プリマハム 【東証プライム:2281】「食品業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、お客様に対する良質な食肉の提供と畜産業の振興を目指して、1931年に創業しました。創業の志を受け継ぎ、「商品と品質はプリマの命」の経営理念のもと、絶えざる製造技術の革新と新しいものづくりに挑戦し、食肉事業、加工食品事業へ食の領域を拡大してまいりました。 2021年4月より、当社グループの進むべき方向性を共有し、理解、浸透を更に深めるため、目指す姿を改定いたしました。 当社グループは安全・安心でおいしく、愛される商品とサービスによって健康で豊かな食生活と日々の感動を提供し、持続的な成長と企業の永続性の確立を目指します。そして、ライフスタイルや環境に寄りそった食文化と活気ある未来の社会に貢献してまいります。 |
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期経営計画において財務目標を定めております。2023年度を初年度とする3ヶ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本利益率(ROE)10%以上と配当性向30%以上を安定して達成し、持続的な成長と企業の永続性の確立、並びに事業を通じたステークホルダーへの貢献を目指してまいります。
| 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
連結売上高 | 4,335億円 | 4,207億円 | 4,307億円 | 4,703億円 |
連結営業利益 | 214億円 | 140億円 | 97億円 | 115億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 141億円 | 97億円 | 45億円 | 76億円 |
自己資本利益率(ROE) | 14.6% | 9.0% | 4.0% | 6.6% |
配当性向 | 30.2% | 33.6% | 72.5% | 30.0%以上 |
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① 基本方針
当社グループは「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」の実現に向けて、中期経営計画の基本方針として、「営業力・開発力・商品力の強化により、売上と利益の規模と質を高め、ESGを重視した経営を推進し、『いつも、ずっと、お客様に愛され、支持される会社』になる」を掲げています。経営目標としては、2023年度売上高4,703億円、営業利益115億円、親会社株主に帰属する当期純利益76億円を目指してまいります。
② 重点施策
方針1 ESGへの取り組みと持続可能な経営基盤の強化
当社グループは2020年度に重要課題(マテリアリティ)を特定しました。現在、重要課題の解決に向けた目標設定と活動計画を策定・推進しております。環境への対応のひとつとして温室効果ガス排出量の抑制に取り組みます。また、従業員は企業の礎であり、成長の柱です。従業員が心身ともに健康で、働きがいのある職場づくりを目指した活動を継続展開し、変革意識の醸成と健全な企業体質を構築します。さらにコンプライアンス意識とガバナンスレベルの向上を実践し、適切な情報開示の充実に努めます。
方針2 外部環境の変化に対応した収益基盤の構築
加工食品事業部門は、茨城工場を基盤としてコスト競争力、供給能力を高めております。加えて2022年度に鹿児島新工場の稼働を開始し、供給能力の拡大と強みのある商品の市場定着を図っております。さらに、当社グループ独自の製造技術の開発や製造基準の見直しに取り組み、価値ある商品の提供を目指します。
また、業務の標準化と自動化を進めて、デジタル技術を活用した効率的な業務プロセスの構築と戦略的な情報管理の実現に向けた活動を進めてまいります。
食肉事業部門は、宮城県で養豚新農場の稼働を開始いたしました。最新の設備と防疫体制を構築しており、2023年秋より肉豚の出荷を開始します。また、既存農場のリニューアルと生産性向上を進めて国産豚肉のインテグレーションを強化し、収益力の向上と安定供給体制を構築します。さらに、食肉事業の販売利益管理を徹底し、収益力の向上を図ります。
方針3 成長投資とグローバル展開
伊藤忠商事㈱及びグループ会社とのコラボレーションや業務提携等を主体として、日本国内及び海外の事業領域拡大を進めます。海外事業は、グループ会社の所在国及び周辺国への販売を進めておりますが、東南アジア市場を中心とした市場参入の礎としてシンガポール企業を買収しており、タイの生産子会社とともに東南アジア市場における売上拡大を進めてまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
長期間にわたった新型コロナウイルス感染症による日常生活の行動制限や社会活動の制約も概ね解除され、経済活動も常態に近い水準に戻り、消費活動の回復が期待されます。一方、原材料やエネルギーコストの高騰が継続しており、前年に引き続き様々な業種において、値上げが複数回実施されております。ベースアップ等により賃金水準は上昇に向かっているものの、消費者の厳しい生活実感からは十分な水準とは言えず、値上げの容認や消費拡大に直結するとは言い難い市場環境が継続しております。
業界としては、上記の製造コスト上昇要因に加えて、海外現地相場高や、円安水準の継続、さらには採卵鶏を中心に感染が拡大した国内の鶏インフルエンザ等、畜肉市場が大きく影響を受ける要因が多く、注視していく必要があります。
このような状況のなか、当社グループは「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」という当社が「目指す姿」の実現に向けて、営業力・開発力・商品力の強化により売上規模と利益の質を高めるため、ESGを重視した経営を推進します。どのようなリスクや機会があるのかを中長期的な視点で把握し、施策を講じるために重要課題(マテリアリティ)を特定、その解決に向けた取り組みを推進し企業価値を向上させることを目的として「サステナビリティ委員会」を設置し、目標とKPIを策定しました。より具体的な取り組みを行い、当社グループの持続的な成長と持続可能な社会の構築に貢献していきます。
「いつも、ずっと、お客様に愛され、支持される会社になる」を基本方針として、中期経営計画の目標達成に向けて「ESGへの取り組みと持続可能な経営基盤の強化」と「外部環境の変化に対応した収益基盤の構築」を具体化するとともに「成長投資とグローバル展開」を通して永続的なグループの発展に努めてまいります。
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