バイタルケーエスケー・ホールディングス
【東証プライム:3151】「卸売業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2009年4月1日、㈱バイタルネットと㈱ケーエスケーの株式移転により共同持株会社「㈱バイタルケーエスケー・ホールディングス」を設立し、バイタルケーエスケー・グループとしてスタートを切り、今年で16年が経過しました。
当社グループは、「人々が安心して健康に暮らせるよう、地域のヘルスケアを支える」ことをパーパスに掲げ、その実現に向けて日々「経営のスピードアップと市場開拓の強化」「IT技術の駆使と長年培った医薬品流通技術の融合・進化」「シナジーの発揮による収益力の向上」に取り組んでいます。
(2)目標とする経営指標
〇長期ビジョン2035の目指す姿(事業別売上高・営業利益の構成比)
当社グループは2035年度(2036年3月期)に目指す姿として、事業別の売上高と営業利益の構成比目標を次のとおりに設定しています。
科 目 | 2022年度(2023年3月期)(注1) | 2035年度(2036年3月期) |
売上高 | 医薬品卸売事業 94% 医療周辺ビジネス 6% | 医薬品卸売事業 80% 医療周辺ビジネス 20% |
営業利益 | 医薬品卸売事業 83% 医療周辺ビジネス 17% | 医薬品卸売事業 60% 医療周辺ビジネス 40% |
(注1)長期ビジョン2035の策定の直前期。
〇中期経営計画2027(FY2025~FY2027)の主な経営指標
当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3年間の計画である「中期経営計画2027」において、下記の定量目標を掲げています。
主な経営指標 | 期間 | 目 標 | 2025年3月期実績 |
売 上 高 | 2028年3月期 | 6,600億円 | 6,003億円 |
コア営業利益率(注 2) | 2028年3月期 | 1.15%以上 | 0.95% |
調整後ROE( 注 3 ) | 2028年3月期 | 8.0%以上 | 6.9% |
一 株 当 た り 利 益 | 2028年3月期 | 167円以上 | 149円02銭 |
投 資 | 3年間累計 | 200億円 (FY2025-2027) | 177億円 (FY2022-2024) |
政 策 保 有 株 式 の 対 連 結 純 資 産 比 率 | 2028年3月期 | 20%未満(注4) | 37.5% |
株 主 還 元 方 針 | 毎 年 | DOE3%以上 | DOE2%以上 総還元性向50%以上 |
・配当性向40~45%程度 ・総還元性向方針は無し ・自己株式取得は機動的に |
(注2)製薬事業の研究開発費控除前の営業利益を売上高で除した値。
(注3)製薬事業の研究開発費控除前の当期純利益を自己資本で除した値。
(注4)10%未満にする計画は2030年3月期を予定しています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
〇長期ビジョン2035
当社グループは、2023年5月に「長期ビジョン2035」を策定しましたが、この度の「中期経営計画2027」の策定において、新規事業として「製薬事業への参入」を決定したことを受けて、「長期ビジョン2035」の実践課題を下記のとおりに変更しました。
〔長期ビジョン2035〕
「垣根を越えて 薬の先へ “つなぐ”ことで医療の未来を革新する」
〔主な実践課題〕
・物流機能の高度化
・医薬品卸売事業の刷新
・メディカル関連商材の拡張
・製薬事業への参入(注5)
・レンタル事業の強化
・行政・自治体との連携強化
・薬局事業、動物用医薬品卸売事業の強化(注5)
・ライフサポート事業の展開(注5)
(注5)太字が変更箇所。なお、最後の「ライフサポート事業の展開」は、当初は「ライフサポートの充実」でしたが、今後は前者の表現に変更いたします。
〇中期経営計画2027-Move on to the Next Stage-(FY2025~FY2027)
当社グループは、今般、2026年3月期から2028年3月期までの3年間にわたる「中期経営計画2027-Move on to the Next Stage-」を策定しました。その中計の概要は次のとおりです。
〔中期ビジョン〕
「次代を見据えたビジネスモデルの革新―フェーズ2-」
〔中期経営計画2027の狙い〕
当社は、東証プライム上場企業として、本格的に資本コストを意識したグループ経営の考え方を取り入れ、グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、既存事業の収益力強化と事業そのものの見直しに加えて、積極的な成長投資を行って前中期経営計画よりも、もう一段ステップアップした「ビジネスモデルの革新」を実践していく所存です。そのため、中期経営計画2027の中期ビジョンを「次代を見据えたビジネスモデルの革新―フェーズ2-」に設定し、次の3つの重点施策を実践していきます。
〔3つの重点施策〕
重点施策 | 内 容 |
1.事業ポートフォリオ・マネジメント | 資本コストを意識した持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、事業ポートフォリオ基本方針を定めて、定期的に各事業の評価・モニタリングを実施。具体的には、毎年最低1回、ROICとCAGR(5年間平均売上成長率)を中心に既存事業の収益性と成長性を評価し、投資の継続、事業の縮小や撤退のみならず、長期ビジョンの実現に向けた新規事業投資やM&A投資の意思決定を行う。 |
2.財務戦略と資本政策 | 財務健全性と資本効率を両立する最適な資本構成を意識したバランスシートの管理を徹底するとともに、キャッシュフロー・アロケーション方針を定め、持続的成長に繋がる投資と株主還元にバランスよくキャッシュを配分する。 |
3.グループ経営体制の強化 | 東証プライム上場企業に相応しいガバナンス体制を強化するとともに、サステナビリティ関連の取組みも強化し、持続可能な社会の実現に貢献しながら、自社の成長にも繋げる。 |
〔主な実践課題〕
1.事業ポートフォリオ・マネジメント
◎事業セグメント別戦略
①医薬品卸売事業セグメント
ROICの向上と安定したフリーキャッシュフローを創出するため、次の実践課題に果敢に取り組む。
1)経営体質の改善
・流通改善ガイドラインの率先垂範と貢献利益管理の徹底
・都市部や地方の地域特性に合わせた効率的・効果的な配送体制の構築
・DXやAIを活用した業務の効率化や生産性の向上
2)医薬流通収益力の強化
・デジタルマーケティング強化による新たな収益の獲得
・がん、ワクチン、ウィメンズヘルスケア、地域連携等特色ある医薬流通に注力
・MAPsやLab Access部による新次元の病院MS活動の強化
3)コア事業領域拡大
・難病患者と専門医、薬剤師をつなぐ「おくすりあうん」の事業領域の拡大等
②薬局事業セグメント
ハードルレートを上回るROICの達成を目指し、次の実践課題に取り組む。
1)連結・非連結子会社の経営統合
2)過剰資本の解消によるROIC改善
3)新規出店やM&Aの展開
③動物用医薬品卸売事業セグメント
ROICの向上と安定したフリーキャッシュフローを創出するため、次の実践課題に取り組む。
1)昨年買収した同業者との事業シナジーの最大化
2)新規事業のペットフード事業の拡大
④製薬事業(未承認薬導入支援事業)セグメント
日本のドラッグラグ・ロスの解消に少しでも寄与しつつ、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するため、欧米承認で国内未承認の有望な医薬品を導入支援する事業に参入する。
1)中期経営計画2027は研究開発期間に充当。早期承認を目指しできるだけ前倒しで研究開発費を投入
⑤介護レンタルその他事業セグメント
従来の「その他事業セグメント」という名称を「介護レンタルその他事業セグメント」に改め、介護レンタル事業の拡大、物流受託事業の拡大、その他周辺事業の撤退や縮小、収益力の強化を図り、ROICとCAGRを改善する。
1)資本収益性が高い介護レンタル事業をM&Aにより事業拡大し牽引。
2)3PL事業の拡大に必要な倉庫・運送業を営む企業のM&Aにより業容を拡大
3)資本収益性が低い事業・部門は、再構築か撤退を判断。
2.財務戦略と資本政策
①最適資本構成を意識したバランスシート・マネジメント
財務健全性と資本効率を両立させる最適な資本構成を意識したバランスシートの管理を行うため、資金調達方針、株主還元方針、資産取得・圧縮方針を定め実行する。
②キャッシュフロー・アロケーション方針
当社が目指す事業ポートフォリオの実現に向けて、注力すべき事業や未来の成長のための投資と株主還元をバランスよく実施する。
3.グループ経営体制の強化
東証プライム上場企業に相応しいガバナンス体制を強化するとともに、サステナビリティ関連の取組みも強化し、持続可能な社会の実現に貢献しながら、自社の成長にも繋げていくため、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)のそれぞれに課題を設定し実行する。
以上のとおり、中期経営計画2027の概要について記載しました。詳細については、当社WEBサイト(https://www.vitalksk.co.jp/ir/management/plan2027/)をご参照ください。
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