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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針及び経営環境

 当社グループは教育の改善、健康福祉の増進、科学技術の進歩への貢献を通じて地域社会及び国家に奉仕することを経営の基本方針とし、全国の小・中・高等学校など文教分野を中心に、オリジナル商品主体の専門コーディネーターとして独自の事業展開を図っております。祖業である顕微鏡や電源装置などの教育理科機器を始め、実験台・調理台などの施設設備機器、視力計・体重計などの保健設備品といった専門性に特化した幅広い商品ラインナップにより、ユーザーの元へ最適な品質の商品を提供してまいります。

 また全国の自治体並びに一般企業等に対してAED(自動体外式除細動器)を提供するほか、自動車教習所や日本赤十字社などに対して国産唯一となる蘇生法教育人体モデル、人工呼吸用携帯マスクの販売を行っております。

 そのほかエレクトロニクス関連業界を中心とした一般企業に対し、保温・加熱用電気ヒーターの販売や、連結子会社㈱平山製作所を通じた滅菌器・環境試験装置の製造・販売により、国外市場も含めた民間分野の一層の拡大を図ってまいります。

 セグメント別の経営方針、経営環境は以下のとおりであります。

(理科学機器設備)

 学校現場での「主体的・対話的で深い学び」が求められる中、理科教育においては、観察・実験の充実が一層重要性を増しております。また学校施設に関しては、コロナ禍で一時中断・延期されていた校舎の老朽化に伴う長寿命化改修や環境整備が再開・活発化しており、木材利用促進、バリアフリー化、施設の複合化といった、時代のニーズに即した活用方法の見直しが進められています。

 このような状況のもと、当社グループでは、生徒一人ひとりの思考力を育む理科実験機器の商品展開を積極的に推進してまいります。また学校校舎の改修工事に伴う施設設備機器のタイムリーな提案を実現するため、各地域の販売代理店や設計事務所をはじめとした販売チャネルの多層化を進めるとともに、多様化する校舎利用に対応した独自商品の提案にも注力いたします。

 滅菌器分野においては、コロナ禍に伴う感染症対策需要が終息したのに加え、中国経済の悪化や国際紛争に起因する地政学的リスクの高まりなど、先行き不透明な経営環境が続いております。当社グループにおいては、オリジナルブランドの国際展開が進む中、各地域でのメンテナンスや買い替えといった継続的な需要の獲得によって収益基盤の強化を図るとともに、新興国における新規需要の創出にも注力してまいります。また国内市場においては、食品業界に対するレトルト殺菌器の拡販を推進するとともに、更なる品質向上とサービス体制の強化に取り組んでまいります。

(保健医科機器)

 学校保健の分野では、小中学校の統廃合が進んでいる状況において、感染症対策や防災対応の強化など保健室機能の高度化に対するニーズが高まっております。

 またAEDを用いた一般市民による除細動の普及(PAD市場)は着実に進んでおり、公共施設など官公庁関連においては整備が一巡しているものの、耐用期間を迎えた機器の更新需要が継続しております。加えて、一般企業をはじめとする民間分野では、更新に加えて新規設置も進展しており、市場の裾野拡大が期待されております。

 このような状況のもと、当社では、各地域の学校現場における養護教諭や関連部会との連携を強化し、現場の実情に即した保健設備品や消耗品の提案活動を推進してまいります。またAEDについては「8年保証安心パック」を中心とした独自の商品提案により差別化を図るとともに全国規模の販売網とアフターサービスの強化によって、買い替え需要の確実な取り込みと、民間を含む幅広い市場セグメントからの新規ユーザー獲得に取り組んでまいります。

(産業用機器)

 半導体を中心とするエレクトロニクス関連産業は、海外経済の不安定化により設備投資の先行きが不透明な状況にあるものの、あらゆる業界でDXが加速しており、今後も拡大基調が続くと見込まれます。

 このような状況のもと、当社グループでは、半導体関連企業をはじめとする主要顧客に対し、保温・加熱用電気ヒーターの販売拡大に引き続き努めるとともに、新たな顧客層の開拓や、幅広い業界・業種・用途への対応を進めます。また環境試験装置分野においては、米中対立を背景としたサプライチェーン見直しの動きに対応し、東南アジアなど中国以外の周辺地域における販売・サービス体制の拡充を図るとともに、欧米市場の販促強化にも取り組んでまいります。加えて、国内においては他の試験機メーカーと連携するなど販路拡大や、品質向上を通じた製品競争力の強化にも継続して取り組んでまいります。

(2) 優先的に対処すべき事業上の課題

(1)に記載の経営方針を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上の課題は、以下のとおりであります。

(理科学機器設備)                                    

 教育理科機器の需要は、理科教育振興法に基づく補助金など、国や地方自治体の教育予算がその大半を占めています。科学技術の振興・充実の礎となる理科教育は極めて重要な国の施策である一方、少子化の進行により市場の大幅な成長は見込みにくく、更に競合他社の参入や学校現場でのネット通販の拡大により、シェア拡大は一層重要な課題となっております。当社におきましては、学校現場に最適な品質の商品提案を通じてブランド力を高め、シェアの拡大を図る他、幼稚園・保育園や医療系施設、大学・専門学校、公営住宅・高齢者施設に対する収納戸棚や調理台の提案など、当社のノウハウや強みが活かせる周辺分野への拡充を進めてまいります。

 滅菌器の分野においては、中国製品の台頭に伴い、国内外の市場で製品差別化とシェア拡大が重要な課題となっております。国内外共通の次世代グローバルモデルへの統一を進めることで競争力を強化するとともに、東アジア以外の海外市場に対して販売・サービス網の整備・強化を図ります。国内市場では、きめ細かなアフターサービスや販促活動を通じて更新需要を取り込み、成長が見込まれる食品業界への更なる拡販を目指してまいります。

(保健医科機器)

 学校保健設備品の市場規模は、今後も概ね横ばいで推移するものと見込まれますが、保健室は従来の応急処置の場から、心身の健康管理や予防、メンタルケア、感染症対策などを担う、学校における保健機能の中核として、その重要性を増しています。当社におきましては、健康診断機器をはじめ、感染症対策商品や各種消耗品を取り揃えた総合的な商品ラインナップを通じて、保健室の多機能化に貢献してまいります。

AED分野においては、一般市民への普及が進む中、自治体や企業による新規設置や買い替え需要が引き続き見込まれます。当社におきましては、WEBプロモーションの強化に加え、公共入札から民間取引に至るまで幅広い市場に対応し、多様なニーズに応える商品ラインナップと、充実したアフターサービスを提供することで、顧客満足度の向上とリピート取引の拡大を図ってまいります。

(産業用機器)

 半導体業界を中心とするエレクトロニクス関連産業においては、米国による追加関税政策など新たな不安定要因により、原材料やエネルギー価格等の高騰が懸念されるものの、DXや生成AIの進展を背景に更なる成長が見込まれます。当社におきましては、引き続き主要顧客に対する保温・加熱用電気ヒーターの拡販を進める一方で、半導体関連業界の景気動向に左右されにくい収益基盤の確立が重要な課題となっております。WEB活用などにより新たな顧客、幅広い業界・業種・用途に対してアプローチを続けるとともに、協力会社との連携を強化してオリジナル商品を含めた商品拡充とサービス体制の一層の充実を進めてまいります。

 環境試験装置分野については、基幹部品調達の複数チャネル化などサプライチェーンの安定化を図るとともに、近年の地政学的リスクを踏まえた動きに合わせ、中国を軸とした東アジア中心の販売展開から、東南アジア・欧米なども含めた広域での販売網強化を進めてまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は、自己資本利益率(ROE)であります。当該KPIを採用した理由は、収益性ならびに資本効率を高め、経営基盤の強化に資すると判断したためであります。

 当社グループは、ROE10%以上の達成を目標としてまいります。

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