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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon DNA」は経営理念と社是で構成され、当社グループの核であり、この先も貫いていくもの、「Pigeon Way」は、存在意義、基本となる価値観、行動原則で構成されており、社員個々の“心”と“行動”の拠り所であり、すべての活動の基本となる考え方として定義しております。

 当社グループは、この考えに基づき、Pigeon Wayの軸である存在意義(赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします)の実現に向けて事業展開しており、その達成に向けた5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。また、事業活動を行うすべての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決をすること、さらに新しいビジネスにも挑戦することで、社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。

(2)経営環境

 当連結会計年度では、新型コロナウイルスの影響による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み、訪日外国人観光客数の増加や個人消費の持ち直しの動きなど、緩やかな回復がみられております。世界経済においても、持ち直しの傾向が続くと期待される一方、世界的な金融引締め等による影響や物価上昇に加え、中東地域をめぐる情勢や金融資本市場の変動等の影響など、その先行きについては依然として不透明な状況にありましたが、当社グループは「総合育児用品ブランド」としての強みと高いブランド力を活かし、事業の拡大と経営品質の向上を目指しております。

① 日本事業

 新型コロナウイルスの影響による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み、訪日外国人観光客数の増加や個人消費の持ち直しの動きなど、緩やかな回復が見られました。また、継続的な円安基調、原材料価格の高騰の中で、当社は2月と9月に哺乳器・乳首を含むベビー関連用品の一部価格改定を実施しましたが、価格改定後も哺乳器をはじめとした主力商品の国内市場シェア(当社調べ)は引き続き高い状態を維持しております。

② 中国事業

 中国本土では継続的な出生数減少に加え、7月以降、景況感の悪化や節約志向の高まりがみられております。またALPS処理水の海洋放出による日本製品買い控え傾向等が、個人の消費行動や当社の事業活動に影響を与えており、経営環境は依然として不透明な状況が続いております。そのような中、当社は出生数減少対策の一環として、主力のベビー向け製品に加え、6月より販売を開始した高月齢の赤ちゃん向け哺乳器「自然離乳シリーズ」や、22年末に発売した「キッズ向けスキンケア商品」の販売拡大など、エイジアップ商品の強化を行い、新規市場の開拓にも積極的に取り組んでおります。

③ シンガポール事業

 当事業が管轄するASEAN地域及びインドでは、主要市場において前年発生したコロナ禍からの急回復に伴う需要増の反動や、一部の国では景気回復の減速や個人消費の低下が見られました。また、原材料価格高騰の影響等により生産拠点等の利益は圧迫されており、未だ安定的な経営環境とは言えない状況が続いております。一方、出生数の状況や今後の経済成長への期待から魅力的な市場も多く、当社は上位中間層以上のお客様をターゲットとし、各市場のニーズにマッチした商品の開発・投入を推進しております。

④ ランシノ事業

 当事業の主力市場である北米では、コロナ禍後の海上輸送に関する物流混乱は解消に向かいましたが、米国内での陸上輸送コストの高騰等は引き続き継続しております。米国内では、前年に発生した粉ミルク供給不足問題に起因した当社商品への特需が一巡したことなどもあり、主力製品である乳首ケアクリームやさく乳器、母乳保存バッグ等の販売は低下しました。その一方、新規カテゴリである産前・産後ケア商品の販売は堅調に推移しております。また、ドイツやイギリスなどの欧州でも主力商品を中心に販売が伸長しております。欧米各国では主に消耗品類での市場競争が激化しておりますが、当社は消耗品以外での新商品投入及び新規カテゴリ商品の拡充等を推進しております。

(3)経営戦略等

 当社グループは、「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」において、以下の3つのテーマを掲げ、既存事業領域での持続的な成長に加え、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力する事で、事業構造の再構築を積極的に行いながら、グループの事業拡大と経営品質向上を目指してまいります。

① ブランド戦略:存在意義を企業活動の軸とし、商品を通じたブランド力向上に注力する。

② 商品戦略:ものづくりを強化し、自社の優位性を活かせる哺乳器・乳首、ベビースキンケアへの集中と新規領域の探索を行う。

③ 地域戦略:各事業での自己完結体制を強化し、市場特性に合わせた生産・販売体制の革新による効率化や収益性改善、サプライチェーンの安定化、新規市場への拡大準備を積極的に行う。

 なお、各事業戦略の概要は、下記のとおりであります。

「日本事業」

 売上高目標 38,500百万円(2025年12月期)

・価格改定や商品ポートフォリオ見直しによる収益力改善

・新規カテゴリ創出(エイジアップや女性ケアなど)

・自社ECサイトの強化

「中国事業」

 売上高目標 44,300百万円(2025年12月期)

・哺乳器・乳首、ベビースキンケアの更なる強化

・新規カテゴリ創出(エイジアップや女性ケアなど)

・サプライチェーンの見直しなどによる事業再編(韓国での自社直販体制への移行など)

「シンガポール事業」

 売上高目標 17,800百万円(2025年12月期)

・哺乳器・乳首、スキンケアを核とした事業成長の加速

・上位中間層~プレミアム層向けのものづくり強化

・サプライチェーンの見直しなどによる事業再編

「ランシノ事業」

 売上高目標 20,400百万円(2025年12月期)

・さく乳器、産前・産後ケアカテゴリの強化及び育成

・バイオデザインを活用した新商品、新カテゴリの開発

・販売体制の見直しなども含めた欧州事業の効率化

(目標とする経営指標)

 当社グループは、2023年12月期を初年度とする第8次中期経営計画に沿った取組みを着実に実行していくことで、最終年度である2025年12月期の到達目標水準を、売上高1,138億円、営業利益160億円、親会社株主に帰属する当期純利益104億円としております。また収益性、資本効率の一層の改善を図るために、ROE、ROICやPVA(Pigeon Value Added)などを経営指標として重視し、更なる向上を目指してまいります。

(4)対処すべき課題

 当社グループを取り巻く事業環境は、主力市場である日本・中国をはじめ世界的に出生数が減少する中、原材料及びエネルギー価格等の高騰による物価高や、コロナ禍を経たお客様の価値観・消費行動の変化等の影響を受けております。また、世界経済の先行きに対する不透明感の増加や地政学的リスクの高まり等もある中、各種環境の変化は目まぐるしく、将来の予測が非常に困難な状況にあります。

 一方、中国では少子化が進行しているものの、経済力や出生数からも依然として巨大市場であることに加え、アジア各国やその他新興国等においても出生数の大きな市場が複数存在し、中長期的にはEコマースの浸透・発達や経済成長に伴う消費の拡大等が見込まれております。加えて、世界的には当社グループが未参入の市場も多く、これら既存及び新規市場における事業活動の強化・深耕によって、今後の成長が十分期待できるものと考えております。

 このような環境の中、当社グループは、経営理念を「愛」とし、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を存在意義として事業を展開しております。

 そして、この存在意義を実現し、当社グループが社会になくてはならない存在として中長期的に成長するために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、以下5つの要素を設定しております。

1. 事業競争力向上とビジネス強靭化

2. 環境負荷軽減

3. 社会課題への貢献

4. 存在意義実現のための人材・組織風土

5. 強固な経営基盤の構築

「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」においては、これら重要課題(マテリアリティ)を念頭に、グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、次に示す3つの基本戦略を着実に実行してまいります。また既存事業領域での持続的な成長はもとより、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行ってまいります。

1. ブランド戦略:

 存在意義を企業活動の軸とし、商品を通じたブランド力向上に注力する。

2. 商品戦略:

 ものづくりを強化し、自社の優位性を活かせる哺乳器・乳首、ベビースキンケアへの集中と新規領域の探索を行う。

3. 地域戦略:

 各事業での自己完結体制を強化し、市場特性に合わせた生産・販売体制の革新による効率化や収益性改善、サプライチェーンの安定化、新規市場への拡大準備を積極的に行う。

 既存事業領域においては、自社の優位性・競争力を活かせる基幹商品として、特に哺乳器・乳首、ベビースキンケアカテゴリをさらに強化するべく、ライフスタイル提案、新素材の検討、環境やローカルニーズへの対応など、ポストコロナの社会変化に沿った製品・サービスの充実を図ります。合わせて、各事業における各種商品・販売戦略の抜本的な見直しやサプライチェーン改善等の構造改革の実行によって、持続的な成長を目指してまいります。

 一方、当社グループが未参入、かつ自社優位性の応用が期待できる領域として、顧客ターゲットの拡張につながるキッズ向け商品(エイジアップ)や、顧客親和性の高い女性ケア商品などをはじめとする新規商品カテゴリの創出・育成や、アフリカ地域をはじめとした新規市場への参入なども積極的に検討及び実施することで、次世代の成長を担う新規領域の探索・育成にも注力してまいります。

 加えて、当社グループ全体を統括するグローバルヘッドオフィス(GHO)の機能は引き続き強化するとともに、事業の運営と成長を担う4つの事業部門(日本事業、中国事業、シンガポール事業及びランシノ事業)の役割と責任を明確にし、相互に連携することで、事業の永続的な成長及びコーポレートガバナンス等の経営基盤の強化を図ってまいります。

 なお、当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。また、重要課題(マテリアリティ)への取り組みを着実に行い、環境(E)、社会(S)及びガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求することによって、事業活動を行うすべての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決することに加え、新しいビジネスにも挑戦することで、当社グループは社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上、そして存在意義の実現を目指してまいります。

より抜粋
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