企業兼大株主ヤマウラ東証プライム:1780】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

 当社は、地域に根差し、地域の信頼を基盤に、「まちづくり」と「モノづくり」を通して地域の発展に貢献し続けていくべくサステナビリティを経営の軸とし、「安全第一」、「品質第一」、そして「お客様満足度第一」であることを経営の要諦として実践しております。人材が会社を支える礎。多様性を活かした人材育成に力を入れ、個々の能力と一丸となって進む組織力との融合がさらに高い付加価値を生む。一世紀を支え続けてきた骨太の創業精神という土壌の上に変化する時代に合わせてニーズを的確に捉え、企業価値の継続的向上に努めてまいります。

 また、澄みわたる空気、深く藍い空、雪解けのせせらぎ。長野県南部の伊那盆地中央に位置する本社所在のここ駒ケ根市は、東に”南アルプス”、西に”中央アルプス”の雄大な峰々、まちの中心を南北に悠然と流れる”天竜川”を持つ、大自然に抱かれたまちです。このような大自然の香り漂う駒ケ根で、当社は大正9年に創業し、100年以上にわたって環境との共生を変わりなく続けてまいりました。豊かな緑に包まれた本社をはじめ各事業所・営業所は周辺環境と調和し、訪れる人々が心安らぐ環境づくりを従業員一同で進めてまいりました。「モノづくり」の精神を基本に、環境に優しい地域に密着した企業として、「製品づくり」から「建物づくり」、そして地域の生活を守り生活を豊かにする「社会資本づくり」へと取り組んでおります。「地域と共に」の姿勢は、信州にゆかりのある企業の品物でご好評をいただく当社の株主優待での取り扱いにも表れています。今後も、私たちを支え育んでいただいております地域・ステークホルダーの皆様、ならびにお客様に信頼されながら、この美しい大自然を汚すことなく、技術の研鑽に努めてまいります。具体的には、新中期経営計画「Vision2030」にてMVV展開(ミッション:地域企業として社会に貢献、ビジョン:成長戦略、バリュー:企業価値向上)をしてまいります。

【中期経営計画】

 当社は、2025年4月~2028年3月までの中期経営計画を公表しました。「価値共創とサステナ」をパーパスとし、当社の持続的成長と企業価値の向上に繋げるVision2030を掲げ、2025年4月~2028年3月と2028年4月~2031年3月の2期に分けての計画としております。成長戦略として、

① 改善戦略(成長に向けての組織的な現状の課題を捉えて攻略する)

 ・フレキシブルな組織展開

 ・バックオフィス拡充

 ・役員と本部の役割明確化と機能強化

 ・役員評価制度の改訂

 差別化戦略(当社の強みをさらに明確化して戦略的に育成する)

 ・部門間シナジーの最大化

 ・R&D

 ・新商品開発

 ・重点エリア開発

 積極戦略(成長エンジンとなる事業に果敢に挑み将来の収益基盤を拡大する)

 の3本柱を中心に組みました。経営環境を睨みながら順次成長戦略としての事業を推進してまいります。また、当社の資本コストはGAPモデルにより9%程度と認識しておりますが、ROEは2025年3月期では13.7%と十分に資本コストを上回る水準となっております。中期経営計画では14%とすることを目指しております。この資本コストを上回るROEを継続していくための3つの基本方針とは、

① 成長事業への積極投資

 資本効率の最適化を図って事業ポートフォリオを再構築し、持続可能な成長に繋がる事業へ積極投資をしていく。

② 資本効率の最大化

 キャッシュアロケーション方針による適切な資金配分で、収益性・成長率を最大化し、株主へ利益還元をしていく。

③ 非財務価値の向上

 ESGを推進しサステナビリティと共創の社会づくりを通して、能力を最大限発揮できるキャリア形成、成長を実現できる基盤環境整備をしていく。

2025年3月末の当社のPBRは0.98倍であります。ROEが13.7%と高水準であるにもかかわらずPERが7.58倍と低めであることから、成長戦略の追求と株主価値・企業価値の追求によりPERの改善を図ってまいります。以下、詳細は「中期経営計画2025」をご参照ください。

 https://yamaura.co.jp/ir/material/results/


(2) 経営環境

我が国経済は、企業収益の改善等により景気は緩やかな回復の動きが見られましたが、継続的な物価上昇、投資目的の国内外の大型な企業買収騒動や通商政策などの米国の政策動向等による影響も注視する必要があり、少なからずも多種業界の再編に通じるような動きも垣間見られる中、依然として先行き不透明な状況が続いています。建設業界においても、建設資材の価格高騰、納期遅延、人手不足に加え、今後の大型案件の縮小を見込んだ受注競争の激化などの影響で厳しい経営環境が続いています。このような状況のもと、将来にわたっての経営基盤となる地域への貢献、お客様から信頼される誠実施工を念頭に、各事業部でのドメインの強化と部門間連携を一層強め、DXを推進してヤマウラブランドの強化を図り、新規顧客の開拓推進、新規分野での受注の確保に努めてまいりました。その結果、製造業(食品・輸送用機器・精密他)、運輸業等の民間建築工事、水力発電関連設備の大型工事の受注も増加し、公共建築、国土強靭化計画を背景とした河川改修工事、道路工事の受注増、さらには首都圏等におけるマンションの販売も堅調であったことから、当社グループは堅調に推移しております。

(3) 経営戦略及び優先的に対処すべき課題

 下記、経営成績をもとに将来の課題は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(建設事業)

 受注高304億99百万円、前年同期比82億50百万円(21.3%)の減少、完成工事高286億36百万円、前年同期比9億39百万円(3.2%)の減収、営業利益43億58百万円、前年同期比8億8百万円(22.8%)の増益となりました。

(エンジニアリング事業)

 受注高40億59百万円、前年同期比6億35百万円(13.5%)の減少、完成工事高40億5百万円、前年同期比4億49百万円(12.7%)の増収、営業利益6億68百万円、前年同期比83百万円(14.3%)の増益となりました。

(開発事業等)

 開発事業等売上高29億99百万円、前年同期比14億43百万円(32.5%)の減収、営業利益2億25百万円、前年同期比1億97百万円(46.7%)の減益となりました。

(全体)

 建設事業・エンジニアリング事業・開発事業と展開する当社事業の総合技術力は、お客様にとりましては大きな魅力となり得るものです。不動産の取得・活用から資金計画、機械設備も含めた建設の提案、設計、施工、アフターフォローまでをトータルサポート展開することにより、お客様の事業性の確立に貢献できるのが当社の最大の武器でもあります。当社の建築受注は設計施工の比率が約7割にも昇り、それを活かした提案の優位性を一層強めながら、総合力から生まれるシナジー効果をさらに有効に活かし、健全な財務体質を背景として収益力を高めてまいります。当社は、従来より財務基盤の強化を進めてまいりました。これにつきましては自己資本比率も75.5%という高水準にありますが、今後も資本効率を維持していくことも経営の重要な要素と考えております。

2025年3月期のROEは13.7%と高い水準で進展しましたが、今後は14%以上を目指してまいります。

 そのためにも、受注の安定的増加と収益の増加とを将来にわたって確保していく計画を立て、下記の5点を推進して実行しております。

①DX(Digital Transformation)

 資材・原材料価格の高騰が進む影響を最小限にとどめるため、ノウハウを蓄積してきた最新デジタル技術を可能な限り活用するとともに、積極的に導入も進めています。PC上で仮想建築を行いながら設計するBIM、三次元モデルで土木の設計を行うCIM、設計データどおりの施工に機器を自動制御するマシンコントロール、施工箇所の正確な位置情報を出すマシンガイダンス、現場測量を自動で行う3Dレーザースキャナー、VR、ARなどの技術です。これら最新のICTを駆使し、現場に隠れるムリ・ムダ・ムラをなくすIEを主としたKAIZEN活動の全社展開、また、自社開発の仮設資材等の軽量化・省力化による工数削減と原価削減を推進し、働き方改革にも大きな効果を上げています。さらにはCO2などGHG排出量の削減もDXにより推し進め、社会貢献に向けて尽力しております。

②ドメインの明確化・強化

 建築、土木、エンジニアリング共にドメインの一層の強化を図っており、それぞれが当社のブランドとして実ってきています。今後は一層のブランド強化を目指して経営資源を投入して事業の柱に育成してまいります。

 企業様向けの建築では、食品工場のHACCPにも対応する「オイシールド」、工場や倉庫建築の「イーファクト」、オフィスをイノベーション化する「アットワークス」という、ドメインを明確にした3ブランドを立ち上げております。エンジニアリング事業では、設備・装置・構造物・システムに関する技術情報を紹介する「インフラ技術ナビ」、製缶・板金・溶接・大型機械加工の設計・加工・組立て・検査まで一貫対応し、製缶加工や装置設計に関する技術情報を紹介する「製缶加工・装置受託センター.COM」、各種制御設備の設計・製作から総合監視システムの設計・構築、電気通信工事までの「制御・監視エンジニアリングセンター.COM」サイトをオープンしています。これらにより、建設事業、エンジニアリング事業ともに当社の特徴がお客様にもわかりやすく、訴求力を高めており、新規のお取引先の獲得に寄与しております。

③成長戦略

 当社は創業105年を迎えて次なる一世紀に向け、企業価値の向上と持続可能な活動を目指して、新たなる成長を軌道に乗せる基盤づくりの新中期経営計画をスタートさせます。成長戦略として事業の柱である大型のプロジェクトとして、官民連携事業(産業団地分譲事業や公共施設の建設などのPFI事業)・ストックビジネスとしてのCREソリューション事業(企業価値向上に向け最適化させた不動産投資の提案)について立案と構想を策定しております。

④資本政策の充実

 株主のご理解があっての経営戦略となりますので、以前から好評を頂いております株主優待に併せて「中期経営計画2025」にもありますようにDOE3%に向けたキャピタル面でも確実なる株主還元及び株主資本額が十分に得られる経営をしております。

⑤内部統制の更なる強化

 グループガバナンスを強化し、取締役会、監査等委員会をはじめとする重要会議体の規程改訂から運営に至るまで多くの見直しを行い、継続的に内部統制が有効に機能していける仕組みづくりを構築しております。

 当社グループが継続的な発展を遂げていくため、法令遵守、コンプライアンスの徹底のもと、ヤマウラブランドに信頼を置いていただき、外部利害関係者の皆様に、より満足いただけるよう安全第一・技術力ならびに品質第一・お客様満足度第一の精神のもと、提案力を高め且つ協力会社を含めて技能継承を行い、高品質な建物他製品をご提供して収益確保に努め、引き続き内部統制の効いた企業価値の向上及び社会貢献をしてまいります。

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