メディキット
【東証スタンダード:7749】「精密機器」
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企業概要
当社グループは、不安定な国際情勢を受け環境がますます変化する中、多様化、高度化して多岐にわたる顧客ニーズに応える製品を研究開発して、価値提供を追求することを基本方針としております。このため情報収集から製品化までにわたる基礎技術及び応用技術の研究開発についての役割を分担し、7部門・41名のスタッフにて活動しています。内容は①顧客ニーズ情報収集、②既存製品の改良、③医療現場で行われている安全対策について医療機器からの提案、
④患者のQOL(Quality of Life)への寄与に関する医療機器からの提案、⑤カテーテル技術応用展開になります。なかでも医療現場で行われている安全対策について医療機器からの提案である誤刺事故防止機構(安全機構)付き針製品、およびインターベンション関連の血管内治療用カテーテル製品の研究開発にウエイトを置いております。このような取り組みによって当連結会計年度の研究開発費は271,548千円(売上高比率1.2%)となりました。
なお、医療機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、品目区分別に記載しますと次のとおりであります。
人工透析類
2024年度は、止血弁を内蔵し、安全機構を装備した透析用留置針「ハッピーキャスProFlex(プロフレックス)」の太物サイズ(14G)をラインナップに追加するため検証作業に着手しました。透析用留置針の海外市場への展開を拡充すべく昨年度に中国当局(NMPA)へ登録申請を行った「Supercath NEO」につきまして今年度に登録作業が完了しました。また、国内向けの全製品に対しサプライチェーンへの安定供給を図るため、新規設備として日向第三工場へEB滅菌装置2号機を導入し、品目の追加と滅菌を開始しました。加えて輸出品に対しても品目の追加のための検証作業を実施中です。QMSの維持活動としまして、コネクターの規格であるISO80369に準拠した製品を1月より市場投入しランニングチェンジを開始しました。
静脈留置針類
当社グループは、安全機構と圧迫止血補助弁の開発により静脈用留置針の国内トップシェアを獲得し、国内外への更なる販路拡大を継続しています。特に米国ICUメディカル社向けに月産200万本の出荷体制を構築しました。サプライチェーンへの安定供給のため、外套針の製造・加工工程において新規設備を導入し、生産性の向上と効率の改善に努めました。加えて、第三工場にエチレンオキサイドガス滅菌装置を新規に導入する準備を進めております。外套針においては、臨床使用での安全性を重視し特に血管内に挿入されるカテーテルチューブの破断リスクの軽減対策として改良を継続して進めております。海外向けとしまして、中国登録製品において「Supercath 5」のラインナップに26G製品の追加を完了しております。更に今年度はパッシブタイプの針刺し防止機構付きの静脈用留置針「Supercath 7」の米国FDA申請を目指し、検証作業を開始しております。
インターベンション類
カテーテル、およびカテーテルイントロデューサ(シース)の研究開発、ならびに医療現場のニーズに沿った新製品の開発に力を入れております。下肢の病変の治療の際に使用するガイディングシースとしまして、Parentシリーズを販売展開していますが、今年度肉薄タイプとして6Fの「Parent Select Pro60」をラインナップに追加し販売を開始しております。また、循環器・脳外科分野で用いられるラディアルアプローチ用のシースに関して、メディキットスーパーシース「Coat Plus(肉薄型)」において、フッ素樹脂ダイレータをラインアップに追加し、穿刺性能をより一層向上させました。更に治療の低侵襲化を目指し外径を細径化したシースとしまして「超肉薄シース」の開発を行っており、2025年1月に薬事申請を行い照会対応中です。循環器分野における不整脈治療で使用される「メディキットブレイデッドシース(ニックネーム:AbRoad STOUT)」および「メディキットスティーラブルシース(ニックネーム:AbRoad FLEX」の拡充を行っておりますが、臨床現場からのご指摘に対する改善改良活動を今年度も継続しております。
海外輸出案件としましては、今年度より、欧州・米国向けコーティングシースの上市に向けて検証作業を開始しております。
また、子会社化しました株式会社 Bolt Medicalで開発された製品(※)につきまして、販売名「Medilizer AGDシステム」の製造販売承認申請を行い2024年6月19日に製造販売承認を取得し、2025年3月1日付で保険適用となり販売を開始しております。
※本製品は、脳動脈瘤・頭蓋内狭窄症・急性脳梗塞等の脳血管内疾患治療において、血管の屈曲等により通常の方法ではカテーテルを含む血管内治療機器の送達が困難な症例に対し、目的病変へ血管内治療機器を到達させることを目的とする医療機器となります。
その他類
新たな分野として、今後は様々ながん治療における高精度医療と共に組織生検のニーズが高まるものと予測されるため、放射線科領域・泌尿器科領域で有用性の高い製品の開発に努めており、当社の針加工技術の強みを生かした切れ性能の高いセミオートタイプの生検針「CORECUT SE」を製品化し、2025年2月に販売開始しました。
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