ツインバード
【東証スタンダード:6897】「電気機器」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、経営理念として「感動と快適さを提供する商品の開発」「相互信頼を通じた豊かな関係づくり」「快活な職場づくりへの参画と社会の発展への寄与」「自己の成長と豊かな生活の実現」を掲げ事業活動を進めております。
また、上場企業としての原点に立ち返り、ステークホルダーズの皆様のご期待にお応えし続けるため、2030年に向かって長期ビジョン「VISION2030」として「お客様満足№1」のその先へ ~燕三条発のイノベーションで、世界中の人々に持続可能な幸せを提供するブランドになる~」を策定しました。
(2)2025年度の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
私たちの強みは、TWINBIRDブランドのもと、商品開発型企業として自社工場を含め、企画・開発からアフターサービスまでのバリューチェーンを有しており、加えて、全国でも屈指のものづくりの町である新潟県燕三条地域の協力企業をはじめとする経営資源に恵まれ、お取引先企業と共創の精神をもって新たな付加価値を生み出すことができることです。
中期経営計画(2023-2025)では、需要の大きな生活必需品カテゴリーに、ツインバードの独自性あふれる製品を少人数世帯の生活者に向けて小型から中型までのラインナップで拡充することにより、市場における独自のポジショニングを確立してまいります。2023年8月に発表した2030年を見据えた長期ビジョン「VISION2030『お客様満足№1』のその先へ ~燕三条発のイノベーションで、世界中の人々に持続可能な幸せを提供するブランドになる~」実現のため、中長期的な事業成長に向けた新たな取り組みや戦略的投資を継続してまいります。
しかしながら、歴史的な円安の継続による原価高騰及び物価上昇等による個人消費回復の遅れの影響が中期経営計画策定当初の想定を大きく上回っていることから、中期経営計画最終年度である2026年2月期の業績予想は、数値目標を大きく下回る見通しとなっております。現中期経営計画の基本戦略を推進する一方で、数値計画未達の要因分析をおこない、2027年2月期から始まる次期中期経営計画(2026-2028)の策定を進めてまいります。
2026年2月期につきましては、上記の状況を真摯に受け止め、収益性の改善に向けて軌道修正をいたします。これまでの当社の収益構造を販売チャネル及び商品分野視点で改めてポートフォリオ分析をおこなった上で、「収益構造の再構築」「固定費・変動費の最適化」「成長事業の推進」の3つの項目から、次のような施策を実行してまいります。
家電製品事業においては、「匠プレミアム」「感動シンプル」の2つのブランドラインを軸に、お客様起点での製品ラインナップを拡充する方針は継続いたします。
一方、営業と商品開発とのさらなる連携強化により、安定した収益が見込めるB2B等の販売チャネルに向けて、お取引先のプライベートブランド製品やOEM製品の営業活動及び、新製品開発を推進してまいります。また、商品開発の体制を見直し、バリューチェーンの連携強化による新製品開発の効率アップを図り、金額ベースでは前期比倍増の新製品を投入して売上拡大を図ってまいります。
さらに、2025年1月14日付け発表のとおり、家電製品について2025年3月1日より出荷価格を従来価格の約10%以上に順次改定して、円安やエネルギー資源価格の高騰の影響を抑制してまいります。
一方、地政学リスク及び円安基調の継続などの外部環境に対応するため、国内製造比率を50%までに引き上げることを目指し、新潟県燕三条地域のものづくり資源を活用し国内製造の新製品やOEM製品の開発を推進することにより、さらなる品質向上及び原価低減を推進してまいります。
また、2024年12月より導入のサプライチェーンマネジメント基幹システムによる自動化・省力化を推進し、まずはローコストオペレーションを図ります。さらに生産性向上プロジェクトを立ち上げて業務効率化及び付加価値創造の取り組みを推進してまいります。
FPSC事業については、注力する4分野のうち、特に「医薬・バイオ」分野の成長を想定しております。今後成長するバイオ医薬品市場における搬送・保管には、厳密な温度管理(冷凍-20~-40℃、極冷凍-70~-85℃)のコールドチェーン構築が不可欠となります。厚生労働省向け可搬型武田モデルナ社製ワクチン用低温冷凍庫(出荷累計 約12,000台)によるコールドチェーン構築実績や2024年10月に取得した世界保健機関(WHO)が定める医療機材品質認証(Performance, Quality and Safety、以下、PQS)を活かし、当社は今後もSDGsの一つである「すべての人に健康と福祉を」の達成に向けて、国内外のネットワークを通じグローバル規模での最新技術に基づくコールドチェーンの構築や医療サービスの拡充に参画し、当社FPSC技術が医療分野でスタンダードの一つとなるよう取り組んでまいります。
「決算・財務報告プロセスにおける開示すべき重要な不備について」
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。従って、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
1.開示すべき重要な不備の内容
当社は、2025年2月期の会計監査人による会計監査の過程で、2024年12月より新たに導入した基幹システムにおいて、在庫単価及び仕入に関連する諸掛費の検証が不十分であること等に起因する在庫購買管理に関する会計処理の誤謬が判明し、決算短信発表後に複数の会計処理の修正をすることとなりました。この会計処理の誤謬が生じた原因は、以下のIT全般統制及び全社的な観点に基づく決算・財務報告プロセス統制の不備にあると認識しています。
① IT全般統制の不備:新基幹システム導入時におけるシステムテスト工程の不備
当社は、生産性の向上及び業務の効率化を目的として、2024年12月に新たな基幹システムを導入しています。この新基幹システムの導入前のシステムテスト工程において、原価計算及び関連データの連携機能の領域で検証手続が不十分だったため、新基幹システムの本番稼働後にシステム内での原価計算の結果において一部不整合が発生しました。これにより、新基幹システムの原価計算機能を業務に適用せず、システム外で原価計算を行う暫定的な対応を行ったため、原価計算に関する決算手続を適時におこなうことができず、決算作業が遅延したことで、在庫購買管理に関する決算統制を十分に実施することが困難となりました。
② 全社的な観点に基づく決算・財務報告プロセス統制の不備:新基幹システムにおける在庫購買管理に関する決算・財務報告プロセスを実行するために必要な人的リソースの不足
上記の新基幹システムの開発を進める中で、情報システム部門及び財務経理部門において、新基幹システムの在庫購買管理に関する開発要件を理解した重要な担当者が退職したものの適切な引継ぎがされず、新基幹システムにおける在庫購買管理に関する決算・財務報告プロセスを実行するために必要な人的リソースが不足することとなりました。その結果、在庫購買管理に関する決算統制が適切に運用できておりませんでした。
なお、開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、全て財務諸表に適正に反映しております。
2.当事業年度末までに是正できなかった理由
上記事実の判明は、当事業年度末日後であったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度の末日までに是正することができませんでした。
3.開示すべき重要な不備の是正方針
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するため、以下の方針に基づく改善策を講じて適正な内部統制の整備及び運用をおこないます。
① 新基幹システムにおける原価計算及び一部関連データの連携機能の十分な再検証と業務への適用
IT全般統制における開発管理体制を強化し、外部専門家の協力を得て、現状の新基幹システム導入時におけるシステムテスト工程の検証手続が不十分であった領域について、十分に再検証し、新基幹システムの原価計算機能を業務に適用します。
② 在庫購買管理に関する決算・財務報告プロセスを実行するために必要な人的リソースの確保
財務経理部門及び関連部門における人員の補強と在庫購買管理に関する業務知識の向上施策を外部専門家からの支援も含め実施します。
(3)目標とする経営指標
新中期経営計画(2023-2025)の最終年度となる2025年度について、以下の数値目標を掲げております。
なお、2024年度の経営成績概要については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(中期経営計画(2023-2025) 最終年度(2025年度) 数値目標)
| 2025年度 (2026年2月期) 目標値 | 参考:2024年度 (2025年2月期) 実績 |
売上高(百万円) | 15,000 | 10,056 |
営業利益(百万円) | 800 | 4 |
営業利益率 | 5.3% | 0.0% |
ROE(自己資本利益率) | 5.0%以上 | -% |
DOE(純資産配当率) | 1.8%以上 | 1.8% |
PBR(株価純資産倍率) | 1.0倍以上 | 0.6倍 |
(注)本計画に記載されている内容は、種々の前提に基づいたものであり、記載された将来の計画数値や施策の実現を確約したり、保証するものではありません。
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