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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

(1)経営方針

 当社は「幸せを、後世に。」のミッションの下、社会に根付く事業作りを通じ、時代を超えて人々の幸せに貢献します。また、豊かで幸せな未来を次の世代に紡いでいくため、ビジョンを「日本を変革する矢」とし、絶え間なき自己変革を繰り返しながら、日本を良くするための事業に挑戦し、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として、各種事業を展開しております。

(2)経営環境及び経営戦略

 創業以来、当社はDX及びマーケティングを中心にインターネットを活用した各種技術、ノウハウを蓄積し、その強みを活用して、「ホリゾンタルDX事業」及び「自動車産業DX事業」を運営しており、創業より増収を達成しております。

 自動車産業においては、EVシフトをはじめとする巨大な構造変化の波が押し寄せており、また、個人による自動車保有の手段も多様化しており、オンラインでの車購入は相対的に市場全体に対する比率を高めていくことが予想されます。なお、国内の自動車販売市場においては年間の販売台数約625万台(注1)、市場規模は約17兆円(注2、3)が見込まれるなど大きな市場となっております。

 また、国内DX市場においては、社会構造の変化やインターネットの普及に根ざした消費活動の多様化に伴い、市場規模は約2.7兆円(注4)まで成長しており、あらゆる企業においてDX推進をはじめとしたインターネットを活用した事業成長への投資活動は重要な経営課題となっています。

 こうした環境下において、当社の自動車産業DX事業及びホリゾンタルDX事業は、全体観として巨大かつ長期的な事業的追い風の中で事業を運営しております。2020年12月期から2023年12月期における売上高のCAGR(注5)は45%(ホリゾンタルDX事業は23%、自動車産業DX事業は111%)となっており、今後も事業規模の成長が見込まれるものと思料いたします。

 引き続き、当社はホリゾンタルDX事業を通じて様々な産業や事業者の課題を探索・発見し、解決を支援していくと共に、自動車産業DX事業を始めとした特定産業を深掘りするバーティカルなDX事業を開発していくことで、日本のDX前進に貢献してまいります。

 こうした前提に立脚した上で、各事業について当社の経営戦略は以下となります。

①ホリゾンタルDX事業

 当事業は、創業初期からこれまで取り組んできている事業です。「ホリゾンタルDX事業」は、創業以来培ってきたDXやデジタルマーケティングに関する技術・ノウハウを強みにして、顧客企業に対するコンサルティングサービスを主軸にしつつ、生成AIによる業務自動化支援、メディア開発・運営及びデジタル広告に関するソリューション提供を通じた事業支援を行っております。

 当事業においては、デジタル戦略コンサルティングによる課題把握や解決策の特定能力を磨きつつ、自社メディアの強化として取り扱うテーマの拡大やコンテンツの拡充によるアクセス数の増加を行うとともに、DX・マーケティングコンサルティングを中心に、提供する支援メニューの増強を図ることで事業の模倣困難性を高め顧客企業との強い取引関係を築いていくことを戦略に据えております。

②自動車産業DX事業

 当事業は、「おトクにマイカー 定額カルモくん」の事業運営を主軸として、個人向けに幅広い車種の新車及び中古車を対象としたマイカーのサブスクリプションサービスを提供しています。

 当事業においては、マイカーの新しい利用手段や購買プロセスへの需要に応えるべく、個人の車購入のプロセスをDX化しマイカー購買の手間暇を省力化しております。なお、自動車金融商品の年間利用件数が約275万台(注6)、約7.5兆円(注7)の市場規模において、与信の弱い個人に対する自動車金融商品の提供可能性を模索することで、自動車領域における金融包摂サービスの提供を進めており、新車・中古車の販売市場における新たな市場創出に取り組んでおります。

 引き続き契約件数を伸ばしていくとともに、顧客のニーズに応える商品ラインナップの拡充を進めてまいります。また、相対的に与信の弱い個人に向けたサービス開発に引き続き取り組み、当事業に申込みをしたものの審査に通過しない潜在的顧客層へのサービス提供を可能とすることで、事業規模を継続的に拡大させることを戦略に据えております。これまで蓄積してきた自動車購入プロセスのDX化ノウハウは、自動車販売事業者をはじめとした自動車産業関連事業者の生産性向上にも貢献可能であるため、こうした事業者に向けたDX支援の取り組みも模索してまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、主な経営指標として各セグメントにおける売上高成長率、営業利益を重視しております。また、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、ホリゾンタルDX事業は、顧客継続率、契約社数(注8)、自動車産業DX事業は、カスタマーチャーンレート、契約残高、延べ申込件数(注9)をKPIとしております。

 KPIの推移

 

2022年12月期

2023年12月期

ホリゾンタルDX事業

 

 

顧客継続率

92.41%

92.74%

契約社数

169件

182件

自動車産業DX事業

 

 

カスタマーチャーンレート

0.21%

0.21%

契約残高

4,784百万円

5,822百万円

延べ申込件数

15.6万件

22.5万件

(注)1.出所:一般社団法人日本自動車販売協会連合会「新車・年別販売台数(2020年)」、株式会社矢野経済研究所「2021年版 自動車アフターマーケット総覧」

2.年間販売台数約625万台(注1)に普通乗用車、小型乗用車、軽乗用車及び中古車の平均購入価格(注3)約181万円(出所:総務省統計局「政府統計の総合窓口(2020年)」)を乗じ、自動車整備市場規模約5.6兆円(出所:株式会社矢野経済研究所「2021年版 自動車アフターマーケット総覧」)を加えて当社が推計。

3.平均購入価格は、普通乗用車、小型乗用車、軽乗用車及び中古車それぞれの平均購入価格を年間販売台数に応じて加重平均にて推計。

 普通乗用車、小型乗用車、軽乗用車の平均購入価格及び年間販売台数(出所:総務省統計局「政府統計の総合窓口(2020年)」)

 中古車の平均購入価格及び年間販売台数(出所:株式会社矢野経済研究所「2021年版 自動車アフターマーケット総覧」)

4.出所:株式会社富士キメラ総研『2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望市場編/ベンダー戦略編』まとまる(2023/3/17発表 第23032号)

5.CAGRは、年平均成長率を示す指標であり、2020年12月期において「収益認識に関する会計基準」を適用した場合の売上高より計算を行っております。

6.年間販売台数約625万台(注1)と現保有車購入方法の金融商品利用率約44%(出所:一般社団法人日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査」)を乗じて当社が推計。

7.販売市場規模約17兆円(注2、3)と現保有車購入方法の金融商品利用率約44%(出所:一般社団法人日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査」)を乗じて当社が推計。

8.契約社数とは、ホリゾンタルDX事業コンサルティング関連サービスについて、各期間に取引実績のあった社数です。

9.延べ申込件数とは、過去累計で獲得した申込件数です。

10.自動車販売市場における市場規模については、当社が外部の統計資料を基に推計したものであり、実際の市場規模と異なる可能性があります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①人材の採用と育成

 当社の継続的な事業成長の実現に向けて、DXに造詣の深い多様な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を継続して進めてまいります。

②情報管理体制の強化

 当社は、提供するサービスに関連して多数のユーザー企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティ規程を定め、本規程に基づき情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。

③規律的な投資による利益及びキャッシュ・フローの創出

 当社は事業拡大を目指し、広告宣伝費をはじめとした顧客獲得活動等に積極的に投資を行った結果、過年度より継続して営業損失を計上しております。

 自動車産業DX事業におけるサブスクリプションサービスは、そのチャーンレートの低さから累計契約件数が増加すれば収益が積みあがるストック型の事業モデルである一方で、顧客獲得費用が先行して計上される特徴があり、契約獲得にあたり赤字が先行することが想定されています。

 先行投資に関しては、今後の資金繰りに支障が無いように資金調達を実施しており、当該先行投資の結果として売上も伸長しております。

 サブスクリプションサービスの拡大に向けては、投資効率を測る指標として契約価値粗利(CV)と顧客獲得コストのバランスが重要な指標となるため、当社ではこれを重要指標としてモニタリングを行っています。ホリゾンタルDX事業との収支バランスにも配慮しつつ、一定の投資採算を満たした場合に規律的に投資していくことが、中長期的に利益及びキャッシュ・フローの最大化に寄与するものと考えております。

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