ピクスタ
【東証グロース:3416】「小売業」
へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」ことを企業理念として掲げ、インターネットを最大限活用し、価値を生む人とそれを活かす人を最大多数結びつけ、世界中の才能をつなげるクリエイティブプラットフォームを創造することで、多様性に富む活気ある社会の実現に貢献していくことを目指しております。
(2)経営環境とそれに対応する経営戦略
当社グループにおけるサービスの売上のうち、インターネット広告を含む各種広告にかかる素材利用が一定の割合を占めております。
当社グループの主要な事業であるPIXTA事業において取り扱う写真・イラスト・動画等のデジタル素材は、主に、企業やメディア各社、広告制作会社そしてデザイナーによりさまざまな媒体での広告制作物において、ビジュアル効果を高めるために使用されております。
インターネット広告市場につきましては、2024年に、インターネット広告費で3兆6,517億円(前年比9.6%増)(※)と、1996年から一貫して成長を続けており、広告のインターネットメディアへのシフトが続いております。
従って、当社グループを取り巻く事業環境は、今後もインターネットメディア及び動画広告をはじめとするインターネット広告市場の拡大や、著作権等に関するコンプライアンス意識の高まりを受け、デジタル素材ニーズはさらに増加していくものと想定されます。また、主にSNSの普及を背景としたライフイベント時の撮影ニーズ増加・ライフイベントの多様化を受け、家族写真撮影の市場も拡大・多様化の傾向にあります。一方、画像認識に関する機械学習については、深層学習技術の発展等によりその精度は向上し続けており、自動運転・セキュリティ分野などの様々な分野での活用が加速していくなかで、学習データの重要性は高まっております。さらに、近年ではAIを用いた自動画像生成等の技術革新が進んでおります。
このような事業環境のもと、当社グループ中期の経営戦略としては、事業間のシナジーを活かし、顧客に応じて最適なサービスを提供することで、法人・個人の様々なビジュアルニーズを横断的に解決する「ビジュアルプラットフォーム」を目指します。これを実現するために、当面3年程度は一定の営業利益水準を維持したうえで、売上の再成長を目指すための投資を進めてまいります。セグメントごとの方針は、次のとおりであります。
PIXTA事業のうち、マーケットプレイスについては、人物コンテンツの販売開始点数の増加や品質のアップデートを通じてコンテンツの魅力を高めるとともに、UI・UXの改善や商品・価格体系の改善を進めることで既存の顧客層への訴求を図ります。さらに、イラストオーダーメイド等の新サービスの展開を通じて顧客のクリエイティブ領域での選択肢を増やすことができる取り組みを進めることで新たな顧客需要の開拓を図ります。機械学習向けデータ販売サービスについては、マーケットプレイスの素材以外のデータも扱うプラットフォームの立ち上げを通じて、市場や顧客に対する理解を深めることでデータ販売以外の機械学習周辺領域でもサービス展開をし、より大きな市場に対してサービスを提供することでPIXTA事業の再成長に寄与できるサービスとなることを目指します。
fotowa事業につきましては、2024年12月にマッチングサービス(仲介契約形態)から自社提供サービス(請負契約形態)へリニューアルをしました。これにより今まで以上に顧客に対する利便性の向上につながるサービスを提供することが可能となりました。今後はサービスの付加価値を高めることで、売上単価向上を図りセグメント利益の改善を目指します
その他の事業としては主にPIXTAオンデマンド事業及びPIXTAカスタム事業を展開しております。当社グループ中期の事業方針である法人・個人の様々なビジュアルニーズを横断的に解決する「ビジュアルプラットフォーム」を目指すうえでは、両事業で実施している撮影領域でのサービス提供が重要であると考えております。両事業を中心とした新規事業群への投資を通じて、中期的にはPIXTA事業、fotowa事業に続く新たなメイン事業の創出を目指します。
(※ 出典:株式会社電通「2024年 日本の広告費」)
(3)目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値の増大を図っていくために、重要な経営指標として、売上高、営業利益及びそれらの成長率を重視しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、さらなる事業拡大と収益基盤の安定化のために、以下の項目を対処すべき課題と認識し、対応を推進しております。
① 収益基盤の強化
当社グループは、主力サービスであるPIXTA事業においてデジタル素材販売による収益基盤を構築し、PIXTA事業で得られる利益をもとに新規事業への投資を行っております。事業拡大による飛躍的な成長を遂げるために、収益基盤の強化は重要な課題であると認識しております。
今後もPIXTA事業を安定的に成長させていくため、長期的な収益基盤の軸となる定額制販売の強化及び販売素材の充実に努めてまいります。
また、fotowa事業及びその他の新規事業においても、顧客獲得施策を推進し、収益基盤の構築に取り組んでまいります。
② 新規サービス・新規事業の立ち上げ
現在、当社グループにおいては複数のクリエイティブ・プラットフォームを運営しておりますが、既存のプラットフォームの強みを活かした新規サービス・新規事業の開拓は課題の一つであると認識しております。
今後も、素材のジャンル拡大や販売方法・提供サービスの多様化等、ユーザーにとって価値のある新規サービス・新規事業を検討し展開していきたいと考えております。
③ サービスの継続的改善及び技術革新への対応
当社グループが展開する事業は、技術革新や顧客ニーズの変化等の激しい業界であり、特に近年では、AIを用いた自動画像生成等の制作技術革新が進んでおり、運営サービスの継続的な改善は不可欠な課題であると認識しております。
この課題に対応するため、AI技術の積極的な活用により新たな顧客層の開拓やユーザビリティの向上に努めてまいります。また、サイト・サービスの安全性強化及び安定運用のための施策についても引き続き取り組んでまいります。
④ 人材の確保・育成
事業拡大及び経営体制の強化のために、優秀な人材の確保・育成は不可欠な課題であると認識しており、当社グループ理念に共感する優秀な人材を獲得するための採用施策及び企業理念や行動指針であるピクスタウェイの共有等に取り組んでおります。
また、当社では、既にリモートワーク体制を原則とした勤務体制を整備しておりますが、今後も、社員が生産性を最大化できる環境で業務に取り組めるような体制の整備を推進してまいります。
⑤ 経営管理体制の強化
企業価値の継続的な向上を図るにあたり、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくことが不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング