企業ファーマフーズ東証プライム:2929】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループでは、研究開発を事業展開上の最優先課題として捉えており、従業員613人中、23名の博士を含めた研究開発スタッフ89名で実施しております(2025年7月31日現在)。当連結会計年度の研究開発費は、研究開発スタッフの人件費を含めて、1,399百万円となっており、この中には各セグメントに配分できない基礎研究費用387百万円が含まれております。

 組織としては、事業、開発アイテム及びその開発段階によって、担当部毎に研究テーマの分類を行っており、組織的・系統的な研究開発ができる体制を構築しております。さらに、会社設立当初より、当社グループ内だけでなく国内・海外の研究開発ネットワークを活用した外部協力者との共同研究を進めております。

(1)特許出願等

 特許権は研究成果を事業化する上で重要な位置を占めること、更には市場独占を果たす上で極めて重要であり、戦略的に優位性を持った特許出願を行っております。

(2)研究補助金

 当社グループでは、各省庁や京都府、政府機関系の各種公益団体などより、多数の研究補助金(助成金、委託事業を含む)を受けております。研究補助金により研究開発に対する投資額の一部を補うことは、投資リスクの低減とともに、主催機関・大学その他組織等の第三者判断を経ることで、研究テーマの市場性・社会性を判断する基準としても重要であります。

(3)研究開発事業

 各セグメント別の研究開発活動の状況および研究開発費の金額は、次のとおりであります。

① BtoB事業

 BtoB事業においては、研究開発担当部署を開発部とし、開発部長以下58名の研究開発スタッフで、「医食の研究で貢献」することを目指して、健康維持と生活の質の向上に役立つ機能性食品素材及び機能性化粧品素材の新規開発を行っております。

 機能性素材として求められるものは、エビデンスを有した独自性のある素材であり、本事業の根幹は研究開発にあります。当社グループの研究開発の優位性は、創業以来培ってきた当社独自の技術、発想による他社が有しない独自の製品の開発及びエビデンスの取得にあると考えております。また、顧客に対する商品開発の提案や機能性表示食品の届出支援など、サポート・アフターサービス体制を整えております。

 主な研究開発の成果は次のとおりであります。

a.ファーマギャバ

 GABAは、非タンパク系のアミノ酸の一つで、脳内で抑制系の神経伝達物質として働き、「ストレス緩和」「疲労感の軽減」「血圧の改善」及び「睡眠の質の改善」といった機能が知られております。これに加え、「筋肉量増加」及び「認知機能改善」等の効果を見出すなど、ファーマギャバのエビデンス強化を行っております。これらの効果を謳った機能性表示食品として食品・飲料大手メーカーに採用され、消費者庁に受理されております。

b.ボーンペップ

 ボーンペップは、卵黄のタンパク質を食品用の酵素で分解することで、タンパク質が分解されたペプチドです。タマゴから生まれたヒヨコはすぐに歩き出す、つまり、タマゴの中には骨を作り出す成分があるのではということに着目して研究開発を開始いたしました。この酵素で処理する加工技術は、当社の特許技術です。

c.ランペップ

 卵白はコレステロールを含まず、優良なたんぱく質源です。スポーツ選手は卵白を筋肉増強のため、あるいは運動前などに摂取する習慣があることから、当社では運動と卵白の関連性に注目いたしました。卵白タンパクを酵素分解することにより、消化吸収の良い、血流改善素材ランペップを開発しました。ランペップは血管拡張因子である一酸化窒素(NO)の産生を促進し、血流を改善させます。

d.HGP

HGPは、卵黄由来のペプチド成分で、経口摂取による育毛・発毛促進作用を有しております。HGPのメカニズム及びヒトへの効果を明らかにし、論文化しております。

 当セグメントにおける研究開発費は、523百万円であります。

② BtoC事業

 通信販売事業においては、当社グループの開発部が開発した機能性素材を配合したサプリメント及び化粧品等を、外部委託で生産し販売しております。通信販売事業部の研究開発は、開発部が行っており、当社の機能性食品素材のエビデンス取得試験等を行っております。

 当社グループが販売しております「タマゴサミン」は、当社独自の成分であるヒアルロン酸産生成分「iHA(アイハ)」を配合することで、他社との差別化に成功し、主力商品となっております。「タマゴサミン」に代表されるように、当社グループの特性は、確かな研究力を基礎とした商品開発力であり、研究により取得したエビデンスが非常に重要であると考えております。

 このように、確かなエビデンスを備えた主力となり得る商品開発を継続することが必要不可欠です。研究開発素材である「ファーマギャバ」「HGP」「モリンガ」等の独自成分を配合した新規商品の開発を行っております。

 当セグメントにおける研究開発費は、13百万円であります。

③ バイオメディカル事業

 バイオメディカル事業においては、創薬事業及び研究支援事業を行っております。担当部署はバイオメディカル部であり、部長以下31名のスタッフが研究開発に従事しております。

 創薬事業では、「自己免疫疾患」及び「がん」や「炎症性疾患」等の難治性疾患を対象とした抗体医薬品及びペプチド医薬品の研究開発を行っております。

 創薬事業の基盤となる「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」は、これまで治療できなかった病気に対する抗体及び既存医薬品よりも優れた薬効を持つ抗体を作製する当社独自のプラットフォーム技術です。本技術を用いて「自己免疫疾患」及び「繊維症」等の難治性疾患を対象とした抗体医薬品の研究開発を行っております。

 ペプチド医薬品指の研究開発では、指定難病のカダシル(英文名:CADASIL)に対するペプチド医薬品開発を目指した共同研究を行っております。

 これらの創薬事業では、非臨床試験までは自社で開発を進め、臨床試験以降の開発・製造・販売は提携する製薬企業にて行います。当社が保有する特許を非臨床試験終了時に提携する製薬企業に実施許諾することにより、ライセンス収入を得る事業モデルとなっております。

 研究支援事業では、タンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析を受託サービスとして行っております。また、微量なタンパク質の変化が解析可能な「Olink Target」サービス及び「Olink Flex」サービスを、国内の研究機関、製薬企業向けに行っております。

 当セグメントにおける研究開発費は、475百万円であります。

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