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【東証スタンダード:1905】「建設業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループの事業目的は、土木・建築構造物の基礎工事を担当することにあり、上部構造物を利用されている全ての方々に「安全」「安心」をお届けすることにあります。基礎工事分野におけるリーディングカンパニーとして、常に新しい技術・工法の開発・普及に努めることで、企業価値の増大を図ることにより、株主・取引先・社会の期待に応える企業を目指します。
(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
① 経営環境
今後のわが国経済は、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、長期化するウクライナ情勢、米国の通商政策の動向などの地政学リスクや物価高騰に伴う個人消費の減速などが危惧され先行きは不透明な状況が続くものと思われます。
建設業界におきましては、公共事業は引続き防災・減災・国土強靭化対策などにより底堅く推移すると見込まれ、また、民間投資は企業収益の改善を背景に堅調に推移していくことが期待されています。しかしながら、建設資材価格の高騰や人手不足などによる投資計画の延期・見直しの懸念、現場従事者の慢性的な不足など構造的な課題により、業界を取り巻く環境は厳しくなると想定されます。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、受注環境の変化に適応した事業基盤の強化に向けた取り組みを進めてまいります。
② 中長期的な会社の経営戦略
2024年度からスタートした中期経営計画(2024-2026年度)「未来を拓く、新たな一歩」に基づき、社会、環境、労働、経営における事業課題に対し5つの重要戦略で挑戦しております。長期ビジョンである、100年企業を目指したサステナビリティ経営の実現と社会への貢献に努めてまいります。
具体的には以下のとおりです。
5つの重要戦略 | 事業活動アイテム | マテリアリティ |
事業別戦略 | 土木事業(国内) | 多発・激甚化する自然災害を想定した防災・減災、国土強靭化に向けた構造技術提案で設計折込みストックを増大 |
建築事業(国内) | 新開発工法や研究技術を駆使して構造物設計への複合提案を推進、変化・多様化する建築ニーズをキャッチアップ | |
海外事業 | ベトナム経済の成長政策(社会資本整備計画)へ基礎技術で貢献、現地法人の事業拡大に向けて施工基盤を強化 ベトナムでのコンクリートパイル事業のバリューチェーン構築 | |
土木建築コンサル ティング事業 | 複合技術研究所内に戦略企画室を設置し、テノックスグループでプロジェクトと戦略を共有、土木・建築構造設計へのカスタマーソリューションを高度化 | |
開発戦略 | 保有技術の 高付加価値化 | 保有技術をブラッシュアップし、付加価値の高い基礎工法のバリエーションを強化 施工管理装置「VCCS」の全工法への展開及び新基幹システムとの連携により、施工品質の向上、工事現場の働き方改革を推進 |
社会・環境問題 解決への技術開発 | 災害に強い安全な国土形成や脱炭素社会の実現など、時代のニーズにこたえる技術開発に注力 | |
100年企業を目指した 新技術の開発 | 担い手不足や現場の生産性向上・働き方改革に現場施工の自動化 (On-site Construction Automation)で対応 脱炭素社会実現に向けたエネルギーの効率化に対応し、社会貢献 | |
環境・デジタル戦略 | 環境経営の実践 | 基礎工事のカーボンニュートラルを実現 |
DX(デジタルトラン スフォーメーショ ン)の推進 | DXの推進により業務効率化、作業の生産性向上、省力施工を実現 | |
経営基盤の強化 | 事業基盤の強化 | 事業の成長と企業価値の向上へ4つの重要課題を実践(①安全・品質管理の徹底 ②収益力の強化 ③施工体制の増強 ④ガバナンスの強化) 多様化・高度化する環境や顧客のニーズに対応し持続的な成長を実現 |
人財戦略 | 人財の能力を最大限に生み出す企業ブランディング、Well-being(ウェルビーイング)を実現 ①人財育成 ②DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン) ③エンゲージメントの向上 ④心理的安全性の醸成 | |
経営管理体制の強化 | ガバナンス強化とリスク管理の徹底を目的とした6委員会(①リスク管理委員会 ②コンプライアンス委員会 ③情報セキュリティ委員会 ④品質管理委員会 ⑤安全衛生委員会 ⑥サステナビリティ委員会)を設置、社会と事業の持続的成長を追求 | |
資本効率経営の推進 | 企業価値向上に向け た現状分析 | 市場の求める株主資本コストを十分に上回ることができていない⇒ 収益性の向上と資本コストを意識した経営へシフト |
資本コストの把握と 目指すべきROE | 当社の資本コスト=株主資本コスト 企業価値の源泉であるエクイティスプレッドを生み出す資本収益性の確保 ⇒自己資本当期純利益率(ROE)8%以上 | |
キャッシュ・ アロケーション | 営業C/F及び手元資金を原資とし、投資・株主還元に戦略的に配分することで、事業成長及び資本収益性を向上 | |
株主還元方針 | 『純資産配当率DOE2%以上』の方針のもと、積極的に還元 |
(3) 優先的に対処すべき事業上の課題と経営指標
当社グループは、中期経営計画において5つの重要戦略を着実に実行し、収益性の向上に努めてまいります。合わせて資本効率を高めることが当社の企業価値向上に資することから、自己資本当期純利益率(ROE)を経営上重視すべき経営指標としております。
中期経営計画において目標とする経営指標は以下のとおりです。
| 2024年度実績 | 2025年度予想 | 2026年度目標 |
売上高 | 237億円 | 235億円 | 270億円 |
経常利益 | 11.64億円 | 9.50億円 | 15.00億円 |
ROE | 5.9% | 4.8% | 8.0% |
配当(1株当たり) | 50円 | 52円 | DOE2%以上 |
DOE | 2.6% | 2.6% |
企業価値の向上に向けROEの引き上げは急務と考えており、引き上げの施策として以下を実施してまいります。
①重要戦略への取り組みを通して利益を増加。
②営業キャッシュ・フロー及び手元資金を原資とし、将来の成長に繋げるための資金の有効活用として、既存事業投資、成長分野投資(海外事業、環境関連、M&A)及び配当に中期経営計画の3年間で70億円の投資枠を設定。
③配当方針をDOE2%以上とし、積極的な株主還元を実施。
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