企業兼大株主ダスキン東証プライム:4665】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当企業集団では、主に当社が提供する商品及びサービスに関連する清掃及び洗浄関連商品と加工技術の研究開発に取り組んでおり、品質・環境対策を重視した活動を行っております。

(1)研究開発方針

 当社は、消費者に対して当社が届けるトータルクリーンケアに関する商品・サービスについて、安心且つ信頼のおけるダスキンブランドの確立を目指しており、基盤技術深耕、新商品開発、商品の品質向上及びSDGsへの対応を中心とした研究開発活動に取り組んでおります。

 この目的達成のために、清掃・衛生関連分野において、生活者を第一に捉え、下記5項目を実践し、社会に対して健康で快適な暮らしを提供することを基本方針として研究開発に取り組んでおります。

・常に社会・家庭の実態を把握し、お客様の困りごとを分析して研究開発の優先度を決定します。

・新規性、進歩性、独自性に富んだ研究や技術開発を行います。

・社会・人・自然に対して、安全・安心が担保できる商品を開発します。

・環境保全に寄与し、省資源化が可能な原材料を使用した商品を開発します。

・市場に導入された商品は、常に改良を図り、顧客・生活者に最適な機能とご満足をお届けします。

 また、当期は研究開発活動を広く知っていただくことを目的に、当社ホームページの開発研究所「衛生分野の研究」や「ホコリ分野の研究」を更新し、各種学会や団体主催のセミナーでの情報発信を行っております。

(2)研究開発体制

2024年3月31日現在、開発研究所は生活者や事業者に密着し、環境衛生分野における新しい事実や法則性を見つけ、明らかにする実験的研究を担う「基礎研究室」、基礎研究で得た知識や新たな素材・技術を元に実用化に向けた研究を行う「応用研究室」、モップ・マットを中心とした新たなレンタル商品素材や製造・加工方法を研究・開発する「ダストコントロール研究室」、化成品・フィルターを中心とした衛生関連商品素材の製造・加工方法を研究・開発する「ハイジーンコントロール研究室」の4部門構成であり、部長を含め45名の体制となっております。

(3)当連結会計年度における主な成果

①基礎研究関連

 ハウスダスト中の健康阻害物質(ダニアレル物質、食物アレルゲン、カビ、花粉、SVOC(準揮発性有機化合物))の実態把握とエアコンサービスと空気清浄機の有効性に関する研究を行っております。得られた結果は、WEBサイトと2024年2月~3月に実施された市民公開講座で情報発信を行いました。昨年から取り組んでいる清掃方法の行動認識技術を応用し、効率的な衛生層管理を実施するための店舗の汚れを推測する行動認識技術の研究とデータの蓄積を始めております。

②応用研究関連

 基幹事業であるモップ・マット構成素材の新素材や製造技術研究、吸着剤の機能開発に取り組んでおります。

 モップ分野では、ダスト捕集性とリリース性の両方の性能を有した捲縮パイルの開発、払拭対象面に抗菌性能が4週間持続するコーティング技術の開発を行いました。商品の衛生性能訴求のため、家庭用モップ、事業所用モップの「抗ウイルス加工」と「抗菌防臭加工」に続き、事業所用の一部の商品で「制菌加工」と「消臭加工」のSEKマークを新たに取得いたしました。

 マット分野では、原料のリサイクル化に向けて、廃棄となったマットを素材ごとに分離する技術やケミカルリサイクル技術の研究を行っております。

③ダストコントロール研究関連

 既存モップ・マットの軽量化や高耐久化に向けた研究開発に取り組むと共に、モップ分野では便器周りや目地の汚れとり効果に優れ、且つ抗菌・消臭加工を施した衛生的な事業所用の化粧室・トイレ用モップやペットと暮らす方の掃除の負担、時間、手間の軽減が可能な家庭用のペット用フロアモップを導入いたしました。新たに家庭用のモップや、事業所用の大型モップの研究開発を行っております。マット分野では、レディメイドマットの吸塵・吸水マットで、現行の商空間に合わせた定型サイズ最小のSSサイズを導入いたしました。

④ハイジーンコントロール研究関連

 既存洗剤類の「安全・安心」の向上や除菌、抗ウイルス等の「機能性」の向上のための研究開発を継続して進めております。新たな分野として、ペット飼育家庭のニオイ対策をテーマに臭気成分の分析、消臭・脱臭技術の研究を行い、いぬ・ねこ用消臭おそうじスプレーを導入いたしました。また、環境配慮の観点から主要な洗剤のボトルに使用している樹脂の削減に取り組み、2023年3月期から順次導入を開始いたしました。ツールやレンジフードフィルター等の商品パッケージフィルムの薄肉化や再生プラスチックの検討を進めており、リサイクル及び廃棄物削減に向けて取り組んでおります。

(4)研究開発費

 当連結会計年度の研究開発費の総額は644百万円であります。

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