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企業概要

 当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池等の電子デバイスを主体としたコンデンサ事業と、家庭用/公共・産業用蓄電システム、EV・PHV用急速充電器、V2Hシステムの環境関連製品、各種電源、機能モジュール、応用関連機器等の回路製品を主力製品としたNECST事業を展開し、「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発に取り組んでいます。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は6,273百万円です。

 製品区分毎の研究開発状況は、次のとおりです。

(1)コンデンサ事業

①アルミ電解コンデンサは、電極箔や電解液といった主要部材を自社で研究開発する強みを活かして、重点分野向け製品の研究開発に取り組みました。カーボンニュートラルを目指して急速に電動化が進む「自動車・車両関連機器」、高度化するネットワーク社会を支える5G通信基地局やサーバーといった「情報通信機器」において需要拡大する導電性高分子アルミ固体電解コンデンサおよび導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ、各種電源装置やエアコンインバータ等の白物家電・産業用インバータ機器、情報通信機器に加え、EVの世界的な普及に伴いOBC(車載充電器)などの自動車・車両関連機器が伸長するアルミ電解コンデンサにおいて、小形・高容量化、高温度対応、長寿命化といった商品力強化に取り組みました。

 これらの研究成果として、導電性高分子固体アルミ電解コンデンサは情報通信機器から車載機器まで需要拡大している組込みCPU/FPGAボードに最適な業界最高レベルの125℃3000時間保証の「RDSシリーズ」を市場投入し、高温度・高信頼ニーズへの対応を図りました。また、MLCC(積層セラミックコンデンサ)が使用されていた大電流用途に対して、業界初となるリプル電流重畳で耐久性を保証する125℃2000時間保証の「PCWシリーズ」を開発しました。導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサは、業界トップレベルの高容量化を達成した新シリーズ「GYFシリーズ」を市場投入し、小形・高容量化ニーズへの対応強化を図りました。

②小形リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」は、異常時にも発煙発火の可能性が極めて低い特長を活かした開発を進めました。エネルギーハーベスティング用PMIC(パワーマネジメントIC)のリーディングカンパニーであるe-peas(ベルギー)と小形チタン酸リチウムイオン(LTO)二次電池のリーディングカンパニーである当社は、高性能PMICとマイクロエネルギー貯蔵デバイスという独自の価値を組み合わせ、バッテリーメンテナンス不要の超小型、軽量、長期間に渡る電源供給ソリューションをセンサー機器開発者に提案開始しました。

③フィルムコンデンサは、xEV(EV、HEV、PHEV、FCEV)に搭載される走行用モータの駆動インバータに不可欠なDC-LINKコンデンサ用途で需要が拡大しています。高い信頼性とコンパクト化を両立させるニーズに対して、当社は基本材料である金属蒸着フィルムを自社開発するとともに、これまでに多くのxEVに採用された実績を活かして、車種ごとに最適な性能をより小形サイズで提案できることを強みとし、国内外メーカーの多くの車種に採用されています。今後の技術トレンドとして、特にEVにおける充電時間短縮を背景とした800V以上の高電圧化ニーズ、SiC(シリコンカーバイド)などパワー半導体の進化に伴い、125℃を超える高温度化ニーズが見込まれることから、当社はフィルム材料の性能向上や蒸着パターン技術の開発、DC-LINKコンデンサ本体と周辺部品も融合させ高度なモジュール化技術を実現するための製法、設備など、生産技術開発にも注力しています。

④電力・機器用コンデンサでは、防災形進相コンデンサ「GeoDRY®」をはじめ、受変電高圧側、または末端低圧負荷側に設置される用途に各種進相コンデンサとその附属機器をラインアップしています。進相コンデンサは、製品の安全性を重視し、誘電体絶縁破壊時に自己回復する信頼性の高い「金属蒸着電極(SH)コンデンサ」を全機種に採用しています。附属機器は、省エネルギー化を目的としてさらに導入が進むインバータ機器から発生する高調波電流に起因した電力系統の電圧ひずみや、お客さまの配電系統における高調波電流障害から設備や電気機器を保護するための高調波継電器を市場投入しました。この高調波継電器は、一般的な高調波に対する保護モードに加え、コンデンサ回路に特化した保護モードなど、保護対象に応じた保護モードの選定ができるほか、保護方式においても電圧ひずみ率、電流ひずみ率、電流値の3種類の保護方式に対応でき、高調波障害から電気機器を守ります。加えて、電力のバックアップや安定化に寄与する瞬時電圧低下/停電補償装置などの関連装置を取り揃え、BCP対策をはじめ総合的に高品位な電力の安定化を提案しています。

(2)NECST事業

 当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献」することを経営理念に掲げ、その具現化を目指して、再生可能エネルギーの普及、エネルギーの地産地消、EVやPHVなどの次世代自動車とそのインフラの普及を目指した取り組みを進めています。

2020年10月に日本政府が発表した方針において、2050年にカーボンニュートラルを目指すことを掲げ、環境関連政策を重視する姿勢を明確にしました。

 そうした中、世界の自動車メーカーがEVの開発を加速させる動きを見せており、ガソリン車からEVに大きくシフトを始めました。日本においてもEVや充電インフラ設備の購入や設置費用に対して政府や地方自治体の補助金が増額され、それに伴って急速充電器の需要が広がりを見せています。これまでは高速道路のサービスエリアや道の駅などが主な設置場所でしたが、課金制度の見直しや通信機能の拡大などにより民間企業の設置が増加してきております。この状況に対応する商品として課金認証を組み込んだ大容量の急速充電器として2台を同時に充電できる100kW出力システムと一口で50kWの2種類の急速充電器の新製品を開発しました。当社は、充電サービスの提供と充電インフラの整備・拡充を行う株式会社e-Mobility Power様と共同で高速道路のサービスエリア向けに複数の充電ポートを持ち、それぞれの充電ポートの充電電力を可変できる新型200kW出力EV・PHV用マルチ急速充電器を開発し、首都高速道路のサービスエリアなど複数個所に納入しました。

2022年4月に東京証券取引所の市場区分の再編に伴い、プライム上場企業に対し環境に関する情報開示を求められるようになりました。その中にはカーボンニュートラルに向けた具体的な取り組みや計画の開示も含まれており、企業の投資行動を後押しする国の支援策も多くなってきました。この社会の動向を先取りする製品として、公共・産業用蓄電システムの大容量化の要請に応えて200kWのパワーコンディショナーと650kWhの蓄電池を備えたシステムを開発し、初号機を納入しました。

 医療関係分野では、がん治療として注目されている粒子線(陽子線・重粒子線)治療向けの医療用加速器電源の性能向上や、小型化など次世代の粒子線治療装置に求められる電源の開発に取り組みました。研究用途の加速器電源では、東北地方に新たに建設される日本国内初の高輝度中型3GeV級放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」向けに電源を開発、納入し、現地試験の上、引き渡しが完了しました。

 事務機器向けスイッチング電源関連では、新たな分野への展開を目指して技術開発を進めています。

(3)産学連携による研究開発

 最近は技術の進歩が早く、社内で研究開発だけでは最新の技術を取り入れた製品の開発が難しくなっています。そうした状況の中、当社は最先端技術を社内の開発に取り入れることや、その過程において当社技術者の成長にもつながることを配慮した産学連携プログラムを実施しています。その中でも2016年9月に締結した東京大学生産技術研究所と包括的な産学連携研究協力協定では、一定額のファンドを拠出し、それを原資として複数の教授陣との共同研究をフレキシブルに実施できる体制を構築しています。当社技術者を派遣し、コンデンサの素材基礎開発からNECSTの次世代ビジネスに関わるシミュレーションまで、多岐にわたる開発テーマを展開しており、当社技術者の育成にも効果を発揮しています。一方、次世代半導体として期待され、一部に実用化が進んでいるSiCのモジュール化の開発においては、大阪大学などと共同開発を継続的に行っており、NECST製品やサービスの要素開発やプラットフォーム構築、および商品開発に寄与しています。こうした産学連携を数年来継続しており、大学の教員と当社社員との交流も深まり、当社技術者に対する教育効果を含めて研究開発力強化が図られつつあります。

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