ファブリカホールディングス
【東証スタンダード:4193】「情報・通信業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは「デジタルの力で新たな価値を創造し、あらゆる組織と人々に貢献する」というミッションのもと、世の中にある様々な問題や課題を新しい発想と最新のテクノロジーで解決し、人々の暮らしがより安全に、より豊かになり、未来への希望に満ちた社会を実現することを目指しております。その実現のために、顕在化した社会のニーズはもちろん、これから起こるであろう未来の姿を思い描き、そこで必要となるサービスや解決すべき課題にフォーカスし、今までにない斬新なサービスをいち早く開発し社会に提供してまいります。
(2) 経営環境及び経営戦略
SMS配信市場では、本人認証や企業と個人とのコミュニケーションツール、効果的なマーケティングツールとして幅広い用途が開発され急激にSMSの普及が進んでおりますが、国内ではまだ今後の拡大余地は大きく、デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「ミックITリポート 2024年11月号」によると2024年度から2029年度までの国内アグリゲーターによるSMS配信数推移は年平均成長率24.8%で拡大すると見込まれております。デジタル化の推進が追い風となり需要増加が見込まれるSMS送信サービス市場において、シェアトップを維持し、市場優位性を確立してまいります。
自動車アフターマーケット市場は、株式会社矢野経済研究所「2024年版自動車アフターマーケット総覧」によると2023年の市場規模が20兆9,792億円となっております。現在当社グループではその中で中古車販売事業者向けのサービスを展開しておりますが、自動車整備業者やカー用品取扱店等、マーケットプレイヤーに幅広く活用される新たなソリューションを開発し、巨大な自動車アフターマーケット市場において顧客数の拡大を図ります。
また、あらゆる産業において新たなデジタル技術を利用したこれまでにないビジネスモデルが誕生する、いわゆるDX化が加速してきております。加えて、AI技術の進化により、ビジネス環境は大きな変革期を迎えております。当社グループではこれを重要な機会と捉え、既存サービスへのAI機能の導入に加えて、AIを活用した新たなサービス開発を積極的に推進しております。
今後も、当社グループはデジタル化推進やAI活用により、あらゆる事業者の効率化に資するサービスの提供を継続してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長による企業価値の向上を経営目標とし、収益力を高めると共に経営の効率化を図っております。具体的には、「売上高」及び「営業利益率」を重要な経営指標として位置づけ、各経営課題の改善に取組んでおります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① ビジネスコミュニケーション事業における市場優位性の確立
ビジネスコミュニケーション事業の主力である法人向けSMS配信サービス「メディアSMS」において、拡大を続ける市場での優位性を確保することが、重要な課題となっております。現在、「メディアSMS」は国内法人市場で4年連続配信数シェアNo.1を誇り、国内外を合わせた総市場でも2年連続No.1を獲得するなど、その実績と信頼性が広く認められております。引き続き、営業機能の拡充により新規顧客開拓力の向上を図るとともに、既存顧客に対するコンサルティングやクロスセルの推進を強化することで、収益基盤を拡大し、SMS配信サービスのリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものとしてまいります。
② オートモーティブプラットフォーム事業における事業領域の拡大
オートモーティブプラットフォーム事業の更なる成長を実現するために、自動車アフターマーケット領域での事業展開を推進してまいります。現在の主力サービスである、自動車販売業務支援システム「symphony」に加え、自動車整備業務支援システム「Quicar」や中古車の業者間取引BtoBサービスなど、巨大な自動車アフターマーケット市場で幅広く活用される新たなソリューションを早期に開発してまいります。
③ 新規事業創出に向けた開発力の強化及びM&Aの活用
当社グループでは、内製化された高い技術力が競争力の源泉となっております。AI等の先端技術を活用した革新的なソリューションを継続的に創出し、事業拡大を実現していくためには、開発力のさらなる強化が不可欠であると認識しております。引き続き、優秀な技術者の採用活動を強化するとともに、先進的で高度な知見を有する人材とのネットワーク構築を強化することで、最新技術動向を的確に捉え、迅速な研究開発と実装を実現する体制を整備いたします。また、研究開発投資に加え、M&Aの活用も視野に入れ、新規事業の創出を目指します。
④ 優秀な人材の確保と教育
当社グループの持続的な成長を実現していくためには、国内外から優秀な人材を確保するとともに、既存社員の能力向上を図り、組織全体の能力を高めていくことが不可欠であると認識しております。そのため、新卒・中途を問わず、優秀な人材を採用するための競争力ある報酬水準の実現を図ります。併せて、事業を牽引する人材の計画的な育成にも重点を置いてまいります。研修の充実や、個々の適性と志向に応じた成長機会の提供、異動を含む キャリアパスの多様化など、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮できる環境整備に注力してまいります。
⑤ AIの活用による業務効率化の推進
当社グループの競争優位性を確立するために、AI等の新技術を活用した業務の効率化を推進してまいります。当社グループでは、全社員に対してAI活用環境を提供するとともに、継続的な教育を実施しております。また、新技術の評価と現場適用を牽引できる人材の育成や、社内業務の効率化・高度化に資する独自AIソリューションの開発運用にも取り組んでおり、AIと協働する組織体制の構築を図っております。
⑥ システムの安定性の確保
当社グループでは、インターネットを活用した多様なサービス・ソリューションの提供を事業の軸としており、システムの安定稼働とセキュリティ確保が経営の重要課題となっております。このような環境下において、当社グループはシステム処理能力の絶えざる底上げを図るべく、サーバー設備の計画的な拡充や負荷分散システムの導入等を継続的に実施してまいります。併せて、不正アクセス対策や情報漏洩防止策等を多層的に講じ、高度なセキュリティ水準の維持に努めてまいります。さらに、将来の事業成長を見据えたシステム需要を的確に捉え、適時適切な設備投資を行うことで、システム基盤の強靭化を推進してまいります。
⑦ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社グループは、健全な企業活動と持続的な成長を実現していくため、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の継続的な強化が重要であると認識しております。経営の客観性と透明性を一層高めるべく、社外役員の積極的な登用や、監査役と内部監査部門との緊密な連携によるガバナンス体制の一層の充実を図ってまいります。併せて、持株会社と事業会社で経営と業務執行を分割し、コンプライアンス経営の徹底と業務プロセスの適正化に向けて、定期的な内部監査の実施や、役職員に対する継続的な研修を通じた内部統制の強化にも注力してまいります。さらに、事業環境の変化に機動的に対応し得るよう、経営リスクを的確に捉えた上で、リスク管理体制の強化を推進してまいります。
⑧ ESGの推進
当社グループは、ESG(環境・社会・ガバナナンス)への配慮がサステナブルな企業経営の根幹をなすとの認識のもと、様々な施策を通じてESG経営の一層の深化を図ってまいります。環境負荷の低減に向けては、オフィス運営におけるペーパーレス化や社用車の環境対応車への切り替え等の取り組みを推進してまいります。また、ダイバーシティの観点から、女性の活躍推進をはじめとする多様な人材が能力を発揮できる機会の創出にも注力してまいります。このようなESG経営の実践を通じて、社会課題の解決に貢献するとともに、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指してまいります。
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