企業兼大株主トーア紡コーポレーション東証スタンダード:3204】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

1.会社の経営の基本方針

 当社グループは「暮らしと社会の明日を紡ぐトーア紡」を経営理念とし、トーア紡クオリティの追求と新しい

 価値の創造、環境負荷の低減に積極的に取り組むことを通じて、モノづくりの伝統を未来へつなげることを基本

 方針としております。

 そして社会に貢献し、必要な存在として認められる企業集団となり、常に自らも成長・発展し続ける「暮らし

 と社会の明日を紡ぐ企業」として、事業の永続性を確かなものとする努力をしております。

2.経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

 当社グループ創立100周年の節目でスタートしました前中期経営計画(2022-2024年度)につきましては、不安

 定な国際情勢、急激な為替の変動や原材料高などによる原価上昇といった困難な状況の中、収益力の向上を実

 現し、計画を達成することができました。

 新中期経営計画(2025-2027年度)「TOA FG2027」につきましては、更なる成長に向け、挑戦し続ける企業グル

ープを目指し「収益力向上への継続的挑戦」と「挑戦し続ける組織風土の醸成」を成長テーマとして掲げてお

 ります。

 基幹5事業(衣料・インテリア産業資材・エレクトロニクス・ファインケミカル・不動産)は、収益力

 向上のため環境変化への対応力を強化し、またヘルスケアをはじめとする将来の成長事業は、それぞれの

 基盤を確立させることにより、グループ全体において「事業基盤の強化」の実現を目指します。

 新中期経営計画の達成に向け下記の5点を基本戦略とし取り組んでまいります。

1.強い事業基盤確立へ、各事業で新たな取り組みに積極的に挑戦

 各事業部門において新販路、新商材でのシェア拡大により収益の柱を増築し、事業内ポートフォリオを新

 構築することで環境変化への対応力を強化します。

2.持続的な成長に資する積極的な設備投資の継続

 積極的に設備投資を実施した前中期経営計画と同等の投資を実施し、継続的な収益力向上の基盤を確立い

 たします。

3.人材の充実、従業員全員が活躍できる仕組みづくり

 ビジネスを取り巻く環境変化が激しく、従業員の価値観も多様化するなかで、トーア紡グループ従業員の

 誰もが安心できる、働きがいのある環境を再構築し、挑戦し続けられる組織風土を目指します。

4.持続的でバランスの取れた財務戦略の実施 ~ 株主還元・成長投資・財務体質改善

 財務体質の改善を進めつつ、投資と資金調達の最適化により成長投資と安定的かつ継続的な配当の引き上

 げを実施してまいります。

5.環境への配慮、社会に向けたサステナビリティへの取り組み

 トーア紡グループでは、5つのマテリアリティ「脱炭素社会の実現・環境負荷低減・循環型社会の実現・

 ダイバーシティ&インクルージョン・アメニティの追求」を特定し、企業価値の向上と持続可能な社会実

 現に貢献してまいります。

 なお、中期経営計画の詳細につきましては、令和7年2月13日に発表いたしました「中期経営計画の策定に

 関するお知らせ」をご覧ください。

 当社グループの目標値を次のように設定しております。

(単位:百万円)

 

令和7年12月期

令和8年12月期

令和9年12月期

売上高

19,500

20,400

21,300

営業利益

800

900

1,000

経常利益

730

810

870

親会社株主に帰属する

当期純利益

500

520

730

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 国際情勢による景気減速リスクや、インフレ進行による個人消費の落ち込み等、不透明な環境下ではありま

 すが、事業基盤の強化に取り組み、計画達成に向けて進めていきます。

 このような状況下、中期経営計画の初年度(令和7年12月期)の目標達成に向け各事業分野において以下の取

 り組みを進めてまいります。

・衣料事業

 トランプ大統領就任による保護貿易主義への世界的な傾斜の懸念など、予断を許さない経済環境のもと、第

 二次となる中期経営計画がスタートしました。次の世代への基盤を固めるべく、下記の課題に取り組んでいき

 ます。

1.盤石な生産基盤の構築

 設備投資、人の配置等の最適化、外注工場との協力関係の深化等を推し進め、強固な生産体制作りに注力

 します。

2.DXの推進

 DXによる各工程の見直しや業務フローの改善、見える化による迅速な情報の共有化等、業務変革を徹底的

 に推進していきます。

3.海外拠点の活用

 強みである既存の中国、東南アジアの拠点について、製造拠点としてのみならず、商品開発、それに伴っ

 た市場創造の側面から有効活用し、新領域への展開を実現します。

4.発信力の強化

 非ウール素材、環境配慮型商品、高付加価値商品の開発を、部門の枠を超え横断的に推し進めることで総

 合力の強化に努め、揺るぎないTOABOブランドの確立を目指します。

・インテリア産業資材事業

 インテリア産業資材事業は以下の4つの戦略を推し進めていきます。

1.生産の効率化

 国内、中国子会社とも生産性の向上を図るため、既存設備の改修・改造・新規設備の導入に取り組み、生産の効率化を進めていきます。

2.活況のある分野への営業活動

 既存の自動車産業向け、土木向けだけでなく、新分野への積極的な営業活動を行います。

3.積極的な設備投資の継続

 ポリプロファイバー部門、カーペット部門、不織布部門、工場内インフラ整備等、必要なところへの設備投資を継続していきます。

4.環境に配慮したものづくりの継続

 排水設備処理の効率化、工場での電力、燃料の低炭素化、産官学共同研究によるリサイクルカーボンの連続繊維化を目指します。

・エレクトロニクス事業

 昨年度は、主力の電動工具向けコントローラーについては、得意先の在庫調整が完了して通常生産となった

 ことで受注が回復しました。産業機器関連向けパワー半導体については回復基調にはありますが、まだ弱含みです。

 このような状況を踏まえて、主要分野において以下の施策を推進していきます。

1.ACコントローラー分野の取り組み

 現行機種の生産効率を向上させるとともに、園芸用途を含めた新機種の獲得に努めます。

2.電子デバイス分野の新規商材開拓

 現行の産業機器用パワー半導体に加えて、韓国での車載アクセサリー用途向けの電子部品の販売を開始します。

3.成長分野の販売強化

 ロボット向けの減速機用機構部品、眼鏡用の偏光レンズフイルムの販売強化を行います。

4.新規分野の開発推進

 医療用途のEMS導電ベルト、コントローラーの開発に着手し、EMS導電ベルトについて2025年の販売を目指します。

・ファインケミカル事業

 持続的な成長軌道をより確かなものとするために、今期より始動する新中期経営計画に沿った次の重要施策

 を着実に推進していきます。

1.電子材料分野の強化

 電子材料分野においては、AI半導体、データセンター、情報電子機器など多種多様な市場拡大が見込まれます。引き続き生産能力増強の成長投資に軸足を置くとともに、プロセス改良やDXによる生産性向上も実現し、収益力を高めます。

2.新規顧客の開拓

 保有する独自技術を駆使し、電子材料分野で新たな顧客の開拓に注力します。

3.環境負荷低減への貢献

 将来の脱炭素社会への貢献を目指し、環境負荷低減を実現する新製法の開発や、再生可能エネルギーの調達、LNG転換への取り組みを加速させます。

・不動産事業

 資産の有効活用と安定収益確保のため、以下の4つの重点施策を進めていきます。

1.事務所賃貸の収益性向上

 事務所賃貸については、設備のリニューアルを継続的に行うことで、オフィス環境の満足度を高め、魅力あるオフィスビルとして稼働率と収益性の向上に努めます。

2.商業施設の付加価値の維持向上

 商業施設については、稼働率と収益性を高めるため、計画的に設備更新を行い付加価値の維持向上を図ります。

3.老朽化した施設のリニューアルの検討

 老朽化した施設については、新規テナント誘致のため、リニューアルなど新たな投資を検討していきます。

4.SDGsを意識した資産活用

 保有森林の維持管理などSDGsを意識した資産の活用を促進し、環境負荷低減への貢献を図ります。

 当社グループは、創業者の訓示である「顧客満足」「重点主義」「公平性」を脈々と受け継ぎ、人々そして

 暮らしの「アメニティ=快適・ここちよさ」を追求する「暮らしと社会の明日を紡ぐ」企業グループであり続けるという理念のもと、以上のような取り組みを通じて持続的な成長と企業価値の向上に尽力していきます。

 また、法令順守や危機管理を一層徹底するため、「トーア紡グループ企業行動憲章」のさらなる定着と実践を推進し、より実効性のある内部統制の整備、運用に取り組んでまいります。

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