テックファームホールディングス
【東証グロース:3625】「情報・通信業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「最先端テクノロジーと創造力で、産業の変革をリードします。」をミッションとして掲げ、ITの発展に寄与すべく前例のない技術開発にも果敢に挑戦し、社員の成長と顧客の価値創造の実現により、社会貢献に努めてまいります。
(2)経営戦略等
先端技術・テクノロジー領域(受託開発型)であるICTソリューション事業は、近年、事業成長を加速させるべく大型開発案件の獲得に注力してきた結果、複数案件が安定稼働し、着実に業績の向上に寄与しております。そして、次なる大型案件に備え、営業部門の再編や開発プロセスの高度化を継続してまいります。産業イノベーション領域(自社サービス提供型)であるクロスボーダー流通プラットフォーム事業は、現段階では強化フェーズにあり、今後さらなる発展を目指す事業として基盤づくりを進めてまいります。
これらの取り組みにより、売上高は計画水準に沿って堅調に推移する見通しですが、利益は、中長期的な企業価値向上に向けた体制の充実を図るため、以下の戦略的投資の実行を反映したものとしております。
(ICTソリューション事業)
1.人財への投資
優秀な人財の獲得、自己成長を実感できる環境の実現、そしてエンゲージメントとウェルビーイングの強化を推進してまいります。エンジニアの獲得競争が激化する中、複数の大型開発案件の継続と受注増を見据え、ハイレイヤーエンジニアの採用をこれまで以上に強化すると共に、給与水準の見直しと競争力のある報酬制度の導入に係る費用を見込んでおります。また、既存社員のスキルアップ、マネジメント力強化のため、体系的な教育研修プログラムへの投資を継続し、オフィスや社内ネットワークインフラ、メンタルケアを含めた職場環境のさらなる向上に取り組んでまいります。
2.AI活用による業務変革と社会実装に向けた取り組み
生成AIを全社的に活用する体制を整え、コード生成や要件定義支援などへの活用を進めることで、社内システムの高度化や業務プロセスの自動化を推進してまいります。また、先端技術の革新が加速する中、産業利用を視野に入れたドローン等の研究開発や技術調査にリソースを重点配分し、他社に先駆けた新たなサービスの創出、早期の投資効果の顕在化を目指してまいります。
3.先端技術分野でのプレゼンス向上と開発実績の積み上げ
展示会や業界イベントへの参加など多様な情報発信機会を増やし、コーポレートブランディングの向上及び市場の存在感を高めてまいります。これらにより、当社の技術力とサービスを広く認知させXR・AI分野における開発実績を増やし、競争優位性を高めてまいります。
(クロスボーダー流通プラットフォーム事業)
1.プラットフォームの強化と認知度向上
プラットフォームの認知度向上に向けた広告投資を進め、シンガポール直営店舗及び自社ECサイトを起点に、販売データ分析・SNS・メディアを活用したデジタル販促施策を強化してまいります。そして、売るために必要な環境づくりと、顧客企業の成長実感に繋がる主力商品の創出を支援してまいります。
2.日本国内での積極的な営業活動の推進
単なる輸出支援ではなく、顧客企業の価値を異文化に翻訳・構築するストーリーメーカーとしての立ち位置を明確にした営業活動を推進してまいります。さらに、地方自治体や地域商社など、海外進出を目指す企業への積極的な提案を通して、競争力のある商品を発掘し、ラインナップの拡充を図ってまいります。
そして、グループとして売上高100億円を目指す過程において、成長の源泉であるエンジニアの増強や、クロスボーダー流通プラットフォーム事業に続く、自社サービス提供型ビジネスへの展開が見込める領域においてはM&A、資本業務提携を検討し、事業規模の拡大、収益構造の変革に取り組んでまいります。
以上により、2026年6月期の連結業績につきましては、売上高7,200百万円、営業利益600百万円、経常利益580百万円、親会社株主に帰属する当期純利益330百万円を見込んでおります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性と継続的成長を実現することを経営目標と認識し、売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しております。また、事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討する方針であり、その場合、のれんの償却額が増加する可能性があるためEBITDA(※)を経営指標としております。
※ EBITDA=営業損益+減価償却費+のれん償却額
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、日経平均株価が高水準で推移し、春闘における賃上げの継続やインバウンド需要の回復を背景に消費の底堅さが見られました。一方、米国の関税政策による通商リスクの高まりや、ウクライナ侵攻や中東地域の地政学的リスクの長期化など、外部環境の変動が企業収益や国内消費に与える影響が懸念されております。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、様々な業種で老朽化した基幹システムの維持コストや不具合が増える「2025年の崖」に備えた刷新需要や、生成AI技術を活用した新たな事業創出などIT投資の拡大が見込まれる一方、高い技術を持つエンジニアを様々な産業で奪い合う構図は、人件費、採用コスト増、開発パートナーの単価上昇となるため、それらを吸収できる付加価値の高いサービスを提供し、顧客満足を高めていく必要があります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき課題は、以下のとおりです。
① 先端技術の習得
あらゆる産業分野において、先端技術を活用したDXが進み、今後も拡大していくものと予測されております。当社グループは、市場ニーズに的確に応えることが出来る技術力を習得し保持するため、ICTソリューション事業において先端技術、特にAIとXR(VR/AR/MR等)のスマートデバイス連動を活用した案件を増やしていくことが重要と捉えております。また、パートナー企業とのアライアンス等による、新技術の研究・実証実験に努め、お客さまのITパートナーとして、生産性の向上やビジネスの発展に貢献してまいります。
② 人財の確保と育成
当社グループが、中長期的に成長していくためには、先端技術や大型案件を担えるエンジニアの獲得と育成が重要な課題であると認識しております。このような課題に対処するため、会社のブランディング強化による知名度の向上やキャリアに応じた教育制度を整備し、技術力の底上げと組織全体のパフォーマンス向上を図ってまいります。また、当社グループは「働き方の多様性」を尊重し、リモートワークや時短勤務の制度化、国内遠隔地を対象としたフルリモート勤務を導入することで、優秀なエンジニアを広く迎え入れ、その能力を長期にわたり発揮できる環境を構築してまいります。
③ 事業領域の拡大
売上高の大部分を構成する先端技術・テクノロジー領域であるICTソリューション事業は受託開発型の事業モデルとなっているため、強固な経営基盤と持続的な成長を可能とする多極的な事業構造に転換していく必要があります。当社グループは創業以来ICTを活用し、様々な業界のお客さまと業務効率化・改善を実現してまいりました。その知見とノウハウを融合し発展させることで、先見的な自社サービス提供型ソリューションの開発、事業化を推進し、産業イノベーション領域の拡大と収益構造の変革に取り組んでおります。
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