ベルトラ
【東証グロース:7048】「サービス業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「人を想い、人に寄り添うことでよりよい世界を実現する」を企業ビジョンとして掲げております。旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、世界各地から奥深い魅力ある体験を世界中の旅行者に届けます。
当社グループのサービスは業界内でも独自性の高さを誇り、その独自性とはバリエーションの広さと奥行きの両方を追求することであります。また、ここでのバリエーションの広さとは旅行者の数に関わらず世界中の現地体験ツアーをジャンル別に幅広く提供することであり、奥行きとは個性豊かな商品を漏れなく、かつ、重複なく提供することであります。そして取扱う商品情報の正確性と品質・安全性に責任を持ち「ベルトラが扱う商品だから」と常に信頼されるサービスの実現を目指しております。
(2)経営戦略等
上記の経営方針のもと、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、①当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、②観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。
当社グループは長年に亘り、現地体験ツアーをオンラインで取り扱ってきた中で築きあげた国内外の約9,000社のツアー催行会社とのネットワークを有し、20,000を超える質の高いアクティビティ商品を提供することで顧客満足度の向上に努めてまいりました。その結果、2024年12月末現在において、約250万人の会員基盤を保持しております。今後は、ツアー催行会社とのネットワークや会員基盤等のアセットを最大限に活かしながら、当社グループが旅行という枠を超えて「体験」と「交流」をベースに新しい技術やビジネスモデルを取り入れたサービスに変革させていくことで、新たな収益モデルの確立を行ってまいります。また、インバウンド旅行を含め、需要が急回復した国内旅行事業を強化し、これまで海外旅行事業を主力としていたビジネスポートフォリオを拡張することで、当社グループ全体の収益力を向上させる施策に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会・経済活動の正常化、雇用・所得環境の改善等を背景に、一部足踏み感があるものの緩やかな回復傾向となりました。一方、相次ぐ大規模な自然災害や混沌とする海外情勢、さらには円安の影響からのエネルギー価格や原材料価格の上昇に加え、労働力不足による人件費上昇等で物価高騰が続き、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、国内旅行については、新型コロナウイルス感染症の収束により高まった旅行意欲が落ち着きを見せ、おおむね横ばいの状況が続いています。海外旅行については、不安定な国際情勢、円安等による旅行代金の高騰や旅行先の物価上昇等の影響を受けつつもコロナ禍以前への回復が8月以降徐々に進んでいます。訪日旅行については、円安傾向の継続や外国人の長期休暇による訪日需要の高まりから大きな伸びを見せています。特に12月はスクールホリデーのほかクリスマス・年末年始に合わせた旅行需要の高まりが多くの市場で見られ、訪日外客数は3,489,800人(前年同期比27.6%増)と単月過去最高を記録し、1964年の統計開始以来、初めて単月として340万人を突破しました。また、2024年の年間訪日外客数は36,869,900人(前年同期比47.1%増)となり、年間過去最高を更新しました(出典:日本政府観光局(JNTO))。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 高効率経営の実現
当社グループは、2020年以降継続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、今後の各事業年度において、確実に営業利益を確保するとともに、着実に利益を積み上げていくことが重要な課題となっております。そのためには当社グループの主力事業であるOTA事業の収益拡大を推進するとともに、それを生み出すオペレーションの効率化を、業務改善及び積極的なテクノロジー活用により実現し、営業利益率の改善を図ってまいります。
② 顧客ニーズにフィットした取扱商品の拡充
当社グループの主力事業であるOTA事業の営業収益を増加させるためには、コロナ禍を経て着実に進んでいる旅行者の渡航エリアの変化、及び顧客の需要ニーズの変化に適した取扱商品を展開していくことが、喫緊の重要な課題であると認識しております。そのためには、国内外の催行会社との営業面での関係構築をこれまで以上に強固にし、さらにシステム面での連携強化を推進することによって、顧客ニーズにフィットしたユニークで魅力ある商品を展開させ、それらの十分な在庫確保に努めてまいります。
③ 人材育成及び職場環境の整備
当社グループが継続的な成長を実現するためには、既存事業の更なる拡大はもとより、新たなビジネスモデルの構築やそれを支えるコーポレート機能の強化を担う有能な人材の確保が必要と考えております。
当社グループにおいては、上記のような人材の採用を積極的に行うとともに、権限委譲を推進することで組織としてのパフォーマンス最大化を図ると共に、個々人の役割・ポジションを明確にし、リーダー人材の育成に注力してまいります。また、評価報酬制度の構築により優秀な人材の定着を促進し、多様化する働き方に応えるべく、社員のエンゲージメント向上のための施策、及び働き甲斐のある職場環境の整備に、引き続き努めてまいります。
④ 技術革新への対応
当社グループにとって、競争の激しいインターネット市場において継続的な成長を遂げるには、新しい技術やビジネスモデルへの対応を継続的に行っていくことが、重要な課題であると認識しております。旅行者の細かなニーズに対応するべく蓄積された顧客データを活用することで、旅行者ごとに最適化された商品・サービスの販売を可能にすると共に、業務の効率化を図ることでコストを圧縮し、利益率の向上を実現していくため、必要なテクノロジーに関する投資を今後も引き続き積極的に図ってまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス及びリスクマネジメントの強化
当社グループが継続的に安定したサービスを提供し、企業価値を向上させるためには、事業の状況に応じた経営管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組みを行うことが重要な課題であると認識しております。より一層の取締役会の監督機能強化、及び管理体制の充実を図ると共に、法令遵守の徹底に努め、健全かつ有効、効率的に組織を運営してまいります。また、組織規模に応じた内部統制システムの整備や見直し、及びリスクマネジメントの強化を図り、潜在的リスクを早期に把握し、対策を講じます。これにより、企業の透明性と信頼性を高め、持続可能な経営基盤を築いてまいります。
⑥ コンプライアンス体制及び情報セキュリティのリスク対応の強化
当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、持続的な成長をしていくためには、コンプライアンス体制及び情報セキュリティのリスク対応が重要な課題であると認識しております。そのため、従業員を対象に今後も法令遵守の重要性を教育し、更なる企業倫理の徹底を図ってまいります。また、ウイルスや不正な手段による外部からのシステムの侵入やシステム障害を防止するため、高いレベルでのシステムの運用・監視強化や最新のシステムに基づく技術的な対策などシステムセキュリティの強化を継続して行ってまいります。
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