踏まえ、引き続き財務の健全性を維持しながら、資本効率の向上にも取り組む方針です。

 1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標と位置付けつつ、中期経営目標の達成を図ってまいります。

⑨ガバナンス・内部統制の強化

 組織の拡大とともに、経営の透明性やリスク管理体制の実効性確保がより重要となります。

 当社は、取締役会及び各種委員会の運営強化、内部監査機能の充実を通じて、健全かつ透明性の高い経営体制の構築を推進してまいります。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標として掲げております。EPSを中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化し、売上高の拡大を目指してまいります。

 現在取り組んでいる中期経営目標においては、成長投資強化期間中は高い売上成長を優先する方針でしたが、最終年度に向けては投資効率を見極め、営業利益率の向上を図ることで、EPSの持続的成長を実現する方針です。

 一方、2027年3月期を起点とする次期中期経営計画については、2026年5月の開示を目指して準備を進めております。骨子としては、主力プロダクトである「楽楽精算」の市場成熟や当社の事業規模の拡大を踏まえ、売上の「ハイグロース」から、収益性改善を伴う「クオリティグロース」への移行を想定しております。

 なお、2026年3月期を最終年とする中期経営目標数値は以下のとおりです。

 ・5カ年の売上高      : CAGR(年平均成長率)31%~32%
 ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上
 ・2026年3月期 純資産   : 200億円以上

(注)1.当社コーポレートサイトのURLは以下のとおりです。https://www.rakus.co.jp/

2.2025年4月7日付で静岡営業所を設立しており、本書提出日現在では8拠点となっております。

3.「ISMS」とは、Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略で、組織の情報セキュリティを管理するための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本品質保証機構」によるISMS認証を2021年1月15日に登録しており、継続的に維持更新しております。

4.「PMS」とは、Personal Information Protection Management Systems(個人情報保護マネジメントシステム)の略で、企業が個人情報を適切に取り扱うための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本情報システム・ユーザ協会」によるプライバシーマークを2006年9月5日に登録しており、継続的に維持更新しております。

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