企業兼大株主モスフードサービス東証プライム:8153】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営理念

当社グループは、「人間貢献・社会貢献」の経営理念のもと、「食を通じて人を幸せにすること」を経営ビジョンとして、「おいしさ、安全、健康」にこだわった商品を「真心と笑顔のサービス」とともに提供することに取り組んでいます。同時に、創業の心として「感謝される仕事をしよう」を掲げ、お客様、そして株主の皆様の信頼と期待にお応えするように努めています。これらの実現に向けて、商品開発、店作り、サービスの一層の充実、新業態の開発などによるチェーン基盤の強化と、当社グループならではの独自性の確立に向け、努力を続けております。

(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略

 社会経済活動はアフターコロナに向けて回復に向かいつつありますが、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰や急速な円安の進行など、外食産業にとっては依然として厳しい事業環境が続きました。

 このような状況の中で当社グループは、アフターコロナを見据えた新たな中期経営計画「Challenge & Support」への取り組みを当期より開始しました。

 国内モスバーガー事業では、期中に54店舗の積極出店を実施したほか、既存店においてもテイクアウトやデリバリーの強化に加え、様々なマーケティング施策を推進してきたことが奏功し、売上状況は好調でした。一方で、想定を超える仕入価格の上昇や物流費の高騰などにより、商品やサービスの品質を維持するためにやむを得ず、二度にわたって商品の価格改定を実施させていただきました。海外事業では、主に売上規模の大きい台湾やシンガポールなどでコロナ禍による厳しい状況が続き、目標未達となりました。12月末時点での海外店舗数は前年同期比5店舗増の455店舗となりました。

 これらの結果、2022年度の連結経営成績は、売上高が850億59百万円(前期比8.4%増)、営業利益は41百万円(前期比98.8%減)となりました。様々な施策や積極出店などの施策により売上高は増加しましたが、各種コストの想定を超える上昇により、営業利益は大幅に減少しました。最終損益は海外事業での減損損失などにより3億17百万円の純損失となりました。

 国内モスバーガー事業では、「お店をもっと近くに」「もっと愛されるお店に」を目指し、お客様それぞれに合った、モスらしい、わくわくする感動体験をお届けする活動に取り組んでいます。今後は店内飲食の需要も回復してくるとの見込みから、年間50店規模の積極出店を継続するほか、セットメニューの強化による収益の確保、夕食需要にお応えするための「夜モス」メニューの拡充などに努めています。また、都心部一等地に向けた新業態としてチーズバーガー専門店もオープンしました。

 このほか、ネット注文やSNSを活用したデジタル接点の強化、分身ロボット「OriHime」による接客など、人手不足の解消にもつながるテクノロジーを活用しながら、時代に合ったモスらしいホスピタリティの形を追求しています。モスブランドの活用に向けては、昨年7月にECサイト「モス公式オンラインショップ~Life with MOS~」をオープンし、食品のほか自然や環境を意識したオリジナル商品を販売しています。また、引き続きモスブランドを活かした他社企業や団体とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいきます。

 海外事業は現在、アジアを中心とする9つの国と地域において、日本の食文化を大切にしつつ、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品を販売するなど、地域に根差した店舗展開を進めています。海外でも日本と同様にコロナ禍による厳しい事業環境が続きましたが、今後はアフターコロナに向け、成長エリア・成長市場を見極め、着実に事業を拡大するため資源の最適化を図り、業績の回復に向けて取り組んでいきます。

 その他飲食事業では、既存事業の収益性改善と新たな付加価値の創造に取り組んでおり、コロナ禍で厳しい状況が続いていた店内飲食にも回復の兆しが見えてきました。紅茶専門店の「マザーリーフ」及び国内モスバーガー店舗で使用している紅茶の茶葉をスリランカから直輸入する事業も順調に推移しており、他社への卸売販売も開始するなど、新たな収益源として育てていきたいと考えています。

 サステナビリティへの取り組みにも注力しており、昨年5月には全社的な検討・推進組織として「サステナビリティ委員会」を設置しました。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進します。

① 中期経営方針

 当社グループでは、2022年度を初年度とする3か年の中期経営計画を開始しました。計画の指針となる中長期ビジョンに「『心のやすらぎ』『ほのぼのとした暖かさ』をお届けし、世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業へ」を掲げ、「Challenge & Support」をスローガンに取り組んでまいります。

 具体的には、国内モスバーガー事業においては積極的な投資を行い、収益力の向上を図ってまいります。また、そのほかの事業については適正規模の投資を行う事で成長を促進させ、収益の多様化を目指してまいります。これら、モスグループの多種多様なビジネスを支えていくためのグローカル事業プラットフォームを構築し、既存事業の収益力向上、新事業展開、M&A・アライアンスによる事業拡大を実現するため、グループ経営体制の整備を進めてまいります。

② 中期経営目標

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業利益率、ROEであります。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。

2024年度 連結財務数値

 

売上高

1,000億円

営業利益

50億円

親会社株主に帰属する当期純利益

35億円

営業利益率

5.0%

ROE

6.6%

(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

③ セグメントごとの中期計画

<国内モスバーガー事業>

 中期方針「お客様との接点の量と質を徹底的に強化する」

a.お店をもっと近くに

・多様な立地に適応する店舗

・積極的な出店

b.もっと愛されるお店に

・利用シーンの創出

・ファン層の拡大

c.モスブランドを活用した新たな事業の展開(マーチャンダイジング事業)

・商品開発

・チャネル開発

<海外事業>

 中期方針「国際フランチャイズビジネスモデルの創出」

a.BtoC事業:成長市場に経営資源を集中

・既存国の成長と見極め

・新規事業・新規国へのトライ

b.BtoB事業:グローバルで最適な食材供給ネットワークを構築

・トレーディング部門設立

・製造拠点の拡大

<その他飲食事業>

 中期方針「既存事業の収益性改善と新たな付加価値の創造」

a.既存事業の磨き上げと成長

b.紅茶事業の構築

<全社横断テーマ>

・デジタル活用で推進するCX(お客様の体験価値)とEX(社員や店舗スタッフの働きがい)

 中期方針「"食を通じて人を幸せにすること"をITで支える」

a.デジタル接点の強化

b.店舗体験価値の向上

c.店舗業務の負荷軽減

・SDGs(持続可能な開発目標)の推進

 中期方針「モスらしい先進性を発揮し、社会と共創する」

a.SDGsの重点項目

2050年カーボンニュートラルを目指して、モスグループとして貢献できることを積極的に推進

b.地域社会とのコミュニケーションと発信

c.SDGsとESGの重点項目の実現

・人材育成

 中期方針「多様な人それぞれの成長と活躍をサポート」

a.一人ひとりの成長と活躍の場づくり

b.働きやすい職場の実現

c.業務のスリム化

d.ベトナム人材の育成・採用プログラム

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和や世界経済の回復などにより、景気は持ち直しの動きが見られたものの、原材料費の高騰、国際的な政治情勢の変化などの影響で、依然として先行き不透明な状況が続いております。厳しい経営環境下ではありますが、「中期経営計画(2022-2024)」をもとに、お客様の生活様式の変化に対応しつつ、ブランド価値及び業績のさらなる向上を目指し、以下の取り組みを実施してまいります。

①国内モスバーガー事業(マーチャンダイジング事業を含む)

 お客様のニーズを起点とするマーケティングをもとにオリジナルな差別化商品を開発し、SNSなどのデジタル施策のさらなる強化やスタッフの高いホスピタリティによって、お客様の身近な存在となり、新たなファンや利用機会の創出を図ります。また、商圏や立地、客層、多様化するニーズに合わせて柔軟に商品やサービス、店舗形態を変えていく取り組みを推進するほか、出店増による成長とIT技術の活用などによる既存店の運営力向上を図ってまいります。また、マーチャンダイジング事業では、当社のブランドを活かした商品展開やビジネス領域の拡大を通じて収益基盤を築いてまいります。

②海外事業

 コロナ禍からの回復が遅れている海外事業においては、成長市場に経営資源を集中させるため、不採算店舗を見極めて資源の最適配分に取り組むとともに、今後も日本発の外食チェーンとしてモスブランドの定着を図ってまいります。

③その他飲食事業

 商品力の強化、サービス品質の向上、テイクアウトやデリバリーの強化によって、収益力の改善に努めてまいります。また、紅茶などの外販も強化してまいります。

④SDGsの推進

 経営理念に基づき、事業活動を通じて社会課題の解決と価値の創造に取り組み、当社の基本方針にある「心のやすらぎ」「ほのぼのとした暖かさ」を世界の人々に広げていくことを目指します。

PR
検索