企業プログリット東証グロース:9560】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営方針

 当社は「世界で自由に活躍できる人を増やす」というミッションを掲げております。お客様一人ひとりを専任のコンサルタントが担当し、短期間で英語力を伸ばす英語コーチングサービスの提供を通じ、一人でも多くのお客様が英語力と自信を身に付けて世界で活躍する後押しをしております。具体的には従来のサービスでフォーカスされていた学習コンテンツに加えて、最適な学習方法の選択と学習の継続にフォーカスした英語コーチングサービスを提供しております。

 また、上記ミッションのもと、当社の役員及び従業員全員の共通価値観として以下5つ(FIVE GRIT)を定め日々の活動を行っております。

1.Customer Oriented - 顧客起点で考えよう

 顧客起点で物事を考え、行動します。

2.Go Higher - 高い目標を掲げよう

 高い目標を掲げる勇気を持ち、その目標に挑戦します。

3.Own Issues - 課題は自ら解決に導こう

 課題に対して当事者意識を持ち、解決に導きます。

4.Respect All - 互いにリスペクトし合おう

 仲間を尊重し、思いやりのあるコミュニケーションをとります。

5.Appreciate Feedback - フィードバックに感謝しよう

 全てのフィードバックに感謝し、より良い価値を創造します。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は一人でも多くのお客様の英語力向上の支援を行い、また、新規事業を含めた利益の再投資による中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び営業利益を重視しております。当面は、一定の営業利益を確保しつつ積極的な再投資による既存事業の成長及び新規事業による事業ポートフォリオの拡大を目指してまいります。また、「プログリット(PROGRIT)」修了後も継続コースである「NEXT」又は「シャドーイング添削コース」のいずれかに入会し学習を継続頂く事が、お客様の英語力向上においても、当社にとっての顧客生涯価値最大化のためにも肝要であることから、当社は継続コース入会率を重要な経営指標として位置付けております。継続コース入会率については毎期増加しており、サービス品質の改善によってお客様満足度が向上しているものと考えております。

 なお、契約率や導入企業当たり受講者数も営業戦略上重要な指標と捉え経営陣が把握・管理しておりますが、契約率についてはマーケティングの状況等によりカウンセリング来訪者の学習意欲の度合いに差が出ること等から、導入企業当たり受講者数については、導入企業の規模、提供サービス内容等によって企業毎に相違する事等から、現時点では開示を行わない方針です。

 サービス別業績と売上総利益、営業損益の推移

 

 

前事業年度

当事業年度

売上高

(千円)

2,252,808

3,023,643

英語コーチングサービス

(千円)

1,764,879

2,092,332

サブスクリプション型英語学習サービス(注)

(千円)

487,928

931,311

売上総利益

(千円)

1,510,230

2,140,955

(売上総利益率)

(%)

67.0

70.8

営業利益

(千円)

326,027

497,081

(営業利益率)

(%)

14.5

16.4

(注) サブスクリプション型英語学習サービスは、「プログリット(PROGRIT)」を修了されたお客様向けのサービスである継続コース「シャドーイング添削コース」、一般のお客様向けのシャドーイング添削のみを提供しているサービスである「シャドテン」をいいます。

 継続コース入会率

 

 

前事業年度

当事業年度

継続コース入会率(注)

(%)

61.4

64.2

(注) 継続コース入会率は、新規コース受講修了者数のうち、継続コース「NEXT」及び「シャドーイング添削コース」入会者数(中途解約者を除く)の割合をいいます。

(3)中長期的な経営戦略

① 英語コーチングサービス

 当社は、オンラインとオフラインでのコーチング手法を活用し、短期間で英語力を伸ばす英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」を中心に事業展開しており、2023年8月末時点で累計16,000名超のお客様にご受講いただいております。また、法人企業において、従業員が早期に業務で英語を活用出来るように集中的に英語学習に取り組ませたいというニーズが増していることにより、英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」の法人企業への導入も進んでおります。

 今後は、デジタル広告やセミナー開催等のターゲットを明確にした効果の高いマーケティング活動を行うことにより主力サービスである「プログリット(PROGRIT)」の認知度を更に向上させ、顧客数を拡大していきます。また、当社を知り、英語学習における課題を診断する無料カウンセリングにお申込み頂いたお客様の契約率を向上させるために、カウンセリング担当者の分析力やコミュニケーション能力の継続的な向上のための育成に注力していきます。

 そして、自社開発したアプリを通じて英語学習に関するあらゆるデータの取得・分析、コンサルタントやお客様からのフィードバックを基に学習コンテンツの改善・開発を継続的に実施していきます。当該学習データの分析結果はコーチングにも活用し、優秀なコンサルタントの採用と併せてサービス品質の継続的な改善を図ることで、お客様満足度の向上を実現し、今後も高い継続コース入会率を維持していきます。

 さらには、法人企業のニーズを的確に捉え、法人向けの「プログリット(PROGRIT)」の導入拡大を推進していきます。具体的には、法人企業向けのマーケティングを本格的に開始すると共に営業人材の拡充を図り、法人企業との接点を増やし導入企業数を拡大していきます。また、カスタマーサクセス機能を強化し、法人顧客におけるグローバル人材育成の課題解決の提案を継続的に行うことで、導入企業あたり受講者数の最大化を図っていきます。

② サブスクリプション型英語学習サービス

 当社は、高単価な短期集中の英語コーチングサービスでのシェア拡大を目指すと共に、ターゲット顧客層の拡大及び既存顧客の顧客生涯価値の最大化のために、中低価格帯のサービスにも事業を拡大しております。2020年6月に一般向けにサービス提供を開始したサブスクリプション型英語学習サービス「シャドテン」は当該戦略における第一弾として位置付けております。

 「シャドテン」は、リスニング力強化に有効とされる学習方法であるシャドーイングの添削サービスであり、より安価に英語学習を継続しながら英語力を高めたい層のニーズにも応えており、ユーザー数も順調に増えております。今後は、起業家インタビュー、経営、経済や政治などをテーマとした新たなコンテンツを定期的に追加して、学習者の継続意欲の向上を図ってまいります。

 また、より多くの方に「シャドテン」をご利用いただけるように、個人から法人、学習塾等へと販売チャネルを拡大してまいります。

 さらに、2024年8月期にはスピーキング特化型サービス「スピフル」、AI英会話サービス「プログリットAI英会話(仮)」の2つのサブスクリプション型英語学習サービスの提供開始を予定しております。これら2つのサービスは「シャドテン」よりもさらに低価格帯で提供する予定です。サブスクリプション型英語学習サービスにおいて複数の価格帯でラインナップを拡充することで、既存の英語コーチングサービスのお客様の顧客生涯価値の向上を図るとともに、ターゲット顧客層の拡大及び認知の向上による新規顧客の獲得に努めてまいります。

 このように、英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」の短期集中サービスに加えて、サブスク型英語学習サービスを拡大することにより、事業成長の安定化と共に収益性の向上を目指してまいります。

(4)経営環境

 当社をとりまく経営環境については、矢野経済研究所「語学ビジネス徹底調査レポート2023」によれば、2022年度の周辺ビジネス(注)を含む語学ビジネス市場規模は前年度比0.8%減の7,806億円と前年比並となっておりますが、2023年度の予測は8,118億円と増加が予測されております。2022年度の市場規模が微減した主な要因としては、前年度から続くコロナ禍により経済活動や生活が制限されたことから市場が縮小した一方で、オンラインによる語学学習ニーズが伸長したこと、及び留学斡旋市場が回復路線となり翻訳・通訳ビジネス市場に回復が見られることが挙げられております。

 当社が現在主力事業領域としている成人向け外国語教室市場の2022年度の市場規模は、前年度比4.1%減の1,650億円となり、内訳としてはビジネスニーズ市場が前年度比4.1%減の1,040億円、趣味・教養ニーズ市場が同3.9%減の610億円となっております。2022年度は、前年度に引き続き市場全体でコロナ禍の影響を受け、水際対策の緩和でビジネスニーズ復調の兆しがあったものの、需要が戻らなかったものと見られます。マンツーマンレッスン市場の2022年度の市場規模は、前年度比1.5%減の330億円となっております。

 2023年度に関しては、4月には水際対策が撤廃され、翌5月にもコロナ禍の感染症分類が「5類」へと移行し、海外渡航がコロナ禍前とほぼ同様に行えるようになったことから、2023年のゴールデンウィークや夏季の長期休暇をきっかけにビジネス以外での旅行等での海外渡航ニーズが戻ってきております。ビジネスニーズ市場においても回復が見られる中で、いかに効率的に英語能力を習得できるかが求められており、短期間で受講者の目的に沿った学習ができるコーチング型のサービスが好調となっております。具体的には、成人向け外国語教室市場の2023年度の市場規模は、前年度比3.0%増の1,700億円と予想されております。また、自動翻訳技術が日進月歩の進化を遂げてはおりますが、ビジネスで人を動かすための熱量を自らの言葉で直接伝えることの重要性が失われることは当面なく、ビジネスシーンを意図した英語学習へのニーズは今後も堅調に推移するものと考えております。

 学習ツールにおいては、テレワークの推進や通信環境・通信速度の向上によりeラーニングを活用する動きが見られますが、当社は完全オンラインでの英語コーチングサービスを提供する体制を備えており、このようなニーズにも対応が可能であると考えております。

 英会話サービスや留学仲介サービスを営む企業においても、英語力の向上のためにコンテンツの提供だけでは不十分として日本人による面談やコーチングサービスを導入する動きが見受けられます。同様に、金融教育や睡眠といった他の領域においても個人ごとの課題診断を通じたカスタマイズカリキュラムの提案と継続支援を行うサービスが出てきております。当社は、「人×テクノロジー」をコンセプトに、全員正社員採用であり組織エンゲージメントの高いコンサルタントを抱えると共に、自社開発した学習関連アプリによる学習データの取得・分析を通じて当該コーチングサービスをサポートする体制をバランスよく有している点が競争優位性の源泉になっていると考えております。こうした形式のサービスが広く認知されていくことで当社の英語コーチングサービスはより広範な英語学習者に受け入れられやすくなっていくと考えております。

(注) 周辺ビジネスとは、語学試験市場、留学斡旋市場、通訳・翻訳ビジネス市場を指します。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 既存事業のサービス品質の向上

 当社の事業の継続的な発展のためには、最大の強みである短期間での英語力向上の達成を全てのお客様に高いレベルで提供し続けることが不可欠であると考えております。全てのお客様の英語力を高めたいという期待に応えるために、蓄積した学習データを基に、継続的なカスタマイズプログラムの改善及びコンサルタントの教育体制強化によるサービス品質の継続的な向上を行ってまいります。

② 知名度の向上

 当社は、近年急成長している英語コーチング事業の先駆けとして、また、著名人アンバサダーの協力により徐々に知名度が向上しつつあると認識しております。一方で、比較的新しいサービスでありより幅広い層からの新規顧客獲得や優秀な人材確保のためには、更なる知名度の向上を図ることが必要であると考えております。今後も、SNSをはじめとしたWeb広告による露出や多様なイベントの開催など、オンライン、オフライン双方での情報発信を強化してまいります。

③ 人材の確保と育成

 当社が今後更に事業の拡大及び経営体質の強化を図っていくためには、ミッションを共有できる優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。当社は組織エンゲージメントについて外部の評価機関から高い評価を得ており、採用市場における強みとなっていると認識しておりますが、今後も将来当社の成長推進の一端を担う優秀な人材確保に向けて、研修制度の充実、公正な人事制度の整備・運用、従業員のメンタルヘルスケア体制の強化などを進めてまいります。

④ サブスクリプション型英語学習サービスの拡大

 当社が今後更に事業の拡大及び経営体質の強化を図っていくためには、英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」を修了されたお客様に対しても長期的な学習機会を提供し続けると共に、新たな顧客層に対して価格帯の異なるサービスを展開していくことが重要であると考えております。そのためには、魅力的なコンテンツの拡充や学習体験を向上させるアプリ機能開発による「シャドテン」の学習継続期間の伸長と共に、サブスクリプション型英語学習サービスにおけるプロダクトの拡充も必要だと考えております。2024年8月期にはスピーキング特化型サービス「スピフル」、AI英会話サービス「プログリットAI英会話(仮)」の2つのサブスクリプション型英語学習サービスの提供開始を予定しております。価格帯の異なるプロダクトの拡充により、より幅広い英語学習者の学習支援も可能となり、事業の拡大及び経営体質の強化に資すると考えております。

⑤ 法人営業の強化

 当社の安定的、継続的な発展のためには、人材開発投資による大型受注及び毎年の継続受注が期待される法人需要の獲得が重要であると考えております。従来の英語研修サービスとの比較において短期間で着実に英語力を伸ばすことができる点を強力に訴求し、トライアル等を通じて当社サービスへの信頼を獲得することで、英語研修制度を一任していただける法人取引先の拡大に向け法人営業を強化していく方針であります。具体的には、①生成AIを用いた業務の効率化により訪問・提案件数を最大化させるとともに、②ビジネス系メディアや人事関連媒体等における広告投資による認知度の向上、③定期的な人事担当者向けイベントの開催を通じたリードの獲得、4お客様からのご紹介を通じた潜在顧客の開拓、5法人ごとの専門性やニーズに合わせたカスタマイズコースの拡充による潜在需要の顕在化、等を実施してまいります。

⑥ 内部管理体制の強化

 当社がお客様に安定してサービスを提供し、継続的に成長し続けるためには、コンプライアンスを重視した内部管理体制の強化や、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みが重要だと考えております。今後も事業規模の拡大に合わせ、管理部門の一層の強化による体制強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。

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