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【東証スタンダード:9450】「情報・通信業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「『ありがとう』を集める。」の経営理念のもと、株主、取引先、社員等、全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、透明性の高い企業経営を目指し、コンプライアンスの徹底を経営の基本と位置付け、あらゆる法令やルールを厳格に遵守し、誠実で公正な企業活動を推進し企業の社会的責任を果たしてまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、国内経済は各種経済政策の効果を受けて緩やかに回復しております。一方で、各国の政治情勢やインフレの進行など、世界経済の不確実性は高まっております。そのような中で当社グループの経営基盤の強化と安定した成長を実現するために、期間損益成長ピッチの回復と構内インフラ・インテグレーターとしての地歩固めを行い、中期的に経常利益50億円を目指すことのできる体制構築を目指してまいります。
①ホームユース事業
主に集合住宅向けサービスを展開しているホームユース事業では、レジデンスWi-Fiサービスの新規契約獲得及びシェア拡大を目標に掲げ、邁進してまいります。
ホームユース事業はマンパワー不足による既築案件潜在需要へのリーチや多様化した通信利用ニーズに合わせたサービス提供対応力不足を課題と考えております。これらの課題に対応するために既築案件の掘り起こしを加速するとともに、BtoCサービスなどの新ビジネスモデルをスタートしてまいります。
②ビジネスユース事業
ビジネスユース事業は、従来のフリーWi-Fiサービス業に加え、ホテル、介護施設、BCP対策などの業務利用Wi-Fi需要を開拓してまいります。
ビジネスユース事業はマンパワー不足による潜在需要へのリーチや高度な案件へのカスタマイズ提供への対応力不足を課題と考えております。これらの課題に対応するために顧客別のカスタマイズ対応力の引き上げを行います。
③構内インフラ・インテグレーターとしての地歩固め
構内インフラ・インテグレーター(通信×エネルギー)化に向けて、通信とエネルギーのシナジー訴求力向上と迅速な施工能力の確保を推進していきます。
具体的な施策として、地域別営業体制への再編による通信とエネルギーのクロスセル営業加速、エネルギー事業のサービスの積極PRによる認知向上やパートナー企業の強化、通信・エネルギーに関連する機器・商品サービスの品揃えと実績積上げによるノウハウ強化、通信×エネルギーのワンストップサービスで差別化の推進等を行ってまいります。
④コスト上昇への対応
通信トラフィックの急拡大、為替影響等によるコスト上昇に対応するため、回線の有効活用などの合理化、為替予約の検討等によりコスト上昇の影響を抑える対策を行ってまいります。
⑤社内システムの効率化・生産性向上
会社規模拡大に伴う業務の煩雑化に対応し、社内業務の効率化及び生産性向上が必須と考えております。そのため当社の基幹システムの改修や外部サービスの利活用を実施いたします。
⑥内部統制の安定運用とコンプライアンスの遵守
当社は、「内部統制」、「コンプライアンス」、「開示情報統制」が充分に機能したコーポレート・ガバナンス体制を構築することが経営上の重要な課題と認識しております。株主をはじめとする全てのステークホルダー及び社会からの信頼を確保することが企業価値向上につながると考え、公正性・効率性を追求しながら、健全で透明性のある経営に努めるとともにアカウンタビリティー(説明責任)を果たしてまいります。また、株主をはじめとするステークホルダーに対して適時かつ適切に情報開示を行う経営体制の構築・整備に取組んでおります。
(3)経営上の目標の達成状況と判断するための客観的な指標等
当社グループは2024年から成長ステージが第5ステージであると考えており、従来の独立系Wi-Fiソリューション企業から構内インフラ・インテグレーターへの地歩固めを行っております。
第5ステージに入ってから、利益成長ピッチが減速、ROEは徐々に水準が低下しているため、今後はさらなる成長投資が必要であると考えております。
そのためのキャピタルアロケーションとして戦略投資は今後2年間で50~60億円を想定し、必要資金は財務健全性を維持しつつ、外部資金を積極的に活用する方針であります。また、維持更新や通常ベースの設備投資として2年間累計で30~40億円を見込むとともに、株主の皆様への還元として2年累計で10億円を見込んでおります。
(ご参考)当社の成長ステージ概念
ステージ | 年 | 概要 |
第1ステージ | 2000年~ | NTT代理店として創業 マンションWi-Fi入居者無料サービス(FGBB)開始 PB化戦略推進 |
第2ステージ | 2009年~ | ビジネス向けフリーWi-Fi(Wi-Fi Nex)開始 ビジネス領域をホームユースとビジネスユースに拡大 |
第3ステージ | 2015年~ | 台湾子会社にて通信機器製造を開始 モノからサービスまで一気通貫体制構築 |
第4ステージ | 2018年~ | 上場 外部株主の目線に耐え得る成長戦略・内部体制構築 不動産・再生エネルギー領域に展開 |
第5ステージ | 2024年~ | 環境変化に併せビジネスモデル転換 独立系Wi-Fiソリューション企業から構内インフラ・インテグレーターへ |
(4)経営環境
次期の見通しにつきましては、現状のマンパワー及び対応力の不足に対して、営業体制の変更やBtoCサービスの導入などにより新たな「勝ちパターン」の開発を行うことにより、V字回復ではないものの減益局面からは早々に脱却することを見込んでおります。
ホームユース事業は機器売切方式が定常状態となり、付加価値増加により増益となることを見込んでおります。ビジネスユース事業についても引き続き医療/介護、公共/交通/物流、観光の3領域を主たるターゲットとし、売上のみならず利益率も上昇させてまいります。その他事業である再生可能エネルギー(電力)事業も再生エネルギー関連の売上を伸ばしてまいります。
現時点で入手可能な情報や予測等に基づき、連結の業績予想を算定いたしました。
(連結業績の見通し) (単位:百万円)
| 2025年6月期実績 | 2026年6月期予想 | 増減率(%) |
売上高 | 13,070 | 14,050 | 7.5 |
営業利益 | 1,958 | 2,000 | 2.1 |
経常利益 | 1,943 | 2,000 | 2.9 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,319 | 1,270 | △3.7 |
(連結セグメント別売上高の見通し) (単位:百万円)
セグメント | 2025年6月期実績 | 2026年6月期予想 | 増減(%) | |
Wi-Fi 事業 | ホームユース事業 | 10,864 | 11,600 | 6.8 |
ビジネスユース事業 | 1,684 | 1,810 | 7.5 | |
不動産事業 | 441 | 290 | △34.3 | |
その他 | 79 | 350 | 340.5 | |
合計 | 13,070 | 14,050 | 7.5 |
以上の背景により、当社グループの2026年6月期は、売上14,050百万円、営業利益2,000百万円、経常利益2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,270百万円を予想しております。
なお、上記の業績予想は、本報告書の提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後の様々な要因によって予想値と異なる結果となる可能性があります。
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