企業兼大株主ライオン東証プライム:4912】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、『愛の精神の実践』を創業からの想いとして受け継ぎ、パーパス(存在意義)「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign(リ デザイン))」を経営の起点とし、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしに役立つ優良製品・サービスを提供することにより、サステナブルな社会に貢献していくことが使命であると認識しております。

 人々の価値観の変化や企業に求められる社会的な役割を的確に捉え、お客様満足を最優先とする製品開発、サービスの提供に取り組むとともに、環境保全活動の推進やコーポレート・ガバナンス体制の充実を図り、株主、お客様、お取引先、地域・社会、従業員等のすべてのステークホルダーからの期待に応えられる信頼性の高い企業として、企業価値の一層の向上に努めてまいります。

(2) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2030年のありたい姿として経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げています。

 ビジョン実現に向けては、パーパス(存在意義)を起点とした経営を一層強化し、サステナブルな社会への貢献と事業の成長を目指すべく中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」を策定しており、2022年からは3ヵ年の中期経営計画「Vision(ビジョン)2030 1st(ファースト) STAGE(ステージ)」をスタートさせています。

<中長期経営戦略フレーム「Vision2030」の概要>

◇経営ビジョン

「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」

◇3つの成長戦略の推進

 事業成長を加速させるため、3つの成長戦略を推進します。

① 「4つの提供価値領域における成長加速」

② 「成長に向けた事業基盤への変革」

③ 「変革を実現するダイナミズムの創出」

◇サステナビリティ重要課題への取組み強化

「健康な生活習慣づくり」「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として、成長戦略と相乗的に推進してまいります。

<2030年の目指す業績イメージ>

・連結売上高               6,000億円水準(海外事業の構成比50%水準)

・EBITDA ※1      800億円水準

・事業利益 ※2               500億円水準

・ROIC                       8~12%

・ROE                        10~14%

※1 事業利益に減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)を合算したものであり、キャッシュベースの収益力を測る指標です。

※2 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。

(3) 会社の対処すべき課題

 経営ビジョン実現に向け、2022年からスタートさせた3ヵ年の中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」に掲げる戦略をスピーディに実行し、着実な成果につなげることが当社グループの課題であると認識しております。

◇経営ビジョン実現に向けた経営戦略

<3つの成長戦略とその推進状況

①4つの提供価値領域における成長加速

 オーラルヘルス領域では、企業や自治体のウェルビーイング経営(健康経営)を支援する『おくちプラスユー』を2022年7月より開始する等、人々の健康な生活習慣づくりを通じて市場の拡大に資する新しい事業機会の創出を進めています。

 また、事業成長の最重点国と位置付けている中国では、2030年1,000億円の売上規模を目指し、オーラルケアを起点として、販売エリア・チャネル、商品カテゴリーの拡大を進めています。

②成長に向けた事業基盤への変革

2021年に完成したハミガキ新工場(香川県坂出市)を当社グループのハミガキ生産の主力工場の一つとして位置づけ、効率的でサステナブルな生産・供給体制の構築に向け最大限活用してまいります。

 新基幹システムを2022年に稼働させており、需給計画、調達、生産、販売など経営情報の迅速なアウトプットとそれらを活かした経営管理、サプライチェーンマネジメントの高度化に取り組んでいます。

 海外事業の成長基盤構築については、バングラデシュ(2022年)、ベトナム(2023年)と、中期経営計画で目標としている2ヵ国への新規参入を実現しました。今後は、上記2ヵ国における早期の事業軌道化を目指すとともに、更なる進出国の探索を継続してまいります。

③変革を実現するダイナミズムの創出

 人事処遇制度や人材開発体系等の人材マネジメントシステムを刷新し、従業員の自律的な成長や専門性の高い人材の創出を通じた組織力の向上を進めています。

 また、従業員一人ひとりが描くライフプランとライフスタイルの実現に向けて、より柔軟な働き方を選択できる制度の充実や、新本社への移転など快適なオフィス環境の整備を進めています。

<サステナビリティ重要課題への取組み強化>

 最重要課題に掲げる「サステナブルな地球環境への取組み推進」について、自治体や他企業と連携した資源循環に向けた取組みや省資源型商品の開発を推進しています。同じく「健康な生活習慣づくり」については、オーラルケアの新習慣を提案するサービス型事業の開始などの施策を進めています。

 また、気候変動が当社に及ぼすリスクと機会について、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)のフレームワークに沿ったシナリオ分析を実施し、2023年にその結果について開示を行っています。

(4) セグメント別の課題と戦略

①一般用消費財事業

 一般用消費財事業は、主要分野において、付加価値の高い新製品や環境に配慮した新製品の導入と育成を図るとともに、4つの提供価値領域における新たな価値創造に向けた取組みを加速させます。

②産業用品事業

 産業用品事業は、モビリティ、エレクトロニクス等の主要分野で重点施策を着実に推進し、事業基盤の強化と製品の販売を通じたサステナビリティへの貢献に努めてまいります。また、業務用洗浄剤分野では、重点顧客への取組みを強化するとともに、衛生関連事業の拡大にも注力します。

③海外事業

 海外事業は、ホームケア分野の収益性向上に取り組むとともに、オーラルケア、ビューティケアなどパーソナルケア分野を中心にマーケティング施策を展開し、特に成長が続く中国を重点国として、事業規模の拡大に努めます。併せて、新規参入したバングラデシュ、ベトナムにおいて、成長に向けた事業基盤の構築を進めるとともに、更なる新規国・エリアへの参入の検討も進めてまいります。

(5) 中期経営計画の進捗状況

 当社グループは、中長期経営戦略フレーム「Vision2030」にもとづき、2022年度から、中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」を推進しております。

<中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」>

 中長期経営戦略フレーム「Vision2030」の実現に向け、2030年まで3年毎の中期経営計画を3回設定し、経営環境の変化に対応した戦略推進を図ります。

「1st STAGE」では、「成長加速へのギアチェンジ」をテーマとして、「成長戦略の実行」と「経営基盤の変革」を推進し、成長しながら変革を加速させます。また、ROICマネジメントの活用によるマネジメントコントロールの強化を図ります。

◇成長戦略の推進

(1)4つの提供価値領域における成長加速

・4つの提供価値領域における既存ビジネスの進化と新たなビジネスモデルの創出により収益機会を獲得しま

 す。

・中国事業の高成長を維持し2ヵ国以上の新規国・エリアへの参入を目指します。

・エコ習慣づくりにより社会貢献を拡大します。

(2)成長に向けた事業基盤への変革

・ビジネス基盤・システム基盤を強化し、業務効率化のためにDX推進を加速します。

・経営マネジメントの高度化を図ります。

・サステナブルなSCM基盤を構築するとともに、サステナビリティ戦略の推進を加速します。

(3)変革を実現するダイナミズムの創出

・ライオン流働きがい改革の推進等により従業員エンゲージメントの向上を図ります。

・人材育成・人的資本への投資を拡大します。

◇サステナビリティ重要課題への取組み

(1)健康な生活習慣づくり

 インクルーシブ・オーラルケアなどを通じて、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしの実現と健康寿命の延伸に貢献します。

(2)サステナブルな地球環境への取組み推進

・生活者と共につくる「エコの習慣化」により、脱炭素社会と資源循環型社会の実現に貢献します。

・家庭での環境負荷を低減する「節水・節電習慣」と「詰め替え習慣・捨てない習慣」を、業界・他社と連携

 して日本を含むアジアに展開します。

◇キャッシュアロケーション

3ヵ年で1,200億円超のキャッシュ獲得を想定し、その内の800億円超を将来に向けた戦略投資に投下するとともに、配当および自己株式取得による300億円超の株主還元を行うことを想定しています。

◇連結業績目標

・連結売上高                 4,200億円

・EBITDA                 520億円

・事業利益                     320億円

・営業利益                     320億円

・ROIC                   7.5%水準

・ROE                     9.0%水準

<進捗と課題>

3つの成長戦略にもとづく施策を推進した結果、連結売上高は、本計画開始前3ヵ年の成長率を上回る水準で推移し、中期経営計画で掲げた「成長加速へのギアチェンジ」を一定レベルで果たしました。とりわけ、2030年度売上構成比50%水準を目指している海外事業では、中国をはじめとする既存参入国・エリアにおけるプレゼンス拡大により、2023年12月期の売上構成比は33%と順調に拡大しています。

 一方で利益については、世界的な資源価格高騰による原材料価格上昇の影響を受けたことに加え、国内のファブリックケア分野において、高い目標を置いて発売した新製品が想定を下回ったこと等から、当初目指していた水準に達することができておりません。

 このような状況を踏まえ、当社グループは「Vision2030 1st STAGE」の最終年度となる本年を、次期中期経営計画に向けた基盤再構築の年と捉え、低収益事業の整理および経営資源のアロケーションを通じた事業ポートフォリオの見直しや、事業運営の効率化を一層強力に推し進めます。併せて、重点国・エリア、重点分野への投資の先鋭化を推進し、2030年のビジョン実現に向け企業価値の向上を目指してまいります。

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