ダイトウボウ 【東証スタンダード:3202】「繊維製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1)経営方針
120年を超える当社の歴史と伝統を背景に、経営理念である「進取の精神」と「自利利他の心」に基づき、発想力を活かし無限大の可能性へ挑戦していく。もって、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、社会に役立つ企業、環境に優しい企業、人々の笑顔を大切にする企業となり、日本のより良い未来の創造に貢献する。
(2)経営環境
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したものの、政府による行動制限の大幅な緩和や政府の経済対策などの効果により、全体として景気は緩やかな持ち直しを続けた。一方で、円安・資源高に伴う恩恵を受ける業態と、輸入物価の上昇によるコストアップの悪影響を受ける業態の2極化が進みつつあることに加え、秋以降の急激な消費者物価上昇による消費者マインドの冷え込みも懸念される状況となった。
このような中で、当社グループは、「中期経営計画ブレークスルー2024 ~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」に基づき経営諸課題に取り組んだ。
商業施設事業においては、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」で新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和の効果でクリスマス・年末商戦などが順調に推移し、春休みには回復が一段と鮮明になった。一方、コロナ禍で一部ファッションテナントが退去する機を捉え、一過性のコスト負担はあるものの本館の区画を大幅に見直し大型テナントを誘致する方針とし、そのための工事に着手した。ヘルスケア事業においては、東京・大阪2拠点体制の連携を強化し相乗効果を高めることに注力し改善傾向にあるものの、羊毛原料価格の上昇に伴う買い控えや東京地区の大口既存取引先への販売の回復が遅れていることを主因に苦戦した。せんい事業においては、官需ユニフォーム事業が期末にかけて復調したものの、好調であった中国の上海現地法人の業績が主要取引先の資本関係の変更により落ち込むこととなった。
(3)中期経営戦略
当社グループは、「中期経営計画 ブレークスルー2024~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」に基づき、以下の施策を進めている。
収益の柱である商業施設事業に経営資源の傾斜配分を継続するとともに、コロナ禍で市況回復が遅れている低採算の一部アパレルOEM業務や旧来型の低機能な寝具の製造販売を縮小し、働く女性などをターゲットとしたジェンダーフリーなアパレルOEMや高機能のヘルスケア製品販売へのシフトを一段と推し進めていく。その際、SDGsに準拠したテーマでの事業展開に注力するとともに、ESG(環境・社会・ガバナンス)などの概念もしっかり意識して取り組んでいく。こうした、事業推進においては、当社事業相互の垣根を取り払いオールダイトウボウとしてベストなソリューションを顧客に提供することや、自社ECサイトなど非対面のチャネル活用などにより、ニューノーマル下での新たなビジネスチャンスをしっかり捉えていく考えである。
また、「中期経営計画 ブレークスルー2024~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」において、2024年3月期の財務目標として、「営業利益率9%以上」「NetDER150%以下」「ROE6.5%以上」を掲げている。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、今後は、新型コロナウイルス感染症の影響から脱し、緩やかな回復軌道に乗ることが見込まれる。ただし、円安と資源高による物価上昇が消費者マインドの回復への圧力となるリスクがあるなど、引き続き経済・物価情勢に十分な注意が必要な展開が見込まれる。
こうした環境下、当社は引き続き「中期経営計画ブレークスルー 2024~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」に基づく諸施策への取り組みを継続する考えである。計数目標については、誠に遺憾ながら、長引いた新型コロナウイルス感染症の影響を受け、計画を下回る結果となった。しかしながら、中期経営計画の基本的な考え方である、コロナ後のニューノーマル下における市場変化への対応を見据え、 事業ポートフォリオを見直し、より収益性・将来性の高い業務へのシフトを強める考えに変わりはない。
収益の柱である商業施設事業に経営資源の傾斜配分を継続するとともに、コロナ禍で市況回復が遅れている低採算の一部アパレルOEM業務や旧来型の低機能な寝具の製造販売を縮小し、働く女性などをターゲットとしたジェンダーフリーなアパレルOEMや高機能のヘルスケア製品販売へのシフトを一段と推し進めていく。その際、SDGsに準拠したテーマでの事業展開に注力するとともに、ESG(環境・社会・ガバナンス)などの概念もしっかり意識して取り組んでいく。こうした、事業推進においては、当社事業相互の垣根を取り払いオールダイトウボウとしてベストなソリューションを顧客に提供することや、自社ECサイトなど非対面のチャネル活用などにより、ニューノーマル下での新たなビジネスチャンスをしっかり捉えていく考えである。
主な事業戦略の概要は以下の通りである。
A.コロナ後の市場変化への対応
①ニューノーマル下の新規事業展開については次のとおりである。
a.新時代での商業施設運営ノウハウの蓄積・強化
・地域密着の強みを活かした独自性を一段と強化する。
・マスターリース(フロア転貸)業務に取り組む。
なお、商業施設サントムーン柿田川内において新たな区画整理のための工事に取り組み、2023年4月28日付で大型ファッションテナントGU(ジーユー)が出店した。
b.事業部門の枠を取り払ったダイトウボウクオリティの訴求
・ヘルスケア・繊維のオールダイトウボウの技術を結集して顧客ニーズに応える。
c.ネット関連などデジタル化の波に乗るビジネスへの取組
・自社サイト「Daitobo Healthcare Shop」「寝具の匠」を拡充する。
・SNS連携などを駆使して、B to Cを強化する。
d.お年寄りの心に優しく届くJapanクオリティ「匠の逸品寝具」の製造
・国内グループ工場(新潟)の新しいブランドイメージを構築する。
②ニューノーマル下の縮小業務については次のとおりである。
将来性が見込みにくいと判断される市場での業務縮小を検討する。
a.市場の拡大が難しいと判断される低機能の布団製造販売を縮小する。
b.採算性の低い低付加価値のOEM業務を縮小する。
c.信用リスクを常に注視し信用面での適切な事業ポートフォリオの構築に努める。
B.また、経営管理上のテーマとして以下に取り組んでいる。
①財務戦略
a.財務マネジメントの強化
当社は商業施設事業への積極投資により有利子負債が相応に積みあがっている。このため、Net DER指標を目標化するなど有利子負債の着実な削減とキャッシュフローマネジメントを引き続き強化する。なお、金利上昇リスクをヘッジするため、2022年12月末には長期借入金利の大半を固定化した。
②人材育成
a.少数精鋭の組織力強化
全社的かつ継続的な人材レベルの底上げはもとより、特に、商業施設事業のプロ人材育成、女性営業職や女性管理職の育成に注力する。
b.ワークライフバランス向上
リモートワーク定着、ワークライフバランス向上などの新時代の観点を踏まえ、組織マネジメントの強化に努めるとともに社内コミュニケーションの一層の向上に取り組む。
③ガバナンスのさらなる強化
東証スタンダード市場および名証プレミア市場の上場企業として求められるコーポレートガバナンスコードを遵守し、一段のガバナンス強化に努める。
以上により、当社グループは、ニューノーマルの新たな時代を、127年を超える当社の歴史と伝統を背景に、経営理念である「進取の精神」と「自利利他の心」に基づき、役職員一同全力で、発想力を活かし無限大の可能性へ挑戦していく。もって、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、社会に役立つ企業、環境に優しい企業、人々の笑顔を大切にする企業となり、SDGsの実現と日本のより良い未来の創造に貢献していく所存である。
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