ピーバンドットコム
【東証スタンダード:3559】「卸売業」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
当社は、パーパス「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」のもと、プリント基板の E コマースサイト「P板.com(ピーバンドットコム)」の運営を中心に事業を展開しております。このパーパスを実現するため、以下の行動規範および行動指針を掲げています。
・企業パーパス(Purpose)
「アイデアと探究心で、”あたりまえ”を革新する。」
・行動規範(Code of Conduct)
「ワクワクするチャレンジを選ぶ。」
・5つの行動指針(Credo)
「アイデア、どんどん発信しよう!」
積極的に提案をして、よりよい会社にしていこう
「たゆまぬ探究心で、形にしよう!」
諦めず、粘り強く物事の本質を見極めよう
「学び続け、成長し続け!」
継続的な学習で、自己を豊かにしよう
「失敗はステップ、恐れず飛び込もう!」
失敗を恐れずチャレンジし、成功への糧にしよう
「ハートフルな話し方、心地よい聴き方!」
気持ちのいいコミュニケーションで、よりよい関係を築こう
(2)経営戦略
当社は、持続的な事業成長を実現するためには、2~3年先を見据えた短期的視点にとどまらず、社会や産業構造の長期的な変化をトレンドとして捉えた戦略的経営が必要であると考えております。このような認識のもと、2021年12月10日に「長期ビジョンに基づく中期経営計画」を策定・公表し、その後、2024年10月に改訂を実施しております。
現在、世界では産業構造や技術トレンドの急速な変化、地政学的リスクの顕在化、さらにはサステナビリティに関する社会的要請の高まりなど、企業経営において考慮すべき要素が一層多様化・複雑化しております。当社は、これらの環境変化に柔軟かつ的確に対応するため、中期経営計画のローリングによる定期的な見直しを実施し、迅速な意思決定を可能とする経営体制の維持・強化に努めてまいります。
そしてその先に見据える2030年のありたい姿として、当社は次のようなビジョンを掲げております。
「誰もがアイデアさえあれば、簡単にモノを具現化できる世界の実現」
これは、P板.comが提供するワンストップソリューションを進化させ、プリント基板を中心としたものづくりのすべてのプロセスを、より手軽に、より速く、より自由に扱えるようにすることで、個人から企業まであらゆるクリエイターの創造力を支援するという、私たちの根本的な使命です。
こうした取り組みを通じて、当社は持続的な成長と収益性の両立を図りながら、「長期ビジョンに基づく中期経営計画」の着実な遂行を継続してまいります。
中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の概要は以下となります。
①基本方針
プリント基板 EC 事業のシェア拡大を基盤に、成長ドメインを拡張し持続的成長を実現する。
・戦略1:「仕組み」×「人」のハイブリッドで中堅・大手の顧客層を拡大
・戦略2:電子部品調達の自動化による業務効率の向上と売上拡大の両立
・戦略3:開発量産支援サービスの拡大
②新たな成長ドメイン
プリント基板のサプライチェーン知見を拡張し、ものづくりサービスの最適なサプライチェーンを一気通貫でつなぐ『GUGEN Hub』を構築することで、新たな成長の軸を確立する。
③資本コストおよび株価を意識した経営
資本コストを常に意識した投資判断と経営資源の最適配分を徹底することで、資本効率の向上と持続的な成長を実現してまいります。さらに、安定的かつ継続的な株主還元、機動的なM&Aによる事業ポートフォリオの強化、ガバナンスの一層の深化、そして積極的なIR活動を通じた株主・投資家との対話を推進することで、資本コストを上回るリターンを着実に創出し、企業価値および株主価値の最大化を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、事業活動の成果を示す①売上高、②当期純利益成長率、③エクイティスプレッドを重要な経営指標としております。
(4)経営環境及び財務上の対処すべき課題等
当社を取り巻く環境では、電子部品や半導体の供給制約は緩和され、EV・IoTの普及や生成AIの進展などを追い風に、エレクトロニクス業界では新たな成長機会が生まれています。引き続き当社の掲げる「長期ビジョンに基づく中期経営計画」を推し進めてまいります。
当社は、2030年に達成する「誰でも簡単にアイデアさえあればモノが具現化できるサービス(世界)の提供」の実現のため、以下の課題に取り組んでまいります。
①プリント基板Eコマース事業のシェア拡大
現在の基幹サービス「P板.com」でターゲットとする電子回路基板および電子回路実装基板の国内生産額は約1兆6,000億円であり、市場規模を勘案すると、多くの獲得余地があります。シェア拡大には、20年間培ってきた自動化された Web システム等の「仕組み」の強化に加え、「人」による営業力を組み合わせたハイブリッドな顧客対応が不可欠です。さらに、電子部品調達プロセスを徹底的に自動化することで原価低減とリードタイム短縮を図り、その成果を収益向上へ直結させます。加えて、サービス改善を進め、基板製造サービスを軸に基板設計サービス・部品実装サービスをクロスセルし、長期的な LTV 向上を実現します。
これにより、お客様、提携基板メーカの双方にとってより良いプラットフォームが提供出来るよう引き続き努めてまいります。
②開発・量産支援サービスの拡販
当社では、広範なサプライチェーンネットワークを活用し、電子機器の受託製造サービス「S-GOK(スゴック)」を展開しております。S-GOKは単なる製造請負にとどまらず、ソフトウェア開発、量産に向けた部材調達、組立、検査といった多岐にわたる工程に対応し、開発から量産に至るまでの一貫した支援体制を提供しています。
本サービスの推進にあたり、顧客企業が製品アイデアを具体的な要件へと落とし込む初期段階で、的確なサポートが求められていることが明らかとなりました。こうしたニーズに応えるべく、新たに「S-GOKコンサルティングサービス」を開始し、構想段階から量産フェーズに至るまでの包括的な支援を開始しております。
特に、迅速な意思決定と実行力が求められるスタートアップ企業に対して、当社のサービスは他社との差別化要因となっており、製品開発から量産化までを一気通貫でサポートする包括的なサービスとして、徐々に市場に浸透しつつあります。
③第3の事業の柱の探索と種蒔き
当社はプリント基板Eコマースをコア事業として、売上規模を拡大してまいりました。当社が目指す「誰でも簡単にアイデアさえあればモノが具現化できるサービス(世界)の提供」のためには、より広範な事業展開が必要で、既存事業分野の拡大に加え、新規事業分野の探索活動を両立させる「両利きの経営」での拡大が重要と考えております。
既存サービスの収益で蓄積した内部留保の活用で、外部企業との提携などを通じて、自社の資源のみでは実現に時間を要する事業展開を目指します。
新規事業分野の候補には、企業パーパスの「アイデアと探求心で、“あたりまえ”を革新する。」を念頭におき、長期的な経営環境の変化を見据えて、サステナビリティ課題への対応も考慮に入れながら選定し、企業成長と社会課題解決の同時追求、持続性あるビジネスモデルの構築を進めてまいります。
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