マックス
【東証プライム:6454】「機械」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、米国の政策動向など不透明感を抱えつつも、緩やかな回復基調を継続しました。
国内は、当社インダストリアル機器部門に関連する新設住宅着工戸数や非居住建築物の着工床面積が足元ではやや増加したものの、全体としては低調に推移しました。米国は、住宅ローン金利の高止まりや資材価格の高騰の影響から、住宅着工が引き続き低調であった一方で、インフラを中心とする非住宅市場に対する建設投資が堅調に推移しました。欧州は、利下げやインフレの抑制に伴い、景気に改善の動きが見られるものの、ドイツや北欧では住宅市況の低迷が継続しました。
1 経営方針
当社は、お客様への価値を追求し続けることで、事業のさらなる成長と企業価値の向上を目指しております。当社の経営理念として、社是を次のように定めております。
一、良い製品を責任をもって供給する
一、全従業員の生活の向上と人材の養成に努める
一、社会に奉仕し、文化に貢献する堅実な前進を期する
また、当社は、人が尊重され、人が成長することにより、会社も成長すると考えており、社是の実現に向けた経営基本姿勢を次のように定めております。
いきいきと楽しく力を合わせ、皆揃って成長していく集団を目指す
1.ガラス張りの経営に徹する
2.全員参画の経営に徹する
3.成果配分の経営に徹する
当社の使命は、当社の持てる能力や技術を最大限発揮し、お客様や社会が求める良い製品を創り出し継続的に供給することです。この使命を果たすことを通じ社会の持続性への貢献と堅実に存在し続ける企業の実現を目指しております。
2 中期経営計画
世界経済は、不透明感を抱えつつも緩やかな回復基調を継続し、当期は3期連続で過去最高の売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益を達成することができました。
当社グループでは、2030年度に売上高110,000百万円超、営業利益20,000百万円超、ROEは12%超、PBR2倍超、海外売上高比率55%超を目指しています。
2024年4月28日に発表した2025~2027年3月期中期経営計画は、2030年度に目指す姿に向かうための計画であり、当期はその初年度にあたりましたが、堅調な業績結果と今後の見通しから、中期経営計画の業績指標を修正いたしました。「未来を創る」をテーマとして、事業戦略、経営基盤強化戦略、成長投資戦略の3つの戦略を実践することで、上方修正した中期経営計画の達成を狙ってまいります。
3つの戦略の内容は、以下に掲げるとおりであります。
(1)事業戦略
①海外事業のさらなる成長
最重要事業である鉄筋結束機事業では、通信・GPS機能を搭載した鉄筋結束機コネクティッド ツインタイアや特大径モデルの投入など製品の競争優位をさらに強化していきます。主力市場である欧米での販路拡大、ディーラー育成及び新規ユーザーの獲得、オセアニア・韓国での普及拡大並びにASEAN・中東での新規市場開拓を進め、海外事業の拡大を牽引していきます。
②国内事業の強化
住環境機器事業のストックビジネス拡大、オフィス事業の文字表示機器拡販、機工品事業の鉄筋結束機拡販などビジネスモデルの変革をさらに推進していきます。また、HCR事業では、継続した新製品投入による売上高の維持・拡大や生産性改善と内製化による収益改善の継続による安定した黒字化の実現を目指してまいります。
③新規事業の事業化
新たな収益創出に向け、開発・営業本部内の新技術・新規事業を企画する部門を中心に保有するシーズと市場ニーズをもとに、外部企業とも協業しながら、新規事業の創出・探索を推進していきます。新規事業アイデアの事業化シナリオを検証し、将来のマックスを担う新規事業の事業化に挑戦してまいります。
(2)経営基盤強化戦略
①サステナビリティ経営(人的資本経営)
サステナビリティに関する基本方針「マックスは事業の成長を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します」の実現に向け、CO₂排出量削減取り組みの強化、環境配慮型製品の開発推進、人権デューデリジェンスの展開、女性の活躍推進環境の整備などの取り組みを継続し、さらに採用を含めた人への投資や大規模災害発生時の対応強化に取り組んでまいります。
②DX推進
DXビジョン「つながるDXで新たな感動を生み出す」の実現に向け、4つのDXテーマ「製品・サービスDX」、「生産・品質保証DX」、「データ・業務基盤DX」及び「人・組織DX」を基に戦略を推進し、新規事業展開や事業成長への貢献など、DXによる競争優位性の確立を目指してまいります。
③設備投資
事業戦略を実現するための生産規模拡大・グローバル展開や自動化による生産性向上により製造基盤を強化してまいります。
(3)成長投資戦略
①事業拡大投資
事業成長の柱となる海外市場拡大を中心に、M&Aを含めた必要な投資を積極的に検討・実行してまいります。
②研究開発投資
持続的な成長の基盤となる新技術・新製品などの研究開発投資を積極的に進め、各事業別に必要となるコア技術を獲得し、お客様への新しい価値を提供してまいります。
3 目標とする経営指標
目標とする経営指標は、以下のとおりです。
(単位:百万円、%) | ||||||
| 当期実績 | 翌期計画 | 中期経営計画 | |||
2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 | ||||
実績 | 増減率 | 計画 | 増減率 | 計画 | 増減率 | |
売上高 | 91,839 | +6.0 | 94,100 | +2.5 | 98,100 | +4.3 |
営業利益 | 14,468 | +14.8 | 14,700 | +1.6 | 15,500 | +5.4 |
経常利益 | 14,809 | +8.0 | 14,900 | +0.6 | 15,700 | +5.4 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 11,225 | +7.6 | 11,300 | +0.7 | 11,900 | +5.3 |
売上高営業利益率 | 15.8 | ― | 15.6 | ― | 15.8 | ― |
ROE | 10.9 | ― | 10.6 | ― | 11.0 | ― |
また、セグメントごとの計画は以下のとおりです。
(単位:百万円、%) | |||||
| 2025年3月期 | 2026年3月期 計画 | 増減率 | 2027年3月期 中期経営計画 | 増減率 |
オフィス機器部門 | |||||
売上高 | 21,878 | 22,000 | +0.6 | 22,200 | +0.9 |
セグメント利益 | 4,477 | 4,100 | △8.4 | 4,000 | △2.4 |
セグメント利益率 | 20.5 | 18.6 | ― | 18.0 | ― |
インダストリアル機器部門 | |||||
売上高 | 66,707 | 68,580 | +2.8 | 72,100 | +5.1 |
セグメント利益 | 14,595 | 15,200 | +4.1 | 16,700 | +9.9 |
セグメント利益率 | 21.9 | 22.2 | ― | 23.2 | ― |
HCR機器部門 | |||||
売上高 | 3,253 | 3,520 | +8.2 | 3,800 | +8.0 |
セグメント利益 | △82 | 100 | ― | 160 | +60.0 |
セグメント利益率 | △2.5 | 2.8 | ― | 4.2 | ― |
セグメント利益の調整額 | △4,522 | △4,700 | ― | △5,360 | ― |
全社 売上高 | 91,839 | 94,100 | +2.5 | 98,100 | +4.3 |
全社 営業利益 | 14,468 | 14,700 | +1.6 | 15,500 | +5.4 |
全社 営業利益率 | 15.8 | 15.6 | ― | 15.8 | ― |
4 今後の見通し
当社グループを取り巻く事業環境は、米国の政策動向やウクライナ情勢の長期化、中国経済の先行き懸念など、依然として不透明な状況が続いていますが、足元の業績は堅調に推移しております。
2026年3月期の売上高は94,100百万円(前期比+2.5%)、営業利益は14,700百万円(同+1.6%)、経常利益は14,900百万円(同+0.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,300百万円(同+0.7%)を計画しております。
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