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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 企業理念・経営方針

当社グループは、「WinWinの関係が築ける商売を展開し、商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」という企業理念のもと、多様化する消費行動や賢い消費を求める消費者に対し、その人にとって最適な消費の選択肢を提供すべく、ネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業という3つの事業を展開してまいりました。大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会の在り方やライフスタイルが見直されている中、当社グループはこれらの事業を通じて、昨今の世界的な潮流であるSDGsの実現に向けた経済活動であるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の発展の一翼を担うべく、「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指し、企業価値の最大化に取り組んでまいります。(なお、当社は2026年6月期より報告セグメントを再編し、メディア事業の機能をネット型リユース事業・モバイル通信事業の両セグメントに分割・統合いたしました。)

(2) 経営環境

 当連結会計年度(2024年7月1日~2025年6月30日)におけるわが国経済は、雇用および名目所得の改善やインバウンド需要の回復を背景に、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、物価上昇の継続により実質賃金が低下し、個人消費の重しとなるなど消費マインドの弱さも見られ、また、海外要因としては、米国の通商・関税政策の不確実性や中国経済の減速、さらにロシア・ウクライナ戦争および中東紛争の長期化に伴う地政学リスクなどが重なり、依然として世界経済の先行きは不透明な状況が続いています。

 このような状況下、個人消費につきましては、物価上昇が継続していることを背景に、従前にも増して節約や低価格志向が根強くなりながらもその動向は必ずしも節約・低価格の一辺倒なものではなく、個人の価値観や嗜好性に応じたメリハリのある消費スタイルが浸透し、特にインターネットを介した消費行動においてその傾向は顕著であります。

 なお、本書提出日現在における当社の経営環境に対する認識をセグメントごとに示すと、以下のとおりとなります。

・ネット型リユース事業(販売店舗を有しない、インターネットに特化したリユース品の買取及び販売)

 ネットオークションやフリマアプリ等の普及に伴い、消費者にとってはリユース品を売買しやすい環境が年々広がっております。当該業界専門誌(『リユース市場データブック2024』リユース経済新聞社)によると、2023年におけるリユース市場規模は約3.1兆円とされ、2025年には3.3兆円、2030年には4.0兆円の規模に成長すると見込まれております。また、「2023年版 日本の家庭に眠る“かくれ資産”調査」(出典:ニッセイ基礎研究所監修・メルカリ調査、調査時期:2023年10月)によれば、2023年時点での一般家庭に眠る不要品(1年以上利用していない商品)は、約67兆円の規模にのぼるとされています。これらに加え、わが国における高齢化・人口減少という人口動態を背景に、これまでは「潜在ニーズ」として存在していた特に高齢者が保有する物品を中心に、処分・売却ニーズが徐々に顕在化するものと認識しております。

 これらの事業環境を背景に、さらなる買取件数および買取1件あたり仕入単価の伸長を図り、潜在的な買取ニーズを掘り起すことで、当該事業の拡大を図りたいと考えております。

・メディア事業(「賢い消費」に資する有益な情報を提供するインターネットメディアの運営)

 インターネット関連のサービスをはじめ、情報技術の進展に伴い多様化・細分化する消費者ニーズに対応する商品・サービスが登場しております。こうした環境を踏まえ、当該商品・サービスの利用につながるコンテンツを拡充し、送客力を強化することにより、従来の通信系メディアを中核とした収益構造から、新分野を含めた、多角的で消費者嗜好の変化に柔軟に対応できる安定的収益構造への移行が可能であると見込んでおります。なお、メディア事業については、2026年6月期よりその機能をネット型リユース事業およびモバイル通信事業へ再編・統合することにより、一貫した顧客体験の提供を実現することで両事業の提供価値の最大化を目指します。

・モバイル通信事業(通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスの販売)

昨今の5Gインフラの整備進展や5G対応端末の普及に伴い、通信環境整備ニーズは引き続き安定的に存在するものと考えております。当該市場環境を背景に、当社グループが展開するサービスの特徴であるシンプルかつ分かりやすい料金プランを前面に打ち出し、加えて集客基盤を拡充することで、周辺ニーズを含めた顧客需要の安定的な取り込みが可能であると見込んでおります。

 今後も、それぞれの事業の強みを伸ばしながらも、経営基盤の拡充を図りつつ、更なる業容の拡大を目指してまいります。

(3) 目標とする経営指標

 当社グループは、これまでネット型リユース、メディア、モバイル通信の3つの事業セグメントで事業を展開してまいりましたが、2026年6月期より一層の集客力強化等を目的に、メディア事業をネット型リユース・モバイル通信各事業へ再編・統合し、特に基幹事業であり拡大期にあるネット型リユース事業について、これまでの先行投資期間を経て一層の業容拡大を目指し、今後は売上の伸長に伴う販管費率の相対的低下により、利益拡大を図る投資回収フェーズへ移行させる計画です。そのため、当社グループは売上総利益および販管費率を重要な経営指標として位置付け、売上総利益の伸長による利益額の増大を重視し事業を推進してまいります。

(4) 経営戦略及び対処すべき課題

 当社グループは、その基幹事業であるネット型リユース事業において個人向けリユース分野における業容を拡大することにより、成長を続けるリユース市場での当社のプレゼンス確立を図ることとしております。

2026年6月期においても計画に沿った成長を遂げるべく、以下の課題に真摯に向き合い、ビジョンに掲げる「持続可能な社会を実現する最適化商社」の実現に向けて企業価値の最大化に取り組んでまいります。

  ① ネット型リユース事業の再拡大

 当社グループの企業価値向上に向けては、基幹事業であるネット型リユース事業のさらなる拡大がその基礎的な条件であると認識しております。そのために、商材ごとに以下の点に注力し、収益性の向上に努めてまいります。

  ・個人向けリユース商材

 当期におきましては、前期に引き続き買取チャネルの最適化といった生産性向上策を進めるとともに、対応要員の再配置および要員あたりの生産性向上のためのDX施策をより一層推進しました。また、当期から本格的に業務へのAI活用の取組みを進め、業務効率化による利益体質の強化を推し進めました。こうした取組の結果、個人向けリユース分野における収益力は着実に向上し、当期における収益進捗は順調に進みました。今後につきましては、生産性の改善を主眼に置いたこれらの取組をより強固なものとし、売上規模の拡大はもとより、より収益性を意識した事業展開に向けて努めてまいります。

  ・マシナリー(農機具)商材

 当社グループでは、2017年より戦略的商材としてマシナリー商材の取扱い拡充を図ってまいりました。マシナリー商材については、依然として海外からの購買需要が底堅いことに変わりないものの、当期においては夏をピークに起きた海上運賃の高騰により買い控えが生じその伸び率が鈍化しました。また、輸出における海上輸送の分野においていわゆるコンテナ船の抜港(船が入港予定だった港を飛ばすこと)が増加しつつあり、在庫高に占める、受注後出港待ち(売上計上待ち)の一時在庫の割合が大きくなっております。このような状況に対処するため国内法人との取引拡大に注力するなど販売における国内外比率の見直しや商品利益率の管理体制の見直しといったオペレーションの再構築を進めており、2026年6月期よりマシナリー商材につきましては、事業シナジーの一層の強化と顧客接点の最大化を通じたクロスバイ機会の創出を目的に、個人向けリユース商材の一つとして統合し、共通する顧客基盤およびマーケティング手法を活用した追加商材の買い上げ促進等、より効率的かつ収益性の高い事業運営体制に再構築することを計画しております。

  ② モバイル通信事業

  ・モバイル通信事業のサービス強化

 モバイル通信事業では、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開し、モバイルデータ通信のサービスを提供しております。当期においては5G新規回線の契約獲得に向けて、メディア事業との連携をはじめ、積極的なWebマーケティングによる集客強化を図るとともに、ユーザーの利用状況に合わせた付帯オプションのラインナップを充実させることにより、1回線当たりから得られる利用料金の向上に取り組みました。今後におきましては、引き続き新規回線契約の獲得を強化しつつ、ユーザーのニーズにマッチしたオプションメニューの拡充や新たな料金プランの開発、固定回線サービスの新規展開等により、中長期的なストック収益基盤拡充に努めてまいります。

  ③ 当社グループ全般

  ・優秀な人材の確保・育成と組織体制の強化

 今後のさらなる事業拡大を目指すために、優秀な人材の確保及び育成が必要不可欠であると認識しております。社員の給与水準の向上や教育研修体制の整備、社内コミュニケーションの活性化、福利厚生の充実等によって人材の定着と能力の底上げを行うとともに、積極的な採用活動を通じて、当社グループの企業理念・風土に合致した優秀な人材の確保を進めてまいります。また、業容の拡大に応じた適切な権限委譲と事業執行状況の管理監督による組織体制の強化及び国籍・性別を問わず最適な人員配置を実施してまいります。

  ・経営管理体制の強化

 既存事業に加え、新規事業やサービスの展開が加速し、多角期を控える当社グループにおきましては、経営の公正性・透明性・継続性を確保するための更なる管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大と共に組織規模が拡大する中、事業運営における生産性の向上に向けた各種業務のデジタルシフト、業績管理手法の刷新をはじめ、コーポレートガバナンス・コードへの適合状況の確認や内部統制に資する業務プロセスの整備・運用、必要に応じた是正活動を定常的に行うことで、より透明性が高く健全な経営管理体制を構築してまいります。

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