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【東証スタンダード:5079】「建設業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針等
当社は、会社の基盤や想像力、技術の研鑽を主体とした「人」「力」「技術」を社是として、経営をいたしております。また、当社のロゴマークは「人」という文字をあしらっており、左の赤は個々の社員の情熱と実力主義を表し、右の青は会社(組織)の包容力と和、そして天に向かって躍進する可能性を意味しております。二つが合わさり社員と会社が共に支えあって互いに伸び栄え、社業を通じて社会に貢献することを表現しております。
| <社是> |
また、当社の経営理念は「社員と会社が一体となって、人のために、次世代のために今できることを真剣に考え、社業を通じて社会に貢献する」としております。
この、「社是」と「経営理念」のもと、当社は「より良いものを、より早く、より確実に造る。お客様に対し、信頼感、安心感、満足感を与える」をモットーとして経営を進めてまいります。
(2) 経営環境と中長期的な経営戦略
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境に改善の動きが見られる中、インバウンド需要の増加や個人消費の持ち直しにより緩やかな回復基調が続くと見込まれます。その一方で、関税政策をはじめとする米国の政策動向や中国経済の先行き懸念、ウクライナや中東地域等の地政学的リスクの長期化を背景とした不安定な国際情勢の影響等の懸念材料が見込まれ、依然として景気の先行きは予断を許さない状況が続いております。
建設業界におきましては、図1のとおり国土強靭化計画により公共建設投資は引き続き底堅く推移し、民間建設投資も企業の設備投資等が堅調傾向にあり、名目建設投資は前年度比1.3%増加となる見通しとなります。その中で建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫、時間外労働の上限規制への対応もあり、引き続き事業環境への影響を注視する必要があります。
このような経営環境の下、当社グループは、景気変動の影響が少ない公共工事を軸とした土木工事事業、及び、景気に左右されるものの投資額の多い民間工事を軸とした建築工事事業の二大セグメントを推進することにより、事業の安定化を図っております。
また、2024年4月期から2027年4月期を対象とする「中期経営計画2024-2027」を策定し、2027年4月期をターゲットとした「NOVAC VISION」を掲げております。その目標の実現に向け各重点施策を実行することや外部環境・内部環境などの変化に対応することで、「企業価値の向上」「人的資本経営の推進」を図り、持続的な事業成長を目指します。また、ブランディングによる知名度向上やエンゲージメント向上、働き方改革による職場環境の改善などを図るため、システム導入やICT技術の活用等DXの推進による生産性の向上、業務の効率化及び施工の効率化、省力化を推進し、事業や収益基盤の安定化及び安定配当体質の確立、人財の確保・育成の推進等に取り組んでまいります。
また、連結子会社化した株式会社TOMTENとの連携により、建設需要の新たな開拓及び更なる業容拡大等のシナジー効果の創出に取り組んでまいります。
図1 建設投資額の推移(年度)
(単位:億円)
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 (見込み) | 2023 (見込み) | 2024 (見通し) | 2025 (見通し) | |
名目建設投資 | 623,280 | 629,781 | 656,817 | 685,300 | 710,900 | 739,500 | 749,300 | |
(対前年度伸び率) | 0.8% | 1.0% | 4.3% | 4.3% | 3.7% | 4.0% | 1.3% | |
| 政府建設投資 | 224,802 | 240,848 | 240,357 | 244,900 | 252,700 | 264,400 | 264,500 |
| (対前年度伸び率) | 4.1% | 7.1% | △0.2% | 1.9% | 3.2% | 4.6% | 0.0% |
| 民間住宅投資 | 163,120 | 150,562 | 160,256 | 167,200 | 166,900 | 169,600 | 174,200 |
| (対前年度伸び率) | △2.5% | △7.7% | 6.4% | 4.3% | △0.2% | 1.6% | 2.7% |
| 民間非住宅建設投資 | 170,465 | 157,168 | 163,700 | 174,500 | 170,900 | 177,100 | 183,600 |
| (対前年度伸び率) | 0.4% | △7.8% | 4.2% | 6.6% | △2.1% | 3.6% | 3.7% |
| 民間建築補修 (改装・改修)投資 | 64,893 | 81,203 | 92,504 | 98,700 | 120,400 | 128,400 | 127,000 |
| (対前年度伸び率) | △0.5% | 25.1% | 13.9% | 6.7% | 22.0% | 6.6% | △1.1% |
出典:一般財団法人建設経済研究所、一般財団法人経済調査会 経済調査研究所(2025年4月11日付発表)
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営目標を下記のとおり定め、持続的な成長と高収益体制及び安定配当の確立による企業価値向上に向けて取り組んでまいります。
中期経営計画(2024年4月期-2027年4月期)における経営目標
2027年4月期 | |
売上高 | 400億円以上 |
営業利益率 | 8%以上 |
従業員数 | 350人以上 |
ROE | 9%以上 |
DOE | 3%以上 |
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年度のわが国経済は、雇用・所得環境に改善の動きが見られる中、インバウンド需要の増加や個人消費の持ち直しにより緩やかな回復基調が続くと見込まれます。その一方で、関税政策をはじめとする米国の政策動向や中国経済の先行き懸念、ウクライナや中東地域等の地政学的リスクの長期化を背景とした不安定な国際情勢の影響等の懸念材料が見込まれ、依然として景気の先行きは予断を許さない状況が続いております。
建設業界におきましては、公共建設投資は国土強靭化計画のインフラ対策等により堅調に推移することが見込ま
れ、民間建設投資におきましても、引き続き増加基調が見込まれます。
その一方で、建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫、時間外労働の上限規制への対応が顕在化しており、引
き続き事業環境への影響を注視する必要があります。
それに対処するため、景気変動の影響が少ない公共工事の受注拡大や、従来からの顧客を大切にすることにより受注機会を保つこと、また、利益の向上が期待できる好物件を受注するとともに、会社一体となり、原価管理及び販売管理等の適正化を一層追求し、高収益体制の維持及び人材の確保と育成を図るため、以下の対策を検討しております。
① 経済情勢の変動等に対する事業戦略の推進
(土木工事事業)
・土木工事発注が多い首都圏、関西圏を中心に人材投入を行い、受注の拡大を図る。
・昨今頻発している自然災害が発生した地域の災害復旧工事の受注及び災害を予防する対策工事の受注拡大を
図る。
・受注環境が激化する中で、競争に勝ち抜く技術提案力の強化を図る。
・構造物の長命化、補強工事等今後の市場環境において伸長が見込まれる分野へ進出する。
(建築工事事業)
・住宅分野以外の多分野工事や景気変動の影響が少ない公共工事案件の受注拡大を図る。
・3大都市圏(首都圏・関西圏・中部圏)以外の商圏を拡大する。
・リニューアル、耐震補強等既設建物の改修等の分野へ進出する。
・設計施工物件を手掛け、設計段階から一貫した受注獲得を目指す。
② 働き方改革の推進
建設業界は少子高齢化による若年層の減少に加え、就労者が少なくなる傾向があります。人財を確保していく上で、働き方改革の推進は重要な課題であると認識しております。当社は現在、システム投資やICT技術の活用等DXの推進による生産性の向上を図り、業務の効率化及び施工の効率化、省力化の推進による労働時間の短縮に取り組んでおります。今後も更なる労働環境の改善に向けて取り組んでまいります。
③ コーポレート・ガバナンスの強化
株主をはじめとするステークホルダーに対して社会的責任を果たすこと、また持続的な成長及び企業価値の向上を図る観点から、コンプライアンスの遵守体制、意思決定・業務執行体制、及び適正な監督・監視体制を構築することを通じて、コーポレート・ガバナンス強化の重要性を認識し、継続的に企業価値の向上に取り組んでまいります。
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