テンポスホールディングス
【東証スタンダード:2751】「卸売業」
へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
<100年企業として成長分野に投資進出する>
当社グループは、「飲食店の5年後の生存率を9割にする」を経営方針に掲げています。そのため、中小零細の飲食企業を利益追求と顧客満足の両面から経営サポートする「Dr.(ドクター)テンポス」に取り組んでおります。
また、当グループが目指す姿は「ビジネスサイエンティスト」です。テンポスが見つけたビジネス上の発明発見やノウハウが世の中に役立つように広めていくことが当社グループの役目であると考えています。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは売上高2,000億円、時価総額2,000億円企業を目指しております。その実現のための戦略は大きく4つです。
①業務用中古厨房機器の会社として圧倒的1位を確立する
主要子会社である株式会社テンポスバスターズは、2025年4月期において、9店舗の新規出店を行いました。人口約10万人の地方都市を中心に出店し、2か月後には黒字化できたことから、地方都市への出店をすすめ、M&Aも含めて300店舗へと拡大してまいります。それに合わせ、テンポス再生センター12か所を拠点に全国メンテナンス網作りを行い、単なる安売り屋ではなく安心して使える中古厨房販売としての地位を高めてまいります。
②ネット通販およびWEB事業を次世代の中核と位置づけ、人材と資金を投入する
WEB集客サービスやクラウドサービス等、WEBサービスの開発に注力致します。なお、これらのサービスは月額課金制のストック型ビジネスとして展開してまいります。ネット通販事業における厨房販売では業界第1位のシェアを、拡大して圧倒的な地位を築いてまいります。
③情報・サービス事業の収益を最大化させる子会社のプロ化
情報サービス事業では、各会社が専門性を高め、業界のトップ企業となることを目指しています。その中で、株式会社テンポスフードプレイスを中心に、後継者を探す飲食店に対しての事業承継支援や、FC本部構築支援といった新事業に注力してまいります。また、株式会社ディースパークでは、日本語学校を海外に開校し、外国人の人材紹介を強化してまいります。これらの会社はテンポスグループのシナジーに頼らず、独立した事業体として収益の最大化を目指しつつ、テンポスグループの売上拡大に貢献できるよう取り組んでまいります。
④M&Aや資本業務提携の積極活用
厨房機器の販売におきましては、この業界はメーカー直販会社が上位を占めており、当社が上位に食い込むことは長期的に見ても非常に困難を伴うものと思われます。当社の戦略は厨房機器の販売で上位を目指すのではなく「Dr.テンポス」の名のもとに外食産業における中小中堅事業者に寄り添い、各種サービスを提供するサービス産業へと脱皮を図ることです。そのために、当社で自力開発をするのではなく、外食産業にかかわる独自の商品、独自の開発力のある企業、変化に乗り切れず収益力の落ちている企業に対して、株式会社テンポスバスターズの全国75拠点(FC含む)の販売力、資金力、信用力を活かしたM&Aや資本業務提携をしてまいります。
(3)目標とする経営指針
当社グループは経営指標として経常利益率10%の確保とROE12%以上の維持を重点目標とし、売上および利益の拡大を目指します。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループでは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策は以下のように考えております。
①М&A戦略
年商1,000億が見えてきた今、さらに上の2,000億を目指して活動しています。その大きな原動力がM&Aであると認識しております。2024年4月期には千葉県を主活動場とする鮮魚販売、寿司業態の店舗展開をするヤマトサカナ株式会社を子会社化いたしました。当期はM&A情報集めの専門家を採用し、当社の取引先、グロース市場の時価総額100億未満の企業、コロナ以後の赤字から脱却しきれていない企業を中心にM&Aを検討しております。同時にM&A仲介会社の紹介案件を通して、当社グループの成長促進につながる会社との資本、業務提携も検討しております。その結果、来期には神奈川県を地盤とする寿司の宅配事業を行う株式会社サンライズサービスの子会社化、スタンダード市場に上場している酔虎伝などの居酒屋を経営するマルシェ株式会社への21%の出資など実を結び始めました。今後、外食業界に限らず当社グループがサービス産業で成長していくための活動に注力してまいります。
外食業界以外では、同じように個人事業社が多い美容業界での事業を開始するため、株式会社サロンド魔ギを設立いたしました。年商2億程度の会社を子会社化し、今後は当社グループの新たな柱となるように事業展開を進めてまいります。また、これらの子会社化した会社の成長のノウハウを蓄積し、次の事業展開につなげていきます。
②今後の出店拡大について
物販事業において、全国300店舗の出店を目指している中、当期は人口10万人前後の地方の小都市を中心に、9店舗の出店をいたしました。小都市への出店は実験的なものでしたが、2ヶ月目には黒字となり手ごたえを感じたため、出店場所の選定に「人口10万人に対し1店舗の出店」の基準を加え、今期は12店舗以上の出店を目指しております。一方、店舗数が増えることで社内競合が起こることが課題としてあげられます。その対策として、幅広い客層に対応する総合店舗だけではなく、 ラーメンや製菓製パン、内装工事業者向けの資材など、特定の業種に焦点を当てた専門館の出店や既存店の改装を行うことで、既存顧客の取り合いではなく、新たな顧客を獲得し、売上高増につなげていきます。
また、店舗数が増えることで中古厨房機器が不足しないよう、中古厨房機器の買取強化も大きな課題としております。買取センター拠点の拡大も計画しておりますが、買取担当人員の採用や大手外食チェーン店からの買取を増やすことで、中古厨房機器が常に潤沢になるような体制を作ってまいります。
③新規事業への取り組み
時代の変化に対応するため、いくつかの新規事業に取り組んでおりますが、決して順風満帆ではなく、「生みの苦しみ」の真っ最中であります。
飲食店の品質・サービス・衛生の視点から店舗を診断する格付診断士については、株式会社テンポスバスターズを中心に、300名の格付診断士が活動しており、その格付診断結果からにもとづいた経営コンサルティングを始めています。今後、子会社化するサンライズサービス社や、出資しているマルシェ株式会社を合わせることで、まずは2,000名の格付診断士の育成を進めたい考えです。1人あたり月に5店舗の訪問、全国各地で1日600件の診断を目指しております。これほどの規模で飲食店の経営に踏み込める企業は、他にありません。「外食の経営支援といえばテンポス」と呼ばれるように七転八倒しながら進めてまいります。
また、飲食店の事業承継を成功させるという目的のもと、この1年間で家賃保証事業、FC支援事業など、複数の新規事業を立ち上げてまいりました。特に、家賃保証事業は、閉店のタイミングでオーナーから必ず連絡がもらえるため、譲渡や事業承継の提案だけでなく、早く厨房機器の買い取りの交渉や転職先の紹介など、収益以上の価値がある事業と捉え、年間68万件来店するテンポスバスターズのお客様を見方につけ、推し進めてまいります。
当社グループが将来にわたって、安定的・継続的に収益を確保するため、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟、的確な対応を実施してまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング