マツキヨココカラ&カンパニー
【東証プライム:3088】「小売業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は創業以来、創意工夫を凝らし、新たな常識を創ることで様々な価値をお客様に提供してきたことに加え、地域におけるヘルスケアネットワークを構築するという想いで、お客様の「健康でいたい」、「美しくありたい」という想いに対してお応えし続けてまいりました。今後も、当社ならではの魅力的な商品・サービス、価値や体験を通して、お客様の想いを実現することが当社の役割であると考え、経営の基本方針として、グループ理念、グループビジョン及びグループスローガンを、更に深めて実現していく姿と捉え、変更せずに継続して以下のように設定しております。
(2)目標とする経営指標
当社は、「価値を共創し分かち合う」を基本的な考え方として、持続的な成長のために、その事業が持続的に稼げるかを優先的な評価軸とし、あらゆるステークホルダーと価値を共創し、その事業で獲得した収益を還元することを基本的な考えと捉えております。
この考えに基づき、アジアNo.1のドラッグストアとなり、美と健康の分野でのリーディングポジションの確立を目指すべく、グループ経営目標を以下のように設定しております。
<補足 – グループ経営目標に関して>
・売上高:
従来のグループ経営目標(2026年3月期)は、M&Aなどの連合体構想を含んだ目標値を設定しておりました。今回の新たなグループ経営目標では、オーガニックグロースによる売上高を明確にするため、連合体構想分を「+α」として分けて設定し、新たな目標値といたしました。
・EBITDAマージン:
当社の事業が生み出す中期的なキャッシュベースの収益力を示すものとして、新たな経営目標に設定しております。
・ROE(自己資本当期純利益率):
当社は、企業価値向上の重要指標にROEを掲げております。新たな計画では目標を10%以上から12%以上へと引き上げ、より高い収益力の向上、財務健全性と資本効率の両立を柱として、設定しております。
・配当性向(連結):
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の最重要項目の一つと位置づけており、今後もより一層の充実を図るべく、累進配当を基本に、配当性向の新たな目標として30%から50%に引き上げております。
※ 累進配当:原則として減配をせず、配当の維持もしくは増配を行う配当政策
(3)経営環境
① 市場環境
わが国経済は、雇用・所得環境が改善し、景気は緩やかに回復している一方で、エネルギー価格や原材料価格の上昇による消費の減速懸念や、国際情勢不安も重なり、先行き不透明な状況が続いております。
② 競合他社の状況
ドラッグストア業界においては、業種・業態を超えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など厳しい状況が継続しております。
③ 顧客動向
少子高齢化や都市部への人口流入など社会構造が変化を続ける環境の中で、お客様のライフスタイルや嗜好・ニーズも常に変化し、多様化しております。そのような状況において、当社は、美と健康に対する感度の高いお客様に多くご利用いただいており、大都市圏を中心とした店舗とアプリ・ECを通して、高い価値を提供しております。
インバウンドに関しましては、新型コロナウイルス感染症の落ち着きとともに徐々に回復基調となり、大都市圏の店舗を中心に海外のお客様に多くご利用いただいております。また、訪日されていない海外のお客様についても、各国に展開する当社店舗や越境ECをご利用いただいております。
④ 法改正
今後、定期的に実施される調剤報酬及び医療用医薬品の価格(薬価)の改定により一定程度の影響を受ける可能性もありますが、引き続き調剤併設化の推進や技術料の獲得を進めることで、調剤事業の拡大と影響の最小化に努めております。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社は、少子高齢化、消費動向の変化や競合企業の新規出店・M&Aによる規模拡大など、常に変化する経営環境に対応し、持続可能な経営を実践していくため、経営の前提として、当社グループの成長を支える基盤となる「人間性尊重の職場」、「ガバナンスの充実・強化」、当社グループがさらに成長するための戦略となる「美と健康への貢献」、「地球環境の保全」と区分し、それに紐づくマテリアリティを4つに再整理し、当社グループが更に成長するための新たな3つの重点戦略と連動させ、推進しております。それぞれの内容は、以下のとおりです。
< 重点戦略 >
当社は、物価上昇や各種コスト上昇圧力の高まりや、業界で続く再編加速など、変化の激しい経営環境に対し、「価値を共創し分かち合う」という基本的な考え方に基づいた3つの重点戦略を、2031年3月期のグループ経営目標達成に向けて新たに設定いたしました。詳細は以下のとおりです。
当社を取り巻く経営環境は、国内の人口減少や価値観の多様化のほか、競合他社の再編加速や激しい出店攻勢など、依然として厳しい環境にあります。このような状況においてもお客様に選ばれ続ける企業を目指すべく、事業ドメインである美と健康の分野で当社にしか出来ない新しい価値をお客様に提供してまいります。
そのために、当社の強みである魅力的な商品・サービス、価値や体験、大都市圏を中心とした店舗網、そして1.5億超のお客様接点からもたらされるクローズドな情報などを活用し、ドラッグストアと調剤事業のシームレスな連携によるお客様の利便性向上と、当社ならではのBtoBを含む事業領域の拡張を進めてまいります。
当社のプラットフォームを支える基盤への投資を積極的に行うことで、収益の持続的な獲得を目指してまいります。具体的には、デジタル技術によるお客様の利便性追求と運営効率化、そして事業領域拡張に向けたシステム投資を積極的に図ってまいります。
また、大都市圏を中心とする重点エリアへの出店強化とM&A推進による事業規模の拡大、調剤併設化の推進、ASEANを中心とした新規国進出による海外事業の拡大を目指すほか、人的資本への投資として、従業員にとって働きやすい労働環境、働きがい・やりがいのある環境の整備や、プロフェッショナル、グローバル人材の継続的な育成と従業員エンゲージメントの向上を図ってまいります。
当社グループ理念・グループビジョンの実現と企業価値の向上に資する持続可能な経営に向け、大きく変化する経営環境における当社の取組むべき課題を捉え直すことで、マテリアリティを4つの区分に再整理いたしました。その取組みとして、ステークホルダーへの安定的な還元、コーポレートガバナンスの充実、環境・社会への対応(気候変動対応、地域医療サポート)、資本市場からの要請対応(資本コスト経営、最適資本構成検討)を行ってまいります。特定したマテリアリティは次のとおりです。
目指す姿 :人々の美と健康に対する課題を解決し、地域医療をはじめとする社会に
大きな安心と喜びを届ける会社
非財務KPI:グループ会員4,500万人
目指す姿 :従業員の身近で大切な人にも、働いてほしいと思ってもらえるような、
魅力的な会社
非財務KPI:従業員意識調査 3.94pt
目指す姿 :事業活動により排出するCO2排出量を実質ゼロにし、エシカル社会に
貢献する会社
非財務KPI:CO2排出量40%削減(2022年3月期比)、PB商品環境配慮型比率 60%
目指す姿 :規律ある経営を実現するマネジメントシステムを確立し、ステークホルダーと
向き合う経営を実践する会社
非財務KPI:独立社外取締役比率 50%以上
< キャッシュアロケーションの基本方針 >
中期経営計画の実現に向けたキャッシュアロケーションについて、2031年3月期までに獲得した営業キャッシュフローのうち、運転資本増加額を除くキャッシュを次の割合に基づき配分してまいります。
・成長投資(割合45%) 出店・改装、中小型M&A、人的資本・無形資産投資、海外事業、気候変動対応等 成長投資への配分割合を45%へ設定いたしました。更なる成長に向けて、既存事業の拡充として、出店・改装、中小型M&Aのほか各種アライアンス、新規事業、DX、人的資本、海外展開、気候変動対応などに優先して投資を実行してまいります。
・株主還元(割合45%) 配当、自己株取得等 より一層の充実に向けて株主還元への配分割合を45%へ設定いたしました。このうち、当社の配当政策については、株主の皆様への利益還元を経営の最重要項目の一つと位置付けております。そのため、当社では経営基盤の強化と収益力向上に努め、累進配当を基本として、配当性向(連結)50%、DOE(純資産配当率(連結))6%を目指します。また、自己株式の取得は、財務状況や株価水準などを勘案し、機動的に実施してまいります。
・財務基盤強化(割合10%) 有事対応等 既存事業拡大及び成長戦略への投資を支え、安定した収益基盤の構築を図るべく、投資規模や事業リスク拡大に応じて安定的に資金を確保します。 |
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また、当社は引き続き、オーガニックグロースによる成長だけでなく、連合体構想の実現による規模拡大を図っており、その際には負債活用による資金調達も視野に入れて検討を進めてまいります。
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