企業ダイワボウホールディングス東証プライム:3107】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは経営理念として、「私たちは、創造と革新、融合のシナジーによって、グローバル市場でお客様第一に新たな価値を生み出し、人間社会と地球環境に役立つ未来を実現します」を掲げ、この経営理念の実現に向け、当社グループはバリュー・イノベーション(価値革新)を推進する創造革新企業として、資本財から生産財・消費財にわたり、お客様のための価値創造と株主及びその他のステークホルダーとの緊密な信頼関係のもと、常に「自己責任」「自己改革」を念頭に活力ある企業文化の構築に取り組み、ダイワボウグループの連結企業価値の向上を目指しております。

 また当社グループは、ITインフラ流通事業での「ITインフラ」、繊維事業を中心とした「生活インフラ」、産業機械事業での「産業インフラ」の3事業における「社会インフラ」の領域で三位一体のグループ経営の推進により、地球環境との共生と持続可能な社会の創造への貢献を目指すことをグループビジョンに掲げ、顧客志向を原点とした新市場・新事業の創出とグループ連携を基盤とするグローバル戦略に基づくグループ経営の推進により、連結収益力の強化とキャッシュ・フローの最大化を実現することを経営の基本方針としております。

(2) 経営戦略等

 当社グループは中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の対象期間を「将来にわたる発展を見据えた転換期」と捉え、グループ基本方針として「次世代成長ドライバーの創出」「リーディングカンパニーとして新たな社会作りへの貢献」「経営基盤変革」を掲げ、次なる時代に向けた成長戦略と事業を通じた社会貢献の実践による企業価値の向上に取り組んでまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、収益性とともに、ROE(自己資本当期純利益率)、ROIC(投下資本利益率)などの指標を参考に、株主資本の効率化に取り組んでおります。

(4) 経営環境

 当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和から経済活動が徐々に正常化することで緩やかな景気回復が見られた一方で、急速な為替の変動、原材料やエネルギーコストの高騰もあり景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く環境は、IT業界では円安による仕入原価の上昇はありましたが、半導体不足によるIT機器全般での納期遅延は徐々に解消し企業や官公庁を中心に需要は底堅く推移しました。また、繊維業界では全体的に厳しい市場環境が継続し、原燃料高の影響も受けました。産業機械業界でも原材料高騰の懸念は継続しているものの受注環境は中国市場を中心に回復傾向にありました。

 新型コロナウイルス感染症等の影響につきましては、ITインフラ流通事業では、企業のテレワークやオンライン会議活用、クラウド移行などのIT需要が継続する一方で、IT関連商品・部品の製造拠点で工場稼働が滞ることによるサプライチェーンへの影響が懸念されました。繊維事業では、外出自粛等による衣料品等の市況悪化、イベント中止等による産業資材の需要減がありました。産業機械事業では、企業の設備投資の停滞がみられ、海外向けの営業活動、出張工事が一部制限されました。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の経済見通しについては、引き続き景気の持ち直しが期待されますが、原材料、エネルギーコスト高騰の長期化や為替の急激な変動等による影響が懸念され、当面は不透明な状況が続くと見込まれます。こうしたなか、当社グループは「将来にわたる発展を見据えた転換期」と位置づける中期経営計画の最終年度を迎えます。次なるステージに向けて、社会構造の変化に機敏に対応し、グループの成長戦略を推し進め、連結企業価値の向上につなげるよう、取り組んでまいります。

 事業別の施策といたしましては、ITインフラ流通事業においては、今後のIT市場では、DXの推進や電子帳簿保存法対応、インボイス制度対応などを目的にしたIT支出もあり、中堅中小企業も含めて需要は底堅く推移することが見込まれます。そのような背景もあり、2023年度期初時点で進行中のIT投資案件は前年の同時期と比べ増加している状況です。2023年度もデバイスを中心とした既存ビジネス領域の拡大を図るとともに、2024年度以降に発生するPC入れ替え需要を見据えた提案活動も強化します。また、成長分野であるサブスクリプションビジネスにおいては、「iKAZUCHI(雷)」のサービス拡充や利便性の強化を図り、パートナーのサブスクビジネス支援を継続していきます。また既存システムがハイブリッドクラウドへシフトすることに伴い、クラウドだけでなく、ネットワーク機器や周辺機器の需要の高まりも期待されます。次世代のインフラビジネスに関連した商談を多く発掘するため、提案活動と販売パートナーへの支援体制強化を図ってまいります。

 繊維事業においては、ESG経営やSDGsを事業運営の基本におき、事業横断的な研究開発体制を基盤としたビジネスモデルへの変革を進めてまいります。合繊・レーヨン部門では、環境配慮型製品の新規開発と商圏の確保に加え、リサイクルレーヨンの販路拡大にも注力いたします。産業資材部門では、カートリッジフィルターを中心に、高付加価値商品を拡販し収益基盤の安定化を図ります。衣料製品部門では、難燃素材の活用など差別化商品の開発と、サステナブル素材を使用した商品の新規顧客開拓、用途展開を進め、収益性の向上に注力してまいります。

 産業機械事業においては、工作機械部門では、戦略的に在庫機を保有し、受注が活況に推移している中国向けにおいて上海ショールームを活用して拡販を図ってまいります。主力の航空機業界では、生産回復に向け準備を進めている客先もあり、増産に向けて最適な仕様提案ができるよう情報収集を行い、販売促進に取り組んでまいります。自動機械部門では、コスト低減、納期短縮、アフターサービスの強化を図るために体制を整備し、販売拡大を図ってまいります。

 また、当社はコーポレートガバナンスを経営上の最重要課題の一つとして認識しております。グループ各社の連携のもと、内部統制機能の一段の充実と、より最適なガバナンス体制の確立に努め、株主の皆様をはじめステークホルダーとの良好な信頼関係を保ちながら、サステナビリティ活動の充実など、なお一層の自己変革に取り組み、企業の社会的責任を果たしてまいる所存であります。

◎次期中期経営計画策定に向けた取組み

2024年5月発表予定の次期中期経営計画策定に先立ち、当社は「全社パーパスの確立と成長戦略の策定」「グループ全体での価値最大化に向けた最適な事業ポートフォリオの確立」「成長投資と株主還元の最適化の実現」の3つのテーマを重点検討事項として、現在検討を進めております。

「全社パーパスの確立と成長戦略の策定」では、当社グループのアイデンティティを見定め、社会的な時流と会社組織のDNAを踏まえたパーパスを定義し、今後発信してまいります。そのうえで、分野ごとに成長性や付加価値を検証しながら、当社の社会的意義を実現していく観点で成長戦略の策定に向けた検討を進めております。

「グループ全体での価値最大化に向けた最適な事業ポートフォリオの確立」については、経済産業省策定の事業再編実務指針等を参考にしながら、既存事業についてベストオーナー原則と事業環境評価、資本収益性を検証しております。まずは、当社が対象事業にとって事業の価値を最大化できる主体(ベストオーナー)であるかについて、「事業シナジー」「資金調達上の優位性」「戦略策定」「本社機能・資源」「オペレーションへの積極的な関与」の5つの項目をとおして事業価値最大化をサポートできているかを評価しております。次に、対象事業が、持続的な価値創出が可能かについて、「資本コストを上回る資本収益性を将来にわたって創出できているか」という観点で評価をしております。これらをもとに、企業価値に最も寄与する戦略的選択肢も含めて検討中であり、最適なタイミングにて実行する予定であります。

 なお、繊維事業については、企業価値最大化に向けた戦略的選択肢としてグループからの独立化を検討中であり、大和紡績を交えた具体的な協議を開始し、株主・従業員・取引先等にとって適切な方法で繊維事業の価値向上に寄与する選択肢を検討しております。

「成長投資と株主還元の最適化の実現」については、資本コストを踏まえた最適な成長投資と株主還元を実現し、企業価値の向上を目指すキャピタルアロケーションの方針を策定し、「ヒト・モノ・カネ」のリソース配分の最適化と、株主の皆様へのリターンを最大化できる資本政策の確立を目指してまいります。

 各事業会社で生み出された収益の配分方針について、それぞれの事業ごとの業績拡大に向けた成長投資のみを優先するのではなく、グループ全体としての収益性の最大化を目指すためのキャピタルアロケーションを検討中であり、次期中期経営計画に向けて議論を深めております。

 これらの重点検討項目に関する検討体制として、社外取締役が過半数を占める取締役会において中長期的な経営課題について検討すべき事項を決定し、社内取締役と外部アドバイザーが参画するワーキンググループにて分析・検証した内容を、取締役会で集中的に議論する体制を整備しております。

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