企業ニッポン高度紙工業東証スタンダード:3891】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、以下の「企業理念」および「長期目標」に則し、エレクトロニクス産業に不可欠な部材であるアルミ電解コンデンサ用セパレータおよび機能材を安定供給することにより顧客満足度を高め、エレクトロニクス産業の発展に寄与し、世界に役立つ仕事をしている集団であることを目指して事業活動を展開しております。

 今後も、当社グループ社員一人一人が能力向上と自己革新に取り組みながら多様化・複雑化するニーズに応え、お客様との強固な信頼関係を構築することでさらなる企業価値の向上をはかってまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、第100期(2030年3月期)に向けた長期目標の達成に向け、3ヵ年中期事業計画(2025年3月期~2027年3月期)において、次の経営数値目標を設定しております。

経営指標

2027年3月期 目標

連結売上高

(うち機能材売上高)

200億円

(50億円)

連結営業利益

36億円

自己資本利益率(ROE)

10%以上

(3)中長期的な経営戦略

 当社グループは、事業内容について選択と集中を基本に重点課題を明確にし、経営資源の有効な投入および活用を進めることで、企業価値向上をはかっております。

3ヵ年中期事業計画(2025年3月期~2027年3月期)では次の5つの基本戦略をもとに、中期事業計画の目標達成に向け各取り組みを進めております。

基本戦略

主な取り組み内容

①新規事業創出による事業ポートフォリオの転換

セパレータ製造で培ったコア技術を基に、電子材料、プラスチック代替材料としての活用など、用途展開の可能性を追求し、市場への普及を目指します。

②成長分野における重点的取り組みと新製品開発の強化

米子工場における建屋と抄紙ラインの増設、裁断加工ラインの新設などにより、生産能力増強と安定供給体制確立を進めています。

また、顧客の注力する成長市場(車載、通信、環境)において、競争力強化に向けた取り組みを推進します。

③ESG経営基盤の強化

当社にとっての重要性と、ステークホルダーにとっての重要性を勘案し、マテリアリティを特定しました。

それぞれの取り組み、KGI、KPIを設定し、進捗を管理することで、長期ビジョンの実現を目指します。

④DXの推進

属人化したプロセスの改善や、従業員の働きやすさの追求のため、製造工程、サプライチェーンの自動化・省人化を推進します。

本中期事業計画期間においては、自動倉庫の拡充、原巻輸送の自動化実現に向けた取り組みなどを予定しています。

⑤人的資本への投資

当社の最大の資本は人財であり、安全衛生の確保、健康の維持増進、働きがいの向上に係る取り組みの効果を定量化することで、「2030年のあるべき姿を目指し従業員の幸せを追求」の実現を促進します。

2025年3月期よりプレゼンティーズム・エンゲージメントサーベイを導入し、取り組みの推進・改善を行います。

(4)経営環境

 わが国経済は、インバウンド需要の増加や、堅調な企業業績を背景に雇用・所得環境の改善がみられ、設備投資も増加傾向になる等、景気は緩やかな回復傾向が続きました。

 一方、ウクライナおよび中東情勢などの地政学リスクの長期化、各地での自然災害の発生、資源価格の高騰による物価上昇に加え、米国の関税政策をめぐる各国の政策動向による影響など、先行きはさらに不透明な状態となっております。

 当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界におきましては、デジタル技術の高度化に伴うAI関連の需要の増加、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを目的とした設備投資等により、半導体・電子部品市場の需要の更なる高まりが見込まれております。当社グループの売上高に占める米国向けの販売割合が低いこと等から米国の関税政策が当社グループの直接的な取引に与える影響は軽微であると判断しておりますが、各国の通商政策の動向等により世界経済の先行きや関連市場における影響については不透明な状況であります。今後の世界経済や関連市場の動向を注視しつつ、当社グループの強みである高品質、高信頼性の製品の拡販に努めてまいります。

 主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータは、市況の回復は緩やかではあるものの、引き続き生成AI関連投資等による通信設備関連分野や車載分野での堅調な推移を見込んでおります。

 機能材につきましても、自然エネルギーの活用等により拡大する環境関連市場や自動車電装化の伸展にともなう堅調な推移を見込んでおります。

 当社グループは、2024年11月から稼働を開始した米子工場の生産設備増設により、更なる高付加価値セパレータの量産体制が整いました。大型設備投資にともなう減価償却費の増加はありますが、製造工程、サプライチェーンの自動化・省人化の推進等による生産効率向上とコスト低減に継続して取り組んでまいります。

 また、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、「環境と健康に挑戦 2030」というスローガンのもと「高機能セパレータ、高機能素材の安定供給を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する」という長期ビジョンを策定しております。特定したESGマテリアリティにおける戦略と取り組みを検討・決定した上で策定した指標および目標を中期事業計画に反映し、目標達成に向けて取り組んでおります。長期ビジョンの実現に向けて高品質、高信頼性の製品の安定供給に努めるとともに、顧客・市場ニーズに応えるための要求特性実現や新事業の創出に向けた研究開発を推進してまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上の課題

 当社グループは、優先的に対処すべき事業上の課題について次の取り組みをおこなってまいります。

(原材料・エネルギー価格上昇への対応)

 アルミ電解コンデンサ用セパレータおよび機能材ともに、原材料・エネルギー価格上昇による負担増を軽減するために製品の値上げを実施しており、生産効率向上によるコスト低減にも継続して取り組んでまいります。

(安定供給体制の強化)

 当社グループは、南海トラフ地震等の地震、台風や大雨等の風水害による自然災害および火災発生によるリスクを軽減するため、同時被災防止の観点で、高知県内の3工場に加え、米子工場、マレーシアに生産拠点を分散するとともに、原材料および製品在庫を確保し、安定供給体制の構築をはかっております。

 安定供給体制のさらなる強化のため、2022年から建設を進めてきました米子工場の生産設備増設工事については、2024年11月から稼働を開始し、更なる高付加価値セパレータの量産体制を整えました。なお、本設備投資については、経済産業省の「蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術導入・開発促進事業」等により補助金を受給いたしました。当社グループは今後もより付加価値の高いセパレータの研究開発、拡販を進めてまいります。

(健康経営の推進)

 当社グループは、「安全・健康はすべてに優先する」の基本方針のもと、健康経営を推進しております。2025年3月に4度目となる「健康経営銘柄2025」に選定され、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門ホワイト500)」に2019年より7年連続で選定されました。これは、従業員の「こころと身体の健康の保持増進」、「安心して働ける職場環境づくり」等の当社の取り組みが評価されたものと認識しております。

 引き続き、安全・健康管理体制の確立と従業員に対する安全衛生教育の徹底をはかり、無事故・無災害の職場を実現するための取り組みにより、安全で健康な職場づくりを進めてまいります。

(資本効率の向上と株価を意識した経営の強化)

 株主利益重視の観点から、資本効率を高めるために、収益性の向上を目標として事業を推進しており、自己資本利益率(ROE)10%以上を達成することを目標としております。付加価値の高い製品の拡販を進めるとともに、設備投資、研究開発投資、人材投資等を効果的におこなうことで資本効率を向上させてまいります。

 また、株価を意識した経営を強化するために、当社の強みおよび事業の成長性を投資家にIR活動を通して訴求するとともに、資本効率を向上させることで株価純資産倍率(PBR)1.0倍以上を継続的に維持できるように努めてまいります。

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